基礎セミ第7章 (1-4) 偏光のしくみと応用 12T5094E 龍吟. 目次 光の偏光とは? 複屈折とは? 偏光を作り出すもの (偏光プリズム、偏光板、位相板)

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基礎セミ第7章 (1-4) 偏光のしくみと応用 12T5094E 龍吟

目次 光の偏光とは? 複屈折とは? 偏光を作り出すもの (偏光プリズム、偏光板、位相板)

光の偏光とは? 太陽や電球などの光源から放射される光は、光の電気ベクトルまたは磁気ベクトルの振動方向が 不規則でその時間平均をとると、一様にあらゆる方向に振動している。このような光は自然光あ るいは非偏光と呼ばれる。その振動方向が方向性をもつとき,その光を偏光と呼ばれる。 偏光は直線偏光、円偏光、楕円偏光の 3 種類ある。 赤 ( 緑 ) の線は右 ( 左 ) から見た振動の写像 紫 の線は進行方向から見た振動の写像

複屈折とは? ・光線がある種の物質(例えば方解石という結晶)を透過したときに、 その偏光の状態によって(偏光の向きによって物質の屈折率が異 なっている)、 2 つの光線に分けられること。それぞれ常光線と異 常光線と呼ばれる。一般に 2 つの屈折光はどちらも直線偏光で,偏 光面は互いに垂直である。 ・物質の複屈折性はこの式で定義する: Δn= n o - n e ・常光線についての屈折率は入射光の光学軸に対する角度には 依存しない。異常光線についての屈折率は入射光の光学軸に対す る角度によって変化する。

偏光を作り出すもの 自然光(非偏光)や円偏光から直線偏光を作り出すものを偏光子と呼ばれる。 ・複屈折を利用した偏光プリズム:ニコルプリズム ・図のように常光線は第一のプリズムと接着剤の界面で入射角が臨界角より大きいので全反射し、 第二のプリズムに入らない。 異常光線だけが第二のプリズムに入る。

偏光を作り出すもの ・複屈折を利用した偏光プリズム:ウォラストンプリズム ・直交する偏光面を持つ2つの光線に分離するためのプリズム。 ・他にロコンプリズム、グラン・フォーカルトプリズム、グラン・タイラープリズム、グラン・トンプソンプリズム

偏光を作り出すもの 偏光板: 特定方向に偏光だけに限って通 過させ、それ以外の偏光は遮断する。 どうやって偏光板を作る? ・二色性を持つ材料 ・適当な厚み

マリューの法則 ・偏光作用に光の強度の変化を表す ・二枚の偏光板を用意する ・検光子を回転させると 90° 毎に明るくなったり 暗くなったりする 検光子を透過する光の強度 I :

偏光を作り出すもの 位相板(または波長板): ・互いに垂直な方向に振動する直線偏光の間に所定の光路差, すなわち位相差を与える複屈折板。 どうやって位相板を作る? ・複屈折を起こさせる結晶を光軸の方向に平行に切って 平板を作ったもの。 その原理は? ・位相差: δ = (2π/λ) ・ (n o - n e )d 1/2 波長板: (n o - n e )d=λ/2 、 δ=π 1/4 波長板: (n o - n e )d=λ/4 、 δ=π/2

偏光を作り出すもの ・ 1/2 波長板 ・偏光の向きを制御する: 直線偏光を当てると、偏光面を 回転させることができる。

偏光を作り出すもの ・ 1/4 波長板 ・直線偏光を円偏光(楕円偏光)に変換、また逆に円偏光(楕円偏光)を直線偏光に変換するため に用いる。 ・直線偏光の偏光面が波長板の光学軸に対して 45 度で入射>円偏光 ・それ以外の角度で入射>楕円偏光

参考文献 オプトロニクス社 [ 光学のすすめ ] ウィキペディア weblio 辞書 コトバンク 6+%E6%B3%A2%E9%95%B7%E6%9D%BF' オプティカルユニット / オプティカルエレメント / 波長板 オプトエレクトロニクス回路、前 編 物理学実験 III 偏光,反射の法則 解 説編 偏光素子