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経口食物負荷試験の検討 ~昨年下半期の症例から~

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1 経口食物負荷試験の検討 ~昨年下半期の症例から~
魚沼病院 小児科 太田匡哉   井埜晴義 2014/5/28 魚沼小児科懇話会

2 はじめに 近年食物アレルギーの患者の有病率は増加しており、学校給食での死亡事故などのニュースをきっかけに世間の食物アレルギーへの関心が高まっている。 各市町村の教育委員会が中心になって学校給食における食物アレルギー対応マニュアルも広がりをみせている。 食物アレルギーの正しい診断には負荷試験が必要不可欠だが新潟県内で負荷試験を行える施設は少ない。 前勤務先で食物負荷試験外来を立ち上げた。症例の提示と誘発症状が出た患者の経過を報告する。 また外来負荷試験の実際の流れを説明する。

3 負荷試験症例一覧 No 年齢 性別 除去食品 過去の誘発症状 目的 他アレルギー歴 1 6Y9M 男 卵 3歳 蕁麻疹 解除 AD 2
3歳 蕁麻疹 解除 AD 2 2Y4M 牛乳 9か月 卵で 蕁麻疹 確定・解除 3 4 5 1Y1M 9か月 ヨーグルトで なし 6 4Y2M 8か月 卵がゆで蕁麻疹 7 8 4Y7M 10か月 粉ミルクで 9 10 2Y0M ピーナッツ 2歳 卵で アナフィラキシー 11 4Y3M 1歳 卵・牛乳で 閾値確認

4 結果 No 年齢 性別 除去食品 負荷食品 (総摂取量) RAST プリック 非特異的IgE 結果 その後の経過 1 6Y9M 男 卵
薄焼き卵焼き (49.6g) 卵白1.14 - 1225 陰性 解除 2 2Y4M 牛乳 牛乳(30ml) ミルク<0.35 501 陽性(即) 専門医 紹介 3 固ゆで卵黄(15.7g) 卵黄<0.35 4 固ゆで卵白(32.8g) 卵白1.27 5 1Y1M 牛乳(15ml) ミルク0.66 + 32 6 4Y2M 固ゆで卵黄(11g) 卵黄2.76 53 7 (40.6g) 卵白14.3 8 4Y7M ミルク1.63 316 9 薄焼き卵焼き(29.8g) 卵白2.00 10 2Y0M ピーナッツ ピーナッツ1.5個(1.7g) ピーナッツ4.03 162 11 4Y3M 卵入りウインナー4本(113g) 卵白66.8 1352 陽性(遅)

5 No2 2歳4か月 卵、牛乳アレルギー 既往歴 アトピー性皮膚炎 現病歴 乳児アトピーがあり卵、牛乳を自主的に除去。
既往歴 アトピー性皮膚炎 現病歴   乳児アトピーがあり卵、牛乳を自主的に除去。  0歳9か月卵を食べて蕁麻疹ありRAST提出。  卵白、ミルクの上昇あり除去継続。  3歳の入園に当たりRAST再検を希望し受診。 【受診時除去食品】   卵、牛乳、ヨーグルト、チーズ  1歳6か月からパンを食べ始めた 家族歴 母:花粉症

6 受診時検査所見 RAST低下あり負荷試験予定となった。 IgE 501.2IU/ml WBC 7740/μl TARC 951pg/ml
CAP-RAST ミルク <0.35UA/ml カゼイン 0.10UA/ml 卵白  1.27UA/ml 卵黄  <0.35UA/ml オボムコイド 0.93UA/ml ヤニヒョウダニ 81.8UA/ml 猫皮屑  1.95UA/ml WBC /μl  Eosino 6.2% RBC   436×104/μl Ht % Hb g/dl Plt   27.2×104/μl Na mEq/l K   4.2mEq/l Cl mEq/l TP mg/dl RAST低下あり負荷試験予定となった。

7 牛乳負荷試験 負荷前バイタル BT 36.9℃, SpO2 100%, BP 102/53mmHg, HR 130 診察所見
 体幹に湿疹あり。  他異常所見なし。  負荷前症状スコアリング2点(発疹1,鼻汁1)

