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「アセスメントと サービス提供の基本姿勢」 <地域生活(身体)(機能訓練)> 国立障害者リハビリテーションセンター

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1 「アセスメントと サービス提供の基本姿勢」 <地域生活(身体)(機能訓練)> 国立障害者リハビリテーションセンター
サービス管理責任者研修テキスト 分野別講義    「アセスメントと        サービス提供の基本姿勢」 <地域生活(身体)(機能訓練)> 国立障害者リハビリテーションセンター 自立支援局自立訓練部部長  西村 茂 平成22年9月9日 <サービス管理責任者研修の目的の再確認>  本研修会の目的を大別すると、①個別支援計画の策定や評価等に関して指導・助言する力を養い、②サービス管理責任者の役割を考え、発見し、現場での支援に生かすことです。  具体的には、サービス管理責任者は、個々のサービス利用者の障害特性や生活実態に関する専門的な知識や個別支援計画の策定・評価などの技術をもち、さらに他のサービス提供職員に対する指導的役割が期待されていることから、①サービス提供の基本的姿勢、②サービス提供の視点、サービス管理のプロセスの実際について、サービスの質の確保に必要な知識、技能の重要性を理解するとともに、サービス管理責任者としての役割を理解することがポイントになります。  なお、ご承知とは思いますが、この講義でいう「地域生活(身体障害)分野」は、障害福祉サービスでいうところの「自立訓練(機能訓練)」となります。

2 分野別のアセスメントとサービス提供の基本姿勢 (目 次)
分野別のアセスメントとサービス提供の基本姿勢 (目 次) 1.分野別事業概論  (1) 地域生活(身体障害)分野における研修目標の確認  (2) 自立訓練(機能訓練)事業概要  (3) 最近の動向  (4) サービス管理責任者の役割 2.サービス提供の基本姿勢  (1) 利用者中心の考え方  (2) 達成すべき状態の明確化  (3) 利用者のニーズについての理解  (4) 提供するサービスについての理解 3.サービス提供のポイント  (1) 各利用者における課題の整理  (2) 専門職主導から自己実現の支援へ  (3) 社会生活力をつける  (4) 地域移行後を意識した取り組み  (5) 相談支援専門員、地域の関係機関との連携 4.アセスメントのポイント  (1) ニーズは何か  (2) 阻害要因はあるか  (3) ニーズの変化による課題の解決  (4) 地域生活への移行のために何が必要か  (5) 関係機関について  (6) 身体機能のみならず心理状態を把握する 5.サービス管理プロセスの実際  (1) サービス提供のプロセス  (2) 相談支援時の状況把握  (3) アセスメント  (4) 個別支援計画の作成  (5) 個別支援計画の実施  (6) 中間評価と修正  (7) 関係機関との連携  (8) 終了時評価 6.サービスの評価  (1) サービスの評価基準     ・質の高いサービス     ・事業の推進・効率化     ・人材の育成・強化  (2) サービス管理責任者の役割の確認 <本講義の流れを説明>  地域生活(身体)分野におけるアセスメントとサービス提供の基本姿勢の内容ですが、サービス提供の基本姿勢、サービス提供の視点、サービス管理プロセスの実際、関係機関との連携によるサービス提供の考え方の4つについて学んでいきます。  サービス提供の基本姿勢では、①サービス提供の基本的考え方、②サービス提供のポイント、③サービス管理の基本的な考え方、④サービス管理責任者評価の基準  サービス提供の視点では、①何が阻害要因となっているかを考える、②どのような阻害要因があるか、③得意なこと、興味のあること、潜在能力を伸ばす、④地域生活への移行のために、⑤サービス内容の概要(例)  サービス管理プロセスの実際では、①相談支援時の状況把握、②アセスメント、③個別支援計画の作成、④個別支援計画の実施、⑤中間評価と修正、⑥終了時評価  最後に、関係機関との連携によるサービス提供についてについて学びます。

3 1.分野別事業概論  それでは、最初のサービス提供の基本姿勢について、話を進めて参ります。

4 (1)地域生活(身体障害)分野における研修目標の確認
 地域生活(身体障害)分野では、自立訓練(機能訓練)事業におけるサービス管理責任者の役割を理解する。  自立訓練(機能訓練)事業における対象者像を念頭に、   ・アセスメント(ニーズの把握)と課題の整理   ・個別支援計画の作成とプロセス管理(モニタリング、計画修正)   ・地域移行後を意識した取り組み(関係機関との連携) 等について演習を行いながら理解するとともに、  「模擬支援会議」等を通じて、会議運営やサービス提供職員に対する指導・助言等についても理解する。

5 (2) 自立訓練(機能訓練)事業概要 ○ 対象者 ○ サービス内容 ○ 主な人員配置 ○ 報酬単価
(2) 自立訓練(機能訓練)事業概要 ○ 対象者 地域生活を営む上で、身体機能・生活能力の維持・向上等のため、一定期間の訓練が必要な身体障害者 ① 入所施設・病院を退所・退院した者であって、地域生活への移行等を図る上で、身体的リハビリテーションの継続や身体機能    の維持・回復などを目的とした訓練が必要な者 ② 特別支援学校を卒業した者であって、地域生活を営む上で、身体機能の維持・回復などを目的とした訓練が必要な者 等 ○ サービス内容 ○ 主な人員配置 ■ 理学療法や作業療法等の身体的リハビリテーションや、日常生活上の相談支援等を実施 ※サービス内容等には生活支援等の社会的リハビリテーションや、視覚障害者の歩行・生活訓練等も含まれる。 ■ 通所による訓練を原則としつつ、個別支援計画の進捗状況に応じ、訪問による訓練を組み合わせ ■ 利用者ごとに、標準期間(18ヶ月、頸髄損傷による四肢麻痺等の場合は36ヶ月)内で利用期間を設定 ■ サービス管理責任者 ■ (ⅰ)看護職員(1人以上(1人以上常勤)) ■ (ⅱ)理学療法士又は作業療法士(1人以上)  ■ (ⅲ)生活支援員(1人以上(1人以上常勤)) ※(ⅰ)~(ⅲ)は総数で6:1以上。ただし、括弧内の人員を確保すること。 ※(ⅱ)について確保が困難な場合について、別途基準あり。 ○ 報酬単価 ■ 基本報酬 通所による訓練 785単位(定員20人以下) 訪問による訓練 254単位 (1時間未満の場合) ※ 訪問のうち、視覚障害者に対する専門訓練 750単位 ■ 主な加算 リハビリテーション加算(20単位) →利用者それぞれにリハビリテーション実施計画を作成し、個別のリハビリテーションを行った場合 ○ 事業所数  167カ所(国保連平成22年4月実績) ○ 利用者数  2,365人(国保連平成22年4月実績)

6 自立訓練(機能訓練)の標準的な支援内容(例)
通所前期(基礎訓練期) 通所後期(日常生活訓練期) 訪問期 期 間 6ヶ月間  6ヶ月間 日中通所 ○※ 訪 問 ×~△ ADL(日常生活動作)、IADL(日常生活関連動作)の向上 ○ 施設内等での基礎的訓練(理学療法、作業療法、言語療法の個別的指導による心身機能の向上) → 医療機関におけるリハビリテー  ションのフォローアップ (専門職配置がない場合) ○ 地域において安定的な日常生活を営むための訓練(理学療法、作業療法、言語療法のグループ指導、自助具・装具適応及び改良、白杖等による歩行訓練、日常生活関連動作の習熟) ○ 社会経済活動への参加のための訓練(書字・読字・手話等のコミュニケーション訓練、作業訓練、公共交通機関を利用した外出訓練等) 社会活動参加 ○ 本人、相談支援事業者等関係機関との調整 ○ 地域の社会資源に関する情報提供 ○ 就労、職業訓練等他のサービス提供体制との調整 ○ 住環境の調整(住居の確保、住宅改修等の助言及び調整) ○ ボランティア等地域の社会資源との調整 ○ パソコン等情報機器の利用 ○ その他スポーツ、レクリエーション等 健康管理 ○ 健康維持のための指導・助言(血圧・脈拍、自覚症状等のチェック、血糖値の測定等) ○ 二次障害予防を含む具体的な看護計画(疲労、転倒、疼痛等への配慮、運動許容量の検討、事故防止)の作成 ○ 症状や障害の経過観察(褥瘡、インスリン注射、カテーテルの留置・管理、浣腸、摘便等の処置及び介護に係る具体的な指示) ○ 服薬管理 その他 ○ 施設内での入浴、排泄介助、身辺介助等 ○ 地域生活における身辺、食事、排泄等の自立へ向けての対応 ○ 家族への助言 ○ 移行プログラムへの同意(目標設定)と動機付け ○ 今後の生活設計を構築する上での相談・援助 ○ 地域生活・就労移行支援等他のサービス利用に向けた安定的な生活のための相談・援助 ※ 地域の社会資源の状況から通所することが困難であるなど、一定の条件に該当する場合、施設入所も可能。 ※ 頸髄損傷による四肢の麻痺その他これに類する状態にある障害者にあっては、標準利用期間は3年間。

7  【標準利用期間等について】  ○ 自立訓練及び就労移行支援については、地域生活や一般就労への移行など、明確な目的意識を持って一定期間で効果的・効率的に訓練を行い、サービスの長期化を回避するため、標準利用期間を設定している。  [標準利用期間] 法令上定められているサービスの利用期間(障害者自立支援法施行規則第6条の6)     ①自立訓練(機能訓練) 1年6ヶ月間(頸髄損傷による四肢麻痺等の場合は3年間)       ②自立訓練(生活訓練) 2年間(長期間入院又は入所していた者については、3年間)      ③就労移行支援      2年間            (* あん摩マッサージ指圧師、はり師又はきゅう師の資格取得を目的とする養成施設を利用する場合は、3年間又は5年間)  ○ また、支給決定期間を1年間まで(上記③*の場合は3年間又は5年間)とし、引き続きサービスを提供することによる改善効果が具体的に見込まれる場合には、各サービスごとに定められた標準利用期間の範囲内で、1年ごとの支給決定期間の更新が可能である。   ○ なお、標準利用期間を超えて、さらにサービスの利用が必要な場合については、市町村審査会の個別   審査を経て、必要性が認められた場合に限り、最大1年間の更新が可能としている。(原則1回)。  ○ 宿泊型自立訓練は、標準利用期間を原則2年間とし、市町村は、利用開始から1年ごとに利用継続の必要性について確認し、支給決定の更新を行うこととしている。なお、サービスの利用開始から2年を超える支給決定の更新を行おうとする場合には、市町村審査会の意見を聴くこととしている。

8 リハビリテーション加算の取扱い リハビリテーション加算 20単位/日
リハビリテーション加算  20単位/日 リハビリテーション加算については、利用者ごとに個別のリハビリテーションを行った場合に算定するものであるが、原則として利用者全員に対して実施するべきものであり、具体的には次のとおり実施すること。 ア 利用開始時に、利用者に対するリハビリテーションの実施に必要な情報を収集しておき、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士その他の職種の者が、リハビリテーションに関する解決すべき課題の把握(アセスメント)とそれに基づく評価を行い、その後、関連スタッフによる会議を経て、利用者ごとのリハビリテーション実施計画の原案を作成する。 イ サービス管理責任者は、リハビリテーション実施計画の原案を自立訓練(機能訓練)計画に位置付け、関連スタッフと連携し、利用者及びその家族に対して説明を行い、同意を得るものとする。

9 ウ リハビリテーション実施計画については、関連スタッフが実施状況の把握(モニタリング)を行うとともに、少なくとも3月に1回以上、自立訓練(機能訓練)計画と合わせてリハビリテーション実施計画の見直しを行い、必要に応じてリハビリテーション実施計画の変更を行うこと。 エ 必要に応じ、指定相談支援事業者等を通じて、指定居宅介護サービス事業に係る従業者(指定障害者支援施設等に入所している者にあっては、当該指定障害者支援施設等の従業者)に対して、リハビリテーションに関する情報伝達(日常生活上の留意点、介護の工夫等)を行うこと。 オ 利用終了時には、指定相談支援事業所の相談支援専門員や利用者の主治医に対してリハビリテーションに必要な情報提供を行うこと。

10 「居宅を訪問して自立訓練(機能訓練)を提供した場合」
 1時間未満:254単位  1時間以上:584単位 具体的には次のとおりであること。 ア 運動機能及び日常生活動作能力の維持及び向上を目的として行う各種訓練等及びこれらに関する相談援助 イ 食事、入浴、健康管理等居宅における生活に関する訓練及び相談支援 ウ 住宅改修に関する相談援助 エ その他必要な支援

11 「視覚障害者に対する専門的訓練」 750単位 視覚障害者である利用者に対し、以下の研修等を受講した者が行う、歩行訓練や日常生活訓練等をいうものである。 ア 国立障害者リハビリテーションセンター学院の視覚障害学科(平成10年度までの間実施していた視覚障害生活訓練専門職員養成課程を含む。) イ 「視覚障害生活訓練指導員研修事業について」(平成13年3月30日障発第141号)に基づき、社会福祉法人日本ライトハウスが受託して実施している視覚障害生活訓練指導員研修 ウ 廃止前の「視覚障害生活訓練指導員研修事業について」(平成6年7月27日社援更第192号)に基づき、社会福祉法人日本ライトハウスが受託して実施していた視覚障害生活訓練指導員研修 エ 廃止前の「盲人歩行訓練指導員研修事業について」(昭和47年7月6日社更第107号)に基づき、社会福祉法人日本ライトハウスが受託して実施していた盲人歩行訓練指導員研修 オ その他、上記に準じて実施される、視覚障害者に対する歩行訓練及び生活訓練を行う者を養成する研修

12 (3)最近の動向 施設利用者(入所)の地域生活への移行に関する状況について 身体障害者もグループホーム・ケアホームの対象に 障害者の住まいの場の確保のための福祉部局と住宅部局の連携について(連携通知) 障害者の地域生活を支える体制づくりモデル事業 障害者のグループホーム・ケアホームにおける防火安全対策の徹底について(事務連絡) 障害者虐待防止対策事業

13 施 設 入 所 者 の 地 域 生 活 へ の 移 行 に 関 す る 状 況 に つ い て ①
1 入所者の推移 ※2,596施設からの回答を集計(回収率約96%) ○ 対象施設  (1)身体障害者療護施設  (2)身体障害者入所授産施設  (3)知的障害者入所更生施設  (4)知的障害者入所授産施設  (5)精神障害者入所授産施設  (6)身体障害者入所更生施設  (7)精神障害者生活訓練施設  (8)障害者支援施設 〈H 現在〉 〈H 現在〉 138,039人 136,016人 入所者数 ▲1.5%(▲2,023人) 2 施設退所後の居住の場の状況 (1)退所者の居住の場の内訳 地域生活移行 他入所施設  (障害) 他入所施設  (老人) 地域移行型  ホーム 病 院 死亡 その他 5,332人(51.4%) 1,081人(10.4%) 471人 (4.5%) 85人 (0.8%) 1,386人(13.4%) 1,669人(16.1%) 348人(3.4%) 10,372人 新規入所者 8,349人 ※「その他」には、救護施設、刑務所、所在不明等が含まれる。 (2)地域生活への移行状況 〈H →H 〉 地域生活へ移行した者 5,332人 3.9%(H 入所者数をベースとして地域生活へ移行した割合) 〈地域生活へ移行した者の住まいの場の内訳〉 共同生活介護 共同生活援助 福祉ホーム 通勤寮(旧法) 家庭復帰 1人暮らし・結婚等 その他 民間住宅 公営住宅 1,876人(35.2%) 650人(12.2%) 83人  (1.6%) 71人  (1.3%) 1,828人(34.3%) 682人 (12.8%) 106人  (2.0%) 36人 (0.7%)

