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CALET搭載の電荷弁別型検出装置(CHD) 開発報告

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Presentation on theme: "CALET搭載の電荷弁別型検出装置(CHD) 開発報告"— Presentation transcript:

1 CALET搭載の電荷弁別型検出装置(CHD) 開発報告
P4-204 CALET搭載の電荷弁別型検出装置(CHD) 開発報告 赤池陽水1,植山良貴1,小澤俊介1,笠原克昌1,近藤慧之輔1,鳥居祥二1,中川友進1,中村政則1,仁井田多絵1,渡辺仁規1,清水雄輝2,内堀幸夫3,北村尚3,P. S. Marrocchesi4, M. G. Bagliesi4,G. Bigongiari4,S. Bonechi4,M. Y. Kim4, P. Maestro4,O. Adriani5,M. Bongi5,A. Basti6,T. Lomtadze6, 他CALETチーム 1早大理工研,2JAXA,3放医研,4Department of Physics, University of Siena, 5Department of Physics, University of Florence and IFAC(CNR), 6Department of Physics, University of Pisa and INFN ISS搭載予定のCALET観測において,1TeV-1000TeVの宇宙線原子核成分のエネルギースペクトルの測定が計画されている.この観測計画において,原子核組成の弁別を行うために,プラスチックシンチレータを用いた電荷弁別型検出装置(CHD)を設置する.本発表では,CHDの開発報告として,CALETにおける宇宙線原子核成分の観測目的と,試作した検出器による重粒子ビームを用いた特性評価及び性能検証について報告する. CALET-CHD(電荷弁別型検出器)による宇宙線原子核成分の観測 側面図 CHD IMC TASC CALET概観(側面図)  CALET宇宙線電子、ガンマ線望遠鏡は,宇宙線近傍加速源の同定及び銀河系内の宇宙線伝播機構の解明のため,国際宇宙ステーション日本実験モジュール(きぼう)の船外曝露部に設置し,2年間の観測を計画している.検出装置は解像型カロリーメータ(IMC),全吸収型カロリーメータ(TASC)で構成され,これらの検出器の最上段に入射粒子の電荷を弁別するための検出器-Charge Detector(CHD)-を配置する.CHDはプラスチックシンチレータと光電子増倍管(PMT)からなるシンチレーション検出器で,通過する粒子の電荷量の2乗に比例した出力信号が得られることから,入射した宇宙線の原子番号を同定することが可能である.この検出装置により,銀河系内宇宙線のKneeと呼ばれる冪の変化について各原子核成分ごとの精密測定を行い,宇宙線の加速機構についての知見を得る.また,超新星爆発で合成される核子成分と星間物質との相互作用によって生じる二次的な核子成分との存在比を明らかにし,宇宙線の伝播過程の解明を目指す.鉄核よりも重い原子核にも感度を持つようにデザインされており,これまで高統計量での観測がなされていなかった原子番号40程度までの超重原子核についての観測も可能となる. 上面図  CHDはCALETの最上部に設置され,448mm x 32mm x 10mm の短冊状のシンチレータを14本平行に並べたものを,X-Yに2層積層して構成される.各短冊状のシンチレータはアクリル製のライトガイドによってPMTに接続され,各シンチレータごとに信号を検出することにより,粒子の多重入射,下方の検出器からの後方散乱による影響を少なくし,精度の良い入射核種弁別が可能になるようデザインされている. Z>30 シンチレータ部分 (448mm x 32mm x10mm) R7400型PMT  性能試験用に試作したCHD(右写真)はEJ204(ELJEN社製プラスチックシンチレータ)とアクリル製ライトガイドを光学接着し,.浜松ホトニクス社製のR7400型光電子増倍管で読み出す.CALETに用いるPMTは,耐振動補強されており,高量子効率のものを用いている.これらを反射材(vikuiti ESR,3M社製)で包装し,収集光量の入射位置による依存性を抑えている.  宇宙線各原子核成分のCALETで5年間観測した場合の予想観測強度(左・中図中の赤丸)と,これまでなされている観測を比較したもの.100TeVを超える領域までの高統計での観測が可能である.右図はCameron ら(1980年)による宇宙線中の電荷分布.