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   個別支援計画作成の   手順とポイントについて.

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1    個別支援計画作成の   手順とポイントについて

2 この講義のねらい 個別支援計画の作成手順の実際と、そのポイントについて理解し、演習への準備とする。 (内容) 1.個別支援計画におけるPDCAサイクルにより標準的なサービス提供にいたる過程を理解する。 2. 精神障害者の地域移行の事例を通して、個別支援計画の作成手順の実際について学ぶ。 3.個別支援計画の作成手順のポイントについて、サービス管理者が配慮するポイントについて理解する。 個別支援計画の作成手順の実際と、そのポイントについて理解し、演習への準備とする。 1.個別支援計画におけるPDCAサイクルにより標準的なサービス提供にいたる過程を理解する。  計画を作るということは、支援プロセスをPDCAサイクルに乗せていくことを意味します。  また計画を作りPDCAによるサービス提供を積み重ねることで「標準的なサービス」を確立していきます。 2.精神障害者の地域移行の事例を通して、個別支援計画の作成手順の実際について学ぶ。 3.個別支援計画の作成手順のポイントについて、サービス管理者が配慮するポイントについて理解する。 

3 個別支援計画作成の前提 (1)ケアマネジメントの基本的視点 (2)聴く・知ることから始まる支援(根拠) (3)活用する支援
(4)固有ニーズへの支援 (5)生き方に関わる支援 (6)一人の住民へ誘う支援 個別支援計画作成の前提として重要なことは、以下のようなことになります。次のページから詳細について解説します。 (1)ケアマネジメントの基本的視点 (2)聴く・知ることから始まる支援(根拠) (3)活用する支援 (4)固有ニーズへの支援 (5)生き方に関わる支援 (6)一人の住民へ誘う支援

4 (1)ケアマネジメントの基本的視点 個別性重視の援助 ニード中心、利用者中心 生活者、QOLの重視 エンパワメント(利用者自身の問題解決力)
自己決定による自立(自律) 利用者の権利擁護 (1)ケアマネジメントの基本的視点   ・個別性を重視しましょうというのはよく言われますが、多忙ななか一人一人に合わせた支援が大変なことも事実です。    しかし、だからこそ、個別支援計画が必要になります。日々の忙しさのなかで、立ち戻ることができ、拠り所となるものが個別支援計画です。   ・ニード中心、本人中心を裏返すと、事業所の都合中心、事業所職員の都合中心ということになります。こうなりがちであった過去からの反省に基づくものです。   ・利用者は障害があり生活しにくさを抱えてはいますが、生活者であるとの視点は重要であり、生活の質・人生の質の向上を目指す支援であるべきです。   ・本人がエンパワメントすることはすべての出発点です。抑圧された本人の心からはニーズすら聞きだすことが困難です。    「取るに足らない自分」から「社会における存在を自他ともに認める自分」へと高めることにより、困難にぶつかったときに周囲に働きかける力が生まれます。   ・エンパワメントにより自己決定することができるようにもなります。結局人は自ら決めたことしか責任を持って実行しません。支援者は本人の自己決定を尊重し、できる限り、本人が自分の人生を自分でコントロールできるよう支援します。   ・障害があるがゆえに権利侵害を受けやすいということがあります。事業所の職員や家族等からの権利侵害もありえます。常に本人の権利を擁護する立場であるべきです。    近年では、重度知的障害等で本人の意思表明が困難な場合の意思決定支援の重要性が叫ばれていますが、本人の権利擁護の観点からも意思の読み取りを丁寧に行っていく姿勢が重要です。 出典 小澤 温(筑波大学)資料から

5 (2)聴く・知ることから始まる支援(根拠)
専門家主導の支援 専門家が、過去の経験に基づき判断し作成した支援計画は、必ずしも本人のニーズに合致したものになるとは限らない。 他人の希望より 利用者の意向 同じような障害特性を持つ方であっても、その背景や好みは個人個人異なる。まずはその方を知るため、本人や周囲の方々からお話を伺うことから始める。 (2)聴く・知ることから始まる支援(根拠)  同じような特性を持つ方であっても、その背景や好みは個人個人異なります。計画作成はその方の人生に触れることにもなりますので、まずはその方を知るため、本人や周囲の方々からお話を伺うことから始めましょう。  これはアセスメントの一環ともなります。アセスメントした中から根拠を持った目標設定や支援内容を計画しましょう。  簡単にわかったつもりにならないこと、話を聴くことは権利擁護の基本であるということを忘れないようにしましょう。  ニーズを見極める前に大切なことは  聴くこと・対話・かかわりです。  わかったつもりの支援は禁物です。 権利擁護の基本は、話を聴くことです。

6 関係づくり 目的にむかって進むこと ご本人と支援者が目的にむかってすべきことをあきらかにする。 相互に利益を得ること
   ご本人と支援者が目的にむかってすべきことをあきらかにする。 相互に利益を得ること    お互いから学び、一緒に過ごす時間を楽しむ。 誠実な関係づくり     支援者は誠実で責任のある感覚をご本人に伝える。 信頼のある関係づくり    相互の信頼と尊敬 利用者の希望、不安や夢を共有する。 エンパワメントを促す関係づくり    ご本人が自分自身の支援プロセスの監督者となる。           出典  「ストレングスモデルに基づく障害者ケアマネジメントマニュアル」一部改変       本人の事を知る(聴く)ことから関係づくりはスタートするわけですが、関係を作っていくうえで重要な視点を挙げておきます。 目的にむかって進むこと    支援者がご本人とともに目的にむかって進む存在であることを本人が理解し、目的達成のためにそれぞれがすべきことをあきらかにしていく過程が重要です。 相互に利益を得ること    支援者が利用者から「生きた事例」として学ぶこともたくさんあります。あなたの目の前にいる利用者はまさに先生でもあるという姿勢を持ちましょう。お互いから学びあい、一緒に過ごす時間を楽しむことで、良好な関係が築かれていきます。 誠実な関係づくり     支援者はご本人に対して誠実で責任のある対応を行うこと、決して見下したり、嘘をついたり、はぐらかしたりしない・・・普通の人間関係と同様ですが重要なことです。 信頼のある関係づくり    相互に信頼ができ、尊敬の念を抱くことができる関係を目指します。 その後ようやくご本人の希望、不安や夢を共有することができるのです。 エンパワメントを促す関係づくり    ケアマネジメント(ケアを管理する)という言葉で誤解されるのですが、支援者は利用者の生活を管理する存在ではなく、ご本人が自分自身の支援プロセスの監督者となるための援助を行うという基本的姿勢は重要です。

