Download presentation
Presentation is loading. Please wait.
Published byかずし かつま Modified 約 8 年前
1
7/12 No. 1 量子ビーム基礎(石川顕一) 量子ビーム基礎 6 月 7 日 レーザーとは・レーザーの原理 6 月 21 日 レーザー光と物質の相互作用 6 月 28 日 レーザーの生体組織への影響 7 月 12 日 レーザーの応用 参考書:霜田光一著「レーザー物理入門」岩波書店 M. Niemz, “ Laser-Tissue Interactions, ” Springer 石川顕一
2
7/12 No. 2 量子ビーム基礎(石川顕一) レーザーの応用 新しい超高速・高強度短波長光源 – 高次高調波発生技術 医療応用 – ガンの光線力学的治療 (PDT) – 腰痛治療 (PLDD) – 視力矯正 (LASIK)
3
7/12 No. 3 量子ビーム基礎(石川顕一) 高調波発生 線形光学効果(弱い光) 非線形光学効果(強い光) 結晶、ガス等 物質の応答が、入射光強度に比例 物質の応答が、入射光強度に非線形に依存 :3次高調波 :5次高調波 波長変換 反転対称な媒質では、 線形分極 非線形分極
4
7/12 No. 4 量子ビーム基礎(石川顕一) 摂動論的高調波発生 基底状態 電離 仮想準位 基底状態 電離 仮想準位 3次高調波 5次高調波 次数が高くなるほど、発生効率は減少。 水素原子に対するシミュレーション レーザー電場 << 原子核のクーロン力 レーザーは摂動にすぎない。
5
7/12 No. 5 量子ビーム基礎(石川顕一) 高次高調波発生の発見 実験 (1987 年 ) シミュレーション カットオフ プラトー 新しい極端紫外・軟エックス線光源 プラトー:次数の増加にもかかわらず、 発生効率が、あまり減少しない。 高次高調波の最も重要な特徴 摂動論的には解釈できない
6
7/12 No. 6 量子ビーム基礎(石川顕一) 高次高調波発生のメカニズム レーザー電場 電子 トンネ ル電離 電場中の古 典的運動 再結合 → 発光 高次高調波(非摂動論的) レーザー電場 〜 原子核のクーロン力 トンネル効果とは 古典力学 量子力学
7
7/12 No. 7 量子ビーム基礎(石川顕一) レーザー電場中での古典的運動 レーザー電場 運動方程式 運動エネルギーの平均 ポンデロモーティブエ ネルギー(動重力) レーザー電場 電子 トンネル 電離 電場中の古 典的運動 再結合 → 発光 カットオフ
8
7/12 No. 8 量子ビーム基礎(石川顕一) 高次高調波の高強度化 (理化学研究所レーザー物理工学研究室)
9
7/12 No. 9 量子ビーム基礎(石川顕一) 最適化された高次高調波 27th ビーム径 強度 二次元の空間形状:理想的なガウス型 27 次を中心に 5 本程度のみ 特定の次数の高調波を強 く発生できる。 空間コヒーレンス:非常に高い コヒーレント量子ビーム
10
7/12 No. 10 量子ビーム基礎(石川顕一) 他の短波長コヒーレント光源との比較 エックス線レーザー 自由電子レーザー と比較して、高強度、高速(超短パルス) 高次高調波 高強度の極端紫外・軟エックス線光源 自由電子レーザー
11
7/12 No. 11 量子ビーム基礎(石川顕一) レーザーの医療応用 ガンの光線力学的治療 (PDT) 腰痛治療 (PLDD) 視力矯正 (LASIK)
12
7/12 No. 12 量子ビーム基礎(石川顕一) がん治療 3つの主要な治療法 – 外科手術 – 放射線治療 – 化学療法(抗ガン剤) 量子ビームを用いる治療法の例 – 中性子:ホウ素中性子捕捉療法 (BNCT) – 荷電粒子:粒子線治療 – レーザー:光線力学的療法 (Photodynamic therapy, PDT)
13
7/12 No. 13 量子ビーム基礎(石川顕一) 光線力学的治療法 Photodynamic therapy (PDT) 方法 腫瘍親和性光感受性物質(商品名フォトフリン)を静脈注射する。 – フォトフリンは、腫瘍組織には正常組織の約4倍とりこまれ、 48 時間以上 停滞する。 – 正常組織からは、肝臓・腎臓を除き 24 時間以内に排泄される。 48 時間後から 72 時間後にレーザーを照射する。 – 組織透過性の比較的高い 630nm の赤色光を発生するエキシマダイレーザー (EDL) が用いられる。 – レーザー光は、石英ファイバーで病巣に導かれる。 ガンに選択的に集積する光増感剤を光励起した時に、光化学反応に より発生する活性酸素の細胞毒性を利用して行われるガン治療 fig3.4 フォトフリンの構造
14
7/12 No. 14 量子ビーム基礎(石川顕一) 光線力学的治療法 Photodynamic therapy (PDT) 特長 PDT に使用するレーザーは、出力がレーザーメスの 1 / 100 程度と低く、 フォトフリンはがん組織に多く集積するので、正常組織への障害を最小 限に抑え、がん病巣のみを選択的に治療することができる。 切ったり、焼いたりする事のない局所的非侵襲的治療法。麻酔の必要が 無く、痛み、出血もほとんどない。 抗ガン剤のようなきつい副作用がない。 他の治療を妨げないため、外科手術・放射線療法・化学療法との合併療 法が可能。 副作用 日光過敏症 – フォトフリン投与後2〜3週間は直射日光を避け、必要に応じて日 焼け止めクリームの塗布。 – 暗室等に滞在する必要はない。
15
7/12 No. 15 量子ビーム基礎(石川顕一) 光線力学的治療法 Photodynamic therapy (PDT) 承認の略歴 1993 年(カナダ):膀胱ガンの治療の承認 1994 年(オランダ):肺ガンと食道ガンの治療の承認 1994 年(日本):手術等の他の根治的治療が不可能な場合、あるいは、肺または 子宮頸部の機能温存が必要な患者に他の治療法が使用できない場合で、かつ内視 鏡的に病巣全容が観察でき、レーザー光照射が可能な下記疾患 – 早期肺ガン – 表在型食道ガン – 表在型早期胃ガン – 子宮頸部初期ガンおよび異形成 1995 年(アメリカ):食道ガンの治療の承認 日本では、まだ早期ガンに対してしか承認されていない。 – このため、なかなかメジャーな治療法にならない。 – 進行または再発食道ガン・大腸ガンに対する治癒例はある。 外国では、進行ガンに対しても承認している国もある。
16
7/12 No. 16 量子ビーム基礎(石川顕一) 腰痛治療(椎間板ヘルニア) 椎間板ヘルニア 腰痛のおよそ 20 〜 30% 前後をしめる。 全体の 70% が、 20 、 30 歳代 従来の療法 [ 保存的療法 ] 薬物療法:消炎鎮痛剤、 筋緊張緩和剤 理学療法:牽引療法、 温熱、電気加療 神経ブロック:ステロ イド剤と局所麻酔剤 [ 手術 ] 保存的療法で改善がな い場合 長期の入院とリハビリ が必要 長期治療成績はさほど よくない。 負担の少ない効果的な 治療法が必要
17
7/12 No. 17 量子ビーム基礎(石川顕一) 経皮的レーザー椎間板減圧術 Percutaneous Laser Disc Decompression (PLDD) PLDD 専用の使い捨てレー ザーファイバーキット レーザー光を髄核に接触照射 レーザー光が照射された部位では 高熱が発生し蒸散、周辺では凝固 が起こる。(熱的効果) 空洞生成・収縮 椎間板内圧(神経根 への圧迫)の減少 長さ 15cm 、直 径 1.25mm 半導体レーザー ファイバー直径 400 ミクロン 照射時間は 10-20 分 皮膚と筋肉に局所麻酔をし、神経や椎間板には一切麻酔をしない。 術後3時間はベッド上安静
18
7/12 No. 18 量子ビーム基礎(石川顕一) PLDD の特長 手術手技が簡単で出血がない 局所麻酔で治療時間も短い( 10 分〜 15 分) 手術侵襲が少ない為入院が短い( 1 〜 2 日) 傷が残らない 神経の周辺を操作しないので合併症・副作用が少 ない 保険適用外
19
7/12 No. 19 量子ビーム基礎(石川顕一) 角膜屈折異常の矯正 Laser in situ Keratomileusis (LASIK, レーシック ) マイクロケラトームと呼 ばれる電動メスで角膜の 表面を薄く切って(フ ラップ作成)めくる。 エキシマレーザーを照 射して角膜の一部分を 削る(光蒸散)。 めくった角膜表面(フ ラップ)を元へ戻す。 ArF エキシマレーザー 波長 193nm(6.4eV) パルス幅 10 〜 25ns 照射深度 100 m 以下 フラップ厚: 160 m フラップは自然に再 び組織にくっつくの で、縫ったりする必 要はない。 角膜コラーゲン分子の C-C 、 C-N 結 合の結合エネルギーはそれぞれ 3.5eV と 3.0eV 。 治療における新しい概念:健常な組織を切除する
20
7/12 No. 20 量子ビーム基礎(石川顕一) 角膜屈折異常の矯正 Laser in situ Keratomileusis (LASIK, レーシック ) LASIK の特長 良好な predictability 痛みが非常に少ない。 手術翌日から良好な視力が得られる。 両眼同時手術が可能( 20 分ほど) 術後も長期に渡って安定した視力が得られる。 術後裸眼視力 裸眼視力の経過 LASIK 乱視遠視近視 LASIK の適応 -1.0 〜 -12.0D0.5 〜 6.0D+1.0 〜 6.0D
21
7/12 No. 21 量子ビーム基礎(石川顕一) エキシマレーザー 活性媒質 –KrF, ArF, XeF, XeCl 励起エネルギー源 – ガス放電、電子ビーム –Kr 原子は励起されると反応性が高まり、 Kr 2, KrF 分子を形成 特徴 – 短波長(紫外)、高効率、大出力 – パルス幅 10-20ns 、 10MW 以上 応用 – 半導体チップに回路を焼き付けるリソ グラフィー → KrF(248nm) – 視力矯正 (LASIK) → ArF(193nm)
Similar presentations
© 2024 slidesplayer.net Inc.
All rights reserved.