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光メモリー・磁気メモリーはどこまで高密度・大容量化できるか

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1 光メモリー・磁気メモリーはどこまで高密度・大容量化できるか
日本光学会光波センシング研究会 光メモリー・磁気メモリーはどこまで高密度・大容量化できるか 佐藤勝昭 (農工大工)

2 はじめに 情報技術(IT)を得て社会構造が急速に変化しつつあり、高密度・大容量記録へのニーズはとどまることを知らない。
記録対象は、文書→画像→動画へと発展し、ユーザも、専門家→一般職→家庭へと広がり、 大容量だけでなく高速化へのニーズが付け加わっている。 ネットワークの進展 :大容量・高速ストレージの必要性がむしろ高まりつつある

3 HDと光メモリ 1980年代高密度ストレージの本命とされた光ディスクは記録密度が伸び悩み、1990年代半ばになると、GMRヘッドなど新技術を取り込んだハードディスク(HD)にあっさりと記録密度の首座を明け渡してしまった。 HDの面記録密度は、その後の媒体技術の進展もあって、2003年時点において実験室レベルで150 Gb/in2が実証されており、商品化レベルでは2.5”ディスクで70 Gb/in2を超えている[i]。 参考文献 [i] 三浦義正:「超高密度磁気記録の現状」日本応用磁気学会第128回研究会「磁気ストレージ技術の趨勢はどこに」( )資料集p.1

4 HDと光ディスクの高密度化の進展 CD CD-ROM DVD MO Bluray MAMMOS

5 最近の動向 我が国では情報ストレージ研究推進機構(SRC)を中心に200 Gb/in2を当面の課題として研究開発が進められている[1]。
一方、光ディスクに関しては、話題のBluRay® Diskの記録密度が19.5 Gb/in2である[2]が、NEDOの「ナノメータ制御光ディスクシステム」プロジェクトでは、100 Gb/in2を目指した研究が行われている[3]。 [1] [2] [3]

6 さらなる高密度化 さらなる高密度化について、磁気記録には超常磁性限界が、光ディスクには回折限界があり、これを克服するためにさまざまな試みが行われている。経産省/NEDOの「大容量光ストレージ開発プロジェクト」では、これら2つの記録方式の長所を結合したハイブリッド記録技術により、1 Tb/in2(=1000 Gb/in2)の高密度を目指す方向で研究が進められている[i]。 [i]

7 光ディスクの限界は? 光ディスクの面記録密度を決めている最も大きな要素は再生時にレーザー光をどこまで小さく絞れるかである。よく知られているように波長の光を開口数NAのレンズで絞ったときのスポットの直径dは回折限界で決まり、d=0.6/NA で与えられている。NAは、現在のCD等に使われるレンズでは0.6程度なので、dは波長程度の値である。一方、記録の際には、同じを使って上記dより小さいピットを記録できる。それは、集光した光スポット内で温度の分布があり、相変化、光磁気ともにレーザー光強度がある閾値を超えた部分にのみ記録されるからである。

8 我が国で開発された青紫色レーザーは、最近になって複数の会社から安定供給できるようになり、これを用いた光ディスクが登場した。光ディスクの面密度は原理的に1/d2で決まるので、=405 nmの青紫色レーザーを光源としNA=0.85の高NAレンズを用いるとd=0.28 mのスポットに絞り込みが可能で、記録密度は約8 Gb/in2になる。 ROMの場合は、ピットの内外からの反射光の干渉でデータを読みとるので、ピット径はdの半分以下にできる。従って、トラックピッチをd=0.28 m としビット長をd/2=0.14 mとすると16 Gb/in2以上の面密度が得られる。 RAMの場合は、マークの直径は光スポットと同程度なので、記録密度は8 Gb/in2程度である。相変化記録の場合、4層程度にまで多層化できるので、記録密度はこの層数倍となる。光磁気記録においても多層化技術が開発されており、少なくとも波長多重2層化については20 Gb/in2程度の記録密度が実証されている[i]。 [i] 伊藤彰義:「最先端光磁気記録技術」日本応用磁気学会第128回研究会「磁気ストレージ技術の趨勢はどこに」( )資料集p.31

