担当課題名 γ- アミノ酪酸 (GABA) 生合成制御遺伝子解析 と高含有トマト栽培技術開発 担当機関:筑波大学 大学院生命環境科学研究科 研究代表者:江面 浩(教授・遺伝子実験センター) 研究分担者:福田 直也(講師・農林技術センター) 松倉 千昭(講師)

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担当課題名 γ- アミノ酪酸 (GABA) 生合成制御遺伝子解析 と高含有トマト栽培技術開発 担当機関:筑波大学 大学院生命環境科学研究科 研究代表者:江面 浩(教授・遺伝子実験センター) 研究分担者:福田 直也(講師・農林技術センター) 松倉 千昭(講師)

研究終了時の達成目標 1. コンソーシアムが保有する既存の遺伝資源から アミノ酸、 GABA 高含有系統を選抜し、日本デ ルモンテ(株)及び千葉県農業総合研究セン ターに母本提供を行う. 2. 栽培法、収穫後の果実貯蔵法を検討し、 GABA を高生産するトマトの栽培・貯蔵技術を開発す る. 3. GABA 高含有系統ならびに新規栽培・貯蔵技術 を適用して育成した果実を用いて、 アミノ酸、 GABA 生合成の制御機構を解明する.

1. 既存遺伝資源からアミノ酸、 GABA 高含有系統 を 選抜し日本デルモンテ(株)へ提供する. 2. GABA 高生産栽培・貯蔵技術の予備試験を行い、 有効性を検証する. 3. TILLING 法による変異体選抜の手法を最適化す ると共に、 GABA 代謝関連遺伝子アミノ基転移 酵素遺伝子のクローニングと機能欠損変異体の 選抜に着手する. 研究期間前半の達成目標

年度別研究計画

1. アミノ酸・ GABA 高含有系統の選抜 ・当該コンソーシアムが保有する遺伝資源(栽培品 種、 野生種計 60 系統)より 20 品種を供試し高アミノ 酸・ GABA 含有系統を選抜する. 2. アミノ酸・ GABA を高蓄積させる果実貯蔵技術の開 発 ・貯蔵条件の検討: 嫌気貯蔵、温度の検討(予備試 験). 3. TILLING 法による GABA 代謝関連遺伝子変異系統 の 探索 ・ TILLING 法による変異体選抜の条件最適化を行う. 今年度の研究実施計画

コンソーシアムが保有す る遺伝資源からのアミノ 酸・ GABA 高含有系統の 選抜. GABA 高蓄積品種の育成 DNA マーカー開発 日本デルモンテ㈱、千葉県農総研へ提供 1. アミノ酸・ GABA 高含有系統の選抜 野生種 11 系統 栽培種への戻し交配系統 6 系統 栽培種(加工用) 32 品種 栽培種(生食用) 10 品種 合計 59 系統 各系統 10 個体を圃場へ展開し、緑熟期、赤熟期果実をサンプリング. GABA, アミノ酸含量を測定.

今年度進捗状況 (1) 20系統を春夏作で栽培 加工用トマト ‥‥ 6 系統 NDM051TH, 958, 1185, 2260, AB2, シャスタ 生食用トマト ‥‥ 14 系統 NDM79, L03-291, -103, L04-498, 362, B03-9, フルーツイエロー, トインクル, ビタミンエース, リトルサマーキッス, 耐病豊金, 福寿トマト ( トーホク ), おおみや 163 ( ダイヤ交配 ), ハウス桃太 ( タキイ ), 愛知ファースト サンプリング : 各品種3個体 × 2反復 各個体の第2花房から赤熟果を 1果 計 120 サンプル採取. 播種: 5 月 7, 17 日 移植: 6 月 29 日移植 開花: 7 月中旬~ 8 月中旬 サンプリング: 9 月上旬~ 10 月下旬

GABA ・グルタミン酸含有量の品種間比 較

(2) 56 系統を夏秋作で栽培 野生トマト : 14 系統 ( 内 6 系統は発芽 / 着果せ ず) 加工用トマト : 32 系統 生食用トマト : 10 系統 サンプリング ( 1 )各品種3個体 × 2反復 各個体の第 1 もしくは2花房から緑熟果を 1 果ず つ 計 300 サンプルを採取. ( 2 )赤熟まで至ったものについても適宜サンプ リング. 播種: 7 月 27 日 移植: 8 月 30 日移植 開花: 9 月下旬~ 10 月上旬 サンプリング: 11 月中旬~下旬 現在測定中

アミノ酸・ GABA 生合成制御の解明 栽培条件の検討 養液土耕を利用 した根圏環境の 制御(塩類ストレス、 水ストレス、施肥) 貯蔵条件の検討 嫌気貯蔵、温度 アミノ酸・ GABA 高蓄積栽培・貯蔵技 術の開発 ・マクロアレイによる網羅的発現解析 ・グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD), GABA アミノ基転移酵素 (GABA-T) , グルタミン合成酵素(GS), グルタミン酸合成酵素(GOGA T), の発 現制御解析 2. アミノ酸・ GABA を高蓄積させる栽培・ 果実 貯蔵技術の開発 特許申請を視野に入れた技術開発

アミノ酸・ GABA 高含有系統の選抜 塩類ストレス栽培技術の開発 新規貯蔵技術の開発 GABA 含量 40 ~ 60mg/100gFW 在来品種 GABA 高含有トマトの生産 100 ~ 120 mg/100gFW 200 ~ 250 mg/100gFW 遺伝資源と技術開発を組み合わせて特許申請を目指す

1. アミノ酸・ GABA 高含有系統の選抜(継続) ・当該コンソーシアムが保有する遺伝資源(栽培品種、 野生種計 59 系統)より高アミノ酸・ GABA 含有系統を 選抜する. 2. アミノ酸・ GABA を高蓄積させる栽培・果実貯蔵 技術の 開発 ・養液土耕システムによるGABA蓄積への効果を検証す る. ・ GABAを高蓄積させる収穫後処理条件を検討する. → 処理法、温度、時間、収穫ステージ等. 3. TILLING 法による GABA 代謝関連遺伝子変異系 統の 探索 ・標的遺伝子の単離と塩基配列の決定を行う. ・ GABA 代謝関連遺伝子突然変異体の選抜に着手する. 次年度の研究計画

サンプリング 2. ゼリーおよび種子を除く 3. 隔壁を含むようにして 2~3g採取 1. 赤道面を約 1 cm厚で 輪切りにする 4. 細片にして液体窒素で 凍結後 -80 ℃保存

抽出方法 50 mg MeOH 250μl CHCl 3 250μl Vortex 内部標準溶液 25μl ミリQ水 175μl Vortex 遠心 スピードバック ミリQ水 30μl LC-MS による分析