かなた望遠鏡・フェルミ衛星によ る活動銀河核の多波長同時連携観 測 伊藤亮介、深沢泰司、かなたチー ム、 フェルミ LAT コラボレーション 2012-03-08 多色同時観測 広島大学.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
星間物理学 講義4資料: 星間ダストによる散乱・吸収と放射 1 星間ダストによる減光 ( 散乱・吸収 ) 過程、放射過程 のまとめ、およびダストに関わるいろいろ。 2011/11/09.
Advertisements

硬 X 線で探るブラックホールと銀河の進化 深沢泰司(広大理) 最近の観測により、ブラックホールの形成と 銀河の進化(星生成)が密接に関係することが わかってきた。 ブラックホール観測の最も効率の良い硬 X 線で 銀河の進化を探ることを考える。 宇宙を構成する基本要素である銀河が、いつ どのように形成され、進化してきたか、は、宇宙の.
COBE/DIRBE による近赤外線 宇宙背景放射の再測定 東京大学, JAXA/ISAS D1 佐野 圭 コービー ダービー.
紫外線と赤外線. 波長の違い 紫外線の波長 15nm ~ 380nm 可視光線の波長 380nm ~ 770nm 赤外線の波長 770nm ~ 1mm 電磁波の波長の大小 ガンマ線<X線<紫外線<可視光線<赤外線<電波.
ガンマ線バースト (GRBs) 硬 X 線からガンマ線領域で明るい ( keV) スパイク状の光度曲線 継続時間の長い / 短い GRB Seconds since trigger Counts / s GRB GRB GRB 発見 1967年7月2日.
2013 年度課題研究 P6 Suzaku によるガンマ線連星 LS I の観測データの解析 2014 年 02 月 24 日 種村剛.
オリオン星形成領域における 前主系列星の X 線放射の 長期的時間変動 京大理 ○ 兵藤 義明 中嶋 大 高木 慎一郎 小山 勝二 /23 天文学会 秋季年会 P39a もくじ  星の長期的変動  今回行った解析  まとめ.
ブレーザーから電波銀河ローブまで ASCAの成果 高橋忠幸 宇宙科学研究所
太陽多波長フレアデータ解析研究会 NSRO-CDAW10 ピーク時のループトップ電波源(2周波)の高さ (統計解析)
       光の種類 理工学部物理科学科 07232034 平方 章弘.
第6回 制動放射 東京大学教養学部前期課程 2012年冬学期 宇宙科学II 松原英雄(JAXA宇宙研)
論文紹介06: 最近のγ線観測とGLASTとの関連
山口大学電波グループ ブレーザー電波データの紹介
フレア星EV Lacの 超低分散高速分光観測
ガンマ線連星LS 5039におけるTeVガンマ線放射とCTA
銀河物理学特論 I: 講義3-3:光度関数の進化 分光探査サンプルによる Lilly et al. 1995, ApJ, 455, 108
HOWPolの偏光キャリブレーションと GRB残光の可視偏光観測
ガンマ線バースト (GRBs) ガンマ線で明るい ( keV) スパイク状の強度変動 継続時間の長いもの短いもの click
かなた望遠鏡・Swift/XRT,UVOT・MAXI によるMrk 421の長期観測
すざく衛星によるTeV γ線天体HESS J の観測 --dark accelerator?--
S3: 恒星とブラックホール (上田、野上、加藤)
2m電波望遠鏡の製作と 中性水素21cm線の検出
S3: 恒星とブラックホール (上田、野上、加藤)
パルサー星雲を伴うパルサーの 回転進化について 田中 周太 大阪大学 宇宙進化グループ D2 共同研究者 高原 文郎
ガンマ線バーストジェット内部における輻射輸送計算
信川 正順、小山 勝二、劉 周強、 鶴 剛、松本 浩典 (京大理)
HXI/SGD Science -- View Graph Digest --
