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疼痛管理 抗レトロウイルス療法中の小児HIV感染者に おけるHIV感染合併症の管理 小児HIV感染における抗レトロウイルス薬の

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1 疼痛管理 抗レトロウイルス療法中の小児HIV感染者に おけるHIV感染合併症の管理 小児HIV感染における抗レトロウイルス薬の
使用に関するガイドライン 抗レトロウイルス療法中の小児HIV感染者に おけるHIV感染合併症の管理 疼痛管理 翻訳:広島大学病院 エイズ医療対策室 石川暢恒、高田 昇 March 2005

2 このスライドについて このスライドは2005年3月の小児ガイドラインに沿って作成された。HIV陽性患者のケアにあたる臨床家を対象としている。
                         AETC NRC 03/05

3 はじめに 疼痛は多因子が関与する生物学的複合体である 生活の質の低下、死亡率の上昇、CD4%の低値と関連がみられる
特に幼い子供たちと女児によくみられる 原因:神経や筋肉の炎症、心筋症、薬剤毒性、侵襲的な二次感染など多岐にわたる ストレスは疼痛を増幅する NIHの国立がん研究所に外来通院中である小児HIV感染者のおよそ60%が生活に影響を与えるような疼痛があると答えている(3)。興味深いことに、養育者の55%しかこどもが痛みを抱えていること気付かず、このことは小児の疼痛認識が不適切であることとすでに治療が行われているのだから感じていることに起因していると考えられる(4)。小児AIDS臨床研究グループの研究では、985人の小児HIV感染者中およそ20%が痛みを抱えていると報告されている(1)。幼い子供たちと女児の方が、年長児や男児よりも、胃腸症状や四肢の訴えに伴ってよく痛みを訴える(3)。PACTG219のデータによっても男性より女性の方が66%痛みの訴えが多いことがわかっており、性差は確認されている。痛みがコントロールされないことの影響はまだ完全にはわかっていないが、PACTG219のデータを分析すると、痛みの訴えと死亡率の間に有意な相関があることが見いだされた。それによると、痛みを抱えた患者は、痛みを訴えない患者の5倍以上死に至りやすい。痛みはCD4陽性細胞数の低値や免疫抑制の重症度とも相関している。 03/05

4 評価 自己報告 小児視覚表現疼痛スケールと評価システムー年齢、発達状態、疾患の重症度、文化的要素に応じて 観察及び行動による評価
 観察及び行動による評価 機能的評価法 小児総合健康評価 Functional Status II (R) 最適な疼痛管理は、こどもの現在の医療状態、神経学的状態、発達の状況、精神社会的状態、薬剤状況を理解することを基本としなければならない。評価にはベースラインの状態やそれまでの痛みがない状態からの変化が特に重要である。 痛みの定量は年齢、発達状態、疾患の重症度、文化的要素に応じて標準小児視覚表現疼痛スケールと評価システムを用いて行われる。複雑な例では観察及び行動による評価、自己報告、機能的評価法などいくつかの評価法が必要になる。機能的評価法は小児総合健康評価やfunctional statusⅡを用いて評価が行われる。機能的評価法は特に慢性疾患を持つ小児の能力状態を評価する目的で発展し、小児のHIV感染者の外来で重症度をみる他のマーカーと関連することが示されている。 03/05

5 疼痛管理の原則 医療状態の基礎となる診断と治療 管理を進めていく過程でこどもと保護者を参加させる 小児の疼痛の専門家への相談を考慮する
非薬物治療と薬物治療を組み合わせる 小児のHIV感染者で疼痛管理の成功は、日和見感染や膵炎、HIVウイルス血症(ウイルス量低値の状態が鎮痛剤と支持療法への反応を改善するかどうかははっきりしないが)などの医療状態の診断と治療を可能な限りベストにする積極的な努力によって始まる。疼痛管理における目標と特別な戦略に関する決定は、こども(可能ならば)とその家族、保護者、そして患者の状態全体を把握し患者の好みを理解している医療者の参加によってベストなものとなる。小児の疼痛の専門家への相談は治療経過の早期に考慮されるべきである。 03/05

6 非薬物的介入 リラックスさせる技術、行動修正 環境の管理(遊び、音楽、計画的な医療・看護的介入、しっかりした睡眠と休憩時間)
穏やかに接する、支えとなるような態度を示す 栄養学的支援、輸液、電解質補充 最適な組織灌流と酸素化を行う 経皮的電気刺激(TENS)、マッサージ、ジャグジー、理学療法 針治療 03/05

