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成長志向型貧困削減のモデルとしてのベトナム

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Presentation on theme: "成長志向型貧困削減のモデルとしてのベトナム"— Presentation transcript:

1 成長志向型貧困削減のモデルとしてのベトナム
PRSPの多様化 成長志向型貧困削減のモデルとしてのベトナム 2002年12月1日 大野 泉 ・ 二井矢由美子 政策研究大学院大学(GRIPS開発フォーラム)

2 発表の趣旨 各途上国の個性を考慮した、多様性・柔軟性あるPRSPを策定・実施の必要性。
そのために有効な、各途上国を検討する視点の検討(特に、制度構築と戦略・政策面に注目)。 ベトナム版PRSPの提示(高い自立性、独自の開発ビジョン、成長志向)。 ベトナムの経験の移植可能性(特に、アフリカでの次世代PRSPの展開への示唆)。

3 PRSPの進捗状況(2002年9月)

4 PRSP対象国とHIPC ステータス

5 PRSPの国際比較 国名 国家開発計画との関係 国際金融システムとの関係 貧困削減 戦略 ベトナム タンザニア ウガンダ ボリビア
・援助依存度低い(ODA/GNP4.3%) ・債務救済求めず ・公正な成長 タンザニア ・PRSP「優先型」 ・援助依存度高い (ODA/GNP12.5%) ・債務救済 ・社会公正 ウガンダ ・援助依存度高い (ODA/GNP7.0%) ・成長と公正 ボリビア ・援助依存度高い (ODA/GNP7.5%)

6 PRSP 補完型 (PRSP as a Supplementary Document)
既存の開発計画 規定 PRSP セクター計画 補完 予算、PIP

7 PRSP 優先型 (PRSP as a Primary Document)
既存の開発計画 象徴的 PRSP 規定 セクター計画、 予算、MTEF 援助手続き

8 ドナー構成(ベトナム)

9 ドナー構成(ウガンダ、タンザニア)

10 経済指標の比較 (2000年IMF・世銀データ、対GDP比%)
ベトナム (Prel.) タンザニア(Act.) GDP成長率 5.5% 4.9% GDI(粗国内投資) 24.0% 17.7% GDS(粗国内貯蓄) 23.0% 9.9% 経常収支(贈与除く) 1.5% -9.2% 経常収支(贈与含む) 2.0% -0.7% Official Transfer(贈与) 0.5% 8.5%

11 対外ファイナンス (2000年IMF・世銀データ、US$bn)
ベトナム タンザニア Financing Needs 0.6   CA deficits -0.5 0.8 Amortization 1.2 0.3 Reserve req. 0.1 Others -0.3 -- Financing Resources Grants MLT Loans 1.4 FDI 0.2 -1.5

12 社会指標の比較:ベトナムの位置づけ (2000年世銀データ)
国名 一人当たり所得 (US$) 乳幼児満死亡率 (1000人) 初等教育 就学率 (ネット)98年 15歳以上 非識字率 (女性) ベトナム 390 34 97% 9% ウガンダ 300 161 NA 43% タンザニア 270 149 48% 33% ボリビア 990 79 21% 低所得国平均 410 115 47%

13

14 ベトナムの成長と貧困削減(1990年代) Real GDP Growth Poverty
Source: Government Statistics Office (GSO), Government of Vietnam. Source: World Bank, “World Bank and Vietnam,” [

15 ベトナムCPRGSにおける貧困削減と成長の関係
Effective utilization of Vietnam’s resources SOE reform Banking reform International economic integration Development of social safety nets Social environment for economic growth and poverty reduction Fostering non-state economic sectors (private enterprises, Co-operatives, farms) Public administration reform Economic sustainable growth and poverty reduction Public expenditure management Economic structure shift Human resources development ベトナムCPRGSにおける貧困削減と成長の関係 Source: Socialist Republic of Vietnam, The Comprehensive Poverty Reduction and Growth Strategy (CPRGS), May 2002

16 現行PRSPは、予算配分メカニズムとして不十分(1) 予算配分にはセクターにまたがる優先順位決定が必要だが、その役割は補完型ベトナムではPIPが果たし、優先型タンザニアでは不在である。
セクター計画 PRSP CPRGS (MTEFの目指す型) セクターにまたがる調整機能の不在 全体予算の約3割 セクターにまたがる調整機能 MTEFによる優先セクターのシーリング 予算(人件費以外の経常予算+国内資金による開発予算) PIPによる個別プロジェクト/プログラムの優先順位付け ではここからは、PRSPの多様化について、PRSP優先型のタンザニアを例に考えていきたいと思います。タンザニアは2001年5月に国としては3番目にF-PRSPが策定され、2003年半ばに第2次PRSP策定が予定されています。まず現行のPRSPが実際に開発プロセスの中でどのような役割を果たしているかを考察した後に、次世代PRSPにおける課題について検討します。 まず現行のPRSPと予算配分メカニズムの関係です。タンザニアではPRSPが唯一の予算措置を伴った開発計画としてMTEFを従えています。MTEFは優先分野を定めており、それぞれの優先分野のセクター計画に基づいてセクターのシーリングが決定します。ここではセクターにまたがった調整機能、優先順位付けが不在です。 ちなみにPRSP補完型のベトナムの場合は、CPRGSとセクター計画が優先プロジェクト、プログラムを提案し、公共投資プログラムPIPがそれらに優先順位を付し、実際に予算化されます。 では次にセクターにまたがった調整機能、優先順位付け不在の状況を具体的に見てみます。 優先セクターのセクター計画における個別プロジェクト/プログラムの優先順位付け オンバジェット化 予算化(開発予算+維持管理の経常予算)資金源は国家予算及び援助資金 援助資金(TAS) MTEF:中期予算支出枠組 TAS:タンザニア援助戦略 PIP:公共投資プログラム

