ネットワーク技術 II 第 7.2 課 イーサネット・テクノロジー 38 号館 4 階 N-411 内線 5459

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ネットワーク技術 II 第 7.2 課 イーサネット・テクノロジー 38 号館 4 階 N-411 内線 5459

Web 教材の間違い( 1 ) 本文 2 段落目 図 [2] に示すように、 1000BASE-TX 、 1000BASE- SX 、および 1000BASE-LX は、すべて同じタイミ ング パラメータを使用します。これは 1 ナノ秒、 つまり 10 億分の 1 秒のビット時間で す。・・・・ 1000BASE-T

Web 教材の間違い( 2 ) 図 [ 3 ] カテゴリ 5e UTP

Web 教材の間違い( 3 ) 図 [2] 10μm シングルモードファイ バ

Web 教材の間違い( 4 ) 本文 3 段落目 複合シリアル ビット ストリームは、 10GBASE- LX4 を除くすべてのバージョンの 10GbE で使用 されています。この方式では、 4 ビットの同時 ビット ストリームを、ファイバ内に同時送出さ れる 4 つの波長の光として多重化する WWDM ( Wide Wavelength Division Multiplex )が使用 されています。 『この方式』 =『 10GBASE-LX4 で採用されている方 式』

Web 教材の間違い( 5 ) 図 2 10μm SMF

ギガビットイーサネット規格 GbE = Giga bit Ethernet : 1Gbps の帯域幅を持つイーサネット規 格 種類規格メディア 1000Base-TIEEE802.3abUTP 1000Base-CXIEEE802.3z シールド付ケーブ ル 1000Base-SXIEEE802.3z 光ファイバ 850nm 1000Base-LXIEEE802.3z 光ファイバ 1310nm

1000Base-T (IEEE802.3ab) メディア UTP( カテゴリ 5e 、 ISO クラス D 以 上 ) 符号化4 D-PAM5 ( Pulse Amplitude Modulation 5 ) 信号線 4 対 8 本 250Mbps/ 対 ×4 対= 1000Mbps 伝送距離 100m 通信全二重・・・永続的に衝突があ る

1000Base-T の通信 4 対 8 本 (250Mbps/ 対 ×4 対= 1000Mbps) 全二重通信 同じワイヤ対上で送信と受信を行う  永続的に衝突が発生 · エコー キャンセル · レイヤ 1 の FEC ( Forward Error Correction :転送エラー 訂正) · 電位レベルの細心な選択 これらにより衝突問題を解決

1000Base-T の符号化 電位 : アイドル中 9 段階, 通信中 17 段階 4 D-PAM5 ライン符号化 ( Pulse Amplitude Modulation 5 )

1000Base-T の送信プロセス データを 4 つの並列ストリームに分割

1000Base-T と他の比較 通信信号線符号化電位 10Base-T 半二重 / 全二重 2対4本2対4本マンチェスター符号 2 段階 100Bae-TX 半二重 / 全二重 2対4本2対4本 4B/5B 符号 +MLT-3 符合 3 段階 1000Base-T 全二重 ( 半二 重 ) 4対8本4対8本 4D-PAM5 ライン符 号 9 段階 ( アイドル 中 ) 17 段階 ( 通信中 )

1000BaseT の対応規格 ケーブル 10Base-T100Base-TX1000Base-T カテゴリ 3 ◎ ×× カテゴリ 4 ◎ ×× カテゴリ 5 ◎◎ ○ カテゴリ 5e ◎◎◎ ○ : 使用可 ◎ : 推奨 × : 使用不可

1000Base-SX (IEEE802.3z) メディア光ファイバ( 850nm :近赤外 線) 50μMM, 62.5μMM 光源レーザー, LED 符号化 8B/10B +NRZ ( Non-Return to Zero ) 信号線 1 対 1 通信 送受信回線 (Tx,Rx) を持つ 伝送距離 220 ~ 500m 通信全二重, 衝突が無い

1000Base-LX (IEEE802.3z) メディア光ファイバ( 1310nm :近赤外 線) 10μSM, 50μMM, 62.5μMM 光源レーザー 符号化 8B/10B +NRZ ( Non-Return to Zero ) 信号線 1 対 1 通信 送受信回線 (Tx,Rx) を持つ 伝送距離 550m(MM), 5000m(SM) 通信全二重, 衝突が無い

1000Base-SX,LX の符号化 8B/10B 8B データを 10B データに変換  0 の連続, 1 の連続を防ぐ NRZ ( Non-Return to Zero ) 0 : 弱い光 1 : 強い光  LED, レーザーは完全に消灯すると時間がかか る

マルチモードとシングルモー ド 第 課参照

1000Base-CX (IEEE802.3z) メディアシールド付ケーブル (2 芯平衡型のシールドされた同軸ケーブ ル ) 符号化 8B/10B 伝送距離 25m あまり一般的ではない

