証券市場論講義 講師 福光 寛 前期第2回 機関化と市場の変化 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

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証券市場論講義 講師 福光 寛 前期第2回 機関化と市場の変化 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 証券市場論講義 講師 福光 寛 前期第2回 機関化と市場の変化 To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

市場の変革の背景:市場の機関化 市場の機関化instituionalization・・・機関投資家 が投資家の主体、中心になる どのように変わるか・・・機関投資家は市場 (売買仲介機関)に対して自分たちの主張をぶ つけてくる。たとえば手数料の大きさ 取引き のスピード 時間 単位 取引きの秘密性など 市場の大口顧客であり、自ら市場を形成する能 力のある機関投資家の要求に市場は譲歩する コンピュータの登場など情報技術の変化が背景。 機関投資家・・・投資を専門に行う機関のこと  年金基金 投資信託 ヘッジファンドなど To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

市場の分裂fragmentation 取引所市場(第一市場) 第二市場 取引所であつかわないものを扱う 第三市場 非会員が取引所のものを扱う 第二市場 取引所であつかわないものを扱う 第三市場 非会員が取引所のものを扱う 第四市場 機関投資家間市場 取引市場でない市場, 場所を持たない市場、業 者間取引:実態はtelephone-marketを、店頭市 場over-the-counter marketともよぶ To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

The Short history of NYSE NYSE : New York Stock Exchange 1792 5.17 24人 Buttonwood agreement 1)証券取引は彼らの中だけで行う 2)固定手数料制を維持する 3)その他の入札auctionに参加しない 1793 Tontine Coffee house 1817.3.8 NYSE Boardの創設 当初の入札参加料は25$ 1863 NYSE ビルに移動 1903 現在のNYSEビルの完成 1870後半 board会員が危険とみるものを非会員が取引 the Curbと呼ばれる市場が成立 ⇒1928 New York Curb Exchange ⇒1953 American Stock Exchange ⇒ 2008 AmexはNYSE Euronextにより買収 To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

SHORT HISTORY of TSE TSE : Tokyo Stock Exchange 明治5年    1872 国立銀行条例 制定  明治7年    1874 秩禄公債の発行 明治9年    1876 国立銀行条例改正 明治10年   1877 金禄公債の発行 明治11年5月 1878 株式取引所条例 制定 明治11年5月 1878.5 東京株式取引所創立           1878.7 大阪株式取引所創立 明治14年   1884 松方正義の紙幣整理 デフレ 明治15年   1882 日本銀行設立 明治19年   1886 銀貨兌換開始 通貨安定             最初の起業ブーム  To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

先行した米国の市場改革 1975年 m’aiderの背景 機関投資家の比重増加 ①店頭市場(手数料は交渉制)で 手数料分与・互恵手数料など手数料を割り戻す形に実質的 引き下げ 一部の機関投資家は地方取引所会員資格を得て 取引を地方で実行  ②1963 SEC 証券取引所特別調査で問題提起 1968 大口取引についての手数料自由化開始(以降段階的 に自由化進む) ⇒ 1975証券制度改革法 手数料の自由化 機関投資家の 取引所会員資格取得禁止 株式売買保有状況のSECへの報 告義務化 NMS構想1975 手数料全面自由化 証券会社は リスク傾斜(デイーリングやM&Aなど)強める  To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

PTSからdark poolsへ 1975 M’AIDER 要因としての分裂 1969 Instinet:第四市場(機関投資家間市場)登場, 取引 所に対抗する私設取引所PTS:proprietary trading systemと呼 ばれた。以前から第三市場(非会員が取引所NYSE株を売買 する市場 手数料は交渉制)は存在。第三市場は手数料面で の優位を武器に成長して一時NYSEを脅かした。 1975 May Day (m’aider=aid me)と呼ばれる市場改革 手数 料の自由化:第三市場に対する取引所の反撃 市場分裂の 回避のためNMS導入 ⇒1978までに第三市場は衰退消滅 1987 Posit(PTS)登場。 1997 SECが名称としてPTSに代えてATS:alternative trading systemを価格発見機能のあるECN:electronic communication networksとそれがないcrossing networksに区分。Crossing networksは、取引の匿名性を高めたdark pools(取引終了ま で匿名性を守るもの)に発展。 To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

cross tradings クロス取引 crossing networks 取引所の値段(直近の値段など)を利用して売買を執行 するもので価格発見機能がない。ATSの中で価格発見 機能のあるECNsと対比される。 大口取引で市場インパクトコストを回避。取引値段の公 正性を取引所の価格を利用することで確保している。 反面、価格発見機能を取引所に依存しているという批判 この取引が大きくなると価格発見機能がない市場が拡大 する矛盾がある   取引が証券会社の中に内部化したものといえる  市場が 見えなくなることに批判が絶えない。 のちにdark poolsと呼ばれるようになる。 To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

