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LCP日本語版 ホスピスにおける導入の実際

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Presentation on theme: "LCP日本語版 ホスピスにおける導入の実際"— Presentation transcript:

1 LCP日本語版 ホスピスにおける導入の実際
淀川キリスト教病院 ホスピス 緩和ケア認定看護師 杉田 智子 淀川キリスト教病院 ホスピスの杉田です。 当院では、2009年にLCP日本語版のプレテストを行い、その後も継続的に使用しています。 今回は、プレテストから継続的に使用している現在の状況について発表したいと思います。 よろしくお願いします。

2 発表内容 導入の準備 プレテスト実施 看護師の感想 導入開始の決定 運用手順の修正 使用状況の評価 活用のための工夫
1.LCP日本語版導入準備 2.LCP日本語版導入後 評価 私の発表内容は、大きく2つの時期に分けて行います。 まず前半はプレテストをはじめとした導入のための準備について、 そして、後半はプレテストの結果を踏まえて、運用手順などを修正し、本格的に看取りが近い全てのケースへの導入を開始し、 その3ヶ月後の使用状況を評価から現在に至るまでの状況をお話させていただきたいと思います。 当院でのLCPの導入の経緯、現状をお伝えすることが、参加下さった方々の施設への導入イメージや実際の導入のお役に立つことができれば幸いです。

3 はじめに LCPの導入後は… ・看取りの時期に必要なケアを見直し, 必要なケアを見落としなく提供できる ・より適切な看取りのケアの提供につな
淀川キリスト教病院ホスピスは,従来から看取りのケアをホスピスケアにおける重要なケアと位置づけて実践してきた. そのため,LCPという看取りのパスが必要なのだろうか,今まで行ってきたケアとどのように違うのだろうか、パスによってケアの個別性が損なわれないだろうか疑問を感じた. LCPの導入後は… ・看取りの時期に必要なケアを見直し,  必要なケアを見落としなく提供できる ・より適切な看取りのケアの提供につな   がる

4 発表内容 導入の準備 プレテスト実施 看護師の感想 導入開始の決定 運用手順の修正 使用状況の評価 活用のための工夫
1.LCP日本語版導入準備 2.LCP日本語版導入後 評価 私の発表内容は、大きく2つの時期に分けて行います。 まず前半はプレテストをはじめとした導入のための準備について、 そして、後半はプレテストの結果を踏まえて、運用手順などを修正し、本格的に看取りが近い全てのケースへの導入を開始し、 その3ヶ月後の使用状況を評価から現在に至るまでの状況をお話させていただきたいと思います。 当院でのLCPの導入の経緯、現状をお伝えすることが、参加下さった方々の施設への導入イメージや実際の導入のお役に立つことができれば幸いです。

5 LCP日本語版の導入の準備 1.LCPの導入に関するコアメンバーを決定する
通常の病棟業務の中に組み込むため,導入にあたっての問題点などないか検討する

6 LCP日本語版の導入の準備 3.学習会を開催する 昼のカンファレンスや日勤終了後等、学習会を数回 行い、スタッフ全員が参加できるようにする
学習会でのスタッフの意見を参考に、コアメンバーで病棟での使用手順書を作成する 5.LCP日本語版を開始する           最初は1事例からでも!

7 発表内容 導入の準備 プレテスト実施 看護師の感想 導入開始の決定 運用手順の修正 使用状況の評価 活用のための工夫
1.LCP日本語版導入準備 2.LCP日本語版導入後 評価 私の発表内容は、大きく2つの時期に分けて行います。 まず前半はプレテストをはじめとした導入のための準備について、 そして、後半はプレテストの結果を踏まえて、運用手順などを修正し、本格的に看取りが近い全てのケースへの導入を開始し、 その3ヶ月後の使用状況を評価から現在に至るまでの状況をお話させていただきたいと思います。 当院でのLCPの導入の経緯、現状をお伝えすることが、参加下さった方々の施設への導入イメージや実際の導入のお役に立つことができれば幸いです。