7 薬物治療 投薬はガイドラインに準拠すべきだが、用量は個々に応じて決定されなければならない
効果的な小児の鎮痛剤の用量は決定されていない(三環系抗うつ剤、SSRI、抗けいれん剤など) 付加的鎮痛剤の使用に関しては、鎮痛剤の用量が初期治療に用いる標準的な用量より少なくて済む可能性がある 少量で開始し、必要に応じて忍容できる程度まで増量する 鎮痛治療は患者を評価した後に開始されるべきであり、痛みを生じさせている病的状態を診断し治療する積極的な努力が必要である。ほとんど全ての鎮痛に必要な標準的用量は小児の参考図書に述べられている。例えば、Harriet Lane Handbookや処方ガイドラインなどである。しかし、疼痛治療薬の用量は個人に応じて決定されなければならない。痛みを伴う状況にある小児に対し効果的な鎮痛剤の用量は無作為割付試験で決定されるものではない。このことは特に三環系抗うつ剤、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、鎮痛効果を併せ持つ抗けいれん剤にとって真実である。付加的鎮痛剤を用いた臨床経験では、鎮痛剤の用量が、その薬剤の初期使用時の標準的使用量とされる量より少なくて済む可能性が示されている。こうした理由から、これらの薬剤を使用した疼痛治療は少量で最初は就寝時に開始される。その後忍容でき必要である量まで増加させることによって、不快な効果を最小限にし、コンプライアンスを改善する。 03/05

8 薬物的治療 多くの鎮痛剤が肝臓代謝を受ける PIまたはNNRTIと相互作用する可能性
鎮痛剤と(または)抗レトロウイルス薬の血中濃度が変化する可能性 鎮痛剤の毒性または中止に伴うリスク:最適ではない、または毒性を持つPI・NNRTIの濃度 オピオイド、鎮静剤、抗けいれん剤、様々な麻酔薬が、最初に酵素であるCYP3A4とCYP2D6を用いたCYP450系によって接合や酸化されることで肝臓代謝を受ける。これらの物質が、HIVプロテアーゼインヒビター(PI)や非核酸系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)との接合に使われる時、特に鎮痛剤と鎮静剤をマイクロゾームの酵素活性が阻害される状況において狭い治療域で加える時には注意が必要である。これらの薬剤を同時に使用することは血漿中の薬物濃度、毒性を増加させたり、痛み止めの薬物使用量が過量になる結果をもたらすこともある。さらに、痛み止めの薬物治療によって誘導された肝臓の酵素の変化は、PIやNNRTIの薬物動態に変化をもたらす。CYP450の同位体代謝に関する詳細な情報が多くの鎮痛剤や鎮静剤で欠けているため、従来の投与方法が推奨され個々の患者の反応によって微調整される。CYP450系はかなり多様であり、(9)鎮痛剤に対する薬物動態的反応は、集団の中で個々が異なるのと同様に、遺伝子変化の多様性と民族間での発現の差に影響される。(10)疼痛治療薬と抗レトロウイルス薬との潜在的な薬物相互作用に関するさらに詳しい情報は 03/05