内山 泰伸 (Yale University)
Fermi Bubble と銀河中心の巨大構造
広島大学の装置開発 広島大学宇宙科学センター 吉田道利.
かなた望遠鏡/TRISPECによる変動天体観測
かなた望遠鏡を用いたブレーザーの 可視偏光変動の研究
巨大電波銀河 3C 35 の「すざく」による観測 磯部直樹 (京都大学, kyoto-u. ac
(GAmma-ray burst Polarimeter : GAP)
S3: 恒星とブラックホール (上田、野上、加藤)
高エネルギー天体グループ 菊田・菅原・泊・畑・吉岡
フレアの非熱的成分とサイズ依存性    D1 政田洋平      速報@太陽雑誌会(10/24).
FermiによるGRB観測を受けて CTAに期待すること
CTA報告19: CTA時代におけるSNR研究
XMM-Newton 衛星による電波銀河 Fornax A の東ローブの観測
ガンマ線連星 LS I 放射モデル 2009/12/14 永江 修(広島大学).
Fermi Bubble における粒子加速の時間発展と放射の空間依存性
Fermi Bubble における粒子加速の時間発展と放射の空間依存性
電波銀河 Fornax A の東ローブのEnergetics の XMM-Newton による調査
暗黒加速器とパルサー風星雲 --HESSJ とPSR
銀河物理学特論 I: 講義2-1:銀河中心の巨大ブラックホールと活動銀河中心核
京大他、東大やアデレード大学など日豪の16機関が共同で、オーストラリアの砂漠地帯に望遠鏡4台を建設しTeVγ線を観測している。
「すざく」であばく超光度X線源 (P4-7) rikne
クエーサーの内部構造はどうなっているのか? マグナム望遠鏡の威力
偏光X線の発生過程と その検出法 2004年7月28日 コロキウム 小野健一.
下降流(Downflow)の観測と磁気リコネクション
超高光度赤外線銀河(ULIRGs)中に埋もれたAGNの探査
ガンマ線偏光観測で探る ガンマ線バーストの放射メカニズム 米徳大輔(金沢大) 村上敏夫、森原良行、坂下智徳、高橋拓也(金沢大)
第12回 銀河とその活動現象 東京大学教養学部前期課程 2017年度Aセメスター 宇宙科学II 松原英雄(JAXA宇宙研)
スターバースト銀河NGC253の 電波スーパーバブルとX線放射の関係
Fermi衛星による GRB研究の成果 Feb. 7, 東工大 (領域シンポジウム)
村瀬孔大(オハイオ)・Bing Zhang (Nevada)
COSMOS天域における赤方偏移0.24のHα輝線銀河の性質
XMM-Newton衛星による 電波銀河 3C 98 の観測
シンクロトロン放射・ 逆コンプトン散乱・ パイオン崩壊 ~HESS J は陽子加速源か?
ASTE搭載用ミリ波サブミリ波帯 多色ボロメータカメラ光学系の開発 竹腰達哉 北海道大学修士課程2年 Collaborators:
γ線パルサーにおける電場の発生、粒子加速モデル
形成期の楕円銀河 (サブミリ銀河) Arp220.
高地におけるγ線エアシャワー地上観測のシミュレーション
Z=0.24 の Hα輝線天体でみるSFR(UV), SFR(Hα), SFR(MIR) 相互の関係
BH science for Astro-E2/HXD and NeXT mission
巨大電波銀河 3C 35 の 「すざく」による観測 磯部 直樹(京都大学,
すざく衛星によるSgr B2 分子雲からのX線放射の 時間変動の観測
ローブからのX線 ~ジェットのエネルギーを測る~
中性子星/ブラックホール連星の光度曲線の類似性
Presentation transcript:

かなた望遠鏡・フェルミ衛星によ る活動銀河核の多波長同時連携観 測 伊藤亮介、深沢泰司、かなたチー ム、 フェルミ LAT コラボレーション 多色同時観測 広島大学