8 牛乳負荷試験 経過1 14:25 牛乳負荷試験開始 15分ごとに診察、SpO2・HRを確認しながら負荷継続
 14:25 牛乳負荷試験開始  15分ごとに診察、SpO2・HRを確認しながら負荷継続  負荷量 2ml➔4ml➔8ml➔16mlと増量  15:10 症状スコア1点 最終16ml摂取  15:15 かゆみの訴えあり  バイタル:SpO2 98%, BP 91/52mmHg, HR 134  診察所見 背中に蕁麻疹出現。  症状スコア5点(発赤2,掻痒疹2,蕁麻疹1)  15:20 事前に処方したエピナスチン内服  15:40 蕁麻疹-掻痒+(スコア3点)SpO2 98%, HR 124  15:55 掻痒改善(スコア1点) SpO2 98%, HR 122  17:10  帰宅 SpO2 100%, BP 95/51mmHg, HR 122

9 牛乳負荷試験 経過2 翌日午後再診。 自宅での蕁麻疹再燃、痒みの悪化なし。 ⇒負荷試験陽性 ただしアナフィラキシーなし
 翌日午後再診。  自宅での蕁麻疹再燃、痒みの悪化なし。  ⇒負荷試験陽性   ただしアナフィラキシーなし   エピナスチン5日間内服指示  ⇒自宅で緩徐経口減感作療法開始   牛乳4mlを2-3回/週で開始。   導入後自宅でのアレルギー症状の出現無し   主治医の移動に伴い専門医紹介

10 No11 4歳3か月 卵、牛乳アレルギー 既往歴 アトピー性皮膚炎、川崎病 現病歴 0歳6か月床に落ちた卵を触って蕁麻疹。卵除去。
既往歴 アトピー性皮膚炎、川崎病 現病歴  0歳6か月床に落ちた卵を触って蕁麻疹。卵除去。 1歳牛乳・チーズを触って触った手で患児を触ると蕁麻疹。 1歳6か月ゆで卵少量で全身蕁麻疹、喘鳴あり(アナフィラキシー)。 2歳ヨーグルトで蕁麻疹、呼吸苦あり(アナフィラキシー)。牛乳除去。 4歳2か月牛乳寒天でかゆみ、喉頭違和感出現(アナフィラキシー) 。 4歳3か月アレルギー相談で受診。  【受診時除去食品】   卵、牛乳  2歳から食パンは食べている 家族歴 母:幼少期に卵アレルギー

11 受診時検査所見 RAST高値。アナフィラキシー歴もあり卵・牛乳の負荷試験は断念。 家族と相談し卵入りの加工品で負荷試験施行。
IgE IU/ml TARC  2972pg/ml CAP-RAST ミルク UA/ml カゼイン 10.8UA/ml βラクトグロブリン 4.42UA/ml 卵白  66.8UA/ml 卵黄  18.1UA/ml オボムコイド 52.8UA/ml ヤニヒョウダニ 100.0UA/ml   WBC /μl  Eosino 7.0% RBC   452×104/μl Ht % Hb g/dl Plt   38.1×104/μl Na mEq/l K   4.8mEq/l Cl mEq/l RAST高値。アナフィラキシー歴もあり卵・牛乳の負荷試験は断念。 家族と相談し卵入りの加工品で負荷試験施行。

12 卵加工品負荷試験 自宅近くのスーパーで原材料に卵入りのウインナーを購入し持参。(牛乳は原材料に含まず) 負荷前バイタル
 BT 36.0℃, SpO2 99%, BP 104/79mmHg, HR 127 診察所見  体幹に湿疹あり。掻痒なし。 (ステロイド外用で初診時より改善あり。TARC349↓)  他異常所見なし。  負荷前症状スコアリング0点

13 卵加工品負荷試験 経過 ウインナー4本(計113g)を4回に分けて摂取。 (6.4g→16.2g→27.5g→60.6g)
 15分ごとの診察、バイタルは変化なし。  症状スコアも0点。  最終摂取から2時間経過観察し帰宅。  帰宅後に掻痒出現(最終摂取から3時間後)。  蕁麻疹や発赤は認めず。  掻痒続き家族の判断でエピナスチン内服。  内服後掻痒改善あり。