PTS(ATS)が伸びた背景 コンピュータの導入 取引所の本質としての情報の 集中 つまり市場の立ち上げは容易になった コンピュータの導入 取引所の本質としての情報の 集中 つまり市場の立ち上げは容易になった 取引所側 こうした電子取引への対応に遅れ 電子取引 取引の自動執行で取引所に先行した 技術の進展 顧客側 高速取引望み PTSが迅速に対 応 取引所側の対応に遅れ 顧客側 取引の匿名性 執行コストの最小化につい て迅速に対応 ここでも取引所側の対応に遅れ To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

PTSからATSへ(1) Instinet 1969 Institutional Network NASDAQ 1971 a system of market makers early 1970s NYSE DOT allowed it to pass orders electronically from the members down to the trading post late 1970s Instinet introduced the first electronic trading montage screen 1987 Posit emerged matching block trades electronically away from the exchanges Portfolio System for Institutional Trading 1987: Posit To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

PTSからATSへ(2) 1980s large broker/dealers began trading stock internally 1986 after hours trading through electronic platforms emerged via Instinet's pioneering platform late 1990so-called ATSs emerged as a viable force Island, Archipelago, Brut, Tradebook and RediBook The expansion process continued throughout the decade, with new venues such as BATS, DirectEdge, and a host of other dark pools taking significant market shares from NYSE and NASDAQ. 1997 SECによる改名 PTSからATSへ(既述) To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

PTSからATSへ(3) 1998 SEC regulation ATSでATSの機能を取引所と変わらないと認定 取引所の株式会社化も認める (日本1992 証券取引等監視委員会 1998 金融監督庁) 1999 NASDAQは対抗策としてSuperMontageの認可申請(承認2001/01 稼働2002/10 ECNは協力せず) (日本では2000 金融庁発足) 2004/02 SEC regulation NMSを提案 採択は2005/04 2005/04 NYSEがArcaExの合併発表 他方NASDAQはアイネット(旧 アイランド)を買収(取引所によるATS買収一体化) The same phenomenon appears in Europe through so-called electronic multi-lateral facilities ....Turquoise/Bikal, Burgundy, Chi-X and others began changing the European stock trading landscape dramatically To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

PTSからATSへ(4) 2006/06 NYSEとユーロネクストが経営統合で合意 2007/04 NYSEとユーロネクストが経営統合完了 2007/11 NASDAQがフィラデルフィア証券取引所買収を発表 買 収完了(2008/07) 2008/01 NYSEがAmexの買収発表 買収完了(2008/10) 2008/08 BATS 国法証券取引所設立の承認 業務開始(2008/11) 2010/03 Direct Edge 国法証券取引所設立の承認 業務開始 (2010/07) dark pools: cost savings and potential price improvement are important factors, but confidentiality, which leads to reduced market impact, is the real driving force To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

HFT, AT 2000年代に入り取引高速化は新たな局面を迎えている 高速度取引HFTに変化 ミリセカンドの早さを競う世界 HFT: high frequency trading , flash trading 高速度取引を前提に、人間の判断を超えた世界 AT: arigorithmic trading アルゴリズム取引 取引所はコロケーションサービス(サーバーを空間的一 体化する必要がでるまでアクセス距離短縮化が問題に) を展開。 To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

Big Bang 後を追う英そして日本  英国の競争政策の変化+市場改革が先行したアメリカへの 取引の流出への危機感 ⇒ イギリスで資本市場改革 Big Bang 1986 手数料の自由化 市場集中原則の廃止など アメリカのMay Day(m’aider)と似た改革が行われイギリス の資本市場の国際的地位の維持に役立った 日本では1980年代後半 バブル経済 1990年代 戦後の経済システムへの反省 株式持合いの解 体 外国人株式保有の増加 1997-1998 日本型ビッグバン 手数料の自由化 市場集中原則の廃止 持ち合いの解体も進む To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

Big Bangの内容 1986年より(非会員による会員への100%資本参加 非会員による 会員権取得):背景 取引の大型化に備え 資本力の強化 1986.10に廃止変更されたもの 1)single capacity(jobberとstock brokerの分離) 2)売買金額に関わらず固定手数料制(手数料カルテル) (機関投資家の利害と対立) 3)brokerとjobberの所有権制限の撤廃     1969年まではprivate partnershipのみ⇒1969 plc化許容     1971年1外部投資家は10%未満まで保有可能 同時に行われたこと    スクリーン取引SEAQの導入(フロアの廃止は1987年) To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