ギガビットイーサネットの比 較

種類長所短所 1000Base-T インフラの更新に費用がかか らない 光ファイバに比べて設置コス トが 1/5 ケーブルの品質によりパ フォーマンスを十分に発揮でき ない ノイズの発生し易い場所では 不向き 最大 100m 1000Base-SX 1000Base-LX 伝送幅に余裕がある ノイズの影響を受けにくい 最大 5000m 既存のネットワークから更新 する場合、ケーブルを交換する 必要がある UTP に比べて設置コストが 5 倍 ケーブルの扱いがデリケート 1000Base-CX ノイズの影響を受けにくい ケーブルの扱いがデリケート 最大 25m 対応機器が少ない

10 ギガビットイーサネット 10Gbps の帯域幅を持つイーサネット規格 ( メディアは光ファイバの み ) IEEE802.3ae(2002 年 6 月 ) 10GBASE-SR 10GBASE-LX4 10GBASE-LR,-ER 10GBASE-SW,-LW,-EW

10GBase-SR (IEEE802.3ae) メディア光ファイバ( 850nm :近赤外 線) 50μMM, 62.5μMM 光源レーザー, LED 符号化 64B/66B 伝送プロセ ス 複合シリアルビットストリーム 信号線 1 対 1 通信 送受信回線 (Tx,Rx) を持つ 伝送距離 26 ~ 82m 通信全二重, 衝突が無い

10GBase-LX4 (IEEE802.3ae) メディア光ファイバ( 1310nm :近赤外 線) 10μSM, 50μMM, 62.5μMM 光源レーザー 符号化 64B/66B 伝送プロセ ス WWDM 信号線 1 対 1 通信 送受信回線 (Tx,Rx) を持つ 伝送距離 240 ~ 330m(MM), 10km(SM) 通信全二重, 衝突が無い

WWDM (Wide Wavelength Division Multiplex) 4 種類の波長で同時転送

10GBase-LR, -ER (IEEE802.3ae) メディア光ファイバ( 1310, 1550nm ) 10μSM 光源レーザー 符号化 64B/66B 伝送プロセ ス 複合シリアルビットストリーム 信号線 1 対 1 通信 送受信回線 (Tx,Rx) を持つ 伝送距離 10 ~ 40km 通信全二重, 衝突が無い

10GBase-SW, -LW, -EW (IEEE802.3ae) メディア光ファイバ( 850, 1310, 1550nm ) 10μSM, 50μMM, 62.5μMM 光源レーザー 符号化 64B/66B 伝送プロセ ス 複合シリアルビットストリーム 信号線 1 対 1 通信 送受信回線 (Tx,Rx) を持つ 伝送距離 300m ~ 40km 通信全二重, 衝突が無い

10G イーサネットの特徴 すべてのイーサネットと相互運用が可能 ビット時間は 0.1 ナノ秒 全二重なので、 CSMA/CD は不要 加えられた変更 (WAN 対応等 ) はわずか 高い柔軟性、効率、信頼性 単一のレイヤ 2 制御手法で LAN から WAN ま で 最大 40km

イーサネットの発展  帯域幅の推移  フレーム構成  各種パラメタ  CSMA/CD はどうなる?  メディアの使い分け

①帯域幅の推移 わずか 4 半世紀の間に、、、 10Mbps100Mbps 1000Mbps10Gbps 40Gbps80Gbps160Gbps 10-Gigabit Ethernet Alliance ( シスコもメンバー )

②フレーム構成 昔も今も同じフレーム形式 ( フォーマット ) 実質的なフレー ム

③各種パラメタ 基本的な変更は 10GbE から パラメタ 10M 100M 1G1G 10G10G ビット時間 [ns] スロット時間 [bit 時間 ] なし フレーム間隔 [bit] 96 再送試行限度 16 なし 再送待機限度 n ( ~ 2^n) 10 なし 衝突ジャム信号長 [bit] 32 なし フレームサイズ Max[octet] 1518 フレームサイズ Min[octet] 64 同じ帯域幅を持つ規格はすべて同じパラメタ の値

④ CSMA/CD はどうなる? 1 対 1 の全二重通信には衝突はありえない ! CSMA/CD に代わる方式が提案されてい る

⑤メディアの使い分け 銅線 ( 主流は UTP) : 1000Mbps 近辺ま で ワイヤレス: 1000Mbps 近辺まで 光ファイバ: 10Gbps およびそれ以上 レーザー光源とシングルモードが注 目 次世代 50μMMF が Best Solution

まとめ (1/4)  MAC 手法  フレームフォーマット  伝送プロセス  メディア  符号化法  GbE と 10GbE の比較  GbE と 10GbE のアーキテクチャの考え 方

まとめ (2/4)  MAC 手法 基本的に CSMA/CD は無くなった  フレームフォーマット これまでと何も変わらない  伝送プロセス 銅線メディア:複雑 光ファイバ:複合シリアル、パラレ ル伝送

まとめ (3/4)  メディア GbE:UTP( カテゴリ 5e,ISO クラス D 以上 ) 光ファイバ 10GbE :光ファイバ 光ファイバの課題:伝播容量、 光検出技術、光線の角度 と屈折  符号化法 4D-PAM5 : 1000BASE-T 8B/10B:1000BASE-X 64B/66B : 10GBASE

まとめ (4/4)  GbE と 10GbE の比較 下位互換、二重通信が基本 10GbE は WAN まで対応  GbE と 10GbE のアーキテクチャの考え 方 スイッチ接続された全二重 2 段階の符号化および伝送プロセス