14 施 設 入 所 者 の 地 域 生 活 へ の 移 行 に 関 す る 状 況 に つ い て ②
3 地域生活へ移行した者の日中活動の状況 ※2,596施設からの回答を集計(回収率約96%) 〈地域生活へ移行した者の日中活動の内訳〉 生活介護 自立訓練  (機能訓練) 自立訓練  (生活訓練) 就労移行支援 就労継続支援A型 就労継続支援B型 旧体系施設(授産) 旧体系施設(授産以外) 887人(16.6%) 28人  (0.5%) 188人(3.5%) 284人  (5.3%) 59人  (1.1%) 832人(15.6%) 328人 (6.2%) 260人 (4.9%) 地域活動支援センター 一般就労 学校 精神科     デイケア等 通所介護  (介護保険) その他の活動 未定 不明 155人 (2.9%) 564人(10.6%) 41人 (0.8%) 439人   (8.2%) 144人  (2.7%) 166人 (3.1%) 621人 (11.6%) 336人 (6.3%) 4 施設入所前の居住の場の状況 (1)新規入所者の入所前の内訳 地域生活 他入所施設  (障害) 他入所施設  (老人) 地域移行型  ホーム 病 院 その他 3,286人 (39.4%) 1,548人 (18.5%) 128人   (1.5%) 17人   (0.2%) 2,992人 (35.8%) 378人   (4.5%) 8,349人 (2)地域生活の内訳 共同生活介護 共同生活援助 福祉ホーム 通勤寮(旧法) 家庭 1人暮らし・結婚等 その他 民間住宅 公営住宅 171人 (5.2%) 94人  (2.9%) 10人   (0.3%) 25人  (0.8%) 2,656人(80.8%) 191人 (5.8%) 35人  (1.1%) 104人 (3.2%)

15 身体障害者もグループホーム・ケアホームの対象に
(平成21年10月1日~) ○グループホーム(GH):共同生活援助   障害程度区分が区分1以下の身体障害者 ○ケアホーム(CH):共同生活介護   障害程度区分が区分2以上の身体障害者 ※ 65歳以上の者については、65歳となる前に障害福祉サービスを利用していた者に限る。 ◎ 将来一人暮らしを目指す身体障害者が、単身生活に慣れるためにグループホームやケアホームを活用する例もある。

16 グループホーム(共同生活援助) ○ 対象者 ○ サービス内容 ○ 主な人員配置 ○ 報酬単価
 就労し又は就労継続支援等の日中活動等を利用している障害者(身体障害者にあっては、65歳未満の者又は65歳に達する日の前日までに障害福祉サービス若しくはこれに準ずるものを利用したことがある者に限る。)であり、地域において自立した日常生活を営む上で、相談等の日常生活上の援助が必要な者  ① 障害程度区分1又は障害程度区分に該当しない障害者  ② 障害程度区分2以上の障害者であっても、利用者が特にグループホームの利用を希望する場合 ○ サービス内容 ○ 主な人員配置 ■ 主として夜間において、共同生活を営むべき住居において相談その他の日常生活上の援助を行う ■ 日常生活上の相談支援や日中活動の利用を支援するため、就労移行支援事業所等の関係機関と連絡調整を実施 ■ サービス管理責任者 ■ 世話人 10:1以上 ○ 報酬単価 ■ 基本報酬 世話人 4:1  [257単位] 世話人10:1  [120単位] 体験利用の場合  [287単位] ■ 主な加算 夜間防災体制加算 →警備会社との契約等により夜間において必要な防災体制を確保している場合 25単位~12単位 日中支援加算 →利用者が心身の状況等により日中活動サービス等を利用することができないときに、当該利用者に対し、昼間の時間帯における支援を行った場合                                   270単位 ○ 事業所数  2,993(国保連平成22年4月実績) ○ 利用者数  20,822(国保連平成22年4月実績)

17 ケアホーム(共同生活介護) ○ 対象者 ○ サービス内容 ○ 主な人員配置 ○ 報酬単価
 生活介護や就労継続支援等の日中活動等を行う障害者(身体障害者にあっては、65歳未満の者又は65歳に達する日の前日までに障害福祉サービス若しくはこれに準ずるものを利用したことがある者に限る。)であり、地域において自立した日常生活を営む上で、食事や入浴等の介護や日常生活上の支援を必要とする者 (障害程度区分2以上に該当する障害者) ○ サービス内容 ○ 主な人員配置 ■ 主として夜間において、共同生活を営むべき住居において入浴、排せつ又は食事の介護等を行う ■ 日常生活上の相談支援や日中活動の利用を支援するため、就労移行支援事業所等の関係機関と連絡調整を実施 ■ サービス管理責任者 ■ 世話人 6:1以上 ■ 生活支援員 2.5:1 ~ 9:1 ○ 報酬単価 ■ 基本報酬 世話人4:1・障害程度区分6の場合[645単位] 世話人6:1・障害程度区分2の場合[210単位] 体験利用の場合[675~324単位] ■ 主な加算 夜間支援体制加算 →夜間、必要な職員を専任で配置する等夜間に介護等を行うための勤務体制等を確保する場合 314単位~5単位                 日中支援加算 →利用者が心身の状況等により日中活動サービス等を利用することができないときに、当該利用者に対し、昼間の時間帯における支援を行った場合                  (区分2及び3) 270単位                    (区分4~6)  539単位 重度障害者支援加算 →区分6であって重度障害者等包括支援の対象者2人以上であり、より手厚いサービスを提供する場合 26単位 ○ 事業所数  3,308(国保連平成22年4月実績) ○ 利用者数  37,363(国保連平成22年4月実績)

18 ※施設入所者等の場合、入院時等の支援は施設側が行うため、入院時支援加算等は算定しない。
ケアホーム・グループホームの体験入居 ケアホーム・グループホーム 居宅 体験入居 正式入居 入所施設 連続30日以内かつ年50日以内 【体験入居時の単価】 ・ケアホーム 675単位~324単位(障害程度区分別) ・グループホーム 287単位  ※世話人の配置による差はない。 通常の単価 を算定 ※経過的居宅介護利用型共同生活介護事業所等については、個別支援計画の作成義務がないため、体験の対象外。 ※入院・外泊時加算又は 帰宅時支援加算等を算定  平成21年度4月から、体験入居の単価が設けられ、連続30日以内で、年に50日以内の体験入居が利用できます。 また、対象となる加算も請求できます。 ケアホームでは、障害程度区分によって単価が異なります。 【加算】  ○福祉専門職員配置等加算  ○夜間支援体制加算・夜間防災体制加算  ○重度障害者支援加算  ○日中支援加算  ○医療連携体制加算  ○地域生活移行個別支援特別加算 等 病院 ※施設入所者等の場合、入院時等の支援は施設側が行うため、入院時支援加算等は算定しない。

19 障害者の住まいの場の確保のための福祉部局と住宅部局の連携について
障害者が安心して暮らすことのできる住まいの場の確保 1.グループホーム・ケアホームの整備促進 ○身体障害者を対象とするグループホーム・ケアホームに対する公営住宅の活用 ○公営住宅をグループホームとして活用するためのマニュアルの活用 ○厚生労働省における施設整備費の助成等と国土交通省における地域住宅交付金の活用 2.公的賃貸住宅の入居促進 ○障害者の優先枠の設定や障害者向けの公営住宅の供給等による入居促進 ○既存民間住宅の一部を借り上げて行う公営住宅の供給 ○公的賃貸住宅団地の余剰地に福祉施設等を積極的に誘致・導入する安心住空間創出プロジェクトの実施 3.民間賃貸住宅への入居の円滑化 ○障害者等の民間賃貸住宅への円滑な入居について協議する居住支援協議会の積極的な活用 ○福祉部局と住宅部局との連携によるあんしん賃貸支援事業の積極的な活用と周知徹底 ○(財)高齢者住宅財団が未払い家賃の債務保証を行う家賃債務保証制度の普及 4.住宅のバリアフリー化の支援 ○バリアフリー工事について所得税や固定資産税を減税するバリアフリー改修促進税制についての周知徹底 ○地域住宅交付金の提案事業として行う民間住宅のバリアフリー改修への助成 (平成21年11月12日厚生労働省社会・援護局地域福祉課長、障害保健福祉部企画課長、障害保健福祉部障害福祉課長、国土交通省住宅局住宅総合整備課長連名通知)

20 障害者の地域生活を支える体制づくりモデル事業 ~イメージ~
障害者の地域生活を支える体制づくりモデル事業 ~イメージ~ 一定範囲のエリア 自宅 CH GH アパート アパート 自宅 地域の拠点 GH CH (24時間サポート体制)   ・緊急的対応 等 地 域 の 拠 点 既存事業の組み合わせによる 24時間サポート体制づくり (組み合わせる事業の例) ◆ グループホーム ケアホーム または 障害者支援施設 ◆ 相 談 支 援 事 業 ◆ 短 期 入 所 事 業 ◆ ホームヘルプ事業 ◆ 居住サポート事業 ◆ ピアサポート ◆ コーディネーター配置 ◆ 訪 問 看 護 基金事業で実施 (モデル事業報告を提出)

21 障害者のグループホーム・ケアホームにおける防火安全対策の徹底について
(各 都道府県障害保健福祉担当課宛 平成22年6月25日発出 事務連絡) 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課  障害福祉行政の推進につきまして、平素より格段のご配慮を賜り、厚く御礼申し上げます。  本年3月13日未明に発生した北海道札幌市の認知症高齢者グループホームにおける火災を踏まえ、3月23日付けで障害者のグループホーム・ケアホームにおける防火安全体制等について調査を実施したところですが、今般、その調査結果をとりまとめたので送付します(別添1)。  当該調査では、「障害者自立支援法に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第171号)に定める非常災害に関する具体的計画の未策定、定期的な避難訓練の未実施が各々20%を超える実態等が見受けられたところです。  また、消防庁が実施した「小規模社会福祉施設等の防火対策に係る緊急調査結果」(別添2)においても、主に障害の程度が重い方が入居する障害者のケアホームで、消防計画の策定、消防訓練の実施、防炎規制への対応など、運営面を中心に消防法令上何らかの違反があったものが50%を越えている実態が見受けられたところです。  つきましては、既に「障害者のグループホーム・ケアホームにおける防火安全体制等の点検について」(平成22年3月17日付け事務連絡。別添3)により、管内の障害者のグループホーム・ケアホームの防火安全体制の点検等をお願いしているところですが、改めて、下記の点にご留意の上、障害者のグループホーム・ケアホームの防火安全対策の徹底が図られますようお願いします。

22 1.調査結果を踏まえた対応について (1)非常災害対策の適切な実施     障害者のグループホーム・ケアホームにおける以下の非常災害対策の実施状況に不備が認められたものに    ついては、速やかに是正措置を講じること。    ①非常災害に関する具体的計画の策定    ②非常災害時の関係機関への通報及び連携体制の構築    ③①及び②の事項の定期的な従業員に対する周知    ④定期的な避難訓練の実施    また、非常災害時に地域住民・消防関係者との円滑な連携が図られるよう、地域住民が参加する避難訓練の    実施等地域における連携体制の促進に努めること。 (2)消防用設備の整備について  平成21年4月施行の消防法施行令改正により新たに義務付けられたスプリンクラー設備、自動火災報知設備及び消防機関へ通報する火災報知設備の設置については、平成24年3月まで猶予が設けられているが、利用者の安全を確保する観点から、社会福祉施設等耐震化等臨時特例交付金や障害者自立支援対策臨時特例交付金等を活用しつつ、速やかに設置を進めること。  また、設置義務がない障害者のグループホーム・ケアホームについても、これらの消防用設備の設置に当たっては、社会福祉施設等施設整備費補助金又は障害者就労訓練設備等整備費(グループホーム等改修事業)を活用できることとしているので、当該制度を活用しつつ、設置の促進に努めること。 2.その他  消防庁が実施した「小規模福祉施設等の防火対策に係る緊急調査結果」を踏まえ、消防庁予防課長から別添通知(別添4)がなされているので、消防部局と連携を図りながら対応すること。 なお、本件については、消防庁に連絡済みであることを念のため申し添える。

23 障害者のグループホーム・ケアホームにおける防災安全体制等に関する緊急調査について(結果)
(別添1) 障害者のグループホーム・ケアホームにおける防災安全体制等に関する緊急調査について(結果) 〔調査対象〕 1.消防用設備の状況 (1)スプリンクラー設備(消防法第17条、消防法施行令第12条)     ・ 消防法施行令別表第1(6)項ロに掲げるケアホーム(重度)の場合、延床面積275㎡以上が設置義務あり。     ・ 消防法施行令別表第1(6)項ハに掲げるケアホーム(中度軽度)・グループホームの場合、延床面積6,000㎡以上が設置義務あり。 (2)自動火災報知設備(消防法第17条、消防法施行令第21条)    ・ 消防法施行令別表第1(6)項ロに掲げるケアホーム(重度)の場合、全ての共同生活住居に設置義務あり。     ・ 消防法施行令別表第1(6)項ハに掲げるケアホーム(中軽度)・グループホームの場合、延床面積300㎡以上が設置義務あり。

24 (3)消防機関へ通報する火災報知設備(消防法第17条、消防法施行令第23条)
    ・ 消防法施行令別表第1(6)項ロに掲げるケアホーム(重度)の場合、全ての共同生活住居に設置義務あり。     ・ 消防法施行令別表第1(6)項ハに掲げるケアホーム(中軽度)・グループホームの場合、延床面積500㎡以上が設置義務あり。 ※ (1)~(3)に掲げる消防用設備の設置義務については、平成24年3月31日まで経過措置が設けられている。 2.防火管理者の選任(消防法第8条、消防法施行令第1条の2第3項)     ・ 消防法施行令別表第1(6)項ロに掲げるケアホーム(重度)は定員10人以上が設置義務あり。     ・ 消防法施行令別表第1(6)項ハに掲げるケアホーム(中軽度)・グループホームは定員30人以上が設置義務あり。 3.非常災害対策における計画の策定、避難訓練実施の有無   (障害者自立支援法に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準第70条(第154条及び第213条において準用)) 4.避難訓練への地域住民の参加