8 LCP日本語版プレテスト 対象施設:淀川キリスト教病院ホスピス, 聖隷三方原病院ホスピス 対象患者:各施設に入院中の患者20名、
対象施設:淀川キリスト教病院ホスピス,         聖隷三方原病院ホスピス  対象患者:各施設に入院中の患者20名、   計40名にLCP日本語版を使用した 使用日数:平均3.3日 最短1日~最長19日 プレテストの結果を基に,現在のLCP日本語版Ver.1が確定された 杉田さん、このスライドの位置を変えました。 準備をして→プレテストの順番の方がよいかと思いました。 加える説明内容としては… プレテストは、元々LCPのプロジェクトで実施が確定されていたことであり、YCHと聖隷が対象施設となって実施しています。 しかし、この時は、まだ英国LCPを日本語にした、日本の環境に沿った修正を加えられたばかりのLCPの使用でした。 この結果を基に、LCPの臨床現場での使い勝手を調べ、使用した看護師の意見もいただき、Ver.1が確定されました。

9 LCP日本語版の導入の実際 1.LCP開始と終了の基準 医師からでも看護師からでも開始はできる
例:予後1週から数日の状況で使用基準を満た しているか医師,リーダーナース,受け持ち看 護師の3者で合意のもと開始する. 終了後は死亡時,またLCP開始後に患者の状 態が改善した場合は中止を決定する. 2.スタッフへのLCP使用患者の申し送り

10 LCP日本語版の導入の実際 3.記入方法 記入の分担:看護師のみ or 看護師と医師で分担 記入の時間
 例:継続アセスメントの時間は、看護師のラウンド時間に 合わせた.  4時間毎(6時-10時-14時-18時-22時-2時)  12時間(10時-22時)

11 LCP日本語版の導入の実際 4.使用上の疑問や問題点への対応 例:スタッフが疑問に思ったこと,困ったこと等を自由 に書き出せる用紙などを作成して記入してもらう.コ アメンバーで解決策を検討し手順書に追加する. 日付 問題点 3/6 意識が低下している患者の病状認識をどのように確認したらよいか 3/10 決められたアセスメントの時間以外に起こった症状は記録しなくてよいのか. 3/12 宗教/スピリチュアルな支援の評価が難しい.何を基準に達成と評価したよいのか判断に迷う. 3/14 家族の昼間の様子から,患者の死に対して心の準備ができているといは評価できなかった.夜間に家族は不在だが,その時の評価はどうすればよいか.

12 LCP使用手順書 1.予後1週間〜数日と医師との合意の上で判断し、リーダーがLCPの導入を決定して下さい。導入したらリーダーデスクのリストに記入して下さい。 2.初期アセスメントはその時の状態を、メンバーが記入して下さい。 3.経時の記入は4間毎の記入では、ラウンドの時間と合わせて    6時-10時-14時-18時-22時-2時として下さい。    12時間毎の記入は10時-22時として下さい。時間が前後してもかまいません。 4.4時間毎、12時間後との用紙は1日1枚必要です。旧紙チャートの棚に場所を作っています。看取り後もその棚に入れてください。 5.記入に迷ったこと、疑問点はその場所に理由を書いた付箋を貼っておいて下さい。 6.疑問点・不都合があれば“LCP使用にあたっての疑問・困った点” の用紙をリーダーデスクに置いていますので記入ください。 【追加事項】 *かかりつけ医への連絡は“いいえ”です。バリアンスですが全例連絡は特にしないので、分析の記入いりません。 *遺族へのリーフレットは、当院では後日すずらんの会の案内なので、“いいえ”です。バリアンス分析は“後日発送”で結構です。 *しんどさの増強、痛み、喘鳴など事前にPRN等の使用で避けれたバリアンスはVに○をする。避けられなかったバリアンスはVのみ。 *意識低下している患者、看取り前に認知障害がある患者などは、元々、理解していても、今が昏睡であれば昏睡にチェックして下さい。 *決められた時間以外でも、その前後で起こった症状や問題となったことは、バリアンスとして時間を書いて記入をする どうぞよろしくお願い致します、何かあれば市原まで!