9 薬剤の種類 GABA アゴニスト Mu オピオイドアゴニスト NMDA 受容体アンタゴニスト 混合アゴニスト
カテゴリー 代表的な薬剤 コメント GABA アゴニスト Baclofen, midazolam, lorazepam, diazepam Baclofenは筋攣縮によく使用される:GABA-B受容体を刺激し、興奮性アミノ酸であるグルタミン酸とアスパラギン酸の放出を抑制する。 Mu オピオイドアゴニスト Fentanyl, morphine 呼吸のモニタリングが必要。経皮的fentanyl投与は、緩徐に発生に長期間持続するような挿間的な痛みには使用されるべきではない。 NMDA 受容体アンタゴニスト Dextromethorphan, ketamine Dextromethorphanは失調やめまいの原因となる。Ketamineは心拍数、血圧、心拍出量、頭蓋内圧、眼圧を増加させる。また、幻覚を生じることもある。 混合アゴニスト Methadone (muオピオイドとNMDA効果を持つ); tramadol (muオピオイドとnorepinephrine,serotonin効果を持つ ) Methadoneは、乳幼児向けの液状製剤が使用できる。クリアランスに著しい変化が見られるので、密なモニタリングを行い過剰鎮静を避ける必要がある。rramadolに関しては、小児の用量、安全性、投与間隔はまだ決定されていない。 Meperidine (Demerol)は厳重に注意しながら使用しなければならない。 このオピオイドは肝臓代謝を受けCYP450酵素であるCYP2D6によってnormeperidineへ変化する。このことはPIの薬物動態を変化させ、meperidineかnormeperidineのどちらかを集積させる可能性がある。normeperidineは潜在的な痙攣、興奮、奇異的深鎮痛、不眠、ミオクローヌスなどの毒性を持つ中枢神経(CNS)刺激剤である。Meperidineは迷走神経を遮断し、心拍数を増加させるため、既に頻脈が存在している場合、頻脈を不安定なリズムへ向かわせる可能性がある。 ニューロン上のN-methyl-D-aspartate (NMDA)受容体は興奮性作用を持つ。 NMDA受容体の過剰な活性化はgp120(HIV粒子の外側のエンベロープに存在するタンパク質)の存在下で発生し、(11)慢性的な疼痛、麻酔や鎮静に対する要求の増加、重度の不眠、麻酔の離脱中の不快感などを引き起こす。dextromethorphanとketamineはNMDA受容体を遮断するが、実質的にはその使用を制限するような不適当な効果を持っている。特に、高用量のdextromethorphanは失調とめまいの原因となる。ケタミンは記憶に残るような幻覚を生じさせるが、より重要なのは、進行したHIV/AIDSの小児においては、重度の心伝導障害に関連していることである。(以下の記述ー「有痛性処置時の麻酔と鎮静」ーも参照) 神経伝達物質であるガンマアミノブチル酸(GABA)はCNS抑制物質である。GABAアゴニストにはdiazepam、lorazepam、midazoram、baclofenが含まれる。投与の適応には不眠、鎮静の必要時、amnesiaの導入、痙性の軽減が含まれる。GABAアゴニストの鎮静と呼吸抑制効果はオピオイドとの併用によって増加する。 03/05

10 薬剤の種類 アルファ2アドレナリンアゴニスト 三環系抗うつ剤 SSRIs 鎮痛効果を持つ抗けいれん剤 NSAIDs Clonidine
カテゴリー 代表的な薬剤 コメント アルファ2アドレナリンアゴニスト Clonidine 交感神経の反応を調節する。オピオイド減量効果。経皮的投与が可能。患者が低血圧、敗血症、うつ状態になったら中止する。 三環系抗うつ剤 Amitriptyline, nortriptyline NMDA受容体を遮断する。 内因性オピオイドを放出する。クリアランスは様々である。2回め(a.m.)の内服でさらに利点が現れる。血漿中の濃度を目安にすると高用量になりやすい。 SSRIs Paroxetine, sertraline, fluoxetine antinociceptiveの効果のメカニズムは不明である。:中枢オピオイドとセロトニン経路の両方か関与しているのかもしれない。 鎮痛効果を持つ抗けいれん剤 Gabapentin, lamotrigine, topiramate Gabapentinはカルシウムチャネルを調節し、GABA合成を促進し、グルタミン酸を減少させる。神経原性の痛みの治療に用いられる。Topiramate:ARVとの薬物相互作用をモニターする。 NSAIDs Ibuprofen, celecoxib, diclofenac, acetaminophen, ketorolac cyclooxygenase-2 (COX-2)を阻害する。クラスの差はほとんど無い。 Ketorolacは最初の経静脈投与のNSAIDであるが、肝不全と消化管出血を生じることがある。 アルファ2アドレナリンアゴニストであるClonidineは、それ自身に鎮痛効果があるが、麻酔の耐性の進行を防ぎ、長期化した集中治療後に遭遇するような慢性的なオピオイド依存からの離脱を助けるのに大変有用である。経口投与は可能だが、誤った用量は突き抜けた疼痛とリバウンドの高血圧をもたらす可能性がある。経皮的な投与は安定した血中濃度をもたらす点と使用のしやすさという点で優れている。クロニジンは有意にうつ状態や、低血圧、徐脈、原因不明の敗血症症候群をもたらすため、小児に対する投与は控えるべきである。経皮的な投与経路であるパッチは低血圧や敗血症がみられたら速やかに撤去されなければならない。 03/05