25 障害者虐待防止対策支援事業 障害者虐待の未然防止や早期発見、迅速な対応、その後の適切な支援を行う (1)連携協力体制整備事業
平成22年度予算額:461,587千円(新規) 障害者虐待の未然防止や早期発見、迅速な対応、その後の適切な支援を行う 連携協力体制を整備した上で、 (2)から(4)を地域の実情を踏まえ、実施 ① 家庭訪問 ○ 過去に虐待のあった障害者の家庭やそのおそれのある障害者の家庭に対し、相談支援専門員等を訪問させることにより、家族関係の修復や家族の不安の解消に向けた支援を行う。 ② 相談窓口の強化 ○ 障害者虐待に係る24時間・365日の相談体制を整備する。 ③ 一時保護のための居室の確保等 ○ 事前に障害者支援施設や短期入所事業所等に依頼し、居室の確保を行うとともに、緊急一時保護を要する虐待が発生した場合に虐待を受けた障害者の受入れについて支援する。 ④ カウンセリング ○ 医師、臨床心理士等が、虐待を受けた障害者、障害者虐待を目撃した者、障害者虐待を行った家族等に対して、カウンセリングを行う。 ○ 障害福祉サービス事業所等の従事者や管理者、相談窓口職員に対する障害者虐待防止に関する研修を実施する。 (3)研修事業 ○ 医師や弁護士等による医学的・法的な専門的助言を得る体制を確保する。 ○ 有識者から構成されるチームを設置し、虐待事例の分析等を行う。 (4)専門性強化事業 (1)連携協力体制整備事業 ○ 地域における関係機関等の協力体制の整備・充実を図る。 ⑤ その他地域の実情に応じて行う事業 (2)家庭訪問等個別支援事業 (※①から⑤までの事業を適宜組み合わせて実施) ※ 障害者虐待防止・権利擁護事業(平成22年度予算額:3,435千円) 別途、国において、障害者の虐待防止や権利擁護に関して各都道府県で指導的役割を担う者を養成するための研修を実施。

26 (4)サービス管理責任者の役割 身体の状態のみならず、心理状態を踏まえた上で、的確にニーズを把握する。
アセスメント全体を把握した上で、最終ゴールを想定することが重要。 情報が少ない場合こそ、あらゆる可能性を視野に入れることが重要。 利用者本人や家族が、まだ具体化できていないニーズを推測する。(真のニーズを把握することが重要。) 利用者の真のニーズを念頭に置いて個別支援計画を策定し、支援プロセスの全体を管理する。 個別支援計画の策定に当たっては、訓練担当職員、看護職員、介護職員等のチームで取り組むよう、支援会議を開催し意見調整の上、方針の統一を図る。 地域生活に移行後の暮らしを豊かにするために、地域の社会資源を理解し関係機関と連携調整を行う。 以上の支援全般に渡って、サービス提供職員に対し、適宜、指導・助言を行う。

27 「真のニーズ」とは 例えば・・・、 ① 身体機能的な予後予測から歩行困難が明らかな利用者からの、「歩行したい」との希望。
① 身体機能的な予後予測から歩行困難が明らかな利用者からの、「歩行したい」との希望。 → 起立台などでの起立訓練等を実施しながらも、同様の身体状況の者等によるピアサポートなどを通して、障害についての理解を深める。 → 「何のために歩きたいのか」についてあらためて考え、「外出したい」などの真のニーズを引き出すよう支援。 → 車いす操作の習熟など、真のニーズに沿った支援を実施。 ② 身体機能的な予後予測からADL自立の可能性が高い利用者からの、「生活介護施設へ入所したい」との希望。 → 身の回りの動作でできることから徐々に開始し、自信を持っていただくとともに、同様の身体状況の者等によるピアサポートなどを通して、障害についての理解を深める。 → 「どのような生活を望むか」についてあらためて考え、「一人暮らししたい」などの真のニーズを引き出すよう支援。 → ADLの自立に向けた動作訓練など、真のニーズに沿った支援を実施。  「真のニーズ」とは、利用者の希望と、専門職の評価結果などの情報をすりあわせ、利用者にとって最も適切な支援すべき事項であり、サービス管理責任者は「真のニーズ」は何かを常に意識しておくことが重要。

28 2.サービス提供の基本姿勢  それでは、最初のサービス提供の基本姿勢について、話を進めて参ります。

29 支援を必要とする人々は、種々のハンディによる困難を抱えているが、基本的には各種サービス等を主体的に利用し、課題解決できる権利を有している。
(1)利用者中心の考え方 支援を必要とする人々は、種々のハンディによる困難を抱えているが、基本的には各種サービス等を主体的に利用し、課題解決できる権利を有している。 福祉サービスを提供する際においては、職員が利用者に代わって課題解決に取り組むのではなく、利用できる制度やその他の社会資源を紹介しながら、利用者がそれらを主体的に活用して課題解決に取り組めるよう支援する。(自己決定の原則)  地域生活(身体)分野におけるサービス提供に当たっての基本的な考え方としては、 ○ 個々に必要な機能訓練の提供により、障害者が、QOLの高い地域生活を営むことができるよう支援すること。 ○ 身体障害とはいっても、肢体、視覚、聴覚、内部障害、それらの重複障害と幅広い専門性が求められること。 ○ 障害に対する理解と基礎的知識やサービス提供を行う上で配慮しなければならないことなど勉強することはもちろん、他の専門職や外部の関係機関との調整・連携作りが必要であること。 ○ 利用者が望む生活を実現するために、事業所又は障害者支援施設で提供できるサービスだけでなく、他機関のサービスの利用や地域の様々な社会資源を活用することも視野に入れ、利用者の意向やニーズに対してどれだけ支援できるかを考えていくこと。 ○ サービス提供を効率的・計画的に実行するために個別支援計画の策定、定期的な見直しが必要であること。 課題解決の主人公は利用者本人 職員は利用者のエンパワメント を高めるよう支援

30 (2)達成すべき状態の明確化 利用者から十分な意向聴取を行い、利用者自身が理解・納得の出来る明確な目標としなければならない。
目標を達成するための必要な支援は何かを分析し、利用者自身が理解・納得出来る支援項目を提案し同意を得た上でサービスを提供する。 どのような支援があれば目標を達成できるかの分析 達成可能な状態 利用者の意向 実現したい状況 (現在の状況) 初期状態 利用者の意向 反 映 反 映 個別支援計画 個別支援計画 サービス開始 サービス提供 中間評価 サービス提供 サービス終了

31 身体機能の改善、社会生活力の獲得等の達成すべき目標を明らかにし、個々に適した個別支援計画を作成して支援する。
サービス終了に当たっては、地域移行後に必要な社会資源を検討し、生活をシミュレーションしてみる等、利用者の望む生活を明確化し、実現するための支援を行う。 初 期 終 期 中 期 ・心理的安定 ・基礎体力 ・補装具適合 ・食事洗面動作 ・車いす移乗動作 ・更なる体力強化 ・職業耐性 ・入浴動作 ・自動車免許取得 ・職業前訓練 ・自己管理能力向上 ・社会生活力向上 ・地域移行後の生活シミュレーション ・社会資源の活用検討 ・機能維持のための方策を検討 目標の設定(例) 利用者への説明の際は、個別支援計画書に基づき詳細を丁寧に説明する。

32 (3)利用者のニーズについての理解 1)個別性・多様性がある 2)最終ゴール想定の重要性 3)隠れたニーズがある 4)ニーズの背景を理解する
利用者は、病院を退院したばかりの方や、生活施設から退所し地域移行を目指している方、家族と暮らしているが一人暮らしを目指す方など幅広く、ニーズは一人一人異なるものである。 評価結果から最終ゴールを想定し、支援を組み立てることが重要。 利用者本人や家族の意向を十分に聴取した上で、まだ表出されていない、もしくは気付かないニーズが隠れているようであれば、利用者や家族が納得する形で具体化する。(真のニーズを把握する。) 利用者や家族が、何故その「ニーズ」を持つのか、様々な背景を勘案して理解する。 利用者及び家族と支援者の間に信頼関係を形成するためにも、職員は「ニーズについての理解」を深める。 2)最終ゴール想定の重要性 3)隠れたニーズがある 4)ニーズの背景を理解する 5)ニーズの理解は信頼関係を築く

33 (4)提供するサービスについての理解 1)チームワークが重要 2)PDCA(Plan→Do→Check→Action)サイクルが重要
自立訓練(機能訓練)では、多職種が協働して利用者を支援することとなる。関係職員及び利用者自身が、提供されるサービス内容をしっかり理解した上で実施されることが重要である。 関係職員は、どの部署がどのようなサービスを提供しているか把握しておく必要がある。 関係職員間の情報共有のための工夫や、簡単な打合せを頻繁に行う習慣を持つ等、事業所全体での取り組みが重要である。 2)PDCA(Plan→Do→Check→Action)サイクルが重要 訓練の進捗状況等も把握し、ニーズの変化は生じていないか、大きな方針の変更はしなくてよいか等、常に気配りしておく必要がある。 3)職員の「高い資質」が求められる 職員は、利用者の価値観や人間性、社会的活動内容等に直接触れる部分が多く、人間的な共感や信頼感、守秘義務等が特に求められるサービスであるという自覚を持つ必要がある。

34 3.サービス提供のポイント

35 (1)各利用者における課題の整理 既存のサービスの問題点 問題点に対応するポイント
利用者それぞれの課題整理ができずゴールへの遠回り  課題の抽出の仕方や優先順位を間違えるとゴールへの到達は遅くなる。 利用者それぞれの課題整理はゴールへの近道  適切な評価による課題の把握と優先順位の決定により、ゴールへの到達が速くなる。  これは、更生施設等で提供されている既存のサービスの問題点として指摘されているところを4つにまとめ、その問題点に対応するポイントを示したものです。  これら以外にも問題点は色々あると思われますが、障害にばかり着目し、その人のできない側面から支援しようとすると、どうしてもサービス等で補う発想になりがちになります。利用者が望む生活は、単に日常生活上の自立だけが目的ではなく、自分らしい生活(暮らし)を実現することにあります。  その人のプラスの側面に着目していくこと、つまり、利用者が本来持っている健康的な側面、潜在的な能力、得意なこと、これまでの経験の中で獲得した技能(コミュニケーション、日常生活上のノウハウなど)、利用者を取り巻く環境までも含め、それらをその利用者の強さ(ストレングス)と理解し、焦点をあてて考えていく視点も必要です。 アセスメントの際、利用者からのニーズや各部署からの評価結果等から、「課題の整理」を行うことが重要である。

36 (2)専門職主導から自己実現の支援へ 既存のサービスの問題点 問題点に対応するポイント
専門職主導の訓練  専門職の作成した訓練計画に従った「やらされる」訓練になりがちで、自分の意志で積極的に取り組む訓練とはなりにくい。 他人の意志より自分の意志  個別支援計画作成の段階から、ゴールまでの道のりを、利用者自身が把握・自覚することにより、 「やらされる」訓練から脱却。本人が希望する将来像に向けて、積極的に訓練に励むことを重視する。 職員は、利用者本人のエンパワメントを高める支援を心がけることが重要である。

37 (3)社会生活力をつける 既存のサービスの問題点 問題点に対応するポイント
施設外での活動が少ない  障害そのものの回復のみが焦点となり、特に閉鎖的な施設では外部との交流も少ないため、社会参加が遅れがち。 社会生活力をつける  訓練終了後の地域生活をイメージできるよう、地域で暮らしている人たちと会ったり、生活体験プログラムを実施するなど、早期に地域での社会参加を実現する力を養う。 自立訓練は有期限のサービスであり、地域移行後の生活を意識した支援が重要。

38 (4)地域移行後を意識した取り組み 既存のサービスの問題点 問題点に対応するポイント
地域移行後の機能維持が軽視されがち  訓練期間中は一定の成果を上げるが、地域生活移行後に必要なモチベーションの確保に対する支援は軽視されがちであり、結果として機能やQOLの維持が図れていない。 地域移行後の機能維持につなげる  地域生活移行後に、再び機能低下することのないよう、機能維持に対するモチベーションが確保されるような支援(家族、地域関係機関との連携等)を重視する。 地域移行後に機能維持や二次障害予防が図れるよう、自己管理能力の向上や地域の関係機関との連携を図ることが重要である。

39 (5)相談支援専門員、地域の関係機関との連携
相談支援専門員との連携 自立訓練(機能訓練)は、有期限のサービスであり、終了後の地域移行に当たっては、利用者が暮らすこととなる地域の相談支援事業者と連携し、利用可能な地域の福祉サービスや社会資源に関する情報を得て利用者に提供したり、利用者承諾の上相談支援専門員に対し利用者情報を提供することで、円滑な地域移行が可能となる。 また、日頃から地域自立支援協議会の場などで相談支援専門員との連携を保つことで、自立訓練(機能訓練)の利用相談等についても円滑につなぐことが可能となる。 自立訓練(機能訓練)事業所は、利用期間中の支援が主体であり、地域移行後の支援の組み立て等については相談支援事業所。 サービス管理責任者と相談支援専門員の連携が重要。

40 自立訓練(機能訓練)事業所におけるサービス提供
相談支援専門員との連携イメージ ※ 病院等でのリハ終了後、自立訓練事業所に直接利用相談があった場合の例。 病院等での医療的リハ終了 相談支援専門員 情報提供 支援会議への参加等の連携 より緊密 な連携 利用相談 暫定支給決定(利用開始) 初期個別支援計画書作成 中期個別支援計画書作成 中期個別支援計画書作成 終了時評価  地域の福祉サービスや社会資源の情報に基づき、相談支援専門員とともに地域移行後の生活を組み立て。 地域移行 サービス利用計画作成 関係機関との連携 サービス管理責任者によるプロセス管理 自立訓練(機能訓練)事業所におけるサービス提供 ※少なくとも長期目標が明確化した段階で、相談支援専門員に情報提供を開始し、徐々に連携体制を強化。  (利用者の同意の下で行う。)

41 リハマネジメント概要図 ※ 先にサービス利用計画書の作成があった場合の例。

42 地域移行後の支援の組み立て等については相談支援事業所が中心となり、各サービス事業所と連携し「サービス利用計画」を作成する。
地域の関係機関との連携 自立訓練(機能訓練)は、有期限のサービスであり、終了後の地域移行に当たっては、地域移行後に必要な社会資源を検討し、シミュレーションしてみる等、利用者の望む生活を明確化し、実現するための支援を行う。 その際、地域の福祉サービス事業者や医療機関、訪問リハビリテーション事業者等との連携により、必要な介護量を確保し、機能維持や二次障害予防を図りながら円滑な地域移行を目指す。 ※ 訪問による訓練が可能な場合は、訪問訓練も採り入れることで機能維持を図りながらより円滑な地域移行につながるケースもある。 地域移行後の支援の組み立て等については相談支援事業所が中心となり、各サービス事業所と連携し「サービス利用計画」を作成する。 サービス管理責任者と相談支援専門員及びサービス事業者等との連携が重要。

