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胸部領域疾患 ~症状と検査画像から病気を読もう~

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1 胸部領域疾患 ~症状と検査画像から病気を読もう~
埼玉県診療放射線技師会 2014/10/23 第2回定期講習会  胸部領域疾患 ~症状と検査画像から病気を読もう~ 東大宮総合病院 放射線科       ○ 田上陽菜 鈴木仁史 1

2 救急出動の件数の推移 UP?? Down?? H26/03/28 総務省消防庁による 『H25年の救急出動件数(速報)』 2
埼玉県診療放射線技師会 2014/10/23 第2回定期講習会  救急出動の件数の推移 UP?? Down?? こちらは総務省消防庁によって発表された救急出動件数を表したグラフです。 平成15年からさかのぼって見てみると平成21年あたりから救急出動件数は年々増加傾向にあります。 今回「症状と検査画像から胸部領域疾患を読もう」ということで何例か症例を発表していきますが、 救急出動の件数が増え、受け入れ件数も増えているという背景のもと、 より救急性の高い胸部疾患である血管系に注目して紹介していきたいと思います。 H26/03/28 総務省消防庁による 『H25年の救急出動件数(速報)』 2

3 ・症例1 ・症例2 ・まとめ 目次 3 埼玉県診療放射線技師会 2014/10/23 第2回定期講習会
2014/10/23 第2回定期講習会  目次 ・症例1 ・症例2 ・まとめ 2つの症例に対して、技師でも関われるように検討していきます。 3

4 埼玉県診療放射線技師会 2014/10/23 第2回定期講習会  症例1 〈搬入時バイタル〉 46歳男性 エレベーター内で意識消失 病院到着時軽度嘔気あり・頭痛めまいなし 左下肢浮腫あり(1か月前より) BP 94/61 HR 98 SPO2 92% KT 35.6 〈既往歴〉 特になし ※smoking(+) 20本/日 alcohol(+) 日本酒3合/日 症例1です 46歳男性・エレベーター内で意識消失後、救急要請された方です。 病院到着時には軽度嘔気があり、頭痛やめまいはなし。 1か月前より左下肢浮腫あったとのことです。 本人の自覚している既往歴は特にありませんでした。 4

5 埼玉県診療放射線技師会 2014/10/23 第2回定期講習会  採血結果 ・WBC 82 (×102/ Uℓ) ・RBC 400 (×104/ Uℓ) ・CRP 0.19(mg/dℓ) ・LD 485(U/ℓ) ・血中FDP 97.5(μg/mℓ) 基準値 5以下(μg/mℓ) ・Dダイマー定量 55.7(μg/mℓ) 基準値 1.0以下(μg/mℓ) 採血結果では、白血球数・赤血球・CRPは基準値内ですが、 血中FDPが97.5(μg/mℓ)・Dダイマー定量 55.7(μg/mℓ)と高値を表しています。 この時点でどのような疾患が疑われるでしょうか? どのような疾患を疑いますか?? 5

6 胸部レントゲン 所見なし ※胸部レントゲンを撮影 していなかった為、 スカウト画像を添付 しています。 6 埼玉県診療放射線技師会
2014/10/23 第2回定期講習会  胸部レントゲン 所見なし 胸部レントゲンを添付したかったのですが、撮影していなかった為、スカウト画像を添付しています。 この画像では特に所見はありませんでした。 ※胸部レントゲンを撮影  していなかった為、  スカウト画像を添付  しています。 6

7 造影CT画像(胸部) 両肺動脈主幹部から末梢側にかけての低吸収域が見られ、静脈内血栓に伴う肺血栓塞栓症(=PTE)を疑う所見。 7
埼玉県診療放射線技師会 2014/10/23 第2回定期講習会  造影CT画像(胸部) 胸部の造影CT画像です。 両肺動脈主幹部から末梢側にかけての低吸収域が見られ、静脈内血栓に伴う肺血栓塞栓症(=PTE)が疑われます。 両肺動脈主幹部から末梢側にかけての低吸収域が見られ、静脈内血栓に伴う肺血栓塞栓症(=PTE)を疑う所見。 7