かなた望遠鏡チーム フェルミ・ガンマ線望遠鏡チーム 共同観測の意義 Spectral Energy Distribution of 3C 66A (Abdo+11) Frequency [Hz] vFv [erg/cm^2/s] opticalGeV ジェット中の電子からの シンクロトロン放射 + 同一電子による 逆コンプトン散乱 可視・ガンマ線では、同一電子起源の放射を見ていると考えられるが、 その変動は単純でなく、そのメカニズムはジェット周辺の環境に 大きく依存していると考えられる

Fermi/LAT L arge A rea T elescope 広エネルギー帯域 : 20MeV GeV 大有効面積 : 8000 広視野 : 2.4 str 高位置分解能 : <1 GBM LAT one year all sky image Copy right : NASA/DOE/Fermi LAT Collaboration 全天のガンマ線活動銀河核 を長期間モニター観測する のに非常に適した観測装置。 フェルミ衛星により γ 線連 続モニターが可能となり, 他の波長との連携モニ ター観測が進みつつある 全天を 3 時間 ごとに観測

LAT Flare Advocate 突発的に明るくなっている天体がないか 当番で毎日チェック 特に増光が大きいものに関しては Atel やフェルミホームページを通じて フォローアップ観測を呼びかける 広島大学では、この当番にも参加、 フレアの初期からフォローアップ観測可能 Fermi/LAT Flare 当番 ATel Fermi blog 他を通じて 世界の観測所に フォローアップ呼びかけ

かなた + フェルミによる ブレーザー観測 1. かなたの豊富な観測時間と、フェルミの長期に密な全天モニター 2. 突発天体に特化しているかなたと、フェルミのフレアモニター 3. 全世界規模の多波長ネットワーク ガンマ線で恒常的に明るいブレーザー天体の フレア / 静穏期までを含む長期同時観測 ガンマ線で明るくなった天体の即時フォローアップ 電波~ TeV ガンマ線までの多波長キャンペーン観測

FSRQ 3C 279 Abdo et al (1 st paper) 2 nd paper is submitted to ApJ. フェルミ + 電波~ X 線までの多波 長キャンペーン観測 遠赤外線帯域より高エネルギー側 でスペクトルが大きく変化してい る。  単純な一領域シンクロトロン放 射ではない可能性

BL Lac 3C 66A Preliminary To be submitted Gamma-ray Flux P.D. Color Cor. P.A. Optical Flux 2 種類のフレア 1. ガンマ線・可視光度・色・可視 偏光に相関あり (2008 年 ) 2. 相関なし or 弱い (2009 年 ) これらの結果は2領域からの放射 を仮定することにより説明可 1. 外部光子の豊富な領域 (2008 年 ) 2. 外部光子の少ない領域 (2009 年 ) もしくは大局的な放射と局所的な 放射の重ね合わせの可能性

BL Lac AO Radio NIR Opt. Flux P.D. P.A. UV Flux X-ray Flux Gamma-ray Flux Gamma-ray Index SED ガンマ線の活動性は可視 / 近赤外 線フレア、可視偏光度の上昇期と よく一致. X 線放射は他とはっきりことなる 変動を示し、 SED 上では紫外、可 視と一致しない位置に放射を持つ。 Submitted to ApJ

FSRQ GB Paper in Prep. Gamma-ray Flux SED 2009 年 12 月に GeV ガンマ線フレア。そ れ以前の 11 ヶ月間の平均フラックス の 40 倍以上の光度まで増光。 X 線、紫外、可視、近赤外線、電波で のフォローアップ観測が実施される。 (Atel #) ガンマ線帯域で有意なスペクトル変 化が検出される。 巨大なガンマ線放射はシンクロトロ ン - セルフコンプトン (SSC) モデルによ る放射ではなく、外部光子由来の逆 コンプトン放射 (ERC) を示唆 Preliminary

まとめ かなた + フェルミ望遠鏡のそれぞれの特徴を活かし、様々なタイプの ブレーザーの多波長観測を実施してきた。 その結果、ブレーザーの可視 / ガンマ線変動に様々な種類 があることが分かった。 今後 継続してモニター & フォローアップ観測を実施 天体 / フレアごとに個別の多波長観測結果での議論 ⇒系統的な多波長変動機構調査