9 MOにおける超解像技術 光磁気記録では、磁気誘起超解像(MSR)技術が実用化されており、これを採用したGIGAMOでは、=650 nm(赤色レーザ)を用いて回折限界を超える直径0.3mのマークを読みとっている[1]。直径3.5”のGIGAMOの記録密度は2.5 Gb/in2程度である。 次世代規格であるASMOでは磁界変調記録法を採用することにより0.235 mの小さなマークを記録することが可能で、面記録密度としては約4.6 Gb/in2程度となる[2]。 相変化ディスクの場合には、磁気的な転写ができないので超解像技術を適用するのが難しいが、産総研で開発されたSuper-RENS方式により、回折限界を超えて0.1 m経の微小マークの再生が可能になった[3]。 [1] M. Moribe, M. Maeda, H. Nakayama, M. Yoshida, and K. Shono: Digest ISOM’01, Th-I-01, Taipei, 2001. [2] S. Sumi, A. Takahashi and T. Watanabe: J. Magn. Soc. Jpn. 23, Suppl. S1 (1999) 173 [3] J. Tominaga, H. Fuji, A. Sato, T. Nakano and N. Atoda: Jpn. J. Appl. Phys. 39 (2000) 957.

10 MSR(磁気誘起超解像) 記録層と再生層を分離 解像度は光の回折限界から決まる d=0.6λ/NA (ここにNA=n sinα)
波長以下のビットは分解しない 記録層と再生層を分離 読み出し時のレーザの強度分布を利用 ある温度を超えた部分のみを再生層に転写する α d

11 MSR方式の図解

12 磁区拡大再生 光磁気記録においてさらに小さなマークを十分なSN比を以て光学的に読みとる方法として、磁区拡大再生(MAMMOS)および磁壁移動再生(DWDD)という技術が開発された。これらは、光磁気記録特有の再生技術である。

13 MAMMOS MAMMOSでは記録層から読み出し層に転写する際に磁界によって磁区を拡大して、レーザー光の有効利用を図り信号強度を稼いでいる[1]。原理的にはこの技術を用いて100 Gb/in2の記録密度が達成できるはずで、実験室レベルで64 Gb/in2程度までは実証されているようである[2]。無磁界MAMMOSも開発されている。 [1] H. Awano, S. Ohnuki, H. Shirai, and N. Ohta: Appl. Phys. Lett. 69 (1996) 4257. [2] A. Itoh, N.Ohta, T. Uchiyama, A. Takahashi, M. Mieda, N. Iketani, Y. Uchihara, M. Nakata, K. Tezuka, H. Awano, S. Imai, and K. Nakagawa: Digest MORIS/APDSC2000, Oct. 30- Nov. 2, Nagoya, p. 90.

14 MAMMOS (磁区拡大 MO システム)

15 MAMMOS の効果 通常再生 信号はほとんど0 MSR再生 信号振幅小 MAMMOS再生 フル出力

16 DWDD DWDDも記録層から読み出し層に転写する点はMAMMOSと同じであるが、転写された磁区を読み出し層の温度勾配を利用して磁壁を移動させて拡大するので、磁界を必要としない[1]。DWDDについては新規格のハンディビデオ用MO(2”, 3GB)として商品化されつつある[2]。 [1] T. Shiratori, E. Fujii, Y. Miyaoka, and Y. Hozumi: Proc. MORIS1997, J. Magn. Soc. Jpn. 22, Suppl.S2 (1997) 47. [2] M. Birukawa, Y. Hino, K. Nishikiori, K. Uchida, T. Shiratori, T. Hiroki, Y. Miyaoka and Y. Hozumi: Proc. MORIS2002, Trans. Magn. Soc. Jpn. 2 (2002) 273

17 DWDD(磁壁移動検出) 室温状態では、「記録層」の記録マークは、中間の「スイッチング層」を介し、「移動層」に交換結合力で転写されている。
再生光スポットをディスクの記録トラックに照射することにより昇温し、中間の「スイッチング層」のキュリー温度以上の領域では磁化が消滅し、各層間に働いていた交換結合力が解消。 移動層に転写されていたマークを保持しておく力の一つである交換結合力が解消されることで、記録マークを形成する磁区の周りの磁壁が、磁壁のエネルギーが小さくなる高い温度領域に移動し、小さな記録マークが拡大される まるでゴムで引っぱられるように、移動層に転写されている磁区の端(磁壁)が移動。磁壁移動検出方式という名称は、ここから発想されました。読み出しの時だけ、記録メディアの方が、記録層に記録された微小な記録マークを虫眼鏡で拡大するかのようにふるまうので、レーザービームスポット径より高密度に記録されていても読み取ることが可能になるわけです。 キャノンのHPより

