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平成22年度教育研究員 高等学校理科部会 研究発表会

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1 平成22年度教育研究員 高等学校理科部会 研究発表会
平成23年2月14日(月) 平成22年度教育研究員 高等学校理科部会 研究発表会 科学的な思考力・表現力を 育成するための指導法の開発 ◎塩野 浩伸(井草)    ○大野 智久(新宿山吹)   松本 隆行(新宿山吹)  平山 大(豊多摩)   中野 清吾(神代)     野中 悟(大崎)     

2 新学習指導要領の考え方 平成18年 PISA調査 「科学への興味・関心や楽しさを感じる生徒の割合が全般的に低い」 新学習指導要領
平成18年 PISA調査 「科学への興味・関心や楽しさを感じる生徒の割合が全般的に低い」 新学習指導要領 「科学的な概念の理解など基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着を図る観点から小・中・高等学校を通じた理科の内容の構造化を図るとともに,科学的な思考力・表現力の育成を図る観点から探究的な学習活動をより一層充実する。」 平成21年3月 高等学校学習指導要領解説 理科編 「改定の要点」より抜粋

3 主題設定の理由 科学的な思考力や表現力を育成するための指導法を開発することが必要 <現状の課題> ①試験や実験レポートにおける記述式の問題
  に対して、無回答で提出する生徒が多い ②生徒に対する問いかけが、一問一答   →生徒の思考を引き出す「発問」が不足 科学的な思考力や表現力を育成するための指導法を開発することが必要

4 体細胞分裂を題材とした 思考力・表現力の育成
実践事例Ⅰ 生物 体細胞分裂を題材とした 思考力・表現力の育成

5 題材設定のねらい 現行学習指導要領、新学習指導要領ともに扱っている
実際は「体細胞分裂」という同じ現象でありながら、着目させるポイントが変わる! 慣れ親しんだ教材を新たな視点で見直す必要 語句の暗記 中心の理解 DNAを中心とした 現象の本質的理解

6 学習指導要領解説の比較 現行学習指導要領 新学習指導要領 「(イ)細胞の増殖と生物体の構造」については、(中略)
多細胞生物の体細胞分裂による細胞の増殖を、成長や分化と関連させて扱う。体細胞分裂については、その過程を扱うとともに、体細胞分裂によって細胞の数が増えながら、成長し、色々な形態や機能を持つ細胞に分化し、組織や器官を形成することを扱う。 新学習指導要領 (イ) 遺伝情報の分配について 中学校では,第2分野「(5) 生命の連続性」で,体細胞分裂の過程で染色体が複製されることについて学習している。 ここでは,体細胞分裂の前後で遺伝情報の同一性が保たれることを理解させることがねらいである。そのため,細胞周期の間期にDNAの複製が行われ,分裂期にDNAが等しく分配され,結果としてDNAが質,量ともにどの細胞でも同じになることを扱う。

7 指導の流れ STEPⅠ 問答形式の授業 講義「体細胞分裂」 STEPⅡ 実験・観察 「体細胞分裂の観察」 STEPⅢ 結果・考察の共有化
STEPⅠ 問答形式の授業   講義「体細胞分裂」 STEPⅡ 実験・観察   「体細胞分裂の観察」 STEPⅢ 結果・考察の共有化   レポートまとめ課題

8 STEPⅠ 問答形式の授業 講義「体細胞分裂」

9 講義の概要 1、体細胞分裂の目的 2、体細胞分裂とDNA 3、DNAのコピー法(半保存的複製) 4、体細胞分裂の過程

10 講義の概要 1、体細胞分裂の目的 2、体細胞分裂とDNA 3、DNAのコピー法(半保存的複製) 4、体細胞分裂の過程

11 「記述形式」の問と「問答」 「穴埋め形式」の問 思考力・表現力の育成につながらない 「記述形式」の問 理解したことを文章におとしこむ必要
→思考力・表現力の育成 「問答」による指導が有効 (思考を楽しむことで「論述形式」への抵抗感を低下)