7 (3)活用する支援 地域生活移行を支えるサービスの組み合わせが不足 圏域・他の法人のサー ビスを組み合わせる
地域生活移行支援を、単一の法人・事業者で行おうとするため、サービス提供が限られてしまう 圏域・他の法人のサー ビスを組み合わせる   地域生活支援を、単一の法人・事業者で支えるという考えから脱却し、圏域・他の事業所のグループホーム、通所事業、地域生活支援事業、雇用、インフォーマルサービスなどと連携して提示し・選択し・社会資源を組み合わせた支援 (3)活用する支援  例えば、地域移行を考えた時、当然、各事業所で提供できるサービスには限界があります。  施設であれば生活を丸抱えするため、単一法人でよかったのですが、アパート独居やグループホームに移行した場合、訪問系事業所、日中系事業所、短期入所、雇用先等、様々な事業所と力を合わせて支えていかなければなりませんし、より豊かな地域生活を送るためには、余暇や休日を過ごす場や友人を持つためのインフォーマルサービスが重要となります。  福祉サービス、雇用先、インフォーマルサービス等の社会資源を本人を中心につなぎ、生活の組み立てを行うために相談支援専門員がいます。  サービス管理責任者等は最初は「つながれる側」にいますが、サービス開始後は、日々濃密な時間を本人と過ごすことになりますから、本人のニーズの変化や次のステップへ移行する時期などの情報を積極的に相談支援専門員に伝え、むしろ本人とともに本人の計画変更をリードする存在となっていただきたいと思います。 インフォーマルなサービスのイメージはつきますか?

8 (4)固有ニーズへの支援 昼間の活動も同じ顔ぶれ 昼間は住居から離れてそれぞれの活動の場へ通う
グループホーム利用者が、同じ顔ぶれで日中活動サービス・余暇活動を利用するなど、地域で暮らしているのに、集団的で画一的な暮らしが見られる。 昼間は住居から離れてそれぞれの活動の場へ通う グループホームは暮らしの場であり、昼間の活動は、それぞれ個別固有の生活ニーズや生活パターンに応じて、働く場や活動の場に通うことが原則。 (4)固有ニーズへの支援  ようやく地域移行を果たしたといっても、施設がグループホームになっただけで変わり映えがしないという事例もあるかもしれません。  その後のより豊かな本人らしい生活を実現するためにも、昼間の活動の場を本人の固有の生活ニーズや生活パターンに応じたものとしなければなりません。  通う場所がない重度障害者や、小さな町で事業所がないなど、各地域の課題もあると思いますが、移動支援で散歩にいくとか、インフォーマルサービスの創出など、そういうときこそ地域の関係者皆で知恵を絞ることが重要です。 目標設定について、退院、退所、就職はゴール ではありません。

9 (5)生き方にかかわる支援 地域生活での老い・病いには、高齢者施設や入所施設・病院が終の住まい
老いや病いを得たとき、高齢者施設や入所施設・病院の利用という選択肢を当然と思い、疑問も持たずに終生の生活の場と決めている。 地域生活の継続・選択は、利用者ニーズが最優先される 入所施設・精神科病院からグループホーム・単身や夫婦でのアパート生活など、ニーズに応じて住まいも変わる。老いや病いを得たとき、暮らしの選択は、分かりやすい情報提供と、本人の意志に沿う支援であるかが重要。 (5)生き方に関わる支援  障害者も高齢となりますし、加齢に伴い病気がちにもなってきます。その際、入院・入所という安易な決定がなされがちですが、  そうであれば、相談支援専門員もサービス管理責任者も存在意義がないことになってしまいます。  例えば、在宅やグループホームのまま訪問診療や訪問看護で支えられないかといった、本人のニーズに即した選択肢も検討される必要があります。  逆に、本人の意向を踏まえて、高齢者施設に入る選択もありえます。  本人のライフステージとして最後のステージを本人と一緒に考えていく姿勢が求められます。  生活支援とは「いのち・くらし・生きざま」支援です。

10 (5)+α 障害の重い人の生き方支援は 入所施設だけが選択肢?グループホームは高嶺の花?
(5)+α 障害の重い人の生き方支援は  入所施設だけが選択肢?グループホームは高嶺の花? 障害の重さ?というスケールに依存=あきらめている。 (誰が本人を代弁するの? 家族が代弁するの?) 入所施設からグループホームへ、医療支援体制も整える。 生活モデルを作ろう。   自立訓練で見極めは出来る・・・・・・表情から意思を汲み取れる。そのノウハウをどう活かすかが支援者の力量。 あきらめず始めてみないと分からない。 (5)+α 障害の重い人の生き方支援は  重度障害者は入所施設にいるしかないのかという問題意識は以前からありました。  入所施設や病院から抜け出すため、脳性麻痺、脊髄損傷、筋ジストロフィー、ALS等の方々が障害者運動を展開してきたことにより、障害者施策が変化してきたのです。  これらの方々は、自分の意思をはっきりと表明できるという点が共通点でした。  ようやく、意思の表明ができない方々にも、地域生活を送ることが基本であり当然のことであるという基本的な考え方が浸透してきました。  意思決定支援の取組みの詳細は別の講義に譲りますが、意思表明が言葉で出来ない方々の地域移行をどのようにやっていくかが、今後の支援者の課題ともいえます。  さらに重症心身障害の方々は、生活の中に医療による支援が必要です。筋ジスやALSの方々がその道筋を作ってきた経緯もありますが、これも今後の大きな課題の一つです。