43 4.アセスメントのポイント

44 把握したニーズや評価結果からゴールを想定し、提供するサービス内容を検討する。
(1)ニーズは何か   アセスメントを通じ、利用者のニーズを把握する。   また、本人や家族の希望と専門職による評価結果をすりあわせ、真のニーズを推察する。 把握したニーズや評価結果からゴールを想定し、提供するサービス内容を検討する。  本人のエンパワメントを高める支援が重要  どのようなサービスを、どのように提供するかは、ゴールへの近道を左右します。ここでは、ニーズの把握に関するポイントをお話ししていきます。 ○ まず、アセスメントを行い情報を収集し、ニーズを明確化していきますが、まずは利用者本人の言葉で、ニーズを把握します。 ○ 利用者の様々なニーズを聞きとった上で、家族の希望することや、要求、欲求の裏側にある利用者の本当のニーズをくみ取り、明らかにしながら、適切な支援内容・支援方針を検討していくことが重要です。 ○ ニーズに沿った支援内容・支援方針により、利用者本人のサービスへの取組む意識を伸ばすことができるため、単に出てきたニーズのみでなく、その真意を把握することにより、本人にもフィードバックしながら、適切な支援内容、支援方針(案)を作成していくことがサービス管理責任者に求められます。 ニーズの変化にも留意。 適切な支援内容・支援方針

45 (2)阻害要因はあるか ~何が阻害要因になっているかを考える~
(2)阻害要因はあるか ~何が阻害要因になっているかを考える~   例えば、ADLやIADLを評価する際、単に「できるか、できないか」ではなく、なぜできないのかを考える(阻害要因を追及する)。                          阻害要因は個人的因子か、環境因子か・・・? 原因がわかれば対処法がわかる 適切な課題の把握と優先順位の設定 ゴールへの近道 適切な支援内容・支援方針の決定

46 阻害要因とは~どのような阻害要因があるか~
獲得可能性があると思われる動作が困難 評価した上で、阻害要因の予測 筋力低下 バランス不良 柔軟性低下 痛み 体力(持久力)低下 意欲低下 補装具等不適合 原疾患による各種機能低下 環境 等  獲得可能性があると思われる動作が困難を考えた場合、上記のような様々な阻害要因が考えられます。  評価をした上で、阻害要因を予測しますが、この予測が違った場合に全く的はずれなサービス内容となってしまうこともあり得ますし、阻害要因が複合的な因子が絡み合っている場合も少なくありません。  問題解決型支援の場合は、考えられる阻害要因を追求し、対処方法を明らかにすることでサービスが効果的に提供できると考えます。   阻害要因には、複合的な場合もあることに留意の上、 優先順位をつけ支援する。

47 機能訓練による身体的な問題解決が困難な場合もある。
(3)ニーズの変化による課題の解決 身体的な問題解決の支援「機能訓練」を進める一方で・・・ 機能訓練による身体的な問題解決が困難な場合もある。 身体的な問題解決の 支援だけではなく ・ 本人の得意なことや興味のあること、可能性があること、本人の持つ潜在能力に着目し、それを伸ばすよう支援する。(ニーズの変化を促す。) ・ 地域生活を行う上で、必ず行わなければならない行為に着目し、支援することも重要である。 ・ 障害についての理解を深め、身体機能上の限界があることを知り、目標を達成するための様々な方法論があることを知ることで、適切なニーズの変化が生じる。  これまでは、問題解決型支援が可能な場合について話を進めてきましたが、阻害要因によっては、問題解決型支援では行き詰まることも良く経験されることです。  そのような時は、その人のプラスの側面に着目し、単に日常生活上の自立だけでなく、自分らしい生活を実現するという視点から考えることが重要です。具体的には、 ○ 利用者が本来持っている力を伸ばしていくことで、できないことをカバーしていくという考え方(ICFの考え方に基づくもの)。 ○ 本人が現在持っている関心、可能性のあること、本来持っている能力、特性、才能などを引き出すことにも着目してプラスの力を伸ばすような支援の視点。 ○ また、将来計画を見据え、必ず行わなければならない行為が何かを明確にし、動機付けを強力に行うことも、本人の特性を伸ばす上では効果的です。

48 (4)地域生活への移行のために何が必要か 自分で判断して決定し、実行していく力をつけることが重要
外出機会を多く持ち、買い物や乗り物利用の際の不安を減らすことで、社会参加の促進 家族間での役割や生き甲斐づくり等、地域生活移行後のモチベーションを高めるとともに家族の理解・協力を得る 健康管理、栄養管理等の自己管理能力を高める 社会資源を活用するための知識を持つ  施設での画一的で受動的になりがちな狭い生活に比べ、地域生活を実現するためには、地域で主体的で個性豊かな、その人らしい質の高い生活ができるよう総合的に支援することが必要です。   これは、地域生活への移行のためのポイントを整理したものですが、さらに簡潔にまとめると、 ○ 各サービス提供場面では、本人や家族に対し、将来生活に向けての動機付けできるようすること。 ○ 利用者の社会生活力を高めることはもちろん、利用者の生活ニーズに対応した社会資源は地域に広く散在しているので、地域の社会資源を適切に結びつけ、地域生活を支援すること。 ○ 上記のことをサービス提供職員が認識し、情報を共有できるよう、チーム内のコミュニケーションや合意形成、役割調整等を図っていくこと。 が、サービス管理責任者の重要な役割となります。 住宅整備などの環境調整によりバリアフリー化 相談支援体制や緊急時の体制を確保する        等

49 (5)関係機関について 地域自立支援協議会は地域が協働する場 地域で障害者を支える
 前述の通り、自立訓練(機能訓練)のサービス管理責任者は、様々な関係機関と連携をとる必要がある。  連携の場として、地域自立支援協議会の活用も有効である。 自己完結に陥らない(ネットワークで取り組む基盤をつくる) 他人事にとらえない(地域の課題を的確に把握する) 出来ることから進める(成功体験を積み重ねる) 取り組みの成果を確認する(相互に評価する) 地域自立支援協議会は地域が協働する場 地域で障害者を支える

50 (6)身体機能のみならず心理状態を把握する
 自立訓練(機能訓練)は、身体障害者に対するサービスではあるが、身体機能のみならず心理状態もアセスメントする必要がある。  ここでは「身体障害と心理」について、以下の視点で述べる。 ・「障害受容」をめぐって ・障害受容のプロセス ・「障害受容」のステージ理論に対する批判 ・心理的側面からみた支援上の留意点

51 「障害受容」をめぐって  身体障害者のリハビリテーションにおいては、よく「障害受容」という言葉を耳にします。特に、身体障害者のこころの面に目を向けたときに、枕詞のように用いられることがあります。「障害受容ができていないよね」、「障害受容の問題では?」など、スタッフ間の日常的なやりとりでも使われることが多いのではないでしょうか?  それでは、皆さんの考える「障害受容」とはどういうものでしょうか?「障害受容ができている人」とは、一体どういう人を指しているのでしょうか?   これまで、「ステージ理論」や「価値変換論」などを中心として、障害受容や、障害受容のプロセスなどの説明がなされてきた。しかしながら、1990年代頃から、これらの考え方に対する異論が唱えられるようになった。

52 障害受容のプロセス 上記プロセスについては、利用者を理解するための一つの手がかりとして知っておくことは有用。
ショック 否認 混乱 適応への努力 適応  上記プロセスについては、利用者を理解するための一つの手がかりとして知っておくことは有用。  しかし、実際には、様々な要因の影響を受けることから、決して一定の明確な道筋をたどるわけではなく、ステレオタイプに汎化してあてはめて理解しようとすることは、かえって支援を阻害してしまう可能性すらある。

53 「障害受容」のステージ理論に対する批判 ステージ理論にあてはまらない事例の存在
障害は受容できるものか、受容しなくてはならないものかという当事者からの問題提議 リハビリテーション効果が上がらない要因を、障害受容の問題にすりかえてはいないかというリハビリテーション批判 障害の心理的影響に対する過小評価 障害受容に関する当事者責任への偏重と社会的責任の軽視

54 心理的側面からみた支援上の留意点 利用者が、障害を「受容しているか」、「受容していないか」ではなく、障害や障害のある自己をどのように捉えているのか、理解に努めることが重要 せん妄やうつ状態のシグナルの早期発見       発症後の経過期間にかかわらず、みられる      自殺企図のおそれもあり、緊急を要することもある 精神疾患、高次脳機能障害、発達障害などの合併があれば、まずはそれらの症状に対する支援の検討が優先      認知機能の低下は、高次脳機能障害のみならず、うつに伴ってみられることもある 障害は、受容させるものではなく、するもの      説得や助言よりも、「やってみること」からみえてくることもある ピア・サポートの活用     家族に対する心理的支援も視野に入れることが重要      時には、利用者と家族との橋渡し役としての役割が職員に求められることもある      家族だからこそ、「言えない」「聞けない」ことがある 「障害受容」という言葉のうらに潜むもの       知らず知らずのうちに否定的なメッセージ

55 5.サービス管理プロセスの実際 これまでは、サービス提供の際の基本姿勢と視点について説明してきました。
 これまでは、サービス提供の際の基本姿勢と視点について説明してきました。  ここでは、実際にサービス提供するに当たり、どのような流れで利用者にサービス提供し、サービスを管理していくのか、その過程の中でサービス管理責任者はどのような役割を果たしていくのかについて話しを進めて参ります。

56 (1)サービス管理のプロセス サービス管理責任者は、各専門職が行う支援をとりまとめ、調整、指導、助言等及び、
 サービス管理責任者は、各専門職が行う支援をとりまとめ、調整、指導、助言等及び、 訓練期間全体におけるスケジュールの進行状況管理を行う。 (2)アセスメント (3)個別支援計画の作成  ①到達目標の設定     ②基本的ニーズの把握  ③課題の整理       (4)個別支援の実施  ②個別支援計画の作成  ①初期状態の把握    (5)中間評価と修正     (1)相談支援時の状況把握 (6)終了時評価        支     援     会     議 ①支援計画の中間評価          ②支援計画の修正      これは、サービス管理のプロセスを示したものです。  実際の現場において、このように、利用者に対するサービス管理をやっているところは少ないと思います。  今回の支援法においては、サービス管理責任者が各事業に配置され、相談支援からサービス提供終了までの管理や個別支援計画を作成し、これに基づき、サービスを計画的に提供していくなど、サービス全体の管理の責務を担うこととされています。  わかりやすくいえば、サービス管理責任者は、支援期間全体におけるスケジュールの進行状況の運営・管理を行うことになります。

57 サービス管理責任者の視点  相談支援の段階からサービス終了まで、アセスメントやモニタリング状況の把握をした上で、次のような視点に基づきサービス提供職員へ指導・助言するとともに、個別支援計画の作成及び管理(期間全体におけるスケジュールの進行状況管理を含む)を行う。 個別支援計画に基づき、支援が計画的に実施されているか 利用者の意向とサービス内容に齟齬がないか サービス提供職員の意思統一とリスク管理はできているか エンパワメントを高める視点からサービス提供されているか 到達目標の達成度はどうか 利用者の満足度はどうか 過去(現在)の類似事例と比較してどうか 等  上段は、サービス管理責任者の業務を説明したものであり、下段は、一連のサービス提供過程において、どのような視点で利用者のサービス提供、サービス提供職員への関わりを考えていったらよいか、そのポイントを簡単に説明したものです。  示された以外でも ○ サービス提供に当たっては、到達目標の設定がしにくくても目標は設定すること。 ○ 到達目標の妥当性、施設内だけでサービスを完結できない場合、他の支援の可能性なども考慮すること。 ○ 支援会議や中間評価の目的を明確にし、共通認識を持ってサービス提供を行うこと。 ○ サービス提供職員に助言・指導を行う際に技術のみを教えるのではなく、この技術はどのような考え方のもとにできているかを教えること。 ○ 一人の利用者へのサービス提供が終了した後は、支援内容の振り返りと反省を行い、次への支援につなげ、質の高いサービスを図ること。 など、利用者の地域生活が実現できるよう支援を行うことが重要です。

58 事例紹介  以下、プロセスに沿って、実施経過、必要なツール、サービス管理責任者の視点について示していくが、理解をより深めるため、事例を通して、支援内容等を追っていくこととする。 【事例概要】    プール事故による第6頸髄完全損傷。病院でリハビリテーションを実施するが、更なる日常生活動作の獲得を目指し、障害者支援施設へ入所。    ADLの自立の可能性があると思われ、パソコン操作技能の向上及び就労若しくは就労系サービスへの移行を目標に1年半の利用契約を行ったケース。 ◇年齢・性別:20歳代、男性 ◇生育歴:高卒・大学在学中 ◇障害原因:プールに飛び込み受傷。受傷から10か月経過 ◇家族状況:両親(同居)・兄(別居)・姉(別居) ◇経済状況:障害基礎年金1級受給中 ◇本人ニーズ: 更なるADL動作の獲得を目指し、家庭復帰したい。可能なら自動車            免許を取得したい。将来的には、何らかの職業につきたい。 ◇家族ニーズ:実家は工務店を自営しており就労は可能だが、本人の希望もあるの          で、まずは働きたいという意欲を引き出したい。 ◇想定される最終ゴール:ADL自立、自動車免許取得、就労  ここからは、サービス提供過程を大きく6つに分け、事例を通じて、サービス管理責任者の役割を考えていきます。  (事例概要の読み上げ)

59 (2)相談支援時の状況把握 実施経過 必要なツール 相談受付票
 実施経過 利用の意向、心身の状態、障害原因、障害に対する認識度、キーパーソン、生育歴、使用できる資源、終了後の計画等について本人、家族から詳しく聞き取りをする 提供される具体的サービス、サービス利用にかかる経費、利用の手続きについて情報提供 ※個人情報の管理については慎重に行う サービス管理(1)相談支援時の状況把握  サービス過程の第一段階は、相談支援です。利用希望者等の相談目的、どのようなサービスを望んでおり、将来どうしたいのかなどを把握する必要があります。その際のポイントとしては、 ○ 利用希望者の障害状況や相談の時間等を配慮し相談を開始すること。 ○ 相談目的、利用者の意向等を把握すること。 ○ ご本人あるいはご家族から何を聴取すればよいのか、何を情報提供すればよいのか、必要事項が確認できるように、予め相談受付票や経過記録表などを作成しておくこと。 ○ 当該施設が具体的に提供できるサービス内容やサービス利用に係る経費、利用の手続き等の相談支援の段階で必要な情報を整理し、わかりやすく説明すること。 ○ また、時間があれば、見学やビデオにより当施設の状況やサービス内容等の理解を深めていただくこと。 が大切です。 サービス管理責任者の視点 ・必要な情報が聞き取れているか ・説明はわかりやすいか ・必要な情報が提供できているか 必要なツール  相談受付票