13 看取りのケアが継続的に見落としなくできる
LCP日本語版の導入のポイント 看取りに向けてスタッフの足並みが揃う 看取りのケアが継続的に見落としなくできる LCP開始のタイミングを見逃さない 病棟スタッフの負担の軽減 ・LCPの記入方法がわからず困っていないか,LCPの使用によって業務に支障がないか,コアメンバーからスタッフに声掛けをする. LCP導入のメリットが実感できるような働き掛け ・患者・家族ケアの個別性はバリアンスとして評価できる ・LCPを使用した事例を振り返り,目標達成の状況から看 取りのケアの改善に向けた検討が行える. ・コアメンバー自身が実感したLCPのメリットを,病棟スタ ッフにフィードバックする.

14 発表内容 導入の準備 プレテスト実施 看護師の感想 導入開始の決定 運用手順の修正 使用状況の評価 活用のための工夫
1.LCP日本語版導入準備 2.LCP日本語版導入後 評価 私の発表内容は、大きく2つの時期に分けて行います。 まず前半はプレテストをはじめとした導入のための準備について、 そして、後半はプレテストの結果を踏まえて、運用手順などを修正し、本格的に看取りが近い全てのケースへの導入を開始し、 その3ヶ月後の使用状況を評価から現在に至るまでの状況をお話させていただきたいと思います。 当院でのLCPの導入の経緯、現状をお伝えすることが、参加下さった方々の施設への導入イメージや実際の導入のお役に立つことができれば幸いです。

15 LCP日本語版の有用性 :看護師へのアンケート調査

16 LCP日本語版の有用性 :看護師へのアンケート調査結果
患者・家族ケアに関する有用性 質問項目 有用だと思う(%)  LCPの開始により患者が看取り期であることを確認できる 85  初期アセスメントで患者のケアの見直しができる 74  初期アセスメントで家族へのケアの見直しができる 66  継続アセスメントにより患者へ適切な治療やケアが行える  継続アセスメントにより家族へ適切なケアが行える 69  症状コントロールが改善する 67  看取り後に家族に適切なケアを行える 56

17 LCP日本語版の有用性 :看護師へのアンケート調査結果
看取りのケア全般に関する有用性 質問項目 有用だと思う(%)  継続したケアが提供できる 69  一貫したケアを行うことができる  ホスピス・緩和ケア病棟で通常行うケアが見落としなく行える 59 その他の有用性 質問項目 有用だと思う(%)  教育的効果 看取り期のケアの経験が少ない看護師への教育につながる 71 看取り期のケアが適切に行えている確信になる 53   記録時間の    短縮 看取り期の記録がLCPのみであれば記録時間が短縮する 64

18 LCP日本語版の有用性

19 LCP日本語版の有用性 看取りのケアの向上のつながる LCPの開始 患者の状態 看取り 予後が1週~数日
医療チームでのケアの目標の達成状況を評価し、ケアの改善策の検討する 医療チームで患者が看取りの時期であることを共通認識できる 初期アセスメントで患者と家族のケアの見直しができる 継続アセスメントで患者と家族に適切な治療やケアが行える 看取り後に家族に適切なケアが行える 看取りのケアの向上のつながる ・見落としがない、 一貫したケアを継続して提供できる ・症状コントロールが改善する