鉄核までと比べ,Z>30の領域において,きわめて少ない到来頻度であることがわかる. 電荷弁別性能評価  CHDの電荷弁別性能を評価するため,ドイツ重イオン研究所(GSI)にてイオン照射にによる測定実験を行った.照射ビームはNiを1.0~1.3GeV/nまで加速し,Beターゲットにて核破砕片を生成し,各破砕片が相対論的なエネルギーのもののみを選別している.相対論的なエネルギーのイオンのみを用いることで,電離損失のエネルギー依存性が少なくなり,実際の観測時の入射粒子の再現検証が可能となる.照射ビーム測定時には,CHDの後方にシリコン半導体検出器を配置し,同時測定することで,CHDの検出信号の特性について,詳細な検証を行うことが可能である. ADC Unit C O  CHDによる出力信号の分布(左図).入射したイオンによって,それぞれピークを作る.左下図は各ピークを電荷に換算し,炭素イオン(Z=6)周辺を拡大したもの.それぞれのピーク分布について,ガウス分布の当てはめを行い,中心値(μz)と分散値(σ)を算出する.この時,隣り合うイオンとの電荷分解能を         Charge Resolution = とし,それぞれのZについて電荷分解能を評価した結果,Z〜20において,0.3e以下の電荷分解能が得られており,鉄核周辺のZにおいても,ほぼ0.3e程度の分解能であることが明らかとなった(上図). 横軸:シリコン検出器出力 縦軸:CHD出力 N B  GSIビーム照射試験で用いた検出器セットアップ(左図).CHDの後方に1cm x 1cmのピクセルタイプシリコン半導体検出器を配置し,同時検出の際の出力の分布が比較できるようになっている(右図).またストリップタイプのシリコン検出器を配置し,ビーム入射プロファイルも特定できる. Z>30の超重粒子観測性能の検証 CHD ADC distribution(without Corrections) Zが30を超える原子核成分の観測について,シンチレータの発光特性の直線性,読み出し回路系のダイナミックレンジ等の観測性能を総合的に検証するために,放射線医学総合研究所のHIMACにて,Kr,Ge等の重イオンの照射を行った.この照射では,~500MeV/nの照射核をアクリルターゲットに入射させ,破砕核を生成する.このため,入射方向に存在するターゲットを含む通過物質のエネルギー損失等を考慮し,相対論的エネルギー換算で,Zが40以上相当までの測定が可能である. Kr (Z=36)  HIMAC実験のセットアップ(下図).ビーム上流方向には破砕核生成用のアクリルターゲット(1.0cm厚)を配置し,CHD後方にはGSI実験同様のピクセルタイプとストリップタイプを積層したシリコン検出器(SIA)を配置している.アクリルターゲットによって破砕核を生成しているため,多重入射のイベントが発生するが,シリコンストリップ検出器を用いて除去可能である. クエンチング効果について  Preliminary Fe (Z=26)  シンチレータ内でのエネルギー損失量はその通過物質厚によく比例しているが,この単位長さあたりのエネルギー損失量が大きくなると,発光として出力されるエネルギーよりも発熱に遷移するエネルギーの割合が増加する.これにより,損失エネルギーと発光量の相関の線形性が失われるクエンチング(消光)効果が現れる.この効果は,Tarleらによると で近似されている. ADC Unit  Kr及びGe照射の破砕核測定で得られた各ピークをもとに,Tarleの式にあてはめたもの.現在解析を進めており.モンテカルロシミュレーションを用いた検証を行っている.青破線はGSIの測定により得られた結果.  Kr破砕核によるCHD出力分布.多重入射などのデータコレクションを行う前であるが,核種ごとのピークが現れている. 検出器配置図 BEAM Trig1 SciFi Belt Target(Acrylic) SIA CHD#1 CHD#2 0  15  30  35           145     155     233  (cm) Trig2 GSIおよびHIMACの重粒子ビーム照射実験の結果から,CALET搭載のCHDの電荷弁別性能,超重粒子の観測性能に関する性能検証を行い,CHDの基本的な性能はCALETでの観測要求を満たすものであることが明らかになった.現在,構造モデルの製作および性能検証を行っており,この結果をもとに打ち上げ用検出器の製作を開始する.今後は解析中の測定結果も含め,最終的な性能評価を行うとともに,物理観測に関する事前検証を進める. S : 蛍光効率,kB: Birks の定数 Fs : 飽和していないエネルギー損失に関する係数 第12回宇宙科学シンポジウム( ,06)


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