18 DWDD概念図 原理的には再生上の分解能の限界がない。 移動層 スイッチング層 記録層

19 DWDDディスク

20 近接場記録 回折限界を超えた高密度化に欠かせないのが、近接場光学技術である。1991年、Betzigらは光ファイバーをテーパー状に細めたプローブから出る近接場光を用いて回折限界を超えた光磁気記録ができること、および、このプローブを用いて磁気光学効果による読み出しができることを明らかにし、将来の高密度記録方式として近接場光がにわかに注目を浴びることになった[1]。 日立中研のグループはこの方法が光磁気記録だけでなく光相変化記録にも利用できることを明らかにした[2]。しかし、このように光ファイバ・プローブを走査するやり方では、高速の転送レートを得ることができない。 [1] E. Betzig, J.K. Trautman, R. Wolfe, E.M. Gyorgy, P.L. Finn, M.H. Kryder and C.-H. Chang: Appl. Phys. Lett. 61 (1992) 1432 [2] S. Hosaka, T. Shintani, M. Miyamoto, A. Hirotsume, M. Terao, M. Yoshida, K. Fujita and S. Kammer: Jpn. J. Appl. Phys. 35 (1996) 443.

21 SIL (solid immersion lens)
Terrisらは波長780 nmのレーザー光を光源としSIL光学系を使ってTbFeCo膜に光磁気記録し、直径0.2 mの磁区が形成されることをMFMにより確認した[2]。 SILを磁気ディスク装置のヘッド・アセンブリ(いわゆるジンバル)に搭載して光磁気記録を行うアイデアが1994年Terrisらにより出された[3]。この方法により、面記録密度2.45 Gb/in2、データ転送速度3.3 Mbpsを達成している。 鈴木らはMFM(磁気力顕微鏡)を用いて、SIL記録されたマークを観測し2 Gmarks/in2を達成していると発表した[4]。 [1] S.M. Mansfield and G. Kino: Appl. Phys. Lett. 57 (1990) 2615. [2] B. D. Terris, H.J. Maminn and D. Ruger: Appl. Phys. Lett. 68 (1996) 141. [3] B.D.Terris, H.J. Mamin, D. Ruger, W.R. Studenmund and G.S.Kino: Appl. Phys, Lett. 65 (1994) 388. [4] P. Glijer, T. Suzuki, and B. Terris: J. Magn. Soc. Jpn. 20 Suppl.S1 (1996) 297.

22 SIL (solid immersion lens)
R. Gambino and T.Suzuki: Magneto-Optical Recording Materilas (IEEE Press, 1999)

23 Super-RENS super-resolution near-field system
Sb膜:光吸収飽和 波長より小さな窓を開ける AgOx膜:分解・Ag析出 散乱体→近接場 Agプラズモン→光増強 可逆性あり。 相変化媒体だけでなく光磁気にも適用可能 高温スポット 近接場散乱

24 ハードディスク ディスク媒体 ロータリー・ アクチュエーター 2.5”および3.5 ”ハードディスク 磁気ヘッド

25 HDの記録密度の状況 HDの記録密度は、1992年にMRヘッドの導入によりそれまでの年率25%の増加率(10年で10倍)から年率60%(10年で100倍)の増加率に転じ、1997年からは、GMRヘッドの登場によって年率100%(10年で1000倍)の増加率となっている。 超常磁性限界は、40Gb/in2とされていたが、AFC(反強磁性結合)媒体の登場で、これをクリアし、実験室レベルの面記録密度は2003年時点ですでに150 Gb/in2に達し、2004年には200 Gb/in2に達すると見込まれる。

26 ハードディスクのトラック密度、面記録密度、線記録密度の変遷
ハードディスクのトラック密度、面記録密度、線記録密度の変遷  超常磁性限界 GMRヘッド MR ヘッド

27 ハードディスクの高密度化はなぜ可能になったか?
Cr CoCr 磁性媒体のグレーンの微細化 →磁区の微細化 →高い線密度(>300kbpi)と高いトラック密度(>30ktpi) 磁束の局所化 ヘッド浮上量の低減を要求 ヘッドの磁界感度向上を要求 →MR(磁気抵抗)ヘッド:AMR→GMR(SV)→TMR 弱い信号→PRMLなど信号処理