11 (6)ひとりの住民へ誘う支援 地域住民との交流を制限してしまう 一人の地域住民としての生活
迷惑をかけないようにとの支援者側の思いが優先し、地域住民との交流の機会を制限し、地域住民の一人としての生活を質的に確保していない。 一人の地域住民としての生活  地域の住民たちがホームを訪問し、利用者が町内の資源・町内会活動・町内サークル等に参加する機会を用意し、相互の交流を通じ、利用者が一人の地域住民として生活が広がるよう支援する。 (6)一人の住民へ誘う支援  どこに住んでいても、どんなに重度の障害があっても地域の住民であることに変わりはありません。  我々も働き盛りの間は地域とのつながりを作れないことも多いですが、子どもが学校に行っている間は輪番で横断歩道に立ったり、自治会で公園の掃除をしたりといった活動を通じてつながりを持つこともあると思います。  あるグループホームで、重症心身障害の方々が小学生の横断歩道の見守りを行っているそうです。最初は小学生もその姿に驚いていたようでしたが、徐々にいるのが当たり前となり、声をかけてくれるようになり、交流が生まれているようです。  つながりを持つということは、困ったときに相談できる人ができるということにもなります。  障害を持つ方々が違う世界に生きているのではなく、同じ地域の住民であることを双方が気づけるような支援が重要です。 地域をアセスメントしていますか? 地域社会への参加の機会のつくりかたを 持っていますか?

12 3.サービス提供のポイント (1)アセスメントとニーズの把握について
(2)日常生活動作、健康、コミュニケーション、社会的活動等の生活全般にわたるアセスメント (3)その人に必要な生活訓練の軸を見立てる (4)地域生活移行後の自己実現と社会的関係 (5)権利擁護のために (6)地域社会資源の把握 (7)課題整理の工夫 (8)個別支援計画はプロセスシート (9)きめ細やかなモニタリング (10)相談支援専門員、地域の関係機関との連携 3.サービス提供のポイントとしては以下の事項です。次のページから詳細を説明します。 (1)アセスメントとニーズの把握について (2)日常生活動作、健康、コミュニケーション、社会的活動等の生活全般にわたるアセスメント (3)その人に必要な生活訓練の軸を見立てる (4)地域生活移行後の自己実現と社会的関係 (5)権利擁護のために (6)地域社会資源の把握 (7)課題整理の工夫 (8)個別支援計画はプロセスシート (9)きめ細やかなモニタリング (10)相談支援専門員、地域の関係機関との連携

13 本人中心の生活を支援するためのアセスメント。 本人の障害特性と状態像を理解する。 主訴とニーズの違いを理解する。
(1)アセスメントとニーズの把握について 本人中心の生活を支援するためのアセスメント。 本人の障害特性と状態像を理解する。 主訴とニーズの違いを理解する。 「主語=私」で始まる計画となるよう本人のニーズに心がける。 表出出来ないニーズの把握にも留意する。 本人の声(ニーズ、不安、ストレス)を記録化する。 傾聴と共感 対話とかかわり (1)アセスメントとニーズの把握について  アセスメントを行う際は、本人中心の生活を支援するためのアセスメントであることを念頭に置く必要があります。  アセスメントにより、本人の障害特性と状態像を把握し理解します。  また、本人から表出された言葉(主訴)と本人が望む生活を叶えるための本当の願い(ニーズ)の違いを理解する必要があります。  その際、現実的でない主訴があっても、傾聴と共感の姿勢を持ち対話し関わりを持つ姿勢が重要です。  「主語=私」で始まる計画となるよう本人のニーズ中心となるよう心がけます。  本人がまだ整理できず表出出来ないニーズの把握にも留意する必要があります。  本人の発言(望み、不安、ストレス)を記録し、本人が整理できるよう援助しましょう。

14 (2)日常生活動作、健康、コミュニケーション、社会的活動等の生活全般にわたるアセスメント
援助過程、参加過程、環境との相互作用としてのアセスメント。 ストレングス4つの側面(①性格・人柄/個人的特性、②才能・素質、③環境、④興味・関心/向上心)。 ストレングスは対話と関係性から導き出す。 日常生活動作、IADL、健康、生活基盤、コミュニケーションスキル、社会生活技能、社会参加、教育、就労などの生活全般にわたるアセスメント‐生活の場面(環境)の正確な把握。 アセスメントは現状の把握とともに、過去の支援記録も参考になる。 自立訓練、グループホームの各事業毎に、重点的なアセスメント項目を確認する。 (2)日常生活動作、健康、コミュニケーション、社会的活動等の生活全般にわたるアセスメントを行ってください。  アセスメントはソーシャルワークの過程で最も重要視されます。また、アセスメント自体が過程であり、本人への援助の過程、本人が社会へ参加する過程、環境との相互作用を把握する過程です。  アセスメントの際は、本人のストレングスを把握することが重要となりますが、ストレングス4つの側面として、①性格・人柄/個人的特性、②才能・素質、③環境、④興味・関心/向上心があります。  これらのストレングスは対話と関係性から導き出します。  日常生活動作、IADL、健康、生活基盤、コミュニケーションスキル、社会生活技能、社会参加、教育、就労などの生活全般にわたるアセスメントを行います。また、生活の場面(環境)の正確な把握もアセスメントの要素です。  アセスメントの際は、本人との会話や生活状況の観察など現状の把握とともに、過去の支援記録も参考になります。  自立訓練やグループホームなど、各事業毎に、重点的なアセスメント項目(自立訓練では各動作の遂行能力等、グループホームでは生活能力等)を選択しチェックすることになります。

