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虐待防止の体制づくり 平成26年度 青森県障害者虐待防止・権利擁護研修
虐待防止の体制づくり 平成26年度 青森県障害者虐待防止・権利擁護研修 公益社団法人 日本社会福祉士会 平成26年度障害者虐待防止・権利擁護指導者養成研修から 1
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講義のねらい 虐待を生まない施設にするための仕組みづくりとし て、虐待防止委員会の役割を理解する。
講義のねらい 虐待を生まない施設にするための仕組みづくりとし て、虐待防止委員会の役割を理解する。 苦情解決や事故報告書の実効的な活用を通じて、 虐待の予防や虐待を小さな芽のうちに摘むための 方法について理解する。 2
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講義の内容 施設・事業所における虐待を防止するための体制 について 施設・事業所における虐待を防止するための取り組 みについて 3
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1 施設・事業所における虐待を 防止するための体制について
1 施設・事業所における虐待を 防止するための体制について 4
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施設での虐待の構図 施設の中だけで処理 行政への通報なし 職員指導や処分なし 虐待の分析、対応策の検討なし ↓
↓ 何の対応や対策が取られず同じことの繰り返し 暴力のエスカレートが重大な事故を招いてきた 新任職員の意見(神奈川県知的障害施設団体連合会主催の新任職員人権研修の参加者アンケートより):利用者と職員が対等な関係ならば、~さん、~ちゃん(呼称)にあまりこだわらなくてもよいのではないか。利用者さんも「~ちゃん」呼びで職員を呼ぶこともあります。古き良き時代の良い面は残すべきだと思う。今の時代は、ギスギス世の中がしすぎ!この場合も臨機応変に対応していきたい。おかしいと思っても、先輩職員には言えない。 5
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過去の事件 白河育成園事件 札幌育成園事件 鹿児島「みひかり園」事件 福岡「カリタスの家」事件 大阪「高井田苑」事件 水戸アカス紙器事件
千葉「袖ケ浦福祉センター」事件 等々 水戸アカス紙器事件:TBSテレビ「聖者の行進」1998年ドラマ化。虐待の兆候はあった。しかし、障害者を大勢雇ってもらっている。多少のことはがまん。文句を言ったら 障害を持っている人の働く場がなくなる。障害者を全員寮に住まわせ、社長は、障害者雇用に熱心な名士として地元で尊敬されていた。 高井田苑事件:幹部「犬や猫でもトイレのしつけをすればできるようになる。」「利用者は、動物的な感覚を持っていて~。」 職員「利用者は、理性・知性を持たない本能で動く存在と理解した。」「力に頼っていた。正しい支援方法がわからなかった。」 6
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組織的な取り組みが必要 理事長・施設長・管理者等 開かれた運営姿勢 地域の権利擁護の拠点 虐待の芽を摘む 支援員 人権意識・研修の実施
開かれた運営姿勢 地域の権利擁護の拠点 虐待の芽を摘む 支援員 人権意識・研修の実施 支援技術の向上:強度行動障害 風通しの良い。施設での権利擁護は施設長によって決まる。適切ないい支援は虐待を生む余地を与えない。これまでの虐待事件は、内部告発で表に出たケースが多い。支援員教育は大切であるが、マンパワーが不足している。パート職員の教育のむつかしさ。定年後の男性パート職員による性的虐待。 7
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施設利用者・家族の立場 施設の体質 ・閉鎖性 ・密室性 ・利益相反 ・上下関係 施設利用者
・閉鎖性 ・密室性 ・利益相反 ・上下関係 施設利用者 ・職員の顔色を見る。 ・コミュニケーションが難しい利用 者。 ・言ってもしょうがないと思っている利用者。 ・ラーンド・ヘルプレス・ネス(学び取った無力感) 家族 ・お世話をしてもらっている。 ・施設を追い出されたら困 る。 ・こどもを人質にとられている。 職員と利用者の関係は、上下関係になりやすい。医者と患者。先生と生徒。呼称の問題も大きくかかわってくる。年上の利用者に、「くん、ちゃん」呼び。子ども扱い。 8
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運営規程(例) 社会福祉法人明星会 竹の子学園 障害者支援施設 運営規程より