60 (例)相談受付票 参考までに、外来相談受付票を紹介します。
第6頸髄損傷による四肢麻痺。車いす駆動は平地のみ可能、移乗動作は不可、食事、洗面等の身の回り動作は一応可能だが訓練の余地あり、起居動作、更衣動作、排泄動作、入浴動作不可。日常生活動作訓練があまりやられていない。・・・・・  参考までに、外来相談受付票を紹介します。  様式については、受け入れ対象障害者の状況によって施設側が知りたい情報が異なりますので、施設独自で作成する必要があります。  また、再度、利用相談希望者等から問い合わせがあった時に、前回の相談内容や情報提供内容等の経過がわかるよう記録や資料を整理するとともに、利用相談がスムーズに行われるよう留意すること。 ADL自立の最大限の可能性を探りたいという希望があり、入院していた病院のワーカーを通じて相談があった。 また、未だ若いこともあり、具体的なものはないが就労したい意向はある。 キーパーソンは両親、終了後の計画はまだ曖昧である。 自動車免許取得の希望もあり。 サービス内容を知りたい。

61 サービス管理責任者は・・・ 例えば、漠然と「家に帰って暮らしたい」という希望はあるが、自分の能力や可能性に不安があり、消極的な傾向が強いため、はっきりとしたニーズとなって表出されないケース。 逆に、本人・家族の障害に対する理解が不十分なため、サービスに対して過剰な期待を抱いていることから、実現困難な要求となり、常に不満感があるケース。  (1)相談支援時の状況把握において、サービス管理責任者の役割を整理すると、以下のとおりです。 ○ 利用者及び家族等の意向を的確に把握できるよう相談時の受付表や資料を整理しておくこと。 ○ 当該施設の状況やサービス内容等をきちんと情報提供し理解を深めていただくこと。 ○ 当施設で提供できるサービス内容を踏まえて、具体的にどんなサービスが提供できるのか、利用者や家族の意向を踏まえ調整を図ること。 ○ 現に、他機関のサービスを受けている場合の調整などを事前に行う必要もでてくること。 ○ 当施設のサービス利用を希望しないとき、当施設のサービス利用ができないときは、他のサービス提供機関等を紹介する、利用できない理由を丁寧に説明するなど、その対応は懇切丁寧に行うこと。  このように、相談支援時の段階では、ケアマネジメントの手法が必要になってくること、利用契約に結びついた場合に、利用開始後のトラブル等、こんなはずではなかったのに・・という状況がおきないように留意することが大切です。 いずれも相談支援の段階から、情報提供等を通じ障害についての理解を深めるよう支援し、利用契約にあたっては重要事項の説明を丁寧に行い、同意を得る。 (利用開始後の訓練停滞やトラブルを最小限にする。)

62 (3)アセスメント:①初期状態の把握 実施経過 必要なツール 障害種別に応じた評価表に基づき、適切な評価を行う
 実施経過 障害種別に応じた評価表に基づき、適切な評価を行う 各専門職が行ったアセスメントの結果を集約 身体状況や精神・心理状況など状態像の客観的な把握に努める ※個人情報の管理については慎重に行う アセスメント  相談から利用契約へ結びつけ、実際にサービスを提供していくことになりますが、本人や家族の意向等に対し、サービスを計画的に提供していくためには、利用者の生活の状況や置かれている環境の状況を理解し、本人や家族の意向等から具体的なニーズを探す必要があります。この過程をアセスメントといいます。  まず、初期状態を把握するアセスメントにおいてのポイントを整理すると、以下のとおりです。 ○ アセスメントの実施に当たっては、利用者への説明と同意が必要であること。 ○ 利用者が現在どのような状況に置かれているのか必要な情報が得られるようにすること。 ○ また、各部門にアセスメントの依頼や情報収集を行った場合、その後の情報の整理と管理を行うこと。 ○ 利用者の身体的、精神的状況によっては、緊急性を要することもあるので、医師等専門家の診察等が必要になる場合があること。 ○ 利用者との信頼関係の形成に努めること。 サービス管理責任者の視点 ・適切な評価項目を選択しているか ・必要な情報が集められているか ・データに基づく客観的な分析ができているか 必要なツール  障害種別に応じた評価表 アセスメント結果表

63 (例) 初期アセスメント結果表 サービス提供者のコメント ADL IADL ・多くの基本動作が未習熟です。まずは、基礎体力の向上及び基本的動作の獲得を目的に筋力増強、関節可動域訓練、基本動作訓練が必要です。  ・当面は、基本的身辺動作の獲得を目指すとともに、排尿、排便、移乗、入浴動作の日常生活動作の自立を目標に訓練を実施する。また、現在使用の自助具の検討が必要と思われます。 ・一般的な社会適応能力はあるので、日常生活動作の獲得状況をみて外出、買い物、交通機関の利用、家事などの経験により自己管理能力の向上を図るための訓練を行います。 社会活動参加 ・何らかの職業につきたいと漠然とした意向を持っています。また、実家は自営されており、家族より就労可能と聞いています。 ・パソコンの経験はあり、メールの送受信は可能。基礎的なパソコン利用方法と事務文書作成の習得を目指しつつ、興味の方向性を探っていきます。 ・家庭復帰も想定し、ADLの獲得状況をみて自宅の住環境の調整を行う必要があります。 ・自動車免許の取得を希望されています。 ・本人は、1年半の利用契約期間を希望しています。 健康管理 ・排尿に関しては、適正な水分量を指導し.尿路感染防止を支援していきます。仙骨部に褥瘡の既往があるので褥瘡の再発防止及び予防について指導していきます。痙性が強いが服薬はしていません。状況を見ながら必要であれば医師と相談して鎮痙剤の服用について検討します。 その他 ・食事と洗面動作の一部は自力で可能ですが、その他は全て介護が必要です。訓練の進捗に合わせて介護量を調整していきます。 ・元来穏やかな性格のようであり、心理状態としては落ち着いておりますので、特段の対応は必要ないようです。 ゴール ADL自立、自動車免許取得、家業就労又は在宅就労も含め就労の可能性を探っていきます。 1年半の利用契約期間とします。  サービス管理責任者は、各部門へのアセスメントの日程の調整や依頼を行うとともに、アセスメント結果のとりまとめについても行います。  これは、初期状態の把握のためアセスメント結果をまとめたものです。  なお、様式は例として示したもので、様式については、関係者で集まり検討して作成するのがよいと考えます。  また、各アセスメント評価表は、ほとんどの施設においては、すでに準備されていると思いますが、様式やアセスメント項目等については、適宜、見直しを行い、よりよいものを作り上げていくことが必要です。

64 (3)アセスメント:②基本的ニーズの把握 実施経過 利用者や家族の意向を丁寧に聴取する
 実施経過 利用者や家族の意向を丁寧に聴取する 評価から得た心身状態の結果と利用者や家族の意向から、訓練目標につながるニーズを把握 必要なツール   アセスメントにおいては、初期状態の把握はもちろん、重要なこととして「基本的ニーズの把握」があります。  基本的ニーズの把握を行う上でのポイントは、次のとおりです。 ○ 将来、どのような生活をしたいのか、どのような支援を希望しているのか。 ○ 本人のニーズがはっきりしない場合でも、焦らず、時間をかけること。 ○ また、場合によっては、訓練を開始し、様子を見ながら具体的なニーズを見いだすことも視野に入れておくこと。 ○ 利用者と家族のニーズ、意向が異なることも考えられるので、当面の訓練などの調整が必要になることもあります。 サービス管理責任者の視点 ・利用者の意向を丁寧に聴取しているか ・必要な情報が集められているか ・データに基づく客観的な分析ができているか 障害種別に応じた評価表 意向聴取表

65 (例) 初期意向聴取表 利用者  まずは、ADL自立、あるいは自立しないまでも、可能な限り多くの日常生活動作を獲得し、介助量の軽減を図りたいと考えられており、将来的には何らかの職業につきたいと漠然とした意向をお持ちです。また、自動車免許取得の意向があります。訓練に対しては、「少し練習すればすぐにできるのではないか」といった、やや過大な期待が伺えます。  到達目標を達成するために必要な訓練期間については、1年半の利用契約期間を望まれております。 家 族  実家は工務店を自営されており、ご本人を雇用することは可能とのことですが、まずはご本人の意欲を引き出したい想いがあるようです。  ご本人の意向と同じく、1年半の利用契約期間を望まれております。 総 合  ご本人の年齢も若く、ADLの自立や自動車免許取得の可能性は高いと思われますが、受傷後の期間も短く障害に関する知識・理解がやや不十分のようです。就労に対する意識はありますが、まだ漠然としているようですので、支援する中でご本人の可能性を引き出し、社会参加意欲の向上を図り、将来計画の具体化を図る等、訓練の進捗に併せたご意向の変化を把握していきます。  1年半の利用契約期間は妥当と考えます。  これは、利用者や家族の意向をまとめ、整理したものです。  様式では、総合のコメントも記入されていますが、この部分は、センター全体の支援方針にも関係してきますので、全体の評価結果をみてから、関係職員を含めた支援会議等の中で決定しても構いません。

66 以上をチェックし、出来ていない場合には指導・助言する
サービス管理責任者は・・・ ○ 面接やアセスメントを行う際に、利用者への説明と同意が必要。 ○ 相談支援時に得た情報とアセスメントの段階で得た情報を整理し、まとめること。 ○ 得られた情報の開示については、利用者の了解のもとで関係職員に提供すること。 ○ 利用者との信頼関係構築に努めること、日頃からのコミュニケーションを図ることが重要。 ○ 職員の意向のみにとらわれず、利用者の意向を十分に反映した適切なアセスメント結果となるよう留意すること。  これは、初期状態の把握と基本的ニーズの把握のアセスメントにおいて、そのポイントを整理したものです。 ○ アセスメントを、どんな目的で、どのような方法で行うのかを、予め利用者へ説明し同意を得ておくこと。 ○ 相談支援時及びアセスメントの段階で得た情報は、整理し、まとめること。 ○ 得られた情報の開示については、利用者の了解のもとで関係職員に提供すること。 ○ 本人や家族の意向等を踏まえ、適切にアセスメントが行われているか、情報不足はないかなど、利用者のこれまでの生活状況や現在の状態、ニーズ等の必要事項は的確に把握されているか。 ○ 今後のサービス提供がスムーズに行われる上でも利用者との信頼関係に努め、コミュニケーションを図ること。  サービス管理責任者は、これらの点をチェックし、必要に応じてサービス提供職員に対し、指導・助言を行います。 以上をチェックし、出来ていない場合には指導・助言する

67 サービス管理責任者は・・・ 例えば利用者の意向が現実的な内容でなかったとしても 利用者の障害理解を深めるため必要であれば、期間を設定して希望の訓練にトライさせることも重要。 利用者が様々な経験を積み、意向の変化があった際には、支援方針の修正を検討し、適切な支援計画の修正を図る。  これは、利用者によっては、障害受容ができていなく、何をどうしたいのかはっきりしなかったり、逆に利用者の意向が現実的でなかったりすることもあります。  アセスメントに時間をかけても先に進まないので、このような場合、以下のことも視野に入れながらサービスを開始することが必要です。 ○ 利用者自身の障害の理解を第一に期間を限定して希望の訓練にトライさせる。当面は、大ざっぱな支援計画になるが、サービス提供職員に対しても説明と理解、支援内容などの調整を図ること。 ○ 様々な工夫を行いながら支援を実施し、利用者がやりたいことやニーズを引き出すこと。 ○ 利用者の訓練意欲や、将来の計画などある程度見えてきたところで、現実的で達成可能性のある訓練目標、ニーズを引き出すこと。 初期評価の結果や意向聴取を踏まえ、障害の理解を深めた上で、現実的で達成可能性のある訓練目標につながるニーズを引き出す。

68 (3)アセスメント:③課題の整理 実施経過 利用者の初期状態や基本的ニーズの把握から、課題を整理する
 実施経過 利用者の初期状態や基本的ニーズの把握から、課題を整理する 課題は複合的な場合も多いため、整理にあたっては、優先順位を設定する 必要なツール   初期状態や基本的ニーズの評価が終了すると、結果をまとめる課題整理に入り、アセスメントの最終段階になります。  課題整理におけるポイントは、以下のとおりです。 ○ 評価結果を分析し、利用者の意向等を踏まえ、課題の優先順位を考え整理すること。 ○ 課題の緊急性や当面の課題なのか、長期的な課題なのか、到達可能な目標等を整理するとともに、解決すべき課題を全体の課題と各分野別の課題に整理すること。 ○ 各分野別の課題は、個別支援計画の支援項目と関連してきますので、その具体的な支援内容等も整理しておくこと。 ○ また、施設全体の支援方針も併せて整理しておくこと。 サービス管理責任者の視点 ・データに基づく客観的な分析ができているか ・具体的で適切な課題が示されているか ・適切な優先順位の設定ができているか 障害種別に応じた評価表 課題の整理表

69 (例) 初期 課題整理表 アセスメント結果から抽出した課題 ADL IADL 社会活動参加 健康管理 その他
(例) 初期 課題整理表 アセスメント結果から抽出した課題 ADL ・多くの基本動作が未獲得又は未習熟。   ・基本的身辺動作未獲得。  ・車いすベッド間の移乗、排便・入浴動作等未獲得。 ・現在使用の自助具一部不適合。 IADL ・外出時の交通機関の利用や、買い物、家事など未経験。 ・社会資源・制度の利用に関する知識未習得。 社会活動参加 ・一般的事務作業能力は未習得の状況であり、就労に対する意向が曖昧。 ・住宅環境が未整備。 健康管理 ・頸髄損傷に起因する神経因性膀胱直腸障害、知覚障害(仙骨部褥瘡既往あり)。 ・痙性が強い。 ・自己管理に関する知識未習得。 その他 ・訓練に対してご本人の意向がやや過大な期待あり。 ・身体介助:食事摂取と洗面動作の一部は自力で可能、その他は全て介護。  これは、初期状態と基本的なニーズの把握から、初期における課題を整理したもの例を示したものです。

70 支援者の気になること・推測できること(事例の強み・可能性)
記入様式 1 課題の整理表         グループ                                            利用者名              さん 意向等ニーズの把握 初期状態の評価(利用者の状況 ・環境の状況) 支援者の気になること・推測できること(事例の強み・可能性) 解決すべき課題 ADL自立あるいは自立しないまでも、可能な限り多くの日常生活動作を獲得し、介助量の軽減を図りたい まだ、基礎的な体力がついておらず、様々な動作の習熟が不十分な状態です。 身体介助:食事摂取と洗面動作の一部は自力で可能、その他は全て介護の状況です。 受傷後の社会生活について未経験です。 住宅改修はまだ行っていません。 年齢や身体的予後予測から考えると、ADLの自立の可能性は高いと思われます。 基本的身辺動作から開始し、車いすベッド間の移乗、排便・入浴動作等へ進める必要があります。 住宅改修について、経済的な面では問題ないと思われますが、訓練進捗状況をみてから設計を行う必要があります。 基礎的体力低下 筋力・可動域低下 障害の知識・理解不十分 各種動作の未習熟 現在使用の自助具一部不適合 外出時の交通機関の利用や、買い物、家事など未経験 社会資源・制度の利用に関する知識未習得 住宅改修未整備 将来的には何らかの職業につきたい 一般的事務作業能力は未習得の状況です。 就労については、まだ、漠然とした意向であり、具体化されていないようです。 職業耐性低下 就労の方向性不明確 自動車免許の取得 現状では自動車関連の動作は全て不能です。 体力向上や筋力強化が図られ、動作訓練の習熟等の訓練が順調に進めば、可能性が高いと思われます。 基礎的な訓練を早期に終え、自動車関連の訓練を開始できるかどうか その他 頸髄損傷に起因する神経因性膀胱直腸障害、知覚障害(仙骨部褥瘡既往あり)。 痙性が強い。 心理的には落ち着いていますが、訓練に対してやや過大な期待があります。 障害に関する知識や理解を深める必要があります。 「少し練習すればすぐにできるのではないか」と思っているようです。壁に当たったときの心理的フォローが必要かもしれません。 自己管理に関する知識未習得 鎮痙剤の服用について医師の診断を受ける 心理的フォロー