15 (3)その人に必要な生活訓練の軸を見立てる
(3)その人に必要な生活訓練の軸を見立てる    将来的に、グループホームを目指すのか、一人暮らしを目指すのか、就労を目指すのか、生活習慣の確立を目指すのか、長期目標を設定し、そのために必要な短期目標をスモールステップで設定し、支援内容を見立てる。  目指す目標に向けての支援上の課題(ニーズ)を丁寧に把握し、本人とともにその優先順位を設定する。  本人の不安やストレスの軽減を図りつつ、小さな前進を一緒に確認しつつ進める。 (3)その人に必要な生活訓練の軸を見立てる   本人の願いや望み、特性、現状能力等を把握し、将来的に、グループホームを目指すのか、一人暮らしを目指すのか、就労を目指すのか、生活習慣の確立を目指すのか、長期目標を置き、そのために必要な短期目標をスモールステップで設定し、支援内容を見立てます。  目指す目標に向けての支援上の課題(ニーズ)を丁寧に把握し、本人とともにその優先順位を設定します。  本人の不安やストレスの軽減を図りつつ、スモールステップで、小さな前進を一緒に確認しつつ進めます。

16 (4)地域生活移行後の自己実現と社会的関係の構築
地域の中で普通に暮らすために何が必要か、本人の好みや関心事からどのような自己実現を図るのか確認する。 本人の可能性やストレングスを把握する。 地域での活動の場がどのように生活を支え、社会的関係の繋がりを拡げることが出来るのか、具体的に確認する。 「自分が何かをして、それを他人が認めてくれる」ということは、社会的関係の中において、はじめて出来ること。 (4)地域生活移行後の自己実現と社会的関係の構築  本人が地域の中で普通に暮らすために何が必要か、本人の好みや関心事からどのような自己実現を図るのか考えていく必要があります。  そのためには、本人の可能性やストレングスを把握することが必要です。  本人の地域での活動の場がどのように生活を支え、社会的関係の繋がりを拡げることが出来るのか、具体的に考えていく必要があります。  「自分が何かをして、それを他人が認めてくれる」という社会的評価を得ることは、社会的関係の中において、はじめて出来ること。

17 家族関係、地域の人間関係、生活基盤や金銭管理状況などの正確な把握。
(5)権利擁護のために 本人の意向優先を第一に。 家族とのニーズをめぐるズレにどう向き合うか。  家族関係、地域の人間関係、生活基盤や金銭管理状況などの正確な把握。 エコマップを本人と一緒に作成する。 (5)権利擁護のためになすべきことは何でしょうか。  本人の意向を何よりも優先するという原則を大切にしましょう。  それは、家族とのニーズをめぐるズレがあった場合にどう家族と向き合うかということが問われてきます。  家族の思いも大切にしつつ、本人の思いを本人と一緒に伝える中で家族の変化を促していくことが必要です。   家族関係、地域の人間関係、生活基盤や金銭管理状況などを正確に把握しておき、権利侵害が生じた際に気づけるようにしておくことが必要です。  エコマップを本人と一緒に作成する際にこれらに留意しながら作成しましょう。 家族が「本人中心の支援」に移行するために、サービス管理責任者が できることを考えてみましょう。

18 (6)地域社会資源の把握 地域の社会資源を把握する。 地域の社会資源を本人が理解出来るように支援する。
  (6)地域社会資源の把握 地域の社会資源を把握する。 地域の社会資源を本人が理解出来るように支援する。 例えば、知的障害者が利用者の場合、地域の資源をビジュアル化(近くの店、駅、目立つ建物等の写真を活用)し、どこに何があるのかわかりやすく提示。(見る支援)  さらに、資源をどのように活用するか、実際に体験していただくための支援。(体験の支援)    ・・・示す(される)からアクティブに利用(する)へ・・・ (自立支援)協議会にも積極的に参画し、関係機関とのつながりを進め、いざというときに頼れる仲間を増やす。 (6)地域における社会資源の把握は、相談支援専門員だけが行えばよいというものではありません。例えばグループホームでは、近くのスーパーやコンビニなども社会資源の一つととらえ、利用者にわかりやすく情報提供することが求められます。  まずは、自分の地域の社会資源を把握しましょう。  次に、地域の社会資源を本人が理解出来るように支援します。  例えば、知的障害者が利用者の場合、地域の資源をビジュアル化(近くの店、駅、目立つ建物等の写真を活用)し、どこに何があるのかわかりやすく提示します。(見る支援)  さらに、資源をどのように活用するか、実際に体験していただくための支援をします。(体験の支援)    ・・・示す(される)からアクティブに利用(する)へ・・・  (自立支援)協議会にも積極的に参画し、関係機関とのつながりを進め、いざというときに頼れる仲間を増やしましょう。

19 アセスメントでは、できることとできないことをチェックしているうちに、ご本人の全体像がぼやけてしまうことがある。
   (7)課題整理の工夫 アセスメントでは、できることとできないことをチェックしているうちに、ご本人の全体像がぼやけてしまうことがある。  ⇒アセスメントを100字程度で要約してみる。 ご本人の全体像をふまえて、ご本人の希望に即した支援を行うための解決すべき課題を整理する。 ご本人の解決すべき課題から目標を導き出し、それが、なぜご本人にとって大切なのかを整理する。 (7)課題整理の工夫  アセスメントでは、できることとできないことをチェックしているうちに、ご本人の全体像がぼやけてしまうことがあります。  アセスメントを100字程度で要約し、本人の全体像を表してみましょう。  ご本人の全体像をふまえて、ご本人の希望に即した支援を行うための解決すべき課題(ニーズ)を整理しましょう。  ご本人の解決すべき課題から目標を導き出し、それが、なぜご本人にとって大切なのかを整理します。  本人の目標が明確な場合は、まず目標を設定し、それに向けた支援内容をプログラムすることもあります。