運営規程(例) 社会福祉法人明星会 竹の子学園 障害者支援施設 運営規程より (虐待の防止のための措置に関する事項) 第15条 施設は、利用者の権利擁護、虐待防止等 を推進するため、次の措置を講じるものとする。 (1)虐待の防止に関する責任者の選定 (2)成年後見人制度の利用支援 (3)職員に対する虐待の防止を啓発・普及するため の研修の実施 運営規定に虐待防止委員会の設置を盛り込む。障害者福祉施設・事業所における障害者虐待の防止と対応の手引き(以下:手引き)P.7(ア)虐待防止のための措置に関する事項を定めておかなければならない。(イ)必要な体制の整備。虐待防止のための委員会→虐待防止委員会。 竹の子学園では、平成16年より、入所者全員に後見人をつける体制をとっている。 9
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虐待防止委員会 委員長(施設長・管理者:虐待防止責任者) 委員 虐待防止マネージャー(サービス管理責任者・各部署の長) 事務長 看護師
虐待防止マネージャー(サービス管理責任者・各部署の長) 事務長 看護師 保護者の代表 第三者委員 オンブズンマン その他 客観性の担保、他委員会との兼務可、事故防止委員会と兼ねる。家族は、身体拘束の場合、まず利用者の安全を考える。 10
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虐待防止委員会の役割 1 虐待防止のための体制づくり ツールの整備:虐待防止マニュアル・チェックリスト・ 掲示物・外部者の声を聴く体制等
1 虐待防止のための体制づくり ツールの整備:虐待防止マニュアル・チェックリスト・ 掲示物・外部者の声を聴く体制等 2 虐待防止のチェックとモニタリング チェックリストの結果、個々の課題等を虐待防止マネー ジャーが委員会に報告 3 虐待(不適切な対応事例)発生後の対応と総括 改善計画・研修計画 外部者:第三者委員、相談支援専門員、家族、実習生等。 ※事案の記録を確実に行い、 誠実に対応する姿勢を示す。 11
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虐待防止マネージャーの役割 虐待防止委員会と各部署のパイプ役 チェックリストの集計 行動計画の実施 モニタリング
虐待防止委員会へ報告(PDCAサイクル) 各部署の責任者、サビ管、部課長。手引きP.8の図 12
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職員行動指針 虐待防止啓発掲示 虐待相談、通報、届け出先掲示物 苦情解決窓口、解決責任者 その他
資料:あおぞらプランⅡ、手引きP.9~P.12 倫理綱領、職員行動指針、職員の方々に、相談・通報・届け出先 13
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青森県での虐待事件(例) 平成26年(2014年) 身体的虐待 傷害行為 成人入所施設 性的虐待 わいせつ行為 児童入所施設
身体的虐待 傷害行為 成人入所施設 性的虐待 わいせつ行為 児童入所施設 虐待の芽の気づき。職員の意見を吸い上げる体制。オンブズマン。第三者。資料:緊急アピール 14
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2 施設・事業所における虐待を防止するための取り組みについて
2 施設・事業所における虐待を防止するための取り組みについて 15
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事故報告書・ヒヤリハット報告書 職員の評価に使用するのではない。 事故防止のために書く。 些細なことでも書く習慣をつける。
事故報告書・ヒヤリハット報告書 職員の評価に使用するのではない。 事故防止のために書く。 些細なことでも書く習慣をつける。 まず一報、速やかに動く。 所属上司、施設長、県、当該利用者援護地福祉課 報告書作成 支援会議、リスクマネージメント会議等において防止策の検討 関係各所に事故報告書の送付 県、当該利用者援護地福祉課 資料:出来事報告書、明星会出来事報告書報告基準、事故報告書行政提出用 神奈川県談:事故を知っていると施設を守ることができる。 16
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苦情解決制度 苦情解決責任者 施設長・管理者 苦情受付担当者 課長、サビ管等 苦情解決の流れ 苦情受付←支援員等 事実確認←苦情受付担当者
苦情解決責任者 施設長・管理者 苦情受付担当者 課長、サビ管等 苦情解決の流れ 苦情受付←支援員等 事実確認←苦情受付担当者 改善状況の説明←苦情受付担当者・苦情解決責任者・第三者委員 他の相談機関 市町村障害者虐待防止センター 相談支援事業所 運営適正化委員会 等 資料:苦情受付簿・苦情申出書・苦情解決記録・苦情への対応について 第三者委員の役割:手引きP.15 17
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第三者評価 指導監査との違い 評価領域 1・人権への配慮 2・利用者の意思・可能性を尊重した自立生活支援