71 (例) 初期 支援方針整理表 これは、課題の整理をした上で その課題に対する施設側の支援内容と方針を整理したものの例を示したものです。
(例) 初期 支援方針整理表 課題(支援項目) 支援方針 ADL ・多くの基本動作が未獲得又は未習熟。   ・基本的身辺動作未獲得。  ・車いすベッド間の移乗、排便・入浴動作等未獲得。 ・現在使用の自助具一部不適合。 ・まず、洗面歯磨き等の基本的身辺動作の獲得を目指し、その後、車いすベッド間移乗動作の獲得を目的とした筋力増強、関節可動域訓練、基本動作訓練を実施します。 ・排尿方法は自己間歇導尿の獲得を目指し支援します。 ・排便動作・入浴動作は、基本動作訓練の進捗をみながら一部動作の獲得から可能性を探っていきます。その後自動車免許取得に向け、関連動作訓練も実施します。 ・現在ご使用の自助具の再検討を行います。 IADL ・外出時の交通機関の利用や、買い物、家事など未経験。 ・社会資源・制度の利用に関する知識未習得。 ・訓練の進捗状況をみながら、体力がついてきた段階で、外出時の交通機関の利用や、買い物、家事訓練などのプログラムを実施します。 ・社会資源・制度の利用に関する知識を身につける等のプログラムを実施します。 社会活動参加 ・ご本人の就労に対する意識が明確化されていない。 ・一般的事務作業能力は未習得であり、就労に対する意向が曖昧。 ・住宅環境が未整備。 ・訓練の進捗をみながらご本人の意向を聴取し、就労に関する情報提供や見学等を行うなど、適切な目標設定ができるよう支援します。 ・まずは基礎的なパソコンの技能及び知識の習得を目標に支援しながら、就労に対する興味の方向性を探っていきます。 ・訓練の進捗を見ながら、ご本人やご家族の意向を聴取しながら住宅整備の具体案を作成し、関係者と連携し図面等の詰めを行っていきます。 健康 管理 ・頸髄損傷に起因する神経因性膀胱直腸障害、知覚障害(仙骨部褥瘡既往)あり。痙性が強い。 ・自己管理に関する知識未習得。 ・水分摂取量に留意したりエアマットを検討し、尿路感染や褥瘡の予防に努めます。痙性の状況を見ながら必要であれば医師と相談して鎮痙剤の服用について検討します。 ・感染や褥瘡、機能維持等に関する自己管理能力を向上させるためのプログラムを実施します。 その他 ・訓練に対してご本人の意向がやや過大な期待あり。 ・身体介助:食事摂取と洗面動作の一部は自力で可能、その他は全て介護。 ・障害に関する知識・理解を深めるためのプログラムを実施します。 ・身体介助:訓練の進捗を見ながら介助量を調整します。 総合的な支援方針 基礎的な身体能力を向上し、日常生活動作の獲得について可能なものから支援を行い、訓練の進捗状況を見ながら健康管理や社会生活力を身につけるためのプログラム、自動車関連動作訓練等を実施します。また、就労に対する意識の明確化を図った上で、地域移行後の生活の具体化を図り、住宅整備や職業前訓練等の支援を実施します。目標到達に要する期間は1年6ヵ月を見込みます。  これは、課題の整理をした上で その課題に対する施設側の支援内容と方針を整理したものの例を示したものです。  個別支援計画書のイメージとしては、支援方針整理表に短期目標、長期目標、総合的な支援方針、支援内容、期間、実施部門、実施場所等が記載されたものとなります。

72 (4)個別支援計画の作成 実施経過 必要なツール 初期支援会議資料 個別支援計画書
 実施経過 整理した課題に基づき、支援項目・サービス内容・到達目標・期間等を定める 到達目標は、サービス終了時の到達目標となる主目標(長期目標)と短期目標などからなる 到達目標は、時間軸をとおして段階を踏んで達成される 時間(支援期間)と領域(支援内容)という2つの観点から個別支援計画書を作成 個別支援計画の作成  課題の整理が終了すると、サービス管理責任者は個別支援計画(案)を作成します。これは、支援計画の作成に当たってのポイントをまとめたものです。 ○ 優先順位毎に課題を整理し、支援内容、到達目標と期間の設定、実施部門等をまとめること。 ○ 社会資源とニーズとのマッチングを検討すること。 ○ 案ができたところで、一度、利用者に説明し、同意を得ること。 ○ 本人や家族の意向、施設のサービス提供の方針、目標も盛り込むこと。 ○ 上記のことを終え、個別支援計画案を作成した段階で、サービス管理責任者は、関係スタッフを集め、支援会議等を開催し、説明を行うとともに、関係スタッフからのご意見をいただき修正を加え、最終的な支援計画書を決定する。 ○ 支援会議等のメンバーは、サービス管理責任者を始め、実際のサービス提供職員や上司などからなります。利用者や家族が会議に入っても構いません。 サービス管理責任者の視点 ・データに基づく客観的な分析ができているか ・具体的で適切な課題と目標が示されているか ・利用者自身がイメージできるものとなっているか 必要なツール  初期支援会議資料 個別支援計画書

73 (例) 初期 支援会議資料 受付N0. 利用者名 平成 年 月 日作成 これは、初期の支援会議資料の例を示したものです。
(例) 初期 支援会議資料 受付N0.            利用者名                        平成  年  月  日作成 本人の意向 ①可能な限り多くの日常生活動作を獲得したい。 ②職業に就きたい。 ③自動車免許を取りたい。 ニーズ又は 支援課題 到達目標 短期目標 具体的なサービス内容 期間 担当 可能な限り多くの日常生活動作を獲得したい 身体機能の向上及びADL・IADLの向上(ADL自立) 排尿方法の確立及び排尿動作の獲得 ・泌尿器科受診 ・自己間歇導尿支援 ・自己管理能力向上支援、障害に関する理解支援 6か月 1年半 看護師 基礎体力の向上 及びADL動作の獲得 ・関節可動域、筋力増強、持久力増強訓 練、スポーツ訓練 ・身辺動作訓練 ・各種の基本動作訓練、自助具再検討 (継続) 1か月 1年 理学療法士 スポーツ指導員 作業療法士 日常生活関連動作・社会性活力の獲得 ・外出時の交通機関の利用や、買い物、家事訓練などのプログラム ・社会資源・制度の利用に関する知識を身につける等のプログラム 生活支援員 何らかの仕事に就きたい パソコン操作の獲得 パソコン基本操作の習得 ・パソコン訓練等を通じて就労への可能性と職業適性を検討 職業指導員 就労もしくは就労に向けたステップに進む 就労イメージを持つ ・就労に関する情報提供 ・障害者を雇用している企業の見学 職業指導員生活支援員 車の免許を取りたい 自動車運転免許の取得 自動車運転関連動作の獲得 ・運転席への移乗、車いす積み込み、ハンドル操作訓練 会議結果 (総合的な 支援方針) 基礎的な身体能力を向上し、日常生活動作の獲得について可能なものから支援を行い、訓練の進捗状況を見ながら健康管理や社会生活力を身につけるためのプログラム、自動車関連動作訓練等を実施します。また、就労に対する意識の明確化を図った上で、地域移行後の生活の具体化を図り、住宅整備や職業前訓練等の支援を実施します。目標到達に要する期間は1年6ヵ月を見込みます。  これは、初期の支援会議資料の例を示したものです。      あくまでも参考ですので、様式については、各施設において、検討し作成をお願いします。

74 (例) 初期 個別支援計画書 これは、個別支援計画書の例を示したものです。 作成上のポイントを補足しますが、
(例) 初期 個別支援計画書 利用者氏名 性別 生年月日(年齢) 障害福祉サービス名 利用契約期間(サービス提供期間) ○○ ○○ 男性 ○年○月○日(○歳) 自立訓練(機能訓練)、施設入所支援 ○年○月○日~○年○月○日 長期(内容、期間等) ADLを自立し、自動車免許取得の上、就労する。(就労イメージの具体化を図る) 1年6ヶ月 短期(内容、期間等) 排尿動作の獲得、基礎体力の向上、身辺動作の自立、自助具の見直し、パソコン基本操作習得 1ヶ月~1年 ニーズ(支援課題) 到達目標 短期目標 サービス内容 達成期間 担当 ①可能な限り多くの日常生活動作を獲得したい 身体機能の向上及び日常生活動作、関連動作の向上(ADL自立) 排尿方法の確立及び動作の獲得 泌尿器科受診し、医師と相談しながら自己間歇導尿の獲得を目指した支援を行います。 障害に関する理解支援及び自己管理能力向上を図るための支援を行います。 6か月 1年半 看護師 基礎体力の向上及び日常生活動作の獲得 まずは自助具の検討を行い身辺動作の獲得を支援します。 基礎体力の向上のため筋力増強、持久力増強、スポーツ訓練を実施します。 ADLの自立を目指し、各種基本動作訓練及び日常生活動作訓練を行います。 1か月 1年 作業療法士 スポーツ指導員 理学療法士 日常生活関連動作・社会性活力の獲得 ・外出時の交通機関の利用や、買い物、家事訓練などのプログラムを実施します。 ・社会資源・制度の利用に関する知識を身につける等のプログラムを実施します。 生活支援員 ②何らかの仕事に就きたい パソコン操作の獲得 パソコンの基本操作の習得 パソコンの基本操作、知識の習得を図るとともに、就労の可能性を探ります。 職業指導員 就労もしくは就労に向けたステップへ進む 就労イメージを持つ 就労に関する情報提供や企業に見学を行うなど、働くことのイメージを持てるよう支援します。 職業指導員生活支援員 ③自動車免許を取りたい 自動車運転免許の取得 自動車運転関連動作の獲得 運転席への移乗、車いす積み込み、ハンドル操作等の訓練を実施します。  これは、個別支援計画書の例を示したものです。  作成上のポイントを補足しますが、 ○ 利用者がわかりやすい言葉や表現で作成すること。 ○ 利用者本人への説明と了解を得た上で、説明者及び利用者の署名を行い、利用者に交付すること。  なお、今回の自立支援法では、自立訓練は少なくとも3か月に1回は支援計画の見直しをすることが義務づけられていることや、サービス提供開始から3か月後に、中間評価(モニタリング)を実施することとなっています。  これもサービス管理責任者の役割になります。 総合的な支援方針 基礎的な身体能力を向上し、日常生活動作の獲得について可能なものから支援を行い、ADLの自立を目指します。訓練の進捗状況を見ながら健康管理や社会生活力を身につけるためのプログラム、自動車関連動作訓練等を実施します。また、パソコンの訓練や就労に関する情報提供等を通じて就労に対する意識の明確化を図った上で、地域移行後の生活の具体化を図り、円滑な地域移行に向けた住宅整備や職業前訓練等の支援を実施します。利用契約期間は1年6ヵ月とします。 平成   年  月  日     利用者氏名                 印      サービス管理責任者                  印

75 交通機関の利用、住環境整備、家族への介護支援等
(例) 初期 支援状況 ※ 初期プログラムでは機能訓練の比重が大きくなっている。 基本動作の向上 及び 日常生活動作の獲得 サービス量  日常生活  関連動作  の獲得 スポーツ 訓練  これは、初期の訓練開始時の支援内容のイメージを示したものである。  本人の意向と併せて、できることを増やしていく機能訓練の比重が多くなっています。 パソコン 訓練 交通機関の利用、住環境整備、家族への介護支援等 自動車訓練 サービス内容

76 サービス管理責任者は・・・ 会 議 【個別支援計画書の作成】
利用者や家族等の意向 相談支援時の状況 各専門職のアセスメント結果 利用者の社会的背景 各専門職の意見 会 議 利用者の心理的状況 等々・・・ 【個別支援計画書の作成】  上記のような様々な情報から課題を整理し、支援方針や短期的個別目標、総合的な到達目標、将来的な目標及び各目標達成期間等を設定し、各サービス提供者の役割分担を明確化する。  これは、相談支援から個別支援計画作成までにおけるサービス管理責任者の役割を整理したものです。 ○ 相談窓口の運営、相談支援時の体制・対応 ○ 利用者や家族の意向の確認とアセスメントの依頼 ○ アセスメント結果の整理 ○ 課題の整理 ○ 個別支援計画案の作成 ○ 支援会議等の開催 ○ 支援計画の最終的な利用者への説明と同意 ○ サービス提供職員の役割分担の調整  なお、各訓練部門における訓練計画は個別支援計画ではありません。訓練計画は、支援計画の支援内容に基づき、各部門が具体的に実施する訓練計画です。個別支援計画は、各部門の訓練計画を基に、利用者への支援の目標、支援内容、期間等を総合的にまとめたもので、支援全体の目指す方向を示したものになります。

77 (5)個別支援計画の実施 実施経過 必要なツール 個別支援実施表 訓練記録 支援スタッフの役割を明確にする
 実施経過 支援スタッフの役割を明確にする 支援スタッフはお互いに情報交換しながら支援を実施 サービス管理責任者は定期的又は必要に応じてケース会議を開催し、情報共有化に努める。 時間軸(段階)を意識した支援に努める 支援のペースやスケジュールについては、本人の同意を得て実施する 設定された目標を、効率よく達成することに努める 個別支援の実施  利用者へ説明と同意、支援計画の交付を終え、個別支援計画に基づき、各部門において実際にサービスを個別に提供していきます。  これは、支援実施におけるサービス管理責任者の役割をまとめたものになります。 ○ サービス管理責任者は、支援が実際に始まってからは、利用者との定期的な面接やサービス提供職員からの情報収集などに努めるとともに、利用者本人及び各関係職員との関係作りやコミュニケーションを図っていくこと、 ○ また、個別支援計画に基づき、各サービスが提供されているか、必要に応じて確認し、各部門間やサービス提供職員との交通整理を図り、スムーズにサービス提供できるように、サービス全体を管理していく。 サービス管理責任者の視点 ・支援スタッフの相互連携がとれているか ・段階を意識した支援となっているか ・利用者の同意を得ながら支援しているか ・設定された目標は効率よく達成されているか 必要なツール  個別支援実施表 訓練記録

