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地すべり解析における 有限要素法の利用 群馬大学建設工学科 教授 鵜飼恵三
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斜面安定解析法の土台（プラットフォ－ム）を極限平衡法から弾塑性ＦＥＭに変更する
最終目的 斜面安定解析法の土台（プラットフォ－ム）を極限平衡法から弾塑性ＦＥＭに変更する
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Ⅰ 基礎的な話
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１．弾塑性とは何か？
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弾性と塑性の意味
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三軸圧縮試験のシミュレーション
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計算例
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２．ＦＥＭ（有限要素法）とは何か？
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３．従来の斜面安定解析法
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２種類の方法がある ①変形・破壊解析：実態に則した解析 ②全体安全率の計算：設計のための計算、 せん断強度低減有限要素法
４．ＦＥＭによる斜面安定解析法 ２種類の方法がある ①変形・破壊解析：実態に則した解析 ②全体安全率の計算：設計のための計算、 せん断強度低減有限要素法
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５．せん断強度低減有限要素法
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Ⅱ 対策工の効果を安全率の 増加で評価する
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概要 １．はじめに ２．降雨時の斜面安定解析と水平排水孔の 効果 ３．杭による斜面崩壊の抑止効果の解析
２．降雨時の斜面安定解析と水平排水孔の 効果 ３．杭による斜面崩壊の抑止効果の解析 ４．アンカーによる斜面の補強効果の解析 ５．降雨時の浅層崩壊を防ぐための排水パイ プの効果と設計法 土は弾完全塑性体と仮定 ３次元解析
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１．はじめに 従来の斜面安定解析法は極限平衡法に もとづいており、 ・３次元性 ：地形、地質、水圧分布 ・土の変形特性 ・土と対策工の相互作用 を十分には評価できない。 極限平衡法：すべり面（不連続面）の扱いは得意
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解析法 ３次元FEM ● ３次元飽和・不飽和浸透流解析 （水の流れを考える場合） ● ３次元せん断強度低減弾塑性FEM 安全率により斜面の安定性と 対策工の効果を評価する
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２．降雨時の斜面安定解析と 水平排水孔の効果
２．降雨時の斜面安定解析と 水平排水孔の効果 降雨時の斜面崩壊メカニズムを ２次元FEMで解析する 水平排水孔の効果を３次元FEMで評価する
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Fig 斜面の解析モデルとFEメッシュ
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土中の水の流れのモデル化 基本方程式： 質量保存式とダルシー則
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不飽和土の水理特性 (van Genuchten model, 1980)
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GCL ■ │Φ│ □ Kr Table 2.1 土の水理特性 GCL: 粘土質ローム USS: シルト質砂 BLS: ローム質砂
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時間降雨量 10mm/h Fig 水圧ヘッドの時間変化
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GCL 斜面 . Fig. 2.4 水圧ヘッドのコンター (m)
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GCL 斜面 Se=0.507 Se=0.617 Se=0.727 時間降雨量10mm/h Fig. 2.7 安全率の時間的変化
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‣ Fig. 2.10 数値解析結果と観測結果の比較 （観測結果は風間ら（1985）から引用） 実線：数値解析 点線：関東地域 破線：全国
破線：全国 ☓ ☒ ‣ Fig 数値解析結果と観測結果の比較 （観測結果は風間ら（1985）から引用）
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解析領域(水平排水孔が設置されたケース）
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Fig. 2.11 水平排水孔を持つモデル斜面と有限要素メッシュ
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Fig. 2.16 ２つの断面での水圧ヘッドの コンター（m)
Point B Point C Fig ２つの断面での水圧ヘッドの コンター（m)
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Fig. 2.18 安全率の増分と水平排水孔の長さ との関係 .
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● 杭の抑止効果をせん断強度低減FEMで評価する ● せん断強度低減FEMの結果を簡易 Bishop法による計算結果と比較する.