17 (タンザニアPRSPプログレスレポート2000/01より)
現行PRSPは、予算配分メカニズムとして不十分(2) タンザニア:PRSPは課題を羅列、MTEFはその一部をカバー。PRSPで示される課題を達成するための具体的手段の設定と優先順位付けが不在(Missing Link)。 この図はPRSPで示される目標と課題、MTEFの優先分野を示すものです。 (タンザニアPRSPプログレスレポート2000/01より)

18 タンザニア:Missing Linkの背景(1) 外国援助への依存。経常支出の22%、開発支出の83%が外国援助。MTEFは全支出の約3割をカバーするにとどまる。
Tsh. Million タンザニアの開発プロセスにおいて、具体的手段の設定と優先順位付けが不在なのですが、その背景として、援助依存があります。経常収支の22%、開発支出の83%を援助に依存。タンザニア政府はとりあえず、経常収支の100%を国内資金で手当てすることを短期的な目的としている。 その結果、実際のMTEFの範囲は、経常支出中、債務支払い、人件費等、必要経費を除いた「人件費を除く物品費」及び国内開発資金の自己資金であり、全体の約3割を占めるにすぎない。 MTEF タンザニア2002/03年予算における外国援助依存度(予算教書より)

19 タンザニア:Missing Linkの背景(参考) 援助依存をベトナムと比較してみると・・・ 援助の対総固定資本形成比(2000年)は、タンザニア65.3%、ベトナム19.8%、低所得国平均10.3%
このような違いが生じる一つの原因として援助への依存度の違いがあります。 これはグロスの総固定資本形成における外国援助の割合をみたものですが、2000年でタンザニアが65.3%、ベトナムが19.8%です。 タンザニア ベトナム 低所得国平均 ベトナム 低所得国平均

20 タンザニア:Missing Linkの背景(2) 従来開発計画策定・調整機能を担当してきたプランニング・コミッションの弱体化
(担当省) PRSP (MTEFの目指す型) セクターにまたがる調整機能の不在 財務省 全体予算の約3割 MTEFによる優先セクターのシーリング 予算(人件費以外の経常予算+国内資金による開発予算) 優先セクターのセクター計画における個別プロジェクト/プログラムの優先順位付け オンバジェット化 担当省 援助資金(TAS)

21 タンザニア:Missing Linkの諸相(1) 「人間の能力拡大」重視。貧困削減の前提とされているマクロ経済の成長策は不在。
(タンザニアPRSPプログレスレポート2000/01より)

22 タンザニア:初頭教育就学率(ネット)の低下
タンザニア:Missing Linkの諸相(2) 80-90年代にかけて社会指標の改善が停滞もしくは悪化、第1次PRSPでは、社会サービスの建て直しが急務。 タンザニア:初頭教育就学率(ネット)の低下

23 タンザニア:Missing Linkをどう埋めるか? Full-PRSPはHIPCs C/Pの早期到達を目指して7ヶ月という短期間で策定された。次世代PRSPは2003年半ば完成に向けて策定。Missing Linkを埋めるための内容面での検討、制度面での強化の必要性に対する認識が生まれている。 具体的には、タンザニア政府内では大統領府プランニング・コミッションが「成長と貧困のための中期計画」という枠組みを策定する可能性を検討中。

24 結論: PRSP優先型→PRSPが唯一の開発戦略だが、タンザニアのPRSPでは目標達成のための政策手段、優先順位付けメカニズムが欠けている(内容的、制度的)。 その背景には援助への大幅な依存等、構造的な問題と、PRSP策定が性急に進められた事情あり。 第2世代PRSPではこれらの問題を認識した上で・・・ 

25 次世代PRSPの課題 戦略・政策面: 貧困削減の前提となる経済成長を達成する方途に関する議論の喚起(社会セクター重視を継続?生産セクターの強化を導入?) 制度面: 成長戦略(国家レベルでの優先順位付けメカニズムを含む)策定機能強化への支援

26 The END PRSP研究に関する詳細な情報は、ウェブサイトを御覧下さい。
GRIPS 開発フォーラム


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