28 超常磁性限界 Cr CoCr 現在使われているハードディスク媒体はCoCrPtBなどCoCr系の多結晶媒体である。強磁性のCoCr合金の結晶粒が偏析したCr粒に囲まれ、互いに分離した膜構造になっている。 磁気ヘッドによって記録された直後は、磁化が記録磁界の方向に向いているが、微粒子のサイズが小さくその異方性磁気エネルギーKuV (Kuは単位体積あたりの磁気異方性エネルギー、Vは粒子の体積)が小さくなると、磁化が熱揺らぎkTによってランダムに配向しようとして減磁するという現象が起きる。これを超常磁性限界と呼んでいる。

29 減磁現象 実際、20 Gb/in2の記録媒体では、その平均の粒径は10 nm程度となり、各結晶粒は磁気的に独立に挙動し、記録された情報が保てない。 一例として16 Gb/in2の記録媒体において信号強度がt=104 sで96%に低下することが報告されている[1] 。 [1] 鈴木孝雄:「Data Storage高密度化への模索」日本応用磁気学会第113回研究会「リムーバブル記録の現状と将来展望」 ( ) 資料集p.11.

30 減磁現象の例 G.J. Tarnopolsky et al. TMRC, SanDiego, Aug. 1999

31 熱的安定条件 ハードディスクの寿命の範囲でデータが安定であるための最低条件は、=KuV/kT>60とされている。面記録密度Dとすると、粒径dはD-1/2に比例するが、記録される粒子の体積Vはほぼd3に比例するのでVはDの増大とともにD-3/2に比例して減少する。この減少を補うだけ、磁気異方性Kuを増大できれば、超常磁性限界を伸ばすことができる。単磁区の微粒子を仮定し、磁化反転が磁化回転によるとすると、保磁力HcはHc=2Ku/Msと書かれるからD3/2以上の伸びで保磁力を増大すれば救済できるはずである[1]。 [1] T.W. McDaniel and W.A. Challener: Proc. MORIS2002, Trans Magn. Soc. Jpn. 2 (2002) 316.

32 AFC(反強磁性結合)媒体 AFC媒体(antiferromagnetically coupled media)というのは、Ruの超薄膜を介して反強磁性的に結合させた媒体のことで、交換結合によって見掛けのVを増大させて、安定化を図るものである。 富士通ではSF(synthetic ferromagnet)媒体と称する強磁性結合媒体を用いて超常磁性限界の延伸を図っている。

33 AFC媒体の模式図 AFC媒体、SF媒体では、交換結合で見かけのVを増大 (旧IBMのホームページより)

34 超常磁性限界はどこまで伸びるか このような方法によって超常磁性限界の到来を多少遅らせることはできても、せいぜい500Gbits/in2迄であろうと考えられている。 保磁力を大きくすれば安定性が向上することは確実であるが、磁気ヘッドで書き込めなくなってしまう。ヘッドの飽和磁束密度には限界があるし、ヘッドの寸法の縮小にも限界がある。現行の磁気ヘッドは理論限界の1/2程度のところにまで到達しており、改善の余地はほとんど残されていない。

35 超常磁性の克服 保磁力の大きな媒体にどのようにして記録するのかという課題への1つの回答がパターンドメディア技術であるが、もう1つの回答が熱磁気記録である。 パターンド・メディア 物理的に孤立した粒子が規則的に配列 熱アシスト記録(光・磁気ハイブリッド記録) 記録時に温度を上昇させてHcを下げ記録。室温ではHcが増大して熱的に安定になる。

36 微粒子集合体からパターンドメディアへ 中村:日本応用磁気学会128回研究会テキストp.9 早稲田大学朝日研究室のHPより

37 熱アシスト記録材料 熱磁気記録に用いられる媒体としては、従来からHDDに用いられてきたCoCr系のグラニュラー媒体を利用する方法と、MO媒体として使われてきたアモルファス希土類遷移金属合金媒体を用いる方法が考えられる。また、短波長MO材料として検討されたPt/Co多層膜媒体を用いることも検討されている。いずれにせよ、室温付近で大きなHcを示し、温度上昇とともに通常の磁気ヘッドで記録できる程度にHcが減少する媒体が望ましい。