8 造影CT画像(骨盤、下腿部) 左外腸骨静脈から左大腿静脈にかけての血管内血栓が見られ、深部静脈血栓症(=DVT)を疑う所見。 8
埼玉県診療放射線技師会 2014/10/23 第2回定期講習会  造影CT画像(骨盤、下腿部) 骨盤~下腿部にかけての造影CT画像です。 左外腸骨静脈から左大腿静脈にかけての血管内血栓が見られ、深部静脈血栓症(=DVT)を疑います。 左外腸骨静脈から左大腿静脈にかけての血管内血栓が見られ、深部静脈血栓症(=DVT)を疑う所見。 8

9 〈左下肢の浮腫〉 →第一に考えられるのはDVTの存在 →PTEの併発 +FDP・Dダイマーの上昇 +家族歴にPTE
埼玉県診療放射線技師会 2014/10/23 第2回定期講習会  〈左下肢の浮腫〉 →第一に考えられるのはDVTの存在 →PTEの併発 +FDP・Dダイマーの上昇 +家族歴にPTE PTEの塞栓源の約90%以上は、 下肢あるいは骨盤内のDVTである。 今回の症例の注目点は、 1か月前から下肢に浮腫があったという点です。 下肢の浮腫で疑わなければならないのがDVTです。 また、PTEの原因の約90%以上は、下肢あるいは骨盤内の血管内血栓です。よって必然的にPTEの併発も疑われます。 下肢DVT発生の約90%は左下肢に見られます。左腸骨静脈の前面に右腸骨動脈が走行し、左腸骨静脈が圧迫され血流の停滞が生じやすい為です。 そしてDVT・PTEの存在を疑う根拠となりうるのがFDP・Dダイマーが上昇していた点と、後にわかった情報として家族歴で母親がPTEと診断されていた、という点です。 患者の母親がPTEと診断されていた 9

10 FDP?D-dimer? どのような検査? 何がわかるのか? 体の中の血栓の存在で線溶現象が亢進。 FDP、D-dimer高値
埼玉県診療放射線技師会 2014/10/23 第2回定期講習会  FDP?D-dimer? どのような検査? 線溶現象(フィブリン溶解現象)を調べる 何がわかるのか? 体の中の血栓の存在で線溶現象が亢進。    FDP、D-dimer高値 ・播種性血管内凝固症候群(DIC)や肺塞栓症  など、血栓を起こす病気の発見 ・重症度の推定 今回出てきたFDP・Dダイマーについて説明したいと思います。 この検査は線溶現象(フィブリン溶解現象)を調べる為のものです。 体の中の血栓の存在で線溶現象が亢進し、FDP・Dダイマーが高値となります。 播種性血管内凝固症候群(DIC)や肺塞栓症など、血栓を起こす病気の発見につながり、重症度の推定にも使われます。 10

11 DVT・PTEの危険因子 血栓性素因に含まれる 〈血栓症の家族歴〉 先天性血栓性素因の 20 ~30 %を占める。
埼玉県診療放射線技師会 2014/10/23 第2回定期講習会  DVT・PTEの危険因子 血栓性素因に含まれる 〈血栓症の家族歴〉 先天性血栓性素因の 20 ~30 %を占める。 DVT・PTEの危険因子を表した表です。 危険因子が強いものの中に血栓性素因という項目があります。 この血栓性素因の中には、血栓症の家族歴が20~30%の割合で含まれています。 よって、この情報もDVT・PTEの存在を疑う根拠となりうるといえます。 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断・治療・予防に関する ガイドラインより抜粋 11

12 埼玉県診療放射線技師会 2014/10/23 第2回定期講習会  診断結果 診断名・・・肺血栓塞栓症+深部静脈血栓症 【Point】 ・下肢浮腫/呼吸困難/胸痛/ショック症状/失神 /動悸 etc‥ ・造影CT→肺動脈・下肢静脈の低吸収域 ・単純CT→肺実質に区域性のスリガラス影 ・肺動脈圧上昇に伴い、大動脈径<肺動脈径 診断結果です。 診断名は肺血栓塞栓症及び深部静脈血栓症でした。 PTEおよびDVTの一般的な症状には、下肢浮腫・呼吸困難・胸痛・ショック症状・失神・動悸などが挙げられます。 また、造影CTにて血栓部に低吸収域が明らかとなりますが、PTEは胸部単純CTでも特徴的な所見がみられる場合があります。 また、肺動脈圧上昇に伴い、大動脈径より肺動脈径が太くなることもあります。 両側肺動脈本管に認められる血栓・DVTの残存から突然死を含み急変する可能性が高く、当院では対応困難とし、他病院に救急転送されました。 12