12 問答形式の例① 「DNAは、体細胞分裂のときには、凝縮して太く短くなる(棒状の染色体)。何のために太く短くなるのか?」 考察の手がかり
問答による誘導 ●DNAは長いひも状の物質 ●長いひもが勝手に動きまわると・・・? ●毛糸で演示(からまる→なかなかほどけない) 期待する答え 「分配の際、運びやすくするため」

13 問答形式の例①予想外の展開 「DNAは、体細胞分裂のときには、凝縮して太く短くなる(棒状の染色体)。何のために太く短くなるのか?」
考察の手がかり 問答による誘導 ●DNAは長いひも状の物質 ●長いひもが勝手に動きまわると・・・? ●毛糸で演示(からまる→なかなかほどけない) なんでそのままだと運びにくいの? いきなり答えが出てしまった場合は・・・ 「分配の際、運びやすくするため」

14 問答形式の例② 「体細胞分裂が終了すると、太く短くなっていたDNAは再びほぐれる。なぜ太く短いままではいけないのか? 」 考察の手がかり
問答による誘導 ●DNAは普段どんな役割を持つか? ●凝縮していると何が問題か? ●「転写」とはどのような現象だったか? 期待する答え 「タンパク質合成に使うため」

15 問答形式の工夫例 「体細胞分裂は、いつ、どこで行われる? 」 段階1:ノーヒント 段階2:選択式の問いに変換
    (組織・器官名を挙げる) 段階3:答えを導いた根拠を答えさせる     (例:細胞分裂するとその部分はどうなる・・・) 段階4:発展的な考察     (例:分裂が活発な組織と病気との関連)     

16 問答形式の工夫例 皮ふ、骨髄、大腸、心臓、神経、筋肉、肝臓、肺 etc... 体細胞分裂が活発な組織 皮ふ、骨髄、大腸
体細胞分裂が活発でない組織 心臓、神経、筋肉、肝臓、肺

17 問答形式の工夫例 「体細胞分裂は、いつ、どこで行われる? 」 段階1:ノーヒント 段階2:選択式の問いに変換
段階3:答えを導いた根拠を答えさせる 段階4:発展的な考察     生徒の実態と費やせる時間によってその場で判断 (本実践では、段階1を省き、段階2から段階3まで)

18 「問答」に適した問の特徴 ●その場で思考することで答えを導ける ●生徒を見ながら連続した思考をうながす ●問に発展性を持たせ高度な思考も促す
●その場で思考することで答えを導ける   (暗記力を試す問は「問答」には適さない) ●生徒を見ながら連続した思考をうながす  (一度のやり取りで終わる問は「問答」には適さない) ●問に発展性を持たせ高度な思考も促す  (出来る限りオープンエンドな問が望ましい)

19 問答形式の汎用性 学力に大きな幅のある集団に有効 =あらゆる現場で応用可能な手法 「問答」の難易度調整のポイント ・どれくらいの抽象度か?
(∵ 問答形式だと、各々が各々の水準で考察可能) =あらゆる現場で応用可能な手法 「問答」の難易度調整のポイント ・どれくらいの抽象度か? (誘導のために「例え→モデル」という流れも可能) ・どこまで誘導するか?