38 2つの熱磁気記録媒体候補 常磁性 強磁性 magnetic grains 磁壁エネルギー小

39 光磁気ハイブリッド・メモリー この目的に、MOディスク、ミニディスク(MD)技術として確立した熱磁気記録技術が利用可能である。実際に市販されているMDでは、アモルファスTbFeCo材料を用い、キュリー点記録時の温度は250℃くらい、記録用磁界はたったの200 Oeであるが、室温でのHcはなんと8-20 kOe以上と巨大である[i]。 [i] 太田憲雄:「光と磁気の融合の可能性」日本応用磁気学会第128回研究会「磁気ストレージ技術の趨勢はどこに」( )資料集p.39

40 a-TbFeCo MO媒体の磁気特性 温度 MTb Hc 磁化の絶対値 保磁力Hc MFeCo Total magnetization Ms
Tcomp Tc 温度 TbFeCo系の場合、補償温度が室温付近に来るよう膜組成が制御されているため、図に示すように、室温付近でのMsが小さく、従って、Hcが大きいので、超常磁性効果に対して有効である。

41 MOディスクにおける熱磁気記録 レーザ光をレンズで集め磁性体を加熱 キュリー温度以上になると磁化を消失 冷却時にコイルからの磁界を受けて記録
Tc 温度 光スポット Tc 光磁気記録媒体 外部磁界 コイル

42 2種類の熱磁気記録方式 光強度変調(LIM):現行MO 磁界変調(MFM):MD, ASMO 高密度記録可能 電気信号で光を変調 磁界は一定
ビット形状は長円形 磁界変調(MFM):MD, ASMO 電気信号で磁界を変調 光強度は一定 ビット形状は矢羽形 Modulated laser beam Constant laser beam 高密度記録可能 一定磁界 変調磁界 Magnetic head (a) LIM (b) MFM

43 熱磁気記録による微小磁区の記録 熱制御層の導入とLS-MFM法により光スポットサイズより小さな磁区の記録を達成 600 nm 600 nm
(λ = 635 nm, NA = 0.60)光制御層あり 光変調(LIM), 遠視野(熱制御層なし)

44 MO膜を用いたハイブリッド記録(1) MO媒体TbFeCo系の場合、補償温度が室温付近に来るよう膜組成が制御されているため、室温付近での、従って、Hcが大きいので、超常磁性効果に対して有効である。 しかし、 Msが小さいことは、GMRヘッドを用いた磁気読み出しにおいては不利である。一つの解決法が、記録層と再生層の分離である。再生層の補償温度を記録層より高温側にシフトさせることにより、磁気ヘッドで再生するのに十分な磁化を得ることができる[i]。 [i] H.Nemoto, H. Saga, H. Sukeda and M. Takahashi: Proc. MORIS1999, J. Magn. Soc. Jpn. 23, Suppl. S1 (1999) 229.

45 熱アシスト媒体用の記録層と再生層の 磁化の温度変化
しかし、 熱アシスト媒体用の記録層と再生層の 磁化の温度変化 MO媒体は、室温でのHcが大きいので熱安定性が良好であるが、 GMRヘッドを用いた磁気読み出しにおいては不利である。 一つの解決法が、記録層と再生層の分離である。図のように、再生層の補償温度を記録層より高温側にシフトさせることにより、磁気ヘッドで再生するのに十分な磁化を得ることができる。 再生層 記録層 H.Nemoto, H. Saga, H. Sukeda and M. Takahashi: Proc. MORIS1999, J. Magn. Soc. Jpn. 23, Suppl. S1 (1999) 229.

46 熱磁気記録の磁気光学再生の問題点 記録波長の減少->光子数の減少->磁気光学信号減少: 解決法:MAMMOS, DWDD:現システムとの両立性に難 光スポットサイズの縮小->高いエネルギー密度 半導体レーザの最大出力 > 記録パワー > 再生パワー 記録感度と再生信号振幅のトレードオフ 光再生チャンネルの信号性能は再生光スポットの収差に強く影響されるが、記録磁区の性能は光スポットの収差に余り影響されない 従って、熱磁気記録した磁区の磁束をヘッドで検出する方が高い分解能とSNを得られる

47 MOテスターを用いた遠隔場 ハイブリッド記録の検証実験
H.Saga et al.:Jpn. J. Appl. Phys. 38 (1999) 1839

48 磁界変調熱磁気記録された磁区像 Disk A (緩冷) Disk B (急冷) 800 nm 400 nm 200 nm 100 nm
潤滑剤(fombline) 3nm 保護層(Si3N4) 10nm ヒートシンク層(Al) 40nm 5nm 再生層(TbDyFeCo) 75nm 35nm 記録層(TbFeCo) 15nm 60nm ディスク基板(ポリカーボネーチ)