13 参考までに‥ 前スライスにあった単純CTでみられるPTEの特徴的な所見です。 右肺下葉S8末梢側に小葉隔壁を伴うスリガラス影がみられます。
これは血流量低下を反映する低吸収域と血流のシフトによる高吸収域からなると考えられています。

14 埼玉県診療放射線技師会 2014/10/23 第2回定期講習会  症例2 〈搬入時バイタル〉 85歳女性 自宅にて呼吸苦・冷感・胸痛発症 後背部痛 BP 80/58 HR 77 SPO2 98% KT 36.3 〈既往歴〉 HT・気管支喘息・骨粗しょう症 直腸がん・大腿骨骨折 症例2です。 85歳女性・自宅にて呼吸苦・冷感・胸痛からの後背部痛を発症し救急要請された方です。 既往歴には高血圧・気管支喘息などがあり、直腸がんのオペ歴がありました。 13

15 埼玉県診療放射線技師会 2014/10/23 第2回定期講習会  採血データ ・WBC 67×102 /Uℓ ・RBC 393×102 /Uℓ ・CRP 0.19(mg/dℓ) ・血中FDP 7.2(μg/mℓ) 基準値 5以下(μg/mℓ) 採血結果は、白血球数・赤血球数・CRPは基準値内ですが、血中FDPに上昇がみられました。 どのような疾患を疑いますか?? 14

16 胸部レントゲン 心陰影拡大 心嚢水貯留 肺水腫 15 埼玉県診療放射線技師会 2014/10/23 第2回定期講習会
2014/10/23 第2回定期講習会  胸部レントゲン 心陰影拡大 心嚢水貯留 胸部レントゲン画像です。 赤く囲った線の部分まで心陰影が拡大しており、肺水腫や心嚢水の貯留が疑われます。 肺水腫 15

17 造影CT画像 16 埼玉県診療放射線技師会 2014/10/23 第2回定期講習会 造影CT画像です。
2014/10/23 第2回定期講習会  造影CT画像 造影CT画像です。 上行大動脈起始部に半月状の高濃度域があり、急性期の大動脈解離が疑われます。 肺野条件では実質内の異常はありませんでした。心膜内には少量の心嚢水も見られます。 16

18 解離腔 造影 単純 17 埼玉県診療放射線技師会 2014/10/23 第2回定期講習会
2014/10/23 第2回定期講習会  解離腔 造影 造影CT画像で明らかですが、単純CT画像でも濃度調整を行うことで解離を起こした内膜の存在を認めることができます。 単純 17

19 〈胸痛〉 →大動脈解離の可能性を疑う! →考えられるのは‥ 肋骨骨折?大動脈解離? 胸膜炎?心疾患? etc‥ 〈背部痛への変化〉
埼玉県診療放射線技師会 2014/10/23 第2回定期講習会  〈胸痛〉 →考えられるのは‥  肋骨骨折?大動脈解離?  胸膜炎?心疾患?  etc‥ 〈背部痛への変化〉  解離腔が大血管に沿って広がる事で  痛みが背部へ移行している?? →大動脈解離の可能性を疑う! 今回の症例の注目点は主訴が胸痛であるという点です。 考えられるのは肋骨骨折や大動脈解離、胸膜炎、心疾患などです。 また、胸痛が背部痛に変化しているのも重要な注目点です。 解離が遠位側の大動脈へ広がることで痛みは背部へ移動するため、大動脈解離の可能性が大きくなります。 18

20 大動脈解離の分類 Stanford B型 Stanford A型 19 DeBakey Ⅰ型 DeBakey Ⅱ型 DeBakey Ⅲa型
埼玉県診療放射線技師会 2014/10/23 第2回定期講習会  大動脈解離の分類 Stanford A型 DeBakey Ⅰ型 DeBakey Ⅱ型 Stanford B型 DeBakey Ⅲa型 DeBakey Ⅲb型 大動脈解離は部位や範囲により分類をわけます。 一般的な分類として上行大動脈の解離の有無で分けられるStanford分類と解離範囲により細かく分けられているDeBakey分類があります。 Stanford分類は上行大動脈に解離があるものをA型・上行大動脈に解離がないものをB型と表します。 DeBakey分類では上行大動脈に瘤があり、弓部大動脈より末梢に解離が及ぶものをⅠ型、 上行大動脈に解離が限局するものをⅡ型、 下行大動脈に瘤があり、腹部大動脈に解離が及ばないものをⅢa型、解離が及ぶものをⅢb型と表します。 19