20 (8)個別支援計画 個別支援計画は、生活支援の現時点でのプロセスシート アセスメントと個別支援計画は援助過程において循環する。
計画をつくることが目的ではありません。 個別支援計画は、生活支援の現時点でのプロセスシート アセスメントと個別支援計画は援助過程において循環する。 長期目標は、本人の希望から得られる。良い長期目標は、本人の情熱、希望、夢が反映されている。 本人の目標を受け止め、そのために必要なことを一緒に考える。 本人にとって成功の可能性が高い目標であること。 短期目標は、本人とって肯定的で、成功の可能性が高く、経過がわかりやすいもの。 さらに、目標達成のための小さなステップをつくる。その際は、現実的でわかりやすく、期限があること。 (8)個別支援計画  個別支援計画は、生活支援の現時点でのプロセスシートという位置づけになります。  アセスメントと個別支援計画は援助過程において循環します。支援開始から日々アセスメントが行われ、中期の計画変更に反映されます。  長期目標は、本人の希望から得られ、良い長期目標は、本人の情熱、希望、夢が反映されているものです。  本人の目標を受け止め、そのために必要なことを一緒に考える姿勢が重要です。  本人にとって成功の可能性が高い目標を一緒に考えます。  短期目標は、本人とって肯定的で、成功の可能性が高く、経過がわかりやすいもので、さらに、目標達成のための小さなステップです。現実的でわかりやすく、期限があることも重要な要素です。  計画書の書式をただ埋める作業になりがちですが、これらの基本姿勢を常に念頭に置きましょう。

21 (9)きめ細やかなモニタリング モニタリング項目の確認(生活に直結したチェック項目を本人と一緒に確認)。
本人のニーズや生活環境などに対してきめ細かいモニタリングを行い、小さな変化を見逃さず、個別支援計画の修正を繰り返す。 モニタリングは、権利侵害を防止する。 気軽に相談出来る仲間などの人間関係の拡がりはどうか。 個々の生活の場であるグループホームは閉鎖的になりやすい場であることを自覚し、権利侵害を防止する(集団管理の排除)。 計画をつくることが目的ではありません。 (9)きめ細やかなモニタリング  モニタリング項目の確認(生活に直結したチェック項目を本人と一緒に確認)しましょう。  本人のニーズや生活環境などに対してきめ細かいモニタリングを行い、小さな変化を見逃さず、個別支援計画の修正を繰り返しましょう。  モニタリングは、権利侵害を防止する役割もあります。日々の支援がついつい効率を優先したものになりがちで、本人の権利が侵害されていることに気づけない場合もあります。日々の支援を立ち止まって振り返る機会となります。   気軽に相談出来る仲間などの人間関係の拡がりはどうか。といった利用者の人間関係の視点や、   個々の生活の場であるグループホーム等は閉鎖的になりやすい場であることを自覚し、権利侵害を防止する(集団管理の排除)。  といった支援者の視点もあらためて問い直されます。

22 (10)相談支援専門員、地域の関係機関との連携
相談支援専門員との役割分担と連携。 個々が作り出す人間関係、地域の社会資源との関係を丁寧に取り結ぶ支援。 本人の社会的関係を拡げる地域の関係機関との連携。 地域生活に必要な地域の社会資源を改善、開発するために、協議会への参画。 連携とは?大切なことはなんですか。 (10)相談支援専門員、地域の関係機関との連携  まずは相談支援専門員との役割分担と連携を意識しましょう。  連携とは、縦ではなく横の関係、上下関係はない、お互いを尊重しあう関係です。  個々が作り出す人間関係や、地域の社会資源との関係を丁寧に取り結ぶ支援が重要です。  本人の社会的関係を拡げる地域の関係機関との連携も重要です。ここではボランティア組織などのインフォーマルサービスが登場してきます。  地域生活に必要な地域の社会資源を改善、開発するために、協議会へ積極的に参画しましょう。  協議会は、従来からあるインフォーマルなネットワークを組織化したものです。構える必要はありません。  最近では、協議会で言ったのに改善されないから協議会は意味がないなどの声も聞かれますが、あくまで協議する場であり、行政も含めて地域課題を共有する場です。  現状を変えるために、行政に訴えるだけではなく、関係者それぞれが何をなすべきか、みんなで考えていきましょうという場です。 協議会とは、新しい仕組みではありません。旧来のさまざまなサービスを生み出して きたインフォーマルなネットワークを組織化したもです。

23 4.サービス提供プロセスの実際 (1)サービス提供のプロセス (2)相談支援時の状況把握 (3)アセスメント (4)個別支援計画の作成
(5)個別支援計画の実施 (6)中間評価と修正 (7)終了時評価 4.サービス提供プロセスの実際 (1)サービス提供のプロセス (2)相談支援時の状況把握 (3)アセスメント (4)個別支援計画の作成 (5)個別支援計画の実施 (6)中間評価と修正 (7)終了時評価 23

24 (1)サービス提供のプロセス (サービス等利用計画) 相談支援時事業者 (1)相談支援時の状況把握 (2)アセスメント
(3)個別支援計画の作成  (4)個別支援計画の実施  (5)中間評価と修正     (6)終了時評価        (サービス等利用計画) 相談支援時事業者  ①初期状態の把握    ②基本的ニーズの把握  ③課題の整理       ①到達目標の設定     ②個別支援計画の作成  ①支援計画の中間評価          ②支援計画の修正     (1)サービス提供のプロセス 支     援     会     議 24

25 太郎さんを支えるサービス利用計画と個別支援計画の連携
太郎さんは、地域相談(地域移行支援)を利用して、20年間入院した精神科病院からグループホームに入居することを希望しています。退院後は、日中は就労継続B型事業を利用しながら、自分の人生を取り戻していきたいと希望しています。 グループホーム グループホームの サービス管理責任者 個別支援計画 就労継続B型事業所 就労継続B型事業所のサービス管理責任者 個別支援計画 退院したい。 サービス担当者会議 サービス等  利用計画 太郎さんの地域生活を支えていくために、相談支援専門員は、トータルプランとしてのサービス等利用計画を作成し、2つのサービス提供事業所のサービス管理責任者は、個別支援計画を作成して、連携が取れたサービスが提供されるように調整・支援している。 相談支援専門員 ここからは、事例を通してサービス利用計画と個別支援計画の連携をみていきましょう。 精神科病院に20年入信していた太郎さんは、相談支援専門員からのアセスメントを受け、サービス等利用計画で、グループホームへ入居しながらB型事業所への通所するという希望をプランにおとしました。 2つのサービス提供事業所のサービス管理責任者は、個別支援計画を作成して、連携が取れたサービスが提供されるように調整・支援することになりました。 行政職員 太郎さん 指定相談支援 事業所 25