78 (例) 個別支援実施表(3か月後) 支援項目 具体的なサービス内容 実施経過(3か月後) 排尿方法の確立 ・泌尿器科受診
(例) 個別支援実施表(3か月後) 支援項目 具体的なサービス内容 実施経過(3か月後) 排尿方法の確立 ・泌尿器科受診 ・自己間歇導尿知識習得支援  (カテーテル等管理方法支援含む) 実施済み 継続中 自己管理能力の向上等 ・障害に関する理解支援プログラム ・自己管理能力向上支援プログラム 未実施 基礎体力の向上及び 日常生活動作の獲得 ・自助具の検討及び身辺動作訓練 ・関節可動域、筋力増強、持久力増強訓練 ・スポーツ訓練 ・各種基本動作訓練 日常生活関連動作・社会性活力の獲得 ・外出時の交通機関の利用や、買い物、家事訓練などのプログラム ・社会資源・制度の利用に関する知識を身につける等のプログラム パソコン操作技能の習得 就労の可能性 ・パソコン基本操作、知識の習得(基礎) ・職業適性、面接等(意向の聴取) ・情報提供、見学 自動車運転関連動作の獲得 ・運転席への移乗、車いす積み込み、ハンドル操作 利用者の意向の変化等 特になし

79 サービス管理責任者は・・・ 情報収集 助言・指導、会議
利用者や家族等の意向 目標達成の状況 各サービスの実施状況 情報共有化の状況 各専門職の意見 情報収集 スタッフの連携の状況 必要に応じて 等々・・・ 助言・指導、会議  サービスが開始された後も、上記のような様々な情報を収集し、スムーズな支援が行われていなかったり、利用者の意向が反映されていなかった場合など、必要に応じて助言・指導を行ったり、会議を開催し、支援方針を統一する。また、訓練期間全体におけるスケジュールの進行状況管理を行う。  これは、個別支援計画に基づき個別支援を実施しますが、サービス提供期間中のサービス管理責任者の役割を整理したものです。 ○ 支援の実施後は、各部門に足を運び、情報を収集するとともに、支援計画に基づきサービスが計画的に実施されているかの確認すること。 ○ 利用者との定期的な面接を行い、サービス提供全体の状況等を把握していくことや利用者からの苦情や不満があった場合には、サービス提供職員に状況を確認するとともに、必要に応じて助言指導を行うこと。 ○ また、定期的に支援会議等を実施し、支援方針、内容などを常に確認し情報の共有とサービス提供職員の支援方針の統一を図ること。  ○ 目標達成のためチームアプローチの重要性などを認識させること。  などが必要になってきます。

80 (6)中間評価と修正:①個別支援計画の評価
 実施経過 時期(段階)ごとに、到達目標達成度を評価・分析 利用者にサービスが適切に提供されているかを評価 達成度は、初期状態と比較して主目標及び個別目標の観点から評価 併せて、利用者の意向や環境の変化なども評価 中間評価と修正   中間評価(モニタリング)の目的は、支援計画に基づいてサービスが計画通りに実施されているかの確認を行うことにあります。  具体的には、以下のようなことを確認する必要があります。 ○ ニーズの見落としはないか。 ○ 新たなニーズが生じていないか。 ○ 計画通りのスケジュールか。 ○ サービス内容が質的に低下していないか。 ○ 利用者が満足してサービスを受けているか。 等の観点から、中間評価を実施し、支援内容、目標の達成度などを評価、分析をする必要があります。 サービス管理責任者の視点 ・段階ごとの到達目標の達成度はどうか ・利用者の満足度はどうか ・利用者の意向や環境の変化をとらえているか ・訓練期間全体の中で進行状況はどうか 必要なツール  中間評価記録表

81 (例) 中間評価記録表(1年後) 支援項目 具体的なサービス内容 実施経過・中間評価 排尿方法の確立 ・泌尿器科受診
(例) 中間評価記録表(1年後) 支援項目 具体的なサービス内容 実施経過・中間評価 排尿方法の確立 ・泌尿器科受診 ・自己間歇導尿知識習得支援  (カテーテル等管理方法支援含む) 実施済み 目標達成 自己管理能力の向上等 ・障害に関する理解支援プログラム ・自己管理能力向上支援プログラム ほぼ達成 継続中・一部未達成 基礎体力の向上及び 日常生活動作の獲得 ・関節可動域、筋力増強、持久力増強訓練 ・スポーツ訓練、車いす操作 ・各種基本動作訓練 ・ADL訓練 一部未達成(排便・入浴動作) 日常生活関連動作・社会性活力の獲得 ・外出時の交通機関の利用や、買い物、家事訓練などのプログラム ・社会資源・制度の利用に関する知識を身につける等のプログラム パソコン操作技能の習得、就労の可能性 ・パソコン基本操作、知識の習得(基礎) ・職業適性、面接等(意向の聴取) ・情報提供、見学 家業に就労の意向あり 意向が示されたため情報を絞る 自動車運転関連動作の獲得 ・運転席への移乗、車いす積み込み、ハンドル操作 一部(移乗・積み込み動作)未達成 利用者の意向の変化等  本人は、現訓練には概ね満足しています。日常生活動作全般の獲得の可能性も出てきており、現訓練の継続を希望しています。また、就労については、家業(工務店)への就労をしたいとの意向が示されており、家族も望んでいます。

82 (6)中間評価と修正:②個別支援計画の修正
 実施経過 到達目標に達成するために個別支援計画(支援項目、サービス内容等)を修正 利用者の意向を聴取 修正にあたっては、 時間軸と支援(サービス)内容の観点から修正・変更 利用者に修正や変更の同意を得る  モニタリングの結果、新たなニーズが発生や見落としたニーズがあった場合には、再アセスメントの必要性を検討し、必要であれば再アセスメントを実施する。  再アセスメント結果をまとめ、支援会議等を開催し、支援計画の変更・修正等を行い、利用者への説明と同意を得た上で、再度、見直し後の支援計画書を交付する。 必要なツール  サービス管理責任者の視点 ・適切な修正ができているか ・利用者の同意を得ているか 中期支援会議資料 個別支援計画の修正・変更記録表

83 支援経過(具体的なサービス内容及び課題)
(例) 中期 支援会議資料 受付N0.           利用者名                        平成  年  月  日作成 利用者本人の意向 ①可能な限り多くの日常生活動作を獲得したい。 ②家業を手伝いたい。 ③自動車免許を取りたい。 ④地域の車いすバスケットボールクラブに参加したい。 初期 支援会議結果 (平成○年○月○日) 基礎的な身体能力を向上し、日常生活動作の獲得について可能なものから支援を行い、ADLの自立を目指します。訓練の進捗状況を見ながら健康管理や社会生活力を身につけるためのプログラム、自動車関連動作訓練等を実施します。また、パソコンの訓練や就労に関する情報提供等を通じて就労に対する意識の明確化を図った上で、地域移行後の生活の具体化を図り、円滑な地域移行に向けた住宅整備や職業前訓練等の支援を実施します。利用契約期間は1年6ヵ月。 ニーズ (支援課題) 到達目標 短期目標 支援経過(具体的なサービス内容及び課題) 期間 担当 可能な限り多くの日常生活動作を獲得したい 身体機能の向上及びADL・関連動作の向上 自己管理能力の向上等 ・自己管理能力向上支援プログラム継続中 1年半 看護師 ADL動作の獲得 ・排便及び入浴動作訓練を継続中 作業療法士 社会生活力の向上 ・外出時の交通機関の利用や、買い物、家事訓練などのプログラムを継続中 ・社会資源・制度の利用に関する知識を身につける等のプログラムを継続中 生活支援員 家族への支援等 在宅介護技術の獲得 ・在宅生活に向けて、家族への介護技術の獲得等の支援を行うとともに制度利用の情報提供を行う 介護員 家業の手伝いがしたい パソコン操作の獲得 パソコン基本操作の獲得 ・パソコン操作は可能。家業への就労の意向があるため在宅就労に向けた訓練及び必要な情報提供を行う 訓練指導員 車の免許を取りたい 車運転免許の取得 車運転関連動作の獲得 ・ハンドル操作は習得したが、座席への移乗と車いす積み込みに時間を要し、思うように訓練は進んでいない 理学療法士 車いすバスケットボールに参加したい 社会活動参加を図る 地域の車いすバスケットボールクラブの紹介 ・練習日に、地域の車いすバスケットボールクラブの見学を行う 会議結果 (総合的な 支援方針)      日常生活動作の獲得は可能と考えられます。本人は、家庭復帰し、生活に慣れたら家業に就労したいと考えていることから、仕事内容を把握し、具体的に可能な訓練を行うとともに、在宅生活に向けて居宅介護等の福祉サービスやその他の社会資源の情報提供を行うとともに、家族への介護技術の指導等の支援も行います。  利用期間:○年○月○日まで(当初の契約通り残り6か月)  これは、中期の支援会議資料の例を示したものです。      初期の支援会議結果がわかるようにしています。

84 (例) 中期 個別支援計画書 これは、個別支援計画書の例を示したものです。 作成上のポイントを補足しますが、
 (例) 中期 個別支援計画書 利用者氏名 性別 生年月日(年齢) 障害福祉サービス名 利用契約期間(サービス提供期間) ○○ ○○ 男性 ○年○月○日(○歳) 自立訓練(機能訓練)、施設入所支援 ○年○月○日~○年○月○日 長期(内容、期間等) ADLを自立し、自動車免許取得の上、就労する。地域移行後の社会活動参加。 1年6ヶ月 短期(内容、期間等) ADLの獲得、自己管理能力の向上、社会生活力向上、住環境整備、PC応用操作習得、自動車関連動作獲得 残り半年内 ニーズ(支援課題) 到達目標 短期目標 サービス内容 達成期間 担当 ①可能な限り多くの日常生活動作を獲得したい 身体機能の向上及び日常生活動作、関連動作の向上 自己管理能力の向上等 ・自己管理能力向上支援プログラムを継続して実施します。 1年半 看護師 ADL動作の獲得 排便動作と入浴動作を中心とした訓練を行います。 作業療法士 社会生活力の向上 ・外出時の交通機関の利用や、買い物、家事訓練などのプログラムを継続して実施します。 ・社会資源・制度の利用に関する知識を身につける等のプログラムを継続して実施します。 生活支援員 家族への支援等 在宅介護技術の獲得、住環境整備 ・在宅生活に向けて、家族への介護技術の獲得等の支援を行うとともに住環境整備について支援します。 介護員 ②家業の手伝いがしたい パソコン操作の獲得 パソコンの応用操作の習得 家業への就労に向けた文書作成、表計算等の訓練及び必要な情報提供を行います。 訓練指導員 ③自動車免許を取りたい 自動車運転免許の取得 自動車運転関連動作の獲得 運転席への移乗、車いす積み込みを中心とした訓練を実施します。 理学療法士 ④地域の車いすバスケットボールクラフに参加したい゙ 社会活動参加の支援 地域の車いすバスケットボールクラブの見学等 地域の車いすバスケットボールクラブの活動日を調べ、見学を行います。  これは、個別支援計画書の例を示したものです。  作成上のポイントを補足しますが、 ○ 利用者がわかりやすい言葉や表現で作成すること。 ○ 利用者本人への説明と了解を得た上で、説明者及び利用者の署名を行い、利用者に交付すること。  なお、今回の自立支援法では、自立訓練は少なくとも3か月に1回は支援計画の見直しをすることが義務づけられていることや、サービス提供開始から3か月後に、中間評価(モニタリング)を実施することとなっています。  これもサービス管理責任者の役割になります。 総合的な支援方針  日常生活動作の獲得は可能と考えられます。本人は、家庭復帰し、生活に慣れたら家業に就労したいと考えていることから、仕事内容を把握し、具体的に可能な訓練を行うとともに、在宅生活に向けて居宅介護等の福祉サービスやその他の社会資源の情報提供を行うとともに、家族への介護技術の指導及び住環境整備等の支援、地域移行後の社会活動参加の支援も行います。 利用期間:○年○月○日まで(当初の契約通り残り6か月) 平成   年  月  日     利用者氏名                 印      サービス管理責任者                  印

85 (例) 中期 支援状況 ※ 中期プログラムでは機能訓練より社会活動参加のための訓練が多くなっている。 サービス量 パソコン 訓練 スポーツ
(例) 中期 支援状況 ※ 中期プログラムでは機能訓練より社会活動参加のための訓練が多くなっている。 サービス量 パソコン 訓練 スポーツ 訓練 公共交通機関の利用 住環境整備 家族への介護支援等  日常生活  関連動作  の獲得 自動車訓練 基本動作の向上及び日常生活動作の獲得  これは、中期の訓練開始時の支援内容のイメージを示したものです。  機能訓練の比重が小さくなり、社会活動参加のための訓練の比重が大きくなっています。 サービス内容

86 サービス管理責任者は・・・ 会 議 【個別支援計画書の修正】
利用者や家族等の意向の変化 身体状態の変化 各専門職のアセスメント結果 利用者の社会的背景の変化 各専門職の意見 会 議 利用者の心理的状況の変化 等々・・・ 【個別支援計画書の修正】  上記のような様々な情報から課題を再整理し、支援方針修正や短期的個別目標、総合的な到達目標、将来的な目標及び各目標達成期間等を再設定し、各サービス提供者の役割分担を再確認する。  これは、中間評価と修正におけるサービス管理責任者の役割を整理したものになります。 ○ サービス管理責任者は、必要に応じて、支援会議を開催し、現状の進捗状況や到達状況の把握、確認するとともに、課題を再整理し、支援内容、期間や到達目標、将来的な目標等に修正や変更がないかを確認すること。 ○ 支援内容等に変更や修正がある場合には、支援期間や到達目標等の再設定について検討すること。 ○ また、各サービス提供職員への役割分担の再確認と調整を行い、支援方針等の統一を図ること。  中間評価と修正においては、上記のことを繰り返し行うこととなるが、支援計画の変更や修正がある場合には、再度、利用者へ説明し同意を得て上で支援計画書を再交付するとともに、新たな支援計画に基づく個別支援を提供していくことになります。

87 (7)関係機関との連携 実施経過 必要なツール
 実施経過 サービス期間が終了に近づくと、地域移行を見据え、当該地域の関係機関と連携し、受け入れ準備を進める 必要に応じて、利用者自身が連絡することを援助し、地域移行後の社会生活力を身につけるよう支援する 利用者自身が望む生活を具体化できるよう、情報を提供したり、生活をシミュレーションしてみる サービス管理責任者の視点 ・利用者は、自身が望む生活をイメージできているか ・利用者は、家族や関係機関との連絡調整ができているか 必要なツール  サービス事業者リスト