20 発表内容 導入の準備 プレテスト実施 看護師の感想 導入開始の決定 運用手順の修正 使用状況の評価 活用のための工夫
1.LCP日本語版導入準備 2.LCP日本語版導入後 評価 私の発表内容は、大きく2つの時期に分けて行います。 まず前半はプレテストをはじめとした導入のための準備について、 そして、後半はプレテストの結果を踏まえて、運用手順などを修正し、本格的に看取りが近い全てのケースへの導入を開始し、 その3ヶ月後の使用状況を評価から現在に至るまでの状況をお話させていただきたいと思います。 当院でのLCPの導入の経緯、現状をお伝えすることが、参加下さった方々の施設への導入イメージや実際の導入のお役に立つことができれば幸いです。

21 LCP導入開始の決定 LCP日本語版のプレテストの実施で実感したこと ・LCPによって看取りに必要なケアを もれなくチェックできる
 もれなくチェックできる ・看取りの時期に必要なケアを適切に  提供できる      LCPは看取りのケアに役立つ! 私たちが、このプレテストを通して実感したことは、 LCPの導入によって看取りに必要なケアをもれなくチェックできること、 そして、もれなくチェックできることで、患者と家族に看取りの時期に必要なケアを適切に提供できるということでした。 そこで、LCPは看取りのケアに役立つ、LCPはよいものだということがわかり、プレテストで使用を終えるのではなく、継続的に病棟での看取りのケアに取り入れられないかということを検討しました。

22 LCP導入開始の決定 当ホスピスの現状 2009年度:入院患者数402名 死亡患者数306名 平均在院日数16.3日と非常に短い
     死亡患者数306名      平均在院日数16.3日と非常に短い ケアの質を保ちながら、看取りの時期に 必要なケアを提供できること、 記録時間の短縮を目的として、2010年8月よりLCP日本語版Ver.1.0を導入を決定! その背景として、 当院は、2009年の入院患者数は402名、死亡退院患者数は306名、平均在院日数は16.3日であり、看取りの件数が多く、看取りまでの期間も非常に短い現状がありました。病棟はいつも入退院であわただしく、業務も煩雑化していないだろうかという懸念が私たちの中にはありました。 そこで、ケアの質を保ちながら、看取りの時期に必要なケアを効率よく提供できること、記録時間の短縮を目的として、2010年8月から 皆様のお手元にもある、LCP日本語版Ver1.0の導入を決定しました。

23 発表内容 導入の準備 プレテスト実施 看護師の感想 導入開始の決定 運用手順の修正 使用状況の評価 活用のための工夫
1.LCP日本語版導入準備 2.LCP日本語版導入後 評価 私の発表内容は、大きく2つの時期に分けて行います。 まず前半はプレテストをはじめとした導入のための準備について、 そして、後半はプレテストの結果を踏まえて、運用手順などを修正し、本格的に看取りが近い全てのケースへの導入を開始し、 その3ヶ月後の使用状況を評価から現在に至るまでの状況をお話させていただきたいと思います。 当院でのLCPの導入の経緯、現状をお伝えすることが、参加下さった方々の施設への導入イメージや実際の導入のお役に立つことができれば幸いです。

24 プレテスト後:運用手順の修正 LCPの導入をグループ活動として開始
プレテストの時と今回の導入とで、大きくことなることは、 1例ずつ使用していくのではなく、病棟の看取りの時期にある患者すべてにLCPを使用していくこと それと、従来からの診療録をLCPで代用していくことです。このことをイメージして、LCPの導入に向け、必要な準備を整えていきました。 まず、LCPの導入にあたって中心になるメンバーをきめ、LCPグループとして、活動を開始しました。 グループメンバーは、病棟管理者、緩和ケア認定看護師である私と、固定チームナーシングのチームリーダーにも協力を依頼し、導入に向けてリーダーシップを発揮してもらえるようにしました。 LCPグループ内では、まずプレテストの経験もふまえ、LCPを導入するにあたって、問題になることがないか、更に使いやすくするために工夫できる点はないか、丁寧に検討しました。 そして、LCP運用手順書を作成しました。 病棟スタッフ全体に対しては、病棟ミーティングで、LCPの導入目的を説明し、スタッフの同意を得ました。 また、新年度を迎えプレテストを経験してない看護師もいるためLCPの使用方法についての勉強会を開催しました。