26 相談支援専門員とサービス管理責任者の連携
相談支援専門員による支援 サービス等利用計画の変更 相談支援事業者 サービス等利用計画案 継続サービス利用支援 (モニタリング) サービス等利用計画     アセスメント        サ ー ビ ス 担 当 者 会 議  ① サ ー ビ ス 担 当 者 会 議 支給決定(市町村) 利用契約(利用開始) 個別支援計画の原案  個別支援計画の実施 (サービスの提供) 個別支援計画の変更 個別支援計画      アセスメント        個別支援会議 モニタリング サービス事業者 太郎さんの支援の流れです。 サービス管理責任者による支援

27 (2)相談支援時の状況把握--1 思いを聴くこと 事例より 実施方法 必要なツール サービス管理責任者の視点
自分の人生を取り戻したい 実施方法 本人の意向を丁寧に聴く(ラポール形成)。 抱えている課題(問題)を一緒に明らかにする。 緊急か否かの見立てをする。 主人公は(私)本人。 思いを聴くこと ・人生を取り戻すってどういう意味? ・共感的に聴く ・どんな暮らしをしたいのか ・再確認・・・ 働くこと、楽しむこと、役に立つことを望んでいるんだ。 どんな生活が待ち受けているのか不安です。 必要なツール 相談受付表 (2)相談支援時の状況把握--1  インテークでは、「思いを聴くこと」に重点を置きます。事例から  ・「人生を取り戻す」と太郎さんが言っているのはどういう意味で言っているのか、言語化を促してみましょう。  ・その際、共感的に聴くことが重要です。  ・どんな暮らしをしたいのか、太郎さんの思いを傾聴しましょう。  ・そして、整理して太郎さんに問い直してみましょう(再確認)   「働くこと、楽しむこと、そして社会の役に立ちたい」ということを望んでいることがわかりました。 サービス管理責任者の視点 ・本人の意向(問題解決の主人公は利用者)は? ・現実的なニーズは何か? ・本人から必要な情報が聞き取れているか。 27

28 (2)相談支援時の状況把握--2 思いを聴くこと 事例より 実施方法 必要なツール サービス管理責任者の視点
自分の人生を取り戻したい 実施方法 思いを聴くこと 相談支援専門員が招集したGH・就労継続B型のサービス管理責任者・行政・世話人・本人・家族でサービス担当者会議に参加して、ニーズを整理して、キーパーソン・役割分担を確認する。サービス等利用計画に基づき、太郎さんの意向を確認して個別支援計画の作成を準備する。 相談支援専門員は、本人、家族、サービス管理責任者・行政等と連携しサービス等利用計画を作成する。サービス管理責任者は本人の意向、支援方法について関係者と共有する。 アセスメント開始の協力・理解を得る。 提供が想定される具体的サービス、サービス利用の経費、利用の手続きについて情報提供し、確認する 個人情報の管理は慎重に行う 必要なツール (2)相談支援時の状況把握--2  太郎さんの事例では、相談支援専門員が招集したGH・就労継続B型のサービス管理責任者・行政・世話人・本人・家族によるサービス担当者会議に参加して、ニーズを整理し、キーパーソン・役割分担を確認しました。  サービス等利用計画に基づき、太郎さんの意向を確認しながら、個別支援計画の作成を準備します。 相談受付表 サービス管理責任者の視点 ・当該事業以外にどの程度の支援機関が関与しているか。 ・本人の同意の上で、関係機関の見立てや医療情報等の必要な情報が収集できているか。 ・本人・家族・関係機関等から必要な情報が聞き取れているか。 28

29 (2)アセスメント ①初期状態の把握 ・・・知ること(評価) 事例より 実施方法 必要なツール サービス管理責任者の視点
(2)アセスメント ①初期状態の把握 事例より 自分の人生を取り戻したい 実施方法 障害種別や支援方法に応じた評価表に基づき、適切な評価を行う。 身体状況や精神・心理状況など状態像の客観的な把握に努める。 個人情報の管理については慎重に行う。 グループホームの体験利用等で ・計画的な支出はどの程度できるか ・預金管理は?権利侵害の可能性は? ・健康管理・家事はどこまでできるか? ・余暇活動・仲間の状況確認 ・・・知ること(評価) 必要なツール 障害種別や支援事業に応じた評価表 (2)アセスメント ①初期状態の把握 グループホームの体験利用等を通して、以下の情報を得ました。 ・計画的な支出はどの程度できるか ・預金管理は誰がしているのか?権利侵害の可能性はないか? ・健康管理・家事はどこまでできるか? ・余暇活動・仲間の状況確認 その他、グループホーム、B型事業所の各評価表に基づきアセスメントを行います。 ・・・知ること(評価) サービス管理責任者の視点 ・適切な評価項目を選択しているか。 ・必要な情報が集められているか。 ・チームスタッフの意見など、必要な情報が集められているか。 29

30 (2)アセスメント ②基本的ニーズの把握 事例より 実施方法 必要なツール サービス管理責任者の視点
(2)アセスメント ②基本的ニーズの把握 事例より 自分の人生を取り戻したい 実施方法 本人(必要に応じて家族)の意向を丁寧に聴取しニーズを把握。 評価から得た心身状態の結果と本人の意向から、到達目標につながる支援課題の把握。 ・調理ができるようになりたい。 ・計画的な金銭の使い方を身につけたい。 ・趣味は?何をしていると楽しいか。 ・どんな環境がしっくりくるのか。 ・人とのつきあい方は? ・役に立つってどんことなのか。 ・望んでいる生活を・・・確認する 必要なツール 障害種別や支援事業に応じた評価表 サービス管理責任者の視点 ・本人のストレングスを的確に評価しニーズ把握しているか。 ・関係者の意見は把握しているか。 ・必要な情報が集められているか。 ・データに基づく客観的な分析ができているか。 (2)アセスメント ②基本的ニーズの把握 太郎さんの事例では、サービス等利用計画で把握されているニーズを土台に、望んでいる生活を具体的に確認していきます。 ・調理ができるようになりたい。計画的な金銭の使い方を身につけたい。というニーズが具体的にわかりました。 その他の確認事項として ・趣味は?何をしていると楽しいか。 ・どんな環境がしっくりくるのか。 ・人とのつきあい方は? ・役に立つってどんことなのか。 などを確認していきます。 30