88 (8)終了時評価 実施経過 必要なツール 到達目標達成度を含めた個別支援計画全体を客観的に評価
 実施経過 到達目標達成度を含めた個別支援計画全体を客観的に評価 サービス提供はスムーズに行われたか、また、行われなかった場合の原因は何かを評価 利用者の状態の変化・満足度などの観点から評価 同様のケースの個別支援計画作成に評価を活かす 終了時評価   中期評価を繰り返し、支援計画に基づき支援が計画的に実施され、利用者が目標を達成し、サービスの希望がなくなったときにサービス提供が終了します。サービスを終了する前に、終了時の評価を実施しますが、その際のポイント整理したものです。 ○ 到達目標の達成度を含めた支援計画全体の客観的評価 ○ 利用者の状態の変化・満足度などの観点から評価 等  具体的には、 ○ 到達目標に達したか。 ○ 目標達成されなかったら、どの段階まで達成されたか。 ○ サービス提供はスムーズに行われたか。 ○ スムーズでなかった場合、どこに原因があったか。 ○ サービス提供を受けた利用者はどのように変化したか。 ○ 利用者の満足度はどうか。  法律に標準利用期間が設定されているので施設においては、利用期間(契約期間)内において目標達成できるようサービスの効率化等を図りながら支援計画を作成していく必要があります。 サービス管理責任者の視点 ・到達目標の達成度はどうか ・適切なサービス提供ができたか ・利用者の満足度はどうか ・事例としてまとめ今後の参考としているか 必要なツール  終期会議資料

89 (例) サービス実施報告書(終了時評価) これは、中期の個別支援計画書の例を示したものです。
(例) サービス実施報告書(終了時評価) 利用者名(性別・年齢) ○○ ○○○(男性・○歳) 障害福祉サービス名 自立訓練(機能訓練)、施設入所支援 サービス提供期間 平成○年○月○日~平成○年○月○日 利用者の意向 (具体的なニーズ) ①可能な限り多くの日常生活動作を獲得したい。 ②家業を手伝いたい。 ③自動車免許を取りたい。 ④地域の車いすバスケットボールクラブに参加したい ニーズ又は支援課題 到達目標 支援内容 支援結果 達成期間 担当 今後の課題 可能な限り多くの日常生活動作を獲得したい。 身体機能の向上及びADL・IADLの向上 ・各基本動作訓練 ・筋力増強等訓練 ・スポーツ訓練 ・ADL、IADL動作訓練 ・基礎体力が向上し、各基本動作及び日常生活全般の動作を獲得しました。 ・外出、買い物、公共交通機関の利用が可能となり、地域の社会資源の活用方策についても獲得しました。 6か月  ~ 1年半 看護師 理学療法士 作業療法士 ・定期的な泌尿器科受診の必要があるため地域のかかりつけ医に紹介状を送付します。 ・一日の生活リズムの確立と健康の維持管理ができるよう支援します。 ・機能維持のため外出したり、地域のリハビリ施設の活用が図れるよう支援します。 (家族への支援) 在宅介護技術の獲得 ・介護技術の指導 ・住環境の調整 ・家族への介護指導を実施しました、 ・トイレ、浴室の一部改造し、住環境が整いました。試験外泊によるシミュレーションも行いました。 介護員 ・ADLは自立しましたが、家での生活に慣れるまでは居宅介護サービス等の活用もできるよう支援します。 家業の手伝いがしたい。 パソコン操作の獲得 ・パソコン基本操作及び応用操作(表計算ソフト、メール、インターネットの利用等) ・情報提供 ・パソコン操作が習熟し、文書作成、計算処理、メール、インターネットの活用が可能となりました。 ・家業における仕事内容から必要な情報提供を行い、準備を進めました。 訓練指導員 生活支援員 ・より高度な知識・技術を身につけたい場合などに活用できるよう就労移行支援事業所の情報を提供いたします。 自動車運転免許を取りたい 自動車運転免許の取得 ・自動車運転関連動作訓練 ・運転席への移乗、車いす積み込みに時間を要する状況であり、免許の取得に至りませんでした。 ・家の車でも練習は可能なので習熟し免許の取得に挑戦していただきたい。 車いすバスケットボールクラブに参加したい 社会活動参加 ・地域のクラブチームの紹介、見学 ・地域の車いすバスケットボールクラブに入部する予定です。 ・移動手段の確保について調整する必要があります。  これは、中期の個別支援計画書の例を示したものです。  初期と比べて、大きく変わったところはありませんが、  本人の新たな移行や支援方針等が変更になる場合には  再度、支援計画書を作成し、本人の同意が必要になります。 平成  年  月  日 施設名: ○○○○○○○   サービス管理責任者氏名:                   印

90 事例の全体総括 〈概要〉若い男性の頸髄損傷者。受傷から10か月の経過期間であり、日常生活動作の獲得が不十分。当初、障害に対する理解も不十分なこともあり目標設定が具体化していなかったが、訓練が進んでいくとともに現実的で具体的な将来像が徐々に明確化してきた事例であった。 〈支援方針〉本人の不安を取り除くため、障害に対する理解を深めたり、達成可能な課題から段階的に取り組んでいくことで、最終的に達成可能な到達目標をご理解いただくとともに、現実的なニーズを引き出すよう支援した。 〈帰結〉 段階的に課題を達成する中で、障害に対する理解が深まるに伴い、現実的で具体的なニーズや将来像を持てるようになり、結果的には実家の一部を改修し、家業に就労することとなった。 地域移行後の生活が円滑に進むよう、試験外泊を繰り返し住環境整備を支援した。また、居宅介護事業者との相談と必要な手続き等について、ご自身で調整するよう支援し、社会性活力の向上につなげた。 車いすバスケットボールに興味を持ち、地域のチームやスポーツセンターを紹介し、機能維持を図るとともに生き甲斐作りも支援できた。  これは、事例の全体総括の例を示したものになります。  サービス管理責任者は、事例に対する支援については、経過記録を整理するとともに、支援の振り返りを行い、次の支援にフィードバックしていくようにしてサービスの質の向上につなげることが重要になります。 〈反省点〉自動車免許の取得に至らなかった原因として、習熟訓練が十分にできなかったことが挙げられる。終了前に試験外泊が重なるなどを見越したプログラム調整をしておく必要があった。

91 サービス管理責任者は・・・ 個別支援計画全体の評価 到達目標の達成度は 利用者の満足度は サービス提供は適切だったか 終了時評価会議 利用者の身体的・心理的変化は どうすればより適切だったか 等々・・・   終了時評価会議を開催し、サービス全体の総括を行う。困難であった事例ほど、次のケースに活かせるヒントが隠されていることをサービス提供者に理解させる。  終了時評価では、各部門においては最終的な評価を行うとともに、サービス管理責任者は、利用者の支援を通じて、下記の視点においてサービス提供ができたかを振り返り、反省し、サービス提供職員への助言指導等を行い、常にサービスの質の向上に努める必要があります。 ○ 利用者の地域生活を支援する内容であったか。 ○ 利用者のニーズを適切に把握できたか。 ○ 利用者の意向等を踏まえ、支援計画を作成、支援を実施できたか。 ○ 地域の社会資源とニーズに適切に結びつけることができたか。 ○ 総合的かつ継続的なサービスの供給を確保できたか。 ○ 社会資源の改善及び開発の推進とネットワーク作りができたか。

92 6.サービスの評価 これまでは、サービス提供の際の基本姿勢と視点について説明してきました。
 これまでは、サービス提供の際の基本姿勢と視点について説明してきました。  ここでは、実際にサービス提供するに当たり、どのような流れで利用者にサービス提供し、サービスを管理していくのか、その過程の中でサービス管理責任者はどのような役割を果たしていくのかについて話しを進めて参ります。

93 (1)サービスの評価基準 評価の項目 評価の基準 (例) 1.質の高いサービスの提供 2.事業の推進・効率化 3.人材の育成・強化
①利用者の到達目標達成度 ②利用者や家族の満足度 ③サービス管理責任者自身の自己評価の導入 ④苦情解決件数  ⑤質の第三者評価の導入 2.事業の推進・効率化 ①地域や就労系事業へ移行した利用者数、定着率 ②利用者数の増減、サービス利用期間 ③リーダーシップの発揮 ④効率的な支援会議の運営 ⑤地域関係機関との円滑な連絡調整(地域自立支援協議会の活用度) ⑥事業所、利用者と社会資源との関係図の作成  その事業所等の評価は、サービス提供全般についての権限を持つサービス管理責任者の仕事の進め方等にかかってくるといっても過言ではない。  サービス管理責任者の評価について、考えられるその基準をまとめると、 ○ 質の高いサービスの提供については、利用者の到達目標の達成度や利用者の満足度等 ○ 事業の推進・効率化については、地域生活や就労系事業への移行した利用者数、定着率、利用者数の増減、平均利用期間等 ○ 人材の育成・強化については、職員研修、外部研修への参加など がどうであったかにより、評価されるものと考えます。 3.人材の育成・強化 ①資格取得の促進 (キャリアアップ)による有資格者数 ②職員育成(OFF-JT)プログラムの有無、外部研修会等への参加・発表件数、OJTの実施件数(時間) ③職員間の良好なコミニュケーション

94 (2)サービス管理責任者の役割の確認 まず、各サービス提供職員のアセスメント結果等を通じて、利用者の現在の状態を把握する。(助言・指導の根拠を持つ。) 各サービス内容を相互に活かしあえるよう、サービス全体を眺めて適切なマネジメントを行う。その際、リスクマネジメントの観点も必要。 その上で各サービス提供職員の支援内容をチェックし、利用者がエンパワメントを発揮できるよう、適切な助言・指導を行うことが重要。 各サービス提供職員の意思統一を図るため、定期的(少なくとも3ヶ月に1回以上)、又は必要に応じて、適時会議等を企画運営する。 会 議 助言・指導  これは、サービス管理責任者の具体的な役割、業務内容を示したものにもなります。 ○ 利用者の状態等のアセスメント(評価)  利用者の現状の把握(身体面、健康面、経済面等今どのような状況にあるのか、どのような生活をしたいのか等)。 ○ 個別支援計画の作成  関係職員を集め支援会議等を開催し、利用者の意向等を踏まえ、目標の設定、支援内容、期間、支援の優先順位などを調整・検討し、本人の同意を得て支援計画を作成。 ○ サービス提供職員に対する指導・助言  利用者の意向等を理解し、その人らしい支援が実施されているかどうかの視点から、必要に応じてサービス提供職員に対し助言・指導を行う。 ○ 中間評価(モニタリング)  支援計画に基づきサービスが計画的に実施されているかを確認する。具体的には、新たなニーズの発生はないか、計画通りのスケジュールか、サービスの内容が質的に低下していないか、利用者が満足してサービスを受けているか、支援計画の変更・修正の必要はないか。 状態の把握

95 常に利用者の意向を把握し、各サービス内容が意向を反映したものとなるよう調整する。
仮に、利用者の意向が支援方針と大きく異なり、意向の反映が困難な場合には、利用者及び家族へ十分に説明し、同意を得ることが必要。 サービス開始から終了までのスケジュールを管理し、支援内容の優先順位付けを行う。 地域生活への円滑な移行を図るため、様々な社会資源を活用できるよう、サービス終了後の生活を想定し、必要に応じて助言・指導、地域関係機関等との連携・調整を行う。(利用者自身が連絡・調整を行うことを支援する場合もある。) サービス終了時には、必ず総括し、利用者の目標達成度や満足度、地域生活移行後の状況等から、サービス全体のチェックを行う。(反省点を踏まえ今後のケースに活かす。) 利用者の意向把握 解決方策の検討 困ったな~ ○ 個別支援計画の見直しと再作成  モニタリング後、支援計画の再作成が必要であれば、利用者に説明・同意の上で、支援計画の再交付を行う。 ○ 当該施設以外の関係機関との連絡調整等  当該施設以外のサービス提供機関のサービスの利用や地域の様々な社会資源の活用を図り、効率的に目標達成できるよう、また、訓練終了後の円滑な地域移行を図るために関係機関等との連絡・調整及び連携体制の構築も視野に入れてサービス提供を行う。 ○ サービス提供全体の管理  最後に、サービス管理責任者は、利用相談からサービス提供終了後の反省を含めた総括を行うとともに、その経過記録の整理・保管、その後のフォローアップ等を行う。  このように、サービス提供全体を管理する責務を担うのが、サービス管理責任者の役割・業務となります。

96 参考資料

97 支給決定の流れ 障害程度区分認定調査項目(106項目) 一次判定(市町村) 二次判定(審査会) 障害程度区分の認定 サービスの利用意向の聴取
 市町村において、障害者の心身の状況を障害程度区分として認定し、これに加えて①社会活動や介護者、居住等の状況、②サービスの利用意向、③訓練・就労に関する評価を踏まえて、支給決定を行う。 障害者の心身の状況 障害程度区分認定調査項目(106項目) 介護給付を希望する場合 一次判定(市町村) 訓練等給付を希望する場合 医師の意見書 二次判定(審査会) 障害程度区分の認定 社会活動や介護者、居住等の状況 勘案事項調査項目  ○ 地域生活   ○ 就労   ○ 日中活動 ○ 介護者   ○ 居住 など サービスの利用意向の聴取 サービスの利用意向 暫定支給決定 訓練・就労に関する評価   訓練・就労評価項目によるアセスメント 審査会の意見聴取 支給決定

98 訓練等給付における暫定支給決定から本支給決定まで流れ
 暫定支給決定期間は2か月以内の範囲(市町村が個別のケース に応じて期間を定め、期限までに施設は評価の実施及び個別支援 計画書を作成し、市町村へ提出する。 個別支援計画に基づきサービスを提供し、三か月に一回以上実施状況の把握を行うとともに、必要に応じて計画を変更する。  利 用 希 望 者  相談・申込(市町村及び相談支援事業者)  利用申請(市町村)  施設及び事業所利用開始(暫定支給決定)  障害程度区分認定調査(スコア判定のみ)  勘案事項調査(市町村) 地域生活・就労・日中活動等           サービスの利用意向の聴取(市町村)  障害福祉サービス受給者証の交付  訓練・就労の評価実施  個別支援計画書の作成  市町村は、施設及び事業所から提出された評価結果等をもとに、本人の利用意思及びサービスが適当かどうかを確認するとともに、審査会の意見を聴取し最終的な本支給決定を行う。   指定障害者支援施設   指定サービス事業所 一定期間、サービスを利用し、本人の利用意思が確認できない、あるいはサービスが適切でない場合は、市町村は、サービスの種類の見直し、別の事業所での再評価などを紹介する。 訓練等給付利用希望者は、暫定支給決定を受け利用開始 【留意事項】 ○暫定支給決定期間は、当該事業の支給申請に係る障害者に適したものかどうかを予め評価(アセスメント)するための期間(暫定支給決定期間)に  係る支給決定であり、法制上の特別な支給決定ではなく、主に評価を目的とした短期間の支給決定を意味する。 ○暫定支給決定の対象サービスは、自立訓練(機能訓練・生活訓練)、就労移行支援(養成施設は除く)、就労継続支援A型である。  なお、A型事業所で雇用契約を締結せずに利用する者についても、暫定支給決定を行う。


Download ppt "「アセスメントと サービス提供の基本姿勢」 <地域生活(身体)(機能訓練)> 国立障害者リハビリテーションセンター"

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