25 運用手順の修正① ●LCPの開始の判断は、医師と看護師 複数名で行う ● 記録はLCPとグラフィックチャート (熱計表・温度板)のみとした
 複数名で行う ● 記録はLCPとグラフィックチャート  (熱計表・温度板)のみとした 入院時 予後の評価 毎日の評価 週1回 カンファレンス タイミングを 逃さず開始 運用手順の内容についてご紹介したいと思います。 まず、患者にLCPを開始する判断は、誰がいつ行うかということです。誰がということについては、当院では、医師・看護師の複数名で、使用基準に沿って開始を判断するようにしました。 いつ開始を判断するかということについては、入院時のカンファレンスで予後1週以内と予測されたとき、 毎日の評価で予後1週以内と予測されたとき、週1回のカンファレンスで予後1週以内と予測された時など継続して、判断し、開始できるようにしました。 このように、継続的に予後の評価を行うことで、タイミングを逃さずLCPが開始できるように心がけました。 次に、診療録についてのルールです。プレテストでは従来の電子カルテでの記録、LCPの記録を両方を行っていましたが、看護師の負担を軽減させるため、今回のLCP導入から記録は、LCPとグラフィックチャートのみとしました。当院のグラフィックチャートは、一般に用いられる熱計表や温度板と同様のものです。

26 運用手順の修正② ●入院時からLCPを開始する場合 初期アセスメントに従来の入院時の聴取する アナムネーゼから看取りに必要な情報のみを
追加記入する 主な記入内容:家族構成、キーパーソン、         主な介護者、経済的な問題等 その後も、家族から得られた情報は適宜追加 通常は、看取りが近い状況となれば、従来の記録からLCPに変更しますが、 当院では、入院時から予後1週間以内と予測される、非常に状態が悪く、看取り間近な患者もいます。 その場合は、入院時からLCPを開始しました。 しかし、LCPのみでは従来からの入院時アナムネーゼのように、患者さんとご家族の詳細な情報が収集できない場合もあります、そのためにLCPの初期アセスメント内に看取りの際に必要な情報を追加して記入できる欄を設けました。 主に追加記入が必要な内容は、 家族構成やキーパーソン、介護者に関する情報、経済的な問題などです。 これらの情報は、入院後も継続的に家族の状況をアセスメントしながら、適宜追加していくようにしました。

27 運用手順の内容③ ●初期アセスメント 「目標9ケア計画を説明している」「目標10ケア計画の理解している」ではOPTIM「これからの過ごし方について」の パンフレットを利用した。 ●説明内容の可視化、読み直すことで、看取りに向けた患者の変化やそれに対するケアがイメージできる。 次に運用手順で決めたことは、 OPTIMの看取りのパンフレット、「これからの過ごし方について」を利用することです。 皆様もご存知かと思いますが、このパンフレットは、 今後起こりうる身体症状、苦痛症状とその対処について、家族が理解を深め、不安を取り除いたり、心の準備ができるような内容が示されています。 このパンフレットは、まさにLCPの初期アセスメント目標9の家族にケア計画を説明する、目標10の家族がケア計画を理解しているということと一致する内容であり、家族と私たちが看取りに向けて、共通のケアの目標を確認することができると思います。 また、このパンフレットは、実際に家族が目で見て、読み直し、看取りに向けた体の変化のイメージやケアを理解しやすくなるという印象を受けます。 スタッフ自身もエビデンスに基づいた正しい知識を伝えることができ、ケアの標準化や、質を保つことにつながると思われます。