14 卵加工品負荷試験 経過2 翌日午後再診。 自宅での掻痒は遅延型反応と診断。 ⇒負荷試験陽性 ただしアナフィラキシーなし
 翌日午後再診。  自宅での掻痒は遅延型反応と診断。  ⇒負荷試験陽性  ただしアナフィラキシーなし  エピナスチン5日間内服指示  ⇒今までの除去を継続   エピペンの処方   主治医の移動に伴い専門医紹介

15 検討 No2は牛乳でのアレルギー歴もなくRASTの感作もなかったが負荷試験で即時型の皮膚症状が出現。アナフィラキシーは認めなかったため陽性となった16mlから2段階下げた4mlで外来緩徐免疫療法導入。 No11はアナフィラキシー歴もありQOLの向上を目指した負荷試験でありもともと症状が出ることは想定していた。今回の負荷試験は遅延型反応が出たため摂取したウインナーも解除できなかった。 11回施行し9例(81%)は陰性。入院や救外受診なし。 即時型症状が出ても外来スタッフの勤務時間内で対応。 プリックテスト陽性例(No5, 8, 11)は負荷量を減らして対応。 牛乳負荷の患者がプリック陽性が多く負荷食品量を少なくしたため後日増量して負荷試験を追加した。 No11以外は診断確定と耐性化の確認のための負荷試験であっため負荷試験でアナフィラキシーを起こすことなく安全に検査を行えた。 負荷試験が2-3時間はかかるため複数の小児科医がいる施設での施行が望ましい。

16 食物負荷試験について

17 <食物アレルギーは必要最低限の除去食が基本>
なぜ負荷試験を行うのか 食物アレルギーの確定診断のため ➔疑いから原因食品がなんであるか確定させる   アレルギー症状が出ることが予想される負荷試験 耐性化を確認するため ➔除去食を解除するため実際に食べて確認する   アレルギー症状が出ないと予想して行う負荷試験 必要最低限の除去量を指導するため  ➔現時点でどこまで食べられるか閾値を確認する   どんな症状が誘発されるのかを確認する <食物アレルギーは必要最低限の除去食が基本>

18 負荷試験で重篤な症状を誘発しやすい要因 食品摂取による誘発症状の既往 過去の摂取歴:アナフィラキシー、ショック、呼吸症状などの既往がある
症状の出現時期:過去1年以内に重篤な症状がある 誘発したアレルゲン:ピーナッツ、木の実、甲殻類、魚類、ソバ アレルゲンの食品量:微量の摂取で症状が出現、経母乳性に誘発歴のある食品 検査データ 食物特異的IgE抗体価が高値 皮膚プリックテスト強陽性 好塩基球ヒスタミン遊離試験強陽性 患者のアレルギー疾患 患者の年齢が1歳未満 気管支喘息合併例 合併アレルギーの増悪時 食物アレルギー診療ガイドライン2012より

19 食物アレルギーの診療の手引き2011(厚生労働省研究班)より抜粋

20 1歳時 鶏卵未摂取者における probability curve
Haneda Y:J Allergy Clin Immunol 2012;

21 食物経口負荷試験が95%以上の陽性的中率 (または特異度)を示す特異的IgE
卵白 牛乳  ピーナッツ 95%陽性的中率 7 15 14 20 年齢 1歳未満 1歳 2歳以上 卵白 13.0 23.0 30.0 牛乳 5.8 38.6 57.3 負荷食品 生卵白 加熱卵白 特異的IgE 卵白 オボムコイド 95%特異度※ 7.4 5.2 30.7 10.8 ※負荷試験陰性者の95%がこの値以下 食物アレルギー診療ガイドライン2012

22 負荷試験実施施設認定 負荷試験を保険診療として実施するために施設基準の認定を受ける
『小児食物アレルギー負荷検査の施設基準に係る届出書添付書類』を地方社会保険事務局長に申請 保険点数  9歳未満の小児  年2回に限り1000点の算定

23 ガイドライン

24 物品 0.1gまで計測できるデジタルクッキングスケールとラップ

25 外来で家族から同意を得る

26 負荷試験用の物品・対処薬等 食物アレルギーでの死因1位は喉頭浮腫 喘鳴などの呼吸器症状が強い場合は すぐにアドレナリン筋注を!
物品を確認する。 患者の体重に合わせて事前に緊急時の薬物量を計算。 基本的に負荷試験前にルートキープは行わない。 アナフィラキシーにはまずボスミン0.01mg/㎏筋注(大腿外側)。 食物アレルギーでの死因1位は喉頭浮腫 喘鳴などの呼吸器症状が強い場合は すぐにアドレナリン筋注を!