11 留意事項 オピオイド 激しい痛みを緩和する 優れた鎮痛作用:一般的には安全である 他の薬剤と同時に使用すると鎮痛作用を増強することがある:
GABAアゴニスト、アルファ2アゴニスト、 TCAs、SSRIs、抗けいれん剤 オピオイドは、個々の反応は原因となっている痛みの種類や、オピオイド使用歴、遺伝子的な多型、薬剤相互作用によって様々であるが、広い安全域を持つ優れた鎮痛剤である。投与スケジュールと投与経路は個別に対応しなければならず、飛び抜けた痛みが存在することが必要である。飛び抜けた痛みが生じると、1回もしくはそれ以上の追加(レスキュー)投与が必要となる。レスキュー投与量は日常オピオイド必要量の約5−10%と計算される。(12)疼痛コントロールに複数の「レスキュー」投与が必要ならば、患者の痛みが和らぐように全体の日常麻薬投与量を5−10%増加させることが考慮されなければならない。オピオイドをGABAアゴニスト、アルファ2アドレナリンアゴニスト、鎮痛効果のある抗けいれん剤、三環系抗うつ剤、SSRIと同時に投与すると、麻薬単独で達成される鎮痛効果よりもさらに鎮痛効果が得られる。 03/05

12 特に注意すべきこと オピオイドの合併症: 過剰な沈静 嘔気と嘔吐
A.m.刺激剤(dextroamphetamine, methylphenidate)の低用量使用を考慮する 掻痒感と便秘 極少量のnaloxoneの使用を考慮する 麻薬を変更する(methadoneなどへ) 嘔気と嘔吐 麻薬を変更する 鎮痛に充分な量のオピオイドで過剰な鎮静が生じることがある。Dextroamphetamineやmethylphenidateを朝少量使用することが日中の覚醒度を改善する。(13)掻痒感と便秘はnaloxone(Narcan)極少量使用することや、methadoneなどの別のオピオイドを選択することによって一定のレベルまで改善することがある。嘔気と嘔吐は麻薬を変更することで解消されることがある。 03/05

13 特に注意すべきこと Methadone NMDA受容体拮抗作用を持つ 非麻薬性鎮痛剤に不応性の神経原性疼痛に対する長期的治療に推奨される
他の麻薬に比べ忍容性を低下させることがある 成人では、CD4%が低値であることと関連している MetadoneによるNMDA受容体拮抗作用によって、非麻薬性鎮痛剤での管理に不応性の神経原性疼痛を持つ患者に対し長期間のオピオイド使用を可能となる。NMDA受容体阻害はまた、麻薬の忍容性と持続的な用量増加への必要性を押さえている可能性もある。(16)methadoneに暴露されたヒト血液単核球由来のマクロファージ中でHIVの複製が増加することを示唆している(18)in vitroのデータや methadone投与がCD4陽性細胞比率とCD4/CD8比低値と関連がある可能性が示唆された(17)という成人で得られた先行試験での所見があるものの、これらの陽性効果は重視されなければならない。  03/05

14 特に注意すべきこと Methadone 高用量のモルヒネ(dilaudid、fentanyl)からmethadoneへの変更
少量(予想必要量の20%)で開始する 必要量の上限で呼吸抑制のリスク 不完全な交差耐性のためオピオイド耐性の患者において他の麻薬からmethadoneへ変更する試みが複雑になる。高用量のモルヒネ(dilaudid、fentanyl)が使用されてきた患者には、呼吸抑制のリスクが増加するためmethadoneを上限の量で開始するべきではない。methadoneはオピオイド未使用の状況で使用する量の20%で開始することが推奨される。(14) 03/05

15 特に注意すべきこと Methadone いくつかのPI(lopinavirなど)とNNRTI(efavirenz、nevirapine)がmethadoneの代謝に影響を与え血中濃度を低下させる オピオイドの禁断症状が生じる可能性がある より高用量のmethadoneが必要になる可能性がある 相互作用のあるARVが中止されたときにmethadoneの毒性が出現するリスク PI(ほとんどはlopinavir)とNNRTIであるnevirapineとefavirenzはmethadoneの代謝に影響を与え、禁断症状を引き起こす可能性がある。(15)これらの薬剤を投与している時はmethadoneの量を増加させる必要がある。反対に、PIまたはNNRTIが中止された場合にmethadoneの毒性が現れる可能性がある。 03/05