31 (3)アセスメント ③課題の整理 事例より 実施方法
(3)アセスメント ③課題の整理 事例より 自分の人生を取り戻したい 実施方法 本人の初期状態や基本的ニーズの把握から、課題を整理する。 支援項目ごとの課題は、整理にあたって優先順位を設定して進める。 課題設定が本人不在とならないように留意。 ・菊作りが趣味。 ・働く気持ちはあるが、頑張り過ぎて疲れやすい。 ・人の役に立つボランティア活動をしたい。           ・阻む阻害要因は何か・・・見極めること   GH・CHであれば、世話人・生活支援員・ヘルパー等に第一次アセスメント調査に参加してもらう・・・ 必要なツール 障害種別や支援事業に応じた評価表 支援項目ごとの課題の整理表 (3)アセスメント ③課題の整理 太郎さんの事例では、 ・菊作りが趣味であること。 ・働く気持ちはあるが、頑張り過ぎて疲れやすいこと。 ・人の役に立つボランティア活動をしたいと思っていること。 がわかってきました。 ・これらは太郎さんが望めばすぐにできることなのでしょうか、もしできないなら、阻む阻害要因は何なのでしょうか ・・・「課題の整理」は、これらを見極めることが重要となります。 サービス管理責任者の視点 ・データに基づく客観的な分析ができているか。 ・具体的で適切な課題が示されているか。 ・優先順位は付けられているか。 31

32 (4)個別支援計画の作成-1(サービス等利用計画との連携)
事例より 自分の人生を取り戻したい 実施方法 サービ提供機関の個別支援計画を突合し、調整し、サービス等利用計画へ反映させる。 課題から、サービス提供の到達目標が共有されているか、個別到達目標(項目=ニーズ)の役割分担は整合性・連続性があるか サービス提供に偏りはないか。 到達目標 充実した生活をおくる。 項目(ニーズ) 本人の役割 サービス提供機関 日常生活 調理と金銭の使い方を覚えます。 グループホーム 働くこと 頑張りすぎないよう心がけます。              就労継続B 楽しむこと 庭で菊作りをします。 役に立つこと 駅前清掃活動に参加します。 地域活動 必要なツール 個別支援計画表・課題整理表 サービス利用計画表 (4)個別支援計画の作成-1(サービス等利用計画との連携) 太郎さんの事例では、サービス等利用計画において「充実した生活を送る」という到達目標を掲げ、グループホームでは、調理と金銭管理と庭での菊づくり、B型では、頑張りすぎないよう働くことを支援しつつ、社会に役立つことをしたいというニーズに対して駅前清掃活動に参加するという計画を立案しました。 サービス管理責任者の視点 ・具体的で適切な課題と目標が示されているか。 ・本人、(家族)もイメージできるものとなっているか。 32

33 (4)個別支援計画の作成-2(個別支援計画)
事例より 自分の人生を取り戻したい 実施方法 サービス等利用計画との整合した到達すべき目標を定める。 到達目標は、サービスの到達目標である主目標と個別到達目標(項目=ニーズ)などからなる。 到達目標は、時間軸をとおして段階を踏んで達成される。 時間(支援期間)と領域(支援内容)の観点から個別支援計画を作成。   到達目標 生活上の力が身につき、楽しみが見つかり、人づきあいに広がりがみられる。 項目(ニーズ) 支援内容 担当者 調理の上達 献立をつくりながら調理をします。 世話人 金銭の使い方 出納帳をつけましょう。   楽しむこと 菊作り 世話人・地域の人 役に立つこと 地域活動(ボランティグループ)に紹介します。 サービス管理責任者 必要なツール 個別支援計画表・課題整理表 サービス利用計画表 (4)個別支援計画の作成-2(個別支援計画) グループホームのサービス管理責任者は、太郎さんのサービス等利用計画を土台に、個別支援計画を作成します。 「生活上の力が身につき、楽しみが見つかり、人づきあいに広がりがみられる。」との到達目標を掲げ、 調理、金銭管理、菊づくり、地域活動に関する支援を盛り込みました。 サービス管理責任者の視点 ・具体的で適切な課題と目標が示されているか。 ・本人、(家族)もイメージできるものとなっているか。 33

34 (5)個別支援計画の実施-1 実施方法 事例より 必要なツール サービス管理責任者の視点 支援スタッフの役割を明確にする。
自分の人生を取り戻したい 実施方法 支援スタッフの役割を明確にする。 支援スタッフはお互いに情報交換しながら支援を実施。 時間軸(段階)を意識した支援に努める。 支援のペースやスケジュールについては、本人の同意を得て実施する。 設定された目標を、効率よく達成することに努める。 世話人さんと一週間の献立をつくることから始めます。夕食では調理の段取りを覚えます。金銭の使い方は、出納帳に記録することから始めます。・・・できることと苦手なことを確認すること 必要なツール 個別支援計画実施表 (5)個別支援計画の実施-1  グループホームでの太郎さんの支援は、まず、世話人さんと一週間の献立をつくることから始めます。  夕食では調理の段取りを覚え、少しずつ自分で作れるよう支援します。  金銭の使い方は、出納帳に記録することから始めます。  実際の日々の支援の中で、具体的にできることと苦手なことを確認していきます。  日々の支援の中でも細かなアセスメント、スモールステップでの目標設定、できたことを一緒に確認を繰り返します。 サービス管理責任者の視点 ・支援スタッフの相互連携がとれているか。 ・段階を意識した支援となっているか。 ・利用者の同意を得ながら支援しているか。 ・設定された目標は効率よく達成されているか。 34