27 負荷試験の流れ(案) 1 【1日目】 12:00頃 軽めに昼食を食べたあと患者来院
負荷試験の流れ(案) 1 【1日目】   12:00頃   軽めに昼食を食べたあと患者来院 医師負荷試験前の患者診察(負荷試験をできる体調か確認する) スタッフ負荷前に血圧を含めてバイタルを確認   13:00 負荷試験開始予定 負荷試験は対象食品を15分ごとに少しずつ量を増やしながら食べる。 例:牛乳1g→2g→4g→8g→16g、薄焼き卵 1/16分割→2/16→4/16→9/16 負荷試験中は医師が付き添うかすぐに担当医を呼べる体制を整える。 クリニカルパスに沿って15分ごとに診察、SpO2などのバイタルチェックを行い問題が無ければ食品を食べていく。

28 負荷試験の流れ(案) 2 14:00 負荷食品をすべて摂取(1時間程度) その後2時間はアレルギー症状の有無を確認するため定期的な診察とバイタルチェックを行う。(30分間隔) 16:00 2時間後まで症状が無ければ帰宅し遅延反応確認のため翌日受診。または入院して遅延反応確認のため経過観察。 【2日目】 帰宅していれば自宅での症状の有無の確認や診察 家族に今後の指導を行い負荷試験終了。

29 なぜ食品摂取後2時間経過観察するのか 摂取後2時間は アナフィラキシーの リスクあり
向山徳子 他: 食物アレルギー委員報告 食物に起因するアナフィラキシー症状既往患児の保護者に対するアンケート調査, 日本小児アレルギー学会誌 19、96-106、2005

30 負荷試験の注意点① 負荷食品は家族から用意してもらう。 症状が誘発された場合は直ちに負荷試験を中止し医師の指示により対処を行う。
 ➔今後も自宅で食べていくため家族が用意できる食品を負荷する。 症状が誘発された場合は直ちに負荷試験を中止し医師の指示により対処を行う。  ➔アレルゲンの摂取量と症状の重さは相関する 症状が出た場合に備えて物品を事前に用意する。  ➔患者の体重に合わせて事前に有症時の対処薬を指定しておく 負荷試験中は基本的に飲食禁止であるが普段飲んでいる水・お茶は許可する。 負荷試験中は走り回ったりさせない。   ➔運動により症状が誘発される症例がある

31 負荷試験の注意点② アレルギー症状を早期に発見する 患者の経過を医師・コメディカルで共有する 適切な薬の投与量、投与方法をみんなが理解する
  ➔症状が出たらそれ以上進行しないように適切に対処する 患者の経過を医師・コメディカルで共有する   ➔症状が出る可能性が高い負荷試験かを把握する 適切な薬の投与量、投与方法をみんなが理解する   ➔有症時にも落ち着いて対応できるようにする

32 負荷試験後の指導 負荷試験が陰性でも除去食をすぐには解除しない。 自宅で数回食べてみて症状が無いことを確認してから解除する。
その日の体調により症状が出現する可能性があるため。 負荷試験が陽性であれば除去食を継続する。 出た症状によって今後の対応を検討する(エピペンの必要性、除去食品の決定)。 負荷試験を行うと結果が陽性でも陰性でも今後の外来指導の重要な情報となる 患者と家族にとって生活の質の向上につながる

33 必要最低限の除去 負荷試験で症状が出なかった量を参考に自宅で安全に食べられる食品を探す
食べられる加工品の種類を増やし患者家族のQOLの向上を目指す 完全除去から安全に食べられる最低限の除去への指導の変更が可能

34 さいごに 経口食物負荷試験は医師の拘束時間も長くアナフィラキシーのリスクもあり医療者側の負担が大きいが今後患者側から求められる診療である。
県内の入院施設で負荷試験が一般的な診療になるよう勉強会等で啓蒙に努めていく。


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