16 特に注意すべきこと 長期間のオピオイドとベンゾジアゼピンによる治療からの離脱 身体的ストレスを最小化する
禁断症状を軽減する目的で、Clonidine(アルファ2作動薬)を経皮的あるいは経口で使用する IVの麻薬からmethadone(またはfentanylパッチ、モルヒネ、MSコンチン)へ変更する Midazolamからlorazepamへ変更する 経静脈的投与のfentanyl、methadone、モルヒネ、lorazepamなどの高用量の麻薬と鎮静から離脱は、集中治療室から退室している患者でしばしば必要とされる。禁忌ではないならば、経口または経皮的なclonidine投与下のアルファ2アドレナリン作動薬による交感神経系の反応修飾によって、患者が安楽な状態を保ち続けている間に麻薬の削減を行うことが有意に容易となる。fentanylの持続静注からmethadoneへの変更や、fentanylパッチ、モルヒネ、MSコンチンへの変更はさらに追加して考慮される方法である。Midazoramからlorazepam(経口または経静脈的投与が可能)への変更は、midazoramからの離脱が困難であるか実現できない状況下では推奨される。 全ての患者で身体的なストレスを最小化する目標を携えながら離脱が行われるべきである。日常的なmethadone使用量の5−10%の減量を2日から3日毎の頻度で、5−10%のlorazepam減量と交互に行うのであれば耐えることが可能である。患者が麻薬を中止し、少なくとも3から5日間安楽な状態を保った後、clonidineの離脱が可能であり、その後医学的な管理の下に減量を行う。 この過程では禁断症状の評価を頻回に行うことが必要であり、当初の計画では耐えられない患者に対しては減量する速さを緩徐にするべきである。今日まで、乳児期以降の小児に対して用いられる禁断症状のスコアリングシステムで広く受け入れられたものはない。そのため、個々の患者の感じかたと反応を改善する試みの中で、身体的検査と介護者からの聞き取りを行い繰り返し再評価していかなければならない。 03/05

17 特に注意すべきこと 長期間のオピオイドとベンゾジアゼピン治療からの離脱 Methadoneは2-3日毎に5-10%ずつ減量する
 可能ならばlorazepamの5-10%減量と交互に行う 麻薬の中止後少なくとも3-5日経過後にclonidineの減量を行う 禁断症状に関して頻回に評価を行う 03/05

18 特に考慮すべきこと 麻薬と鎮静の必要量が亢進する アルファ2アゴニストとNMDA受容体アンタゴニストを開始する
Clonidine、dextromethorphan(少量)を考慮する 他の麻薬をmethadoneへ変更し、lorazepamをmidazolamへ変更する 麻薬をローテートさせることを考慮する 局在性の疼痛には局所麻酔を考慮する 遷延する集中治療や侵襲的治療を受けていて激しい神経原性疼痛や著しく増強する慢性疼痛に悩まされている小児のHIV感染者では、薬剤必要量の増加や逆説的hyperalgesia、CNSの興奮性がみられる。これらの問題が生じるリスクのある患者を認識することから治療が始まる。アルファ2アドレナリン作動薬とNMDA受容体拮抗薬は、生理学的に可能な限り早期に開始されるべきである。llonidine、少量のdextromethorphan、他の麻薬からmethadoneへの変更、midazolamからlorazepamへの変更は最もよく使用される方法である。麻薬の選択的ローテーションも慢性的にがん性疼痛が持続する患者に推奨される。しかし、HIV/AIDS患者である小児に使用された経験は報告されていない。耐え難い局在性疼痛に対しては局所麻酔が考慮されることもある。 03/05