28 運用手順の修正④ ●LCPは紙媒体であるため、使用後は 電子カルテにスキャナーで取り込む 運用手順を整えることで
 電子カルテにスキャナーで取り込む 運用手順を整えることで ・LCPが適切な時期に開始できる ・LCPを使用によって適切なケアを行う ・スタッフの負担感を軽減する 次に運用手順で決めたことは、記入後のLCPの取り扱いです。 当院は電子カルテを導入していますが、紙媒体のLCPを用いています。そのため、看取りの後のLCPはスキャナーで電子カルテに取り込むようにし、記録委員会でも承認を得ました。 以上のように、導入に向けての運用手順をいくつかご紹介させていただきましたが、 これらの手順を整えることで、LCPが適切な時期に開始できることや、LCPの使用によって適切なケアを行うこと、 そして、LCPを導入するにあたってのスタッフの負担感を軽減することに繋がると思います。 以上が継続使用に向けて準備と運用手順として決定した点です。

29 発表内容 導入の準備 プレテスト実施 看護師の感想 導入開始の決定 運用手順の修正 使用状況の評価 活用のための工夫
1.LCP日本語版導入準備 2.LCP日本語版導入後 評価 私の発表内容は、大きく2つの時期に分けて行います。 まず前半はプレテストをはじめとした導入のための準備について、 そして、後半はプレテストの結果を踏まえて、運用手順などを修正し、本格的に看取りが近い全てのケースへの導入を開始し、 その3ヶ月後の使用状況を評価から現在に至るまでの状況をお話させていただきたいと思います。 当院でのLCPの導入の経緯、現状をお伝えすることが、参加下さった方々の施設への導入イメージや実際の導入のお役に立つことができれば幸いです。

30 現在は、スムーズにLCPに移行しほぼ全例に
死亡退院数70名中、51名に使用 ・導入当初は、LCPへの移行に慣れず開始に至らなかった事例 ・入院当日の看取り・急変…など計19名 現在は、スムーズにLCPに移行しほぼ全例に 開始している (入院当日の看取り・急変は除く) それでは、実際の使用状況をお伝えします。 LCPの導入から、3か月間は、LCPグループが使用状況を把握するために、使用方法や記入内容が適切かどうかのチェックを行いました。 導入から3か月間の、LCPの平均使用期間は4日間でした。 死亡退院数70名中、51名にLCPは使用されており、7割の患者に使用されていました。 しかし、LCPが開始されなかった事例もありました。 これは、十分な分析は出来ていませんが、開始から3ヶ月の時点では、スタッフがLCPの使用に慣れていない現状があり、タイミングが図れなかったのではないかと考えます。それ以外の開始出来なかった事例は、入院当日に看取りとなった事例、急変で導入に至らなかった事例などがありました。 現在は、スタッフもLCPの導入に慣れ、集計は出来ていませんがほぼ全例にLCPを導入している印象です。

31 その場で評価できなかった目標は記入が抜けやすい 見落としではなく評価ができなかった理由を
LCP使用状況 導入から3か月間 記入漏れがあった目標:  ・目標6:看取りにあたっての宗教上の要望   や信条を確認する  ・目標9:今後のケア計画を説明、相談して   いる  ・バリアンス発生時間 記入方法が適切であったかどうかについては、 まず、LCPの記入漏れの有無をチェックしました。 おおむね、記入漏れはなかったものの、 目標6「看取りにあったての宗教上の要望や信条を確認する」、目標9「ケア計画(死期が迫った患者に対してどのようなケアを計画しているか)を説明、相談している」、などの目標の評価、バリアンス発生時間の記入漏れがみられました。 これは、目標評価の際に見落としたのではなく、あとで確認しようと思ったものなど評価できなかった理由を記録に残せなかったことが原因ではないかと思います。 その場で評価できなかった目標は記入が抜けやすい  見落としではなく評価ができなかった理由を 記録に残す必要がある 31