49 GMRヘッドによる磁束検出信号 1280 nm 磁区幅 = 100 nm シールドギャップ= 190 nm

50 磁束検出による分解能向上 (遠隔場光磁気記録)
MFM / Flux Det. LIM / Flux Det. -5 Response (dB) -10 LIM / Optical Det. C/N = 47 dB LIM: Light intensity modulation MFM: Magnetic field modulation -15 -20 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 Mark period (mm)

51 MOディスクの磁気再生による分解能向上 田中(富士通)による

52 MO膜を用いたハイブリッド記録(2) もう一つの解決法が、再生の際にも熱アシストを行って、加熱された部分を補償温度からずらしMsを強めて読み出す方法である[i]。再生トラックが複数のトラックにまたがっていても、加熱された部分のみヘッドに磁束を届けることができるので、微小領域の選択にも好都合である。 [i] H. Katayama, S. Sawamura, Y. Ogimoto, J. Nakajima, K. Kojima and K. Ohta: Proc. MORIS1999, J. Magn. Soc. Jpn. 23, Suppl. S1 (1999) 233.

53 MO媒体による熱アシスト再生 再生の際にも熱アシストを行って、加熱された部分を補償温度からずらしMsを強めて読み出す方法である。
再生トラックが複数のトラックにまたがっていても、加熱された部分のみヘッドに磁束を届けることができるので、微小領域の選択にも好都合である。 H. Katayama, S. Sawamura, Y. Ogimoto, J. Nakajima, K. Kojima and K. Ohta: Proc. MORIS1999, J. Magn. Soc. Jpn. 23, Suppl. S1 (1999) 233.

54 粒子状媒体によるハイブリッド記録(1) 一方、粒子状媒体であるCoCr系媒体においては、室温からの温度上昇とともにHcは急激に低下するので、ns程度の短時間加熱することによって、弱い磁界でも磁化反転できるくらいまで一時的にHcを低下させることができる。これにより、高保磁力媒体に記録することが可能になる。

55 熱アシスト媒体用多粒子媒体の 磁化と磁気異方性の温度変化
媒体の設計に当たっては、結晶粒の配向制御によるKuの制御、キュリー温度の制御とともに、熱的な設計が重要性をもっている。 1Tbits/in2の面記録密度は、アスペクト比1:1のとき、25nm 25nmに相当するが、線速25m/sならばビット時間は1nsとなる。従って、非常に短時間に加熱・冷却できる必要がある。 J.J.M. Ruigrok: Proc. MORIS2000, J. Magn. Soc. Jpn. 25 (2001) 313

56 粒子状媒体によるハイブリッド記録(2) これにより、高保磁力媒体に記録することが可能になる。この媒体の磁化が超常磁性により失われる様子は、先に述べたと時間の指数関数となるので、加熱はできるだけ短時間に、かつ局所的になされなければならない[i]。従って、媒体の設計に当たっては、結晶粒の配向制御によるKuの制御、キュリー温度の制御とともに、熱的な設計が重要性をもっている。 1 Tb/in2の面記録密度は、アスペクト比1:1のとき、25nm25nmに相当するが、線速25 m/sならばビット時間は1 nsとなる。従って、非常に短時間に加熱・冷却できる必要がある。 [i] J.J.M. Ruigrok: Proc. MORIS2000, J. Magn. Soc. Jpn. 25 (2001) 313

57 1Tbits/in2におよぶ高密度記録 1Tbits/in2におよぶ高密度記録においては bitサイズは25nm平方となり、記録時のスポットサイズを50nm以下に縮小する必要がある。通常のfar-field recordingの場合、100nmを切るような磁気記録は非常に困難であるから、この解決のために、ハイブリッドヘッドにSILを用いて回折限界を伸ばす方法[i]、および、金属マスクに微小な開口を設けて開口からの近接場を利用する方法[ii]が提案され実験されている。 [i] H. Sukeda, H. Saga, H. Nemoto, Y. Itou, C. Haginoya, T. Matsumoto: IEEE Trans. Magn. 37 (2001) 1234. [ii] T.E. Schlesinger, T. Rausch, A. Itagi, J. Zhu, J.A. Bain,D.D. Stancil: Jpn. J. Appl. Phys. 41 (2002) 1821.