３．杭による斜面崩壊の抑止 効果の解析 ● 杭の抑止効果をせん断強度低減FEMで評価する ● せん断強度低減FEMの結果を簡易 Bishop法による計算結果と比較する.
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杭中心間隔D1 Fig モデル斜面とFEメッシュ
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簡易ビショップ法による解析 ● 杭による抑止効果（土圧）を伊藤ー松井の 方法で評価する ● 最小安全率と対応するすべり面を計算す る
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杭頭自由の場合にFEMと簡易ビショップ法はよく一致しているが、これは偶然である。
Fig 安全率と杭間隔の関係
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Fig 杭に作用する土圧
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赤円弧は簡易 ビショップ法により計算された臨界すべり円を示す
Fig 破壊メカニズム
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Fig 安全率と杭位置の関係
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● アンカーによる斜面の補強効果を FEMで評価する ● FEMの結果を従来法と比較する
４．アンカーによる斜面の補強 効果の解析 ● アンカーによる斜面の補強効果を FEMで評価する ● FEMの結果を従来法と比較する
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Vertical approach Normal approach Fig アンカーで補強された斜面
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アンカーで補強された斜面の安全率 （簡易ビショップ法）
アンカーで補強された斜面の安全率 （簡易ビショップ法） アンカーによる抑止力
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Fig. 4.2 有限要素メッシュ
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Lx=4.0m, D1=1.5m, Pi=0kN Fig 安全率とアンカー方向角の関係
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D1=1.5m, θ=15°, Pi=0kN Fig 安全率とアンカー位置の関係
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Lx=4m, θ=15°, Pi=0kN Fig 安全率とアンカー間隔の関係
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５．降雨時の浅層崩壊を防ぐため の排水パイプの効果と 設計法
５．降雨時の浅層崩壊を防ぐため の排水パイプの効果と 設計法 ● 有孔排水パイプの排水効果をFEMによ り評価する方法を提案する ● フェレニウス法、簡易ビショップ法と FEMから計算される安全率を比較する .
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排水パイプ 斜面にパイプを挿入するための簡単な 道具
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排水パイプが斜面に挿入される
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Fig モデル斜面とFEメッシュ
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Fig. 5.2 水圧ヘッドのコンター (m)： 排水パイプなし (定常状態）
ir=0.278 正規化された降雨強度が0.566以上になると斜面内の水圧は変化しない ir=0.566 Fig 水圧ヘッドのコンター (m)： 排水パイプなし (定常状態）
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Fig. 5.4 水圧ヘッドのコンター (m) 排水パイプあり
ir=0.278 Fig 水圧ヘッドのコンター (m) 排水パイプあり
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Fig 5.7 安全率と正規化された降雨強度 の関係
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排水パイプなし Fig. 5.8(a） すべり面の位置
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排水パイプあり Fig. 5.8(b） すべり面の位置
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Fig とパイプ間隔の関係
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Fig. 5.15 正規化された排水量とパイプ間隔の関係
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ここまでの結論 ● 水平排水孔、抑止杭、アンカー、 排水パイプが斜面を安定化する メカニズムは3次元的である。
● 水平排水孔、抑止杭、アンカー、 排水パイプが斜面を安定化する メカニズムは3次元的である。 ● FEMはこれらの3次元効果を そのまま考慮できるが、LEMには 困難である。
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今後の研究の方向 ●実際の地すべりをFEMで解析する すべり面（不連続面）の取り扱い？ ●現行設計法と弾塑性FEMの比較
すべり面（不連続面）の取り扱い？ ●現行設計法と弾塑性FEMの比較 従来法による設計例をFEMで計算し比較する ●斜面安定解析のプラットフォームをLEMからFEMに変える（時間がかかるだろう） ●FEMを用いた地震時、豪雨時における丘陵・山間地のハザードマップの作成
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実際の地すべりと対策工 （イメージ）
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FEMを用いた地震時、豪雨時における丘陵・
山間地のハザードマップの作成 （３次元局所安全率の等高線を描き危険箇所を抽出する） （下図は沖村孝教授の著書より引用）
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