公正・中立な第三者機関が、事業者の提供する福祉サービスを専門的かつ客観 的な立場から総合的に評価し、その結果を公表すること。 目的:福祉サービス事業者のサービスの質の向上への取り組みを促進するととも に、利用者のサービス選択を支援すること。 メリット 1:サービスの質の向上への気づきが得られる。 2:利用者:地域との信頼関係の構築に役立つ。 3:質の向上への積極的な取り組み姿勢が監査の緩和につながる。 評価の種類 自己評価 利用者評価(福祉サービス利用者意向調査) 訪問調査 指導監査との違い 評価領域 1・人権への配慮 2・利用者の意思・可能性を尊重した自立生活支援 3・サービスマネジメントシステムの確立 4・地域との交流・連携 5・運営上の透明性の確保と継続性 6・職員の資質向上促進 日常生活の支援に関する事業所からのアピール 1・食事支援の取り組み 2・健康管理服薬管理の取り組み 3・保健医療管理の取り組み 4・日中活動支援の取り組み 5・地域生活(移行・継続) 18
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青森県の福祉サービス第三者評価機関(例)
青森県の評価機関 5ヶ所(実質) 青森県社会福祉協議会の場合 障害分野 26~28万円 第三者評価機構は各都道府県に設置。 評価機関は各都道府県で異なる。 悪い評価をする評価機関は、事業所から嫌われる。 19
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第三者評価受審の手順 評価機関の選定 契約、スケジュール調整 自己評価、書面調査、利用者意向調査 訪問調査 調査結果の確認(内示)
調査結果の確定、公表(インターネット) 打ち合わせ7月 契約9月 書類提出12月 訪問1月 内示2月 結果3月 20
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オンブズマン 行政主導型 単独施設委託型 地域ネットワーク型 市民活動型 当事者活動型
行政主導型:行政が設置。直接行政に声が届く。守備範囲が広いのでフットワークに難がある。 単独施設委託型:責任者が第三者に委託。形骸化してしまう危険性。 地域ネットワーク型:近くにある施設がネットワークを作り、第三者を施設に派遣。情報交換、相互チェック。 市民活動型:独立性が明確。制度、利用者の情報を把握しにくい。 当事者活動型:適切な支援が必要。 オンブズマンの声 「毎日お風呂に入らないで、気持ち悪くないの?」 以降、竹の子学園では毎日入浴している。」 21
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青森県福祉オンブズマンネットワーク活動(例)
NPO法人 八ネット福祉オンブズマン NPO法人 セーフティーネットあおもり ひろさき地域福祉ネットワーク・オンブズマン委員会 西北五ふくしオンブズマンネットワーク 22
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チェックリスト職員用 体罰 差別 プライバシー 人格無視 強要制限 資料:手引き P.16~17 23
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チェックリスト施設用 規程、マニュアルやチェックリスト等の整備 風通しの良い職場環境づくりと職員体制 職員への意識啓発と職場研修の実施
利用者の家族との連携 外部からのチェック 苦情、虐待事案への対応等の体制整備 資料:手引き P.18 24
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最後に① 障害者虐待防止の一番の道は、誠実な施設・事業 所の運営と支援の質の向上です。
障害者虐待防止の一番の道は、誠実な施設・事業 所の運営と支援の質の向上です。 深刻な虐待事案があった施設・事業所のほとんど で、通報義務が果たされておらず、変えられない虐 待の事実を隠したり、立ち入り検査に対して嘘をつ いたり、管理者と職員のコミュケーションも希薄で、 職員同士の支え合いも弱くなっていたことなどに よって、虐待の容認も含めた支援の質の低下が起 きていました。 25
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最後に② 施設での虐待事件は、職員個々の問題でしょうか?
施設で働く職員は、優しくて志を持っています。その 職員が虐待事件を起こすのは、施設の体質にあり ます。 障害者虐待防止法は、障害者を虐待から守る法律 であるとともに、私たち職員を守る法律でもありま す。それは、施設の姿勢しだいです。 虐待の芽を摘む体制が広がっていくように頑張って いきましょう。 通報されるのでは? リスクを恐れて、何もできない。何もしない。 支援が小さくなる。 職員が疲弊している。 26
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