英国 競争政策の転換 1976 1976 競争制限的取引慣行規正法改正 サービス産業も適用範囲に 英国 競争政策の転換 1976 1976 競争制限的取引慣行規正法改正 サービス産業も適用範囲に 公正取引庁 LSE取引所にルールブック提出求める 公正取引庁との裁判開始(1979) サッチャー政権(1979-1990) 市場介入避け小さな政府目指す構造 改革路線 メジャー政権(1990-1997)に引き継がれる 取引所会員の資本力の弱さや機関投資家の英国株取引の米国市場への 流出について取引所としても問題を意識していた 公正取引庁とLSEとの間の合意アコード(1983.7)    最小限手数料の廃止/二重資格の許容/外部所有権規則の緩和 1983.10の会員総会で86.12末までの最低手数料制撤廃決める (1984.4外国証券取引手数料を先に自由化) To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

Big Bangの影響 手数料率の全面的低下(大口で大きく 小口では懸念さ れた上昇は生じなかった⇒西條さんは小口は上昇したとし ている) 手数料率の全面的低下(大口で大きく 小口では懸念さ れた上昇は生じなかった⇒西條さんは小口は上昇したとし ている) 市場の収益性(利益)低下 ⇒ market makerの減少     32(1986.10)⇒26(1990) 株式売買の増加(売買回転率の上昇)⇒株価の上昇 改革に遅れたヨーロッパの取引所に対して優位に(北欧 株取引等をロンドンは引き寄せる) その後の改革 機関投資家対象 電子取引市場の稼動(1995.9 Tradepoint) Order driven型市場の導入(1997.10 SETS stock exchange automatic trading system) To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

文献 WAトーマス『イギリスの証券市場』東洋経済, 1991年(W. A. Thomas, The Securities Market, Philip Alan,1989) 佐賀卓雄『アメリカの証券業』東洋経済, 1991年 西條信弘『金融制度の改革と証券市場』中央経済社, 1994年 代田純『ロンドンの機関投資家と証券市場』法律文化社, 1995年 Mike Buckle and John Thompson, The UK Financial System, 3rd ed., Manchester University Press, 1998, pp.172-180. Lindsay Fell, An Introduction to Financial Products and Markets, Continuum, 2000, pp.82-88 鈴木芳徳『金融・証券改革の深層底流』御茶の水書房, 2004年 To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

Quote driven vs Order driven 一般に市場のあり方として、この2つのタイプの市場があると される。顧客の注文による駆動を意味するorder driven型が一見 して合理性があるが、大口投資家にはorder drivenではmarket impact costが大きくなりすぎるとの意見がある。なるほど市場 で業者が売買値を提示する市場はquote drivenなのかもしれない。 そのように考えるとquote drivenは意外に現代に適しているのか もしれない。参照 鈴木芳徳『金融証券改革の深層底流』御茶 の水書房, 2004年, 102-110. To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

日本での改革 日本では1980年代後半 バブル経済 1990年代 戦後の経済システムへの反省 株式持合いの解 体 外国人株式保有の増加 日本では1980年代後半 バブル経済 1990年代 戦後の経済システムへの反省 株式持合いの解 体 外国人株式保有の増加    1997-1998 日本型ビッグバン    手数料の自由化 市場集中原則の廃止     持ち合いの解体も進む  2007/08 Japan Nextの参入 2010/07 Chi X Japanの参入 2010/01 TSE 現物株でArrowhead(システムの名称)を導入      TSE コロケーションサービス  2011/02 OSE デリバでJ-GATEを導入 2011/11 TSE 国債先物で新T dex+を導入 To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

2011の再編機運と挫折 2011/02/09 NYSEユーロネクスト ドイツ取引所 合併協 議入り 2011/02/18  米BATSがChi-X Europeを買収 2011/03/10 13:24 東証と大証が月内にも統合協議入り報道 2011/03/11 14:46 東日本大震災 発生   取引減少から 日本では多くのPTSが閉鎖へ   (海外と違いこれらは個人相手 後述) To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

大震災後 国際的再編はしぼむが 東証と大証は統合で合意 大震災後 国際的再編はしぼむが 東証と大証は統合で合意 2011/04 豪州政府の判断でシンガポール取引所とオ ーストラリア証券取引所統合が破談に 2011/06 ロンドン取引所とカナダのトロント取引所 を運営するTMXグループの合併案がカナダ側株主の 反対で立ち消えに 2011/11 東証と大証が2013年1月経営統合で合意 2012/02 独占禁止法の判断からNYSEユーロネクスト とドイツ取引所の合併が断念へ To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