32 LCP使用状況 導入から3か月間 バリアンスの記入状況: ・バリアンスに対処した結果が記入していない
・継続アセスメントのA・Vとバリアンス分析 シートの内容が一致していない ・バリアンス分析シートに情報共有のための内容が記載されている 次に、LCPのバリアンスの記入状況をチェックしました。 先ほどの発表では、LCPの継続アセスメントのみでの使用可能と言われていましたが、当院ではバリアンスの内容を更に詳しく知りたいと思ったので、継続アセスメントとバリアンス分析シートの両方を使用しています。 LCP導入後は、LCPとグラフィックチャートのみとしたため、従来病棟で行ってきた看取りのケアの内容がLCPで記入できているかを調べる必要があったためです。 その結果として、バリアンスに対処した結果記入していないものや継続アセスメントのA・Vとバリアンス分折シートの内容が一致していない、バリアンス分折シートに情報共有のための内容が記載されていることが分かり、バリアンス記入のルールが必要となりました。 バリアンス記入のルールが必要である

33 発表内容 導入の準備 プレテスト実施 看護師の感想 導入開始の決定 運用手順の修正 使用状況の評価 活用のための工夫
1.LCP日本語版導入準備 2.LCP日本語版導入後 評価 私の発表内容は、大きく2つの時期に分けて行います。 まず前半はプレテストをはじめとした導入のための準備について、 そして、後半はプレテストの結果を踏まえて、運用手順などを修正し、本格的に看取りが近い全てのケースへの導入を開始し、 その3ヶ月後の使用状況を評価から現在に至るまでの状況をお話させていただきたいと思います。 当院でのLCPの導入の経緯、現状をお伝えすることが、参加下さった方々の施設への導入イメージや実際の導入のお役に立つことができれば幸いです。

34 看護師の感想 LCPを導入 して良かった こと 看取りの時時に必要なアセスメントとケアができる
継続アセスメントによって患者・家族の状況が経時的に把握できる 看取りに向けてスタッフの意識が統一される 記録時間が短縮する LCPを導入 して良かった こと 家族の情報の追加が必要 (例:家族の情報、看取りの場面) 記入方法の統一されていない 手書であることの負担感 工夫が必要 なこと 次は、3ヶ月間LCPを使用した際の看護師の感想です。 看護師の感想から、継続使用における看護師に行ったアンケート結果から、プレテスト同様に約9割がLCP使用により、看取り時に必要なアセスメントとケアができる、継続アセスメントを記入することで、患者・家族の状況が経時的に把握できケアに活かすことができる。また、看取りに向けてスタッフの意識が統一できる。などが、LCPを導入したことが良かったと実感していました。また、今回の導入より、LCP導入後は記録をLCPとグラフィックのみとしたことで記録時間が短縮し良かったと感じていました。 次は、LCPを活用していくためには、工夫が必要と感じたことです。 それは、家族の訴えや思い等、情報の追加が必要だったり、看取り時の状況を記入する場所が必要だということ、その他、バリアンス分析シート等の記入方法が統一されていないこと LCPが紙媒体であることから手書が負担ということがありました。

35 発表内容 導入の準備 プレテスト実施 看護師の感想 導入開始の決定 運用手順の修正 使用状況の評価 活用のための工夫
1.LCP日本語版導入準備 2.LCP日本語版導入後 評価 私の発表内容は、大きく2つの時期に分けて行います。 まず前半はプレテストをはじめとした導入のための準備について、 そして、後半はプレテストの結果を踏まえて、運用手順などを修正し、本格的に看取りが近い全てのケースへの導入を開始し、 その3ヶ月後の使用状況を評価から現在に至るまでの状況をお話させていただきたいと思います。 当院でのLCPの導入の経緯、現状をお伝えすることが、参加下さった方々の施設への導入イメージや実際の導入のお役に立つことができれば幸いです。