21 大動脈解離の症状 “大動脈造影CTが第一選択” 急性大動脈解離の初診時診断率は7割 ・胸痛95%程度、85%が急激発症する。
埼玉県診療放射線技師会 2014/10/23 第2回定期講習会  大動脈解離の症状 急性大動脈解離の初診時診断率は7割 ・胸痛95%程度、85%が急激発症する。 ・来院時の症状・所見  大動脈弁逆流による逆流性雑音28~31%  脳梗塞4.7~17%  対麻痺(脊髄動脈の虚血)10%  失神8~13%  腸間膜動脈の虚血 胸部X線での上縦隔の開大 感度59%       上肢の血圧の左右差 感度15~38%         Dダイマー> 400ng/mlは感度99% “大動脈造影CTが第一選択” 大動脈解離の症状についてです。 急性大動脈解離の初診診断率は7割であるといわれています。 胸痛が95%、そのうち急激発症するものが85%です。 来院時の症状・所見としては血流雑音、脳梗塞、対麻痺、失神、腸間膜動脈の虚血などがあります。 また診断における感度の高いものとして、胸部X線撮影での上縦隔の開大 上肢の血圧の左右差 D-dimer の高値が挙げられます。 緊急性が高いため、大動脈解離が疑われた場合は大動脈造影CTが第一選択されます。 20

22 埼玉県診療放射線技師会 2014/10/23 第2回定期講習会  診断結果 診断名・・・急性大動脈解離 Stanford分類 A型 ※Debakey Ⅱ型 【Point】 ・胸痛/背部痛/呼吸苦/ショック症状 ・単純CTで血管内の石灰化は解離腔を疑う ・造影CTにて三日月型の高吸収領域 ・白血球数軽度↑CRP ↑FDP↑ Dダイマー ↑ ・Stanford A、DeBakey Ⅰ,ⅡはOPE適応 2症例目の診断結果は急性大動脈解離Stanford分類 A型であり、Debakey 分類ではⅡ型でした。 特徴として、胸痛・背部痛・呼吸苦・ショック症状があり、単純CTにて血管内の石灰化で解離控を疑われること。造影CT にて三日月型の高吸収領域がみられること、WBCの軽度上昇・CRP・FDP・Dダイマーの上昇が挙げられます。 Stanford A、DeBakey Ⅰ,Ⅱは上行大動脈から血液が心膜にもれ(心嚢水貯留)心タンポナーゼとなって心臓が機能しなくなってしまうため緊急でOPE適応となります。 21

23 放射線技師の役割‥ 少しでも多くの情報を 得た上で検査を行う!
埼玉県診療放射線技師会 2014/10/23 第2回定期講習会  まとめ 放射線技師の役割‥ 少しでも多くの情報を 得た上で検査を行う! 搬入状況 まとめです。 おおまかにいえば放射線技師の役割はオーダーされた検査を行うことですが、ただ指示通りに検査を行うだけでなく、救急搬送状況や採血データ、既往歴、主訴を把握した上で検査を行うことが重要です。 少しでも多くの情報を得ることで提出画像の質の向上、一次読影力の向上にも繋がります。 救急搬送受け入れ増加に伴って緊急性の高い患者も増えており、見逃してはならない症状や画像を見抜く力を身につけるためにも、普段の業務から患者背景に注目することが重要です。 採血データ 既往・主訴 etc‥ 23

24 参考資料 ・肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の 診断・治療・予防に関するガイドライン ・大動脈解離の診断に関するガイドライン ・日呼吸会誌
埼玉県診療放射線技師会 2014/10/23 第2回定期講習会  参考資料 ・肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の 診断・治療・予防に関するガイドライン ・大動脈解離の診断に関するガイドライン ・日呼吸会誌 24

25 ご清聴ありがとうございました 25 25


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