58 (Solid immersion lens)
近接場光記録 近接場記録 遠隔場記録 SIL 微小開口 (Solid immersion lens) 開口:a SIL ディスク ヘッド スライダ スライダ レンズ 金属 磁気コイル 半球: l/(n・NA) 超半球: l/(n2・NA) 開口径: a 10-100nm スポット径 * l/NA ヘッド媒体間隔 > 1mm < 100nm < a/2 (5-50nm) = = = * l : 半導体レーザ波長 NA: レンズの開口数

59 SILを用いた光記録 半球型SILを用いればスポットサイズをレンズ光学系の屈折率分の1に、超半球では屈折率の二乗分の1に縮小できる。SILの近傍にはエバネセント場が存在するが,伝搬光も存在するので厳密な意味では近接場記録ではない。解像度を上げるにはスライダーと媒体の距離を100nm以下にする必要があり、リムーバブルにすることはむずかしいと考えられる。光導波路にレンズを作り込むことも考えられている。いずれにせよ、回折限界ぎりぎりで使うということで、スポット径を100nm以下にするのはかなり難しいと考えられる。

60 SILを用いた近接場記録系 H. Sukeda, H. Saga, H. Nemoto, Y. Itou, C. Haginoya, T. Matsumoto: IEEE Trans. Magn. 37 (2001) 1234.

61 蝶ネクタイ・アンテナの利用 上述の方法により得られる光のスポットではエネルギー密度を大きくできないという問題点がある。これを解決し強いエネルギーの微小な光スポットを得る方法が、Groberらによって提唱されたボウタイ(蝶ネクタイ)型アンテナによる電磁場の集中である[i]。Groberらは、マイクロ波周波数に対しこの形のアンテナの中心部に電界の集中が起きることを検証し、光の周波数に対しても使用できると提案した。Matsumotoらは、電磁界計算を行い、ボウタイアンテナのギャップ程度の領域に光強度が集中していることを明らかにしている[ii] 。 [i] R.D. Grober, R.J. Schoelkopf, D.E. Prober: Appl. Phys. Lett. 70 (1997) 1354. [ii] T. Matsumoto, T. Shimano and S. Hosaka, Technical Digest of 6th Int. Conf. Near Field Optics and Related Techniques, the Netherlands, Aug , 2000, p55

62 R. D. Grober et al., Appl. Phys. Lett. 70, 1354 (1997)
蝶ネクタイアンテナ All Rights Reserved, Copyright (C) 2001, Hitachi, Ltd. 1 cm l=13.6 cm R. D. Grober et al., Appl. Phys. Lett. 70, 1354 (1997)

63 プレーナ・プラズモン・プローブ T. Matsumoto, T. Shimano and S. Hosaka, Technical Digest of 6th Int. Conf. Near Field Optics & Related Techniques, the Netherlands, Aug , 2000, p55.

64 高効率近接場光記録ヘッド プレーナ・プラズモンヘッド プラズマ振動でエネルギを局在化 → 効率>10% パターン間8nmの時の計算値
+ - プラズマ振動 金属パターン 入射光

65 高密度光記録のアプローチ 多層記録・再生 記録:2光子吸収(非線形光学効果)の利用 再生:1光子吸収(線形光学現象)
100層以上の多層化が可能 現行のままの光スポットを用いて2桁の高密度化が可能 高ピークパワーをもつモードロック・フェムト秒レーザの小型化が前提

66 革新的技術をめざして(1) 体積ホログラフィ 干渉を利用して光の位相情報を記録 位置のシフトにより、異なる情報を体積的に記録
フォトリフラクティブ結晶、フォトポリマーの開発 空間光変調器(SLM)の進歩: ディジタルマイクロミラー(DMD)など 高感度光検出器アレーの出現: CMOS型アクティブピクセルデテクタ(APD)

67 革新的技術をめざして(2) ホールバーニングメモリ 波長多重記録 不均一吸収帯内の特定波長の吸収を消滅して記録 無機物: 有機物:
アルカリハライドの色中心の電子励起とトラッピング 絶縁物中の希土類イオンや遷移金属イオンの電子励起吸収帯 Eu+3: Y2SiO5 を用いてホールバーニングによるホログラフィック動画記録に成功している[i]。 [i]光永正治,上杉 直,佐々木 浩子,唐木 幸一 :応用物理, 64 (1995) 250. 有機物: 光互変異性、水素結合の光最配位、光イオン化などの光吸収帯 低温が必要 常温で動作する材料開発が課題


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