19 特に考慮すべきこと 痛みを伴う処置の際の鎮痛及び鎮静 静脈穿刺:非薬理学的介入に加えて局所麻酔
さらに侵襲的な処置には意識レベルを下げることを考慮する Midazolamに伴う注意:いくつかのPIとNNRTIによって血中濃度が増加する Fentanylに伴う注意:PIまたはNNRTI投与中の患者では開始時の急速投与で呼吸と循環抑制が生じる 少量で開始、注意深く増量、頻回にモニタリング 潜在的に痛みを伴う処置の間の痛みとストレスを避けることは、医療を必要とするどの患者でも優先されなければならない。局所麻酔と組み合わせた非薬理学的介入(table 1)は静脈穿刺、注射などではルーチンで行われるべきである。腰椎穿刺とより侵襲的な処置から逃れるには経静脈的な鎮静が必要である。米国小児科学会の鎮静基準(19)は、Joint Commission for Accreditation of Health Care Organizations のプロトコールをそれぞれの医療機関に適応させて用いるべきであるとしている。Midazolamとfentanylの組み合わせは麻酔科以外の 人間が行う小児の鎮静にしばしば用いられる組み合わせである。ある種のPI(ritonavirとsaquinavir)とNNRTI(delavirdineとefavirenz)を使用している状況下ではCYP3A4の抑制によってmidazolamの血中濃度上昇がみられる。研究されてはいないが、CYP450酵素であるCYP3A4により代謝される全ての薬剤がこの影響を受けると考えられる。そのため、使用される場合緊密なモニタリングが推奨される。通常の開始量を投与すると強い呼吸・循環抑制が生じる可能性があるため、PIまたはNNRTIによる治療が行われている患者にfentanylを使用する時も緊密なモニタリングが推奨される。鎮静する場合は、患者の反応をみながら通常量より相当低い量で開始するべきである。患者が完全に覚醒してベースラインのバイタルサインが回復するまで適切にモニタリングしなければならない。 鎮静のガイドラインに示されているような通常量のfentanylとmidazolamに明らかな反応をほとんど示さない患者も現れるだろう。こういった患者については、病院のガイドラインでfentanylとmidazolamで適切な鎮静ができない小児に対しケタミンの投与が許可されている場合でも麻酔科へ相談することが必要である。HIV/AIDSの小児患者に対するケタミンの使用は利益・不利益が相反する。進行期の小児では、ケタミンの使用は、内因性または外因性に投与されたカテコラミンに感作されたり、心調律障害、電解質異常や心停止さえも生じるリスクをはらんでいる。さらに、小児のHIV感染者に対しこの薬剤を使用し気管支鏡を施行中に、急性の気管支スパスムが生じた。(20)熟練した麻酔科医によってpropofolが投与されることは最も安全な代替方法だが、患者個々が評価された上で行われなければならない。 03/05

20 特に考慮すべきこと 末梢神経炎 神経原性疼痛 小児においては重症度は低いようである
必要ならLidodermパッチを他の鎮痛剤とともに使用する 可能ならば進行中の投薬を中断する 神経原性疼痛 進行中の組織障害や炎症とは関係なく持続または激化する 組み合わせ療法(麻薬と組み合わせた非麻薬性薬剤または非麻薬製剤同士)が必要となる可能性がある 疼痛対策の専門家に相談する 小児のHIV感染者に末梢神経炎が報告されている(21)が、一般に、成人のHIV感染者で報告されている遠位感覚神経炎と比較し、疼痛の程度及び範囲は少ないようである。iidodermパッチが疼痛部位に適用されるときには、table2に挙げた他の薬剤のうち1つ以上と組み合わせて用いられ、末梢神経炎の原因となった薬剤を中止することで標準的治療を継続する。神経学の専門医への紹介が推奨される。 小児のHIV感染者における運動障害は相当な強い疼痛と行動制限の原因となる。 錐体外路系の機能不全はlevodopaにより改善する。(22)神経学、理学療法、麻酔の専門家への紹介が推奨される。 神経原性疼痛は、疼痛が持続するか進行中の組織傷害や炎症とは関係なく悪化するものと定義される。(23)神経原性疼痛をコントロールするために、table2に挙げたような多くの治療的介入が必要とされる可能性がある。 純粋なmuオピオイドに抵抗性の場合がしばしばみられるため、末梢と中枢神経系に存在する疼痛を持続させる特異的で重複する経路を標的として非麻薬性薬剤の組み合わせが処方される。治療に注ぎ込む労力を適切なものとし、疼痛の亢進を最小化するために、神経原性疼痛の診断が考慮される場合は速やかに疼痛の専門家への相談が開始されるべきである。膵炎、浸潤性で治療困難な消化管の感染症、胆嚢と胆道疾患、吸収不良症候群、腫瘍、多くの薬剤の有害な副作用が、HIV/AIDS患者である小児の持続性腹痛の原因となる。神経原性腹痛の診断は、他の全ての原因が徹底した検査によって除外された後にのみ下される。その後も疼痛が神経に起因するものかどうかについて最大限の注意を払い続けなければならない。神経原性腹痛の治療は非常に困難である。疼痛がtable2に挙げた治療に不応性ならば、緩和的腹腔神経叢ブロックを考慮しても良いかもしれない。(24) 03/05