35 (6)中間評価と修正 ①個別支援計画の評価 事例より 実施方法 サービス管理責任者の視点 時期(段階)ごとに、到達目標達成度を評価・分析。
(6)中間評価と修正 ①個別支援計画の評価 事例より 自分の人生を取り戻したい 実施方法 時期(段階)ごとに、到達目標達成度を評価・分析。 本人にサービスが適切に提供されているかを評価。 達成度は、初期状態と比較して主目標及び個別目標の観点から評価。 評価は本人も一緒に。併せて、本人の意向や環境の変化なども評価。 個別支援計画の評価は本人も一緒に 目標をクリアした点、困難な点を、本人に充分に説明し、困難な目標については、ブレイクダウンした実現可能な当面の目標設定の検討 当初のアセスメントとのズレの確認 本人のエンパワメントの視点で・・・評価 必要なツール 中間評価記録表 (6)中間評価と修正 ①個別支援計画の評価  太郎さんへの支援開始から3か月がたち、GHのサービス管理責任者は個別支援計画の評価を行います。その際は本人も一緒に評価に参加していただきます。  目標をクリアした点、困難な点を、本人に充分に説明し、困難な目標については、ブレイクダウンした実現可能な当面の目標設定の検討をします。  当初のアセスメントで見落としていたことや、日々の支援を通して変化してきたことなどがあるはずです。当初とのズレを確認し修正します。  ズレが大きい場合や将来目標が変化した場合は相談支援専門員にも情報提供します。(必要に応じて事業所の個別支援会議に招集します。)  20年間入院生活を送ってきた太郎さんですから、退院後少しずつ自分本来の力を取り戻しつつあるはずです。初期計画の評価は、本人がエンパワメントしているという視点で行いましょう。 サービス管理責任者の視点 ・段階ごとの到達目標の達成度はどうか。 ・本人の満足度はどうか。 ・本人の意向や環境の変化をとらえているか。 35

36 (6)中間評価と修正 ②個別支援計画の修正 事例より 実施方法 必要なツール サービス管理責任者の視点
(6)中間評価と修正 ②個別支援計画の修正 事例より 自分の人生を取り戻したい 実施方法 到達目標に達成するためにサービス利用計画・個別支援計画プログラムを修正。 提供されるサービス内容を修正。 修正にあたっては、 時間軸と支援(サービス)内容の観点から修正・変更。 本人に修正や変更の同意を得る。 ズレの修正。 調理は上達した。 働くことにも慣れてきたけれど物足りない。 菊作りは楽しい、同好会に入りたい。 グループホームの同居の人としっくりこない。  変更事由が発生したら、適時個別支援会議を開催し、本人も交えて事業所内で確認。相談支援専門員へ情報提供し、サービス担当者会議に参加、計画修正に関する意見を述べる。 必要なツール サービス等利用計画・個別支援計画の修正・変更記録表 (6)中間評価と修正 ②個別支援計画の修正  太郎さんの初期計画とのズレを修正する必要があります。  太郎さんからはこのような言葉を聴くことが出来ました。  調理は上達した。  働くことにも慣れてきたけれど物足りない。  菊作りは楽しい、同好会に入りたい。  グループホームの同居の人としっくりこない。  変更事由が発生したら、適時個別支援会議を開催し、本人も交えて事業所内で確認します。  相談支援専門員へ情報提供し、サービス担当者会議に参加、計画修正に関する意見を述べます。 サービス管理責任者の視点 ・本人の意向や目標の達成度など、支援の進捗度を見定め、軌道修正しつつも、最終目標は見失わないように。 36

37 (7)終了時評価 キーパーソンを確認する 実施方法 事例より 必要なツール サービス管理責任者の視点
自分の人生を取り戻したい 到達目標達成度を含めたサービス等利用計画・個別支援計画全体を客観的に評価。 サービス提供はスムーズに行われたか、また、行われなかった場合の原因は何かを評価。 本人の状態の変化・満足度などの観点から評価。 同様のケースの個別支援計画作成に評価を活かす。 サービス担当者会議での振り返り。 グループホームを退所して、 一人ぐらしをしたい・・・・。 再アセスメント。支援計画の修正を経て・・・。⇒終結 支援のふり返り(評価)が重要 どのようにフェイディングしていくのか 相談支援専門員による見守り サービス管理責任者によるフォローアップ 地域の人的資源との関わり・・・等 キーパーソンを確認する 必要なツール 終了時評価表 (7)終了時評価  太郎さんは、グループホームを退所して、一人暮らしをしたいとの願望を持ちはじめました。  GHのサービス管理責任者は再アセスメントし、個別支援計画を修正し、支援を行った結果、一人暮らしとなり、GHの支援は終結を迎えます。  初期から中期(複数)の計画の変遷や日々の支援記録は、その事業所の貴重な財産です。   最終的な支援のふり返り(評価)のため、修了時評価をしっかり作成しておきましょう。  とはいえ、どのように支援をフェイディングしていくのかという視点も持たなくてはなりません。  相談支援専門員による見守り、つまり「地域定着支援」の活用も検討しましょう。  サービス管理責任者も、これまで濃密に関わったものとしてフォローアップしていく視点も必要です。  平成30年度以降は障害者総合支援法改で「自立生活援助」の活用も可能となります。  地域の人的資源と関わり、太郎さんの地域生活を支えていける環境をつくる、つまり、太郎さんの地域生活におけるキーパーソンをつくっていく支援が必要です。 以上、太郎さんのインテークから支援終結まで、サービス管理責任者が何をなすべきかという観点からみてきました。 繰り返しになりますが、初期から終結までの計画作成・見直しの過程、日々の支援記録はその事業所の財産です。 そこに新たな発見があるケースや望ましい支援ができたケース、失敗から学べるケースは、是非地域のなかで情報共有し、地域全体の支援力の底上げに役立てていって下さい。 サービス管理責任者の視点 ・到達目標の達成度はどうか。 ・適切なサービス提供ができたか。 ・利用者の満足度はどうか。 ・事例としてまとめ今後の参考としているか。 37


Download ppt "   個別支援計画作成の   手順とポイントについて."

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