核子構造 ( スピン)の研究紹介 理化学研究所 中川格 1
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加速器実験 加速器 原子核・核子 測定器 3
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加速器実験で何がわかるのか? ラザフォードの散乱実験 電子散乱実験 深弾性散乱実験 ハドロン(衝突)実験 5
ラザフォード散乱 1903年 J.J. トムソン プラムプディングモデル 線線 6 断面積
電子の弾性散乱 点電荷 e-e- e-e- 原子核が広がりを持つ場合 7 エネルギー E エネルギー E’
原子核の形状因子 q: 移行運動量 運動量 p 運動量 p’ e-e- 電荷形状因子 確率のかけ算 仮想光子 8
原子核の電荷分布 散乱角度 微分断面積 原子核の電荷半径 9
非弾性散乱 運動量 p 運動量 p’ e-e- エネルギー E エネルギー E’ 励起状態崩壊反応 10
光の波長 加速器 11
高移行運動量 運動量 p 運動量 p’ e-e- エネルギー E エネルギー E’ 運動量 p e-e- エネルギー E エネルギー E’ 陽子 中性子 12
さらに波長を短くして行くと … ep eX 運動量 p e-e- エネルギー E エネルギー E’ 陽子 深非弾性散乱 構造関数点電荷の散乱過程 13
クォークの発見 ! ノーベル賞 14
核子のスピン構造 縦成分のスピン和則 クォーク, 反クォークスピン クォーク+グルーオン 角運動量 グルーオンスピン 15
偏極実験 e-e- 陽子 非偏極 偏極 ? ? A 1,2 : 非対称度 16
スピンが非対称を産む身近な例 ボールの速度 v b 回転の速度 +v s -vs-vs 無回転の場合 回転がある場合 17
スピンが非対称を産む身近な例 ボールの速度 v b v b +v s vb-vsvb-vs 無回転の場合 回転がある場合 空気抵抗 F 18
スピンが非対称を産む身近な例 ボールの速度 v b 無回転の場合 回転がある場合 空気抵抗 F 非対称! 空気分子とスピンの相互作用 19
陽子スピンのクォークスピン成 分 クォークのスピン スピンパズル !! 20
魔球ナックルボール 21
22 Probing the Proton Structure 電磁相互作用 – 光子 電荷に感度 Insensitive to color charge 強い相互作用 – グルーオン (Gluon) カラー荷に感度 Insensitive to flavor 弱い相互作用 – Weak Boson Sensitive to weak charge ~ フレーバー Insensitive to color 22
23 偏極陽子陽子衝突実験@ブルックヘブン研究所
Single Spin Asymmetries Double Spin Asymmetries
Longitudinal Spin スピン縦成分 ジャイロボール ジャイロボーラーレッドソックスに入団!! 25
グルーオンの偏極成分 26 中性 π 中間子生成の A LL 測定 –mid-rapidity | | < 0.35, s = 200 GeV
まとめ 加速器は原子核や核子の構造を探る顕微 鏡である。 (ナイーブには)散乱過程と原子核/核 子構造の確率を因数分解して、構造を調 べる。 波長を調整して、原子核 -> 核子 -> クォー ク・グルーオンを調べる 偏極実験でスピン構造を調べる。 27
バックアップ 28
Transverse Spin スピン横成分 left right 29
30 非偏極陽子 - 横偏極陽子衝突過程における パイ中間子生成非対称性 π+π+ π-π- π0π0 実験 : (E704, Fermi National Laboratory, 1991) E704: 生成パイオンの 左右比対称性A N 理論予測 : 高エネルギーでは対称度が小さい (Kane, Pumplin, Repko, PRL 41, 1689–1692 (1978) ) 右 左 A N O(10 -1 ) Measured A N O(10 -4 ) Theory
始状態 終状態 Sivers メカニズム Collins メカニズム 31
Sivers and Angular Momentum 32 M. Burkardt v b +v s vb-vsvb-vs 回転がある場合 空気抵抗 F
33 Polarized Semi-DIS z=E h / Flavor Tagging pQCD Proton Structure e+e-e+e- valence Sea モデル依存!
DSSV グローバル解析 NLO 解析 含む SIDIS data (COMPASS は含まな い) 含む RHIC A LL data( from 200GeV) Using most recent NLO 破砕関数 (DSS) 34 de Florian et al., PRL101, (2008) 価クォーク 海クォーク