20 講義アンケート①記述形式の問 ①「※」の質問をもっと増やしてほしい 1 ②今のままでよい。 7 ③「※」をもう少し減らしてほしい
④「※」はなくして欲しい  (語句の穴埋めだけでいい) 記述形式の問いには、現状で満足

21 講義アンケート②問の難易度 ①とても難しくて、何も考えることができない ②何とか考えることができるが、それをうまく文章で表現できない 1 9
③ちょうどよい難しさで、苦労しながらも文章にできる。 ④簡単すぎる 「思考力不足」=「論述力の不足」の可能性

22 確認テスト①並び替え 全員が正答 基礎・基本は身についている

23 確認テスト②模式図の作成 多くの生徒が誤答 見れば理解していることも表現できない

24 講義アンケート③記述中心の形式 ①ただ説明の講義を聞くだけよりも、色々考える方がおもしろいし集中できる
②ただ説明の講義を聞くだけよりも、色々考える方がおもしろいが、考えるのに疲れたり、面倒くさくなってしまう ③ポイントを絞って講義をするだけでよい。(考えさせる必要はない) 多くの生徒が考察を楽しむ

25 講義アンケート④発問の効用 特定の生徒への問答に対して同時に考察
①当てられた生徒と同じように質問を考えながら進むので、集中でき理解しやすい。 ②当てられていないとあまり考えないが、当てられるとそこで考えるので、このスタイルのほうがよい。 ③当てられなくても同じように考えることができるので、当てる必要はない ④考えるのも面倒くさいし、当てられるのもいやだ。 無回答 特定の生徒への問答に対して同時に考察

26 講義アンケートの結果 1、記述形式の問いには、現状で満足 2、「思考力不足」=「論述力の不足」の可能性 3、多くの生徒が考察を楽しむ
4、特定の生徒への問答に対して同時に考察

27 STEPⅠのまとめ 1、「問答」を用いた記述形式の問の多用により、 思考力・表現力を高めることが可能
  思考力・表現力を高めることが可能 2、「問答」は難易度や抽象性を調節することで、   応用の幅が広い指導法 3、「問答」は学力に関係なく、あらゆる現場での   応用が可能な指導法

28 STEPⅡ 実験・観察 「体細胞分裂の観察」

29 実験内容 <材料> 発根したニンニク <方法> 1、カルノア液で固定したニンニクの根を塩酸処理
2、根端をスライドガラスに取り、先端数ミリを残し   て切断 3、スライドガラスを十文字に重ね、垂直に押して   根端をつぶす 4、つぶした根端に酢酸オルセインを数滴垂らし、   染色 5、プレパラートを作成し、検鏡

30 実験プリント <結果> <考察> <感想> ●スケッチ1:各期の細胞の観察 ●スケッチ2:根端分裂組織の全体像の観察
●観察した細胞数と分裂期にある細胞数のカウント <考察> ●分裂期の細胞の見分け方 ●分裂期と間期の細胞数の比較 ●分裂期の各時期の細胞数 ●分裂期の細胞の大きさ <感想>

31 STEPⅢ 結果・考察の共有化 「レポートまとめ課題」

32 レポートまとめ課題 1 「分裂期の細胞の割合」の表で、生徒によって結果がかなりバラついている。これはなぜか? A 173 11 6.4 B
レポートまとめ課題 1 「分裂期の細胞の割合」の表で、生徒によって結果がかなりバラついている。これはなぜか? 生徒 細胞の総数 分裂期の細胞 分裂期の割合(%) 173 11 6.4 53 4 7.5 124 25 20.2 80 7 8.8 20 8 40.0 5 25.0 12 60.0 6 30.0

33 レポートまとめ課題 1 生徒 細胞の総数 分裂期の細胞 分裂期の割合(%) A 173 11 6.4 E 20 8 40.0 G 12
レポートまとめ課題 1 生徒 細胞の総数 分裂期の細胞 分裂期の割合(%) 173 11 6.4 20 8 40.0 12 60.0

34 レポートまとめ課題 1 ●見ている根の場所が分裂の盛んな所だったり、あんまり してない場所だったりと違ったから
レポートまとめ課題 1 生徒 細胞の総数 分裂期の細胞 分裂期の割合(%) 173 11 6.4 20 8 40.0 12 60.0 ●見ている根の場所が分裂の盛んな所だったり、あんまり   してない場所だったりと違ったから ●見る場所によって違う。根の先端部分から遠くなるほど   分裂期は少なくなる。 ●見ている部分が少しズレている。数えた数が違う。個体  が違う。