21 特に考慮すべきこと 運動障害 Levodopaを考慮する 神経科、麻酔科、リハビリテーションの専門家へ相談する 03/05
小児のHIV感染者における運動障害は強い疼痛と行動制限をもたらす。 錐体外路系の機能不全はlevodopaで改善する可能性がある。(22)神経科、理学療法、麻酔の専門家への相談が推奨される。 03/05

22 疼痛症候群別の治療 組織障害、炎症、浸潤性感染症、腫瘍による局在性または限局性疼痛 筋原性の経過 全身性炎症性の経過 末梢神経炎
適応 治療目標 薬理学的アプローチ 組織障害、炎症、浸潤性感染症、腫瘍による局在性または限局性疼痛 炎症と組織障害を軽減する:痛みの伝導を遮断する:鎮痛 局所的鎮痛:局所麻酔:capsaicin:ステロイドの局所投与:NSAID:オピオイド:領域麻酔 筋原性の経過 原因を解消する:炎症を軽減する 攻撃的治療を中止:ARV療法の最大化:NSAID:ステロイドの全身投与を考慮する 全身性炎症性の経過 炎症とストレスを軽減する NSAID:コルチコステロイドを考慮する 末梢神経炎 炎症と進行を限定させる Lidodermパッチ:三環系抗うつ薬またはSSRI :抗痙攣薬:アルファ2アゴニスト:攻撃的治療の中止 03/05

23 疼痛症候群別の治療 神経原性疼痛症候群 固縮、痙性を伴う運動障害 易刺激性や不眠を伴った脳炎様の過程
適応 治療目標 薬理学的アプローチ 神経原性疼痛症候群 CNSの興奮性と交感神経反応を調節する:ストレスを減らす鎮痛:可動性 三環系抗うつ剤やSSRI:アルファ2アゴニスト:NSAID:抗けいれん剤:NMDA阻害効果のあるオピオイド:NMDA受容体アンタゴニスト:リドカインの全身投与:領域麻酔 固縮、痙性を伴う運動障害 安楽性と可動性を改善する GABAアゴニスト:L-dopa:領域麻酔 易刺激性や不眠を伴った脳炎様の過程 睡眠を改善する:CNSの炎症を軽減する GABAアゴニスト:ARV:NMDA受容体アンタゴニスト:抗けいれん剤 03/05

24 疼痛症候群別の治療 呼吸窮迫や重症の鬱血性心不全 麻薬依存性の亢進と麻酔抵抗性の亢進 オピオイドまたはGABAアゴニストの離脱現象
適応 治療の目標 薬理学的アプローチ 呼吸窮迫や重症の鬱血性心不全 安楽にしたり処置を忍容するための鎮静及び鎮痛 O2:モルヒネと他のオピオイド:GABAアゴニスト 麻薬依存性の亢進と麻酔抵抗性の亢進 ゆるやかに抑制する:オピオイド反応性の保存 アルファ2アゴニスト:NMDA阻害効果を持つオピオイド:NMDA受容体アンタゴニスト オピオイドまたはGABAアゴニストの離脱現象 ストレス反応を最小化する:忍容できる速さで離脱する アルファ2アゴニスト:NMDA阻害効果を持つオピオイド:長時間作用型CABAアゴニスト 03/05

25 結論 疼痛は生活の質を大きく損ない医学的管理を複雑にする可能性がある
最適な管理にはしばしば領域を越えた専門家(麻酔、疼痛対策、看護、社会福祉、その他)の協力を必要とする 小児のHIV感染の治療とコントロールには進歩がみられているが、進行期の患者にとって、疼痛は複雑な医療ケアを必要とし生活の質を損なうことがある。これらの患者でみられる疼痛は複雑であるため、最適な管理は麻酔専門家、疼痛専門家、ソーシャルワーカー、看護スタッフ、その他ここで述べた種々の領域の専門家の協力により達成される。ここで提示したガイドラインと推奨事項は、領域をまたいだチームにより行われる疼痛管理の枠組みを提供するものである。 03/05


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