36 LCPを活用するための工夫 運用手順の追加 内容 家族の情報 伝達方法の追加 ●LCPに家族の情報を記入する ・家族の患者に対する思い
 ・家族の患者に対する思い  ・看取りの状況 ●電子カルテの掲示版を活用  ・次の勤務者に引き継ぐ内容 記入もれのチェック 記入方法の統一 ●文章のみでなく記入例を作る 手書きの負担 ●記録委員、電子カルテ委員会に交渉 これらを考慮し、LCPを活用するための工夫行いました。 家族の情報やそれを伝達する方法として運用手順の追加をしました。その内容が、家族の患者に対する思いや看取り時の状況などをLCPに家族の情報を記入するようにしました。また、次の勤務者に引き継ぐ内容は、電子カルテを開いたときに、1番始めに出てくる電子カルテの掲示板機能を活用することで、家族の心理的変化や意向についての情報を共有することにしました。 記入漏れのチェックや記入方法の統一を行うために文章のみでなく記入例を作りました。 手書きによる負担は、現在記録委員会、電子カルテ委員会に交渉し電子化していくことを考えています。

37 LCPを活用するための工夫 例:継続アセスメントの記入例の作成 Vに○した場合、必ず バリアンス分析シートに記入してください。
達成された場合はA、達成されない場合はVに○をつけ、達成されない場合は、それぞれの欄に具体的な問題を記入して下さい セクション 2 勤務帯(時刻)を右欄に記入 2時 6時 10時 14時 18時 22時 不穏、興奮 目標:患者が強い 不隠、混乱、興奮 状態ではない。 A  V A   Ⓥ 例)7:00 身の置き所のなさ Vに○した場合、必ず バリアンス分析シートに記入してください。 一目見てどのようなバリアンスが生じているか分かることが大切です。バリアンス発生の時間と内容を記入してください。 記入例の作成については、記入方法を文章だけで説明するよりも、実際のLCP上に吹き出しで注意点を示し、スタッフが理解できるように工夫しました。 このように、記入例のように示すことで、スタッフも理解しやすい印象でした。

38 LCPを活用するための工夫 例:看取りの状況を記載する
 例)1:30呼吸停止  妻は「よく頑張ったね、ありがとう」、長女は「今までありがとう、これからのことは心配しないでも大丈夫だからね」と声をかけている。  1:50医師死亡確認、妻と長女に見守られ永眠される 看取りの状況の記載も、運用手順に追加しました。 みなさんも看取り時の記録として、家族が看取りの時どのように声を掛けていたかや、看取り時の反応について記入していると思います。 LCPでは、看取り時の記録は死亡日時を主に記入することになっていまが、看取り時の状況を記入できるように、記入欄を追加で設けました。 看取り時の家族の反応をチームで共有することで、デスケースカンファレンスでのケアの振り返りや遺族ケアに繋げることを目的としました。 看取り時の家族の反応などチームで共有する ・デスケースカンファレンス ・遺族ケアにつながる

39 LCPの活用によってより適切な看取りのケア提供と
導入のための取り組み ①LCP グループ活動の開始 ②LCPによる 看取りのケアを理解する ③運用手順を整備する ④使用状況から手順を追加  LCP導入の目的: ●ケアの質を保ちながら、看取りの時期に必要   なケアを提供する ●記録時間の短縮する 以上が、当院におけるLCPの導入の経過と、使用状況です。 最後にこれらをまとめてみますと、 ①まず、LCP導入のために、LCPグループを立ち上げ活動を開始し、 ②LCPによる看取りのケアを勉強会などでスタッフ全体が理解できるように働きかけました。 そして、 ③スタッフが統一してLCPが使用できるように運用手順の整備を行い ④導入から3ヶ月後の使用状況をチェックし、手順を追加する等の取り組みを行いました。 このような取り組みによって、当院のLCPの導入の目的であった、ケアの質を保ちながら、看取りの時期に必要なケアを効率よく提供する、記録時間が短縮するということは達成しつつあると思います。 そして、更に今後もLCPの活用によって、適切な看取りのケアの提供と質の向上をめざしていきたいと思います。 目的は達成しつつある LCPの活用によってより適切な看取りのケア提供と 質の向上をめざす

40 ご清聴ありがとうございました ご清聴ありがとうございました。


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