35 レポートまとめ課題 2 <考察> 34、酢酸オルセインはくさい。 <感想> 38、細胞分裂しているのが、だいたい一箇所に
レポートまとめ課題 2 「考察」と「感想」の違いは?今回のまとめで不適切なものはあるか? <考察> 34、酢酸オルセインはくさい。 <感想> 38、細胞分裂しているのが、だいたい一箇所に    まとまっていました。 45、観察する場所によって、細胞の大きさや多    さが違った。

36 レポートまとめ課題 3 スケッチ①~③のよい点、改善可能な点を指摘せよ。 スケッチ①

37 レポートまとめ課題 3 スケッチ①~③のよい点、改善可能な点を指摘せよ。 スケッチ② スケッチ③

38 スケッチ① ・普通の細胞サイズと比較しているのが良い ・全て見たままというよりも特徴を捉えてデフォルメして
 スケッチしているので凄くわかりやすい。

39 スケッチ②、③ ・全て見たままというよりも特徴を捉えてデフォルメして スケッチしているので凄くわかりやすい。
 スケッチしているので凄くわかりやすい。 ・③は細胞の大きさの違いがあれば、分裂しているもの  とそうでないものの違いが出て良かった。

40 レポートまとめ課題 3(補足)

41 レポートまとめ課題 4 その他、他の生徒の考察・感想を見て思ったことを書け。 ●この実験をしている時、細胞の変化が見られても、
レポートまとめ課題 4 その他、他の生徒の考察・感想を見て思ったことを書け。 ●この実験をしている時、細胞の変化が見られても、   そこからレポートにまとめるまで整理ができなかった   ので、まとめ方など参考になりました。 ●同じものを見る実験で一人ひとりが色んなことに気   がつくんだなと思いました。 ●色んな人の感想を見るのは楽しい。 ●皆が見た、感じたものが違っているので、生物に   「絶対」がないことをしみじみ感じた。

42 レポートまとめ課題アンケート ①積極的にした 3 ②少しした ③あまりしなかった 1 ④する気が起こらずしなかった
他の生徒の実験結果と自分の実験結果を比較することで、実験結果について再び考えたり検討したりしたか。  ①積極的にした ②少しした ③あまりしなかった ④する気が起こらずしなかった ⑤必要がないのでしなかった

43 レポートまとめ課題アンケート 1、まとめプリントは役に立った 2、次の実験への意欲につながった 3、人の意見から刺激を受けた

44 レポートまとめ課題アンケート ●生徒の意見や感想を集めることは重要なんだと思 いました。 ●まとめプリントがあると実験をやった事の意味が深く
 いました。 ●まとめプリントがあると実験をやった事の意味が深く   なり、より考えさせられる。毎回作ってもらいたい。課   題は面倒だけど。 ●自分は単純な答えしか出せていなくても、考察など   でさらに考えている人もいるから、勉強になる。 ●結果は同じだけど考えることが全然違うと実感した。 ●まとめプリントの課題までやると少ししんどいです。   考察を読むのに体力がいるので。比較して見られる   のは面白いです。

45 「結果・考察の共有化」の利点 <基礎・基本の定着> ・自分の結果を他の生徒の結果から補って考察できる
・「結果」「考察」「感想」の違いを理解できる <思考力・表現力の向上> ・客観性を鍛えるトレーニングになる ・生徒相互の情報交換から学びが広がる ・考察の方法やレポート作成技術が向上する <学習意欲の向上> ・他の生徒のレポートから刺激を受け意欲につながる

46 本実践の成果 1、問答形式の授業は科学的思考力、 表現力を養うのに有効な手段である 2、実験後の結果・考察の共有化は、
  表現力を養うのに有効な手段である 2、実験後の結果・考察の共有化は、   高い教育効果を持つ手法である


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