2017.03 欧州委員会(=独占に否定的) ロンドン取引所とドイツ取引所の経営統合を認めず⇔劣勢にあるユーロネクスト(フランス) EU側は金融取引での英国の独占的地位に露骨な不快 感示す。しかし欧州も全体として地位は低下。 両取引所は国際的決済期間を保有 LSE LCHクリアネ ット ドイツ取引所はクリアネット 統合による取 引コスト削減に期待があった また両取引所は 拡大する指数取引分野(ETF 指数 型上場投信)でFTSE ラッセルというブランドを保 有 この面でも主導の可能性があった To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

PTS 海外では機関投資化向け日本では 個人の夜間取引ニーズの場としてスタート 1998年の証券取引法(現在の金融商品取引法)改正で法的 に可能に 米国とは違い 当初は個人の夜間取引きニーズ への対応目指すもの 東証より高速システム導入などから 徐々に機関投資家対応へ変化 2001年1月 マネックスナイター 2006年9月 カブコムナイトセッション 2007年8月 ジャパンネスクト参入(東証より高速) 2007-2008  サブプライム、リーマンショック 2010年7月 チャイエックスジャパン(東証より高速)参入 2010年7月 日本証券クリアリング機構 PTSの売買債務引 受開始を決定 To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

取引所も高速化 (システム刷新)で対応 2007/08 Japan Nextの参入 2010/07 Chi X Japanの参入 2010/01 TSE 現物株でArrowhead(システムの名称) を導入      TSE コロケーションサービス  2011/02 OSE デリバでJ-GATEを導入 2011/11 TSE 国債先物で新T dex+を導入 To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

東日本大震災による 個人向けPTSの終了と再開 今後:機関投資家の場として拡大? 東日本大震災 → 株価暴落取引量減少 個人夜間 型は撤退へ 2011年3月14日 ジャパンネクスト 夕方以降のサー ビス休止 2011年10月 カブコムPTSサービス終了 2011年12月 マネックスナイター 同上 2012年1月30日 ジャパンネクスト イブニングセッ ション再開 To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

日本取引所G 2013年1月 日本取引所Gの発足 2013年7月 現物株市場の統合 2013年アジアでの売 買代金 首位を回復 2013年1月 日本取引所Gの発足 2013年7月 現物株市場の統合 2013年アジアでの売 買代金 首位を回復 2014年3月 デリバ市場の統合 大阪取引所 デリバ の専門市場 デリバでの順位14位 今後の課題 商品デリバの統合 To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

東証と大証 統合合意の背景 現物株では大証に比べ圧倒的に大きい東証 しかし東証 の地位の低下は急速 国際競争力は喪失しつつあった。 東証と大証  統合合意の背景 現物株では大証に比べ圧倒的に大きい東証 しかし東証 の地位の低下は急速 国際競争力は喪失しつつあった。 現物株市場には公益的側面がある 上場監理 取引き監 視コストなどが大きく収益性が低い。 収益性高いデリバで東証より優位にある大証 現物株は 競争激しく手数料稼げない 現物と強力なデリバを併設した市場目指した 統合によるシステムコスト(開発維持コストの重複)、 管理コストなどの低減が期待された 統合により、投資家側のコスト引き下げも期待された Copyright: Hiroshi FUKUMITSU To copy this presentation requires the approval.

ヘッジファンド 現在 取引所や証券会社は大量の売買を行うヘッジファ ンドなどの(大口顧客の)行動に強く影響されている。 現在 取引所や証券会社は大量の売買を行うヘッジファ ンドなどの(大口顧客の)行動に強く影響されている。 宿題 以下の言葉の意味を調べましょう。 プライムブローカレッジ シンセテックブローカレッジ プロップファーム To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

学部演習 PTSについて論じなさい。米国と日本での普及の ロジックの違いはあるのか。 機関投資家は何を望んでいるのか。 クロス取引について論じなさい。この取引のどこに 問題があるのか。 Dark Poolsの定義を述べなさい。Dark Poolsはなぜ登 場したのか。 東証と大証の合併について論じなさい。 取引所間の合併を妨げるどのような要因があるか。 To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU

大学院演習 証券市場の基本的問題として、つぎのようなことが指摘されて います。一つは先進国で上場会社数が減少傾向にあることです。 これは、ガバナンス問題を含めて、規制コストが上場会社に重 くかかっている影響が考えられます。 今一つは、保有期間が短縮化の傾向にあることです。長期保有 の投資家(企業や個人など)が減り、短期保有の投資家(ヘッ ジファンド)が増えていることが背景です。 最後に、伝統的取引所市場の機能が低下し、取引所の外の取引 (立会外取引 所外取引 ダークプール)が増加傾向にありま す。つまり株価が、透明に形成されているとはいいがたくなっ ています。 取引所を通じた、市場の株価を通じた、企業統治(ガバナン ス)のお話しと、これらの現実との間には矛盾があります。 To copy this presentation requires the approval. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU