学事予算の支出状況表作成に 係る業務の効率化 教学部 高輪教学課 加藤美博
目 次 ①背景 ②財務情報システムの現状 ③これまでの取り組み ④新たな改善事項 ⑤効果
①背景(その1) 教員個人への予算支出状況表を作成するために 多くの時間を割いていた・・・ 所属人数 広報・学部支援係(学科担当) 3名 情報通信学部 高輪教養教育センター 47名 1人あたり 約16人の予算管理 既存の資源を最大限生かしながら業務の 効率化と省力化はできないだろうか?
(学科予算の概要(例)) 予算種別内容 ( 01 )教材費 共通学科全体に係る実験実習教材に使用する予算 個人個人が使用する教材費 ( 02 )研究費 個人個人が使用する研究費 ( 03 )運営費 共通学科の運営に係る事項に使用する予算 ①背景(その2) 財務情報システムの支出一覧だけで、 「共通教材費」と「個人教材費」の残高確認を することが難しい・・・
②財務情報システムの現状 問題点1: 支出一覧では「共通教材費」と「個人教材費」を分けて確認す ることができない (支出一覧:管理区分別の場合) 管理区分を設定することで、 「共通教材費」を区別する ことは可能であるが …
②財務情報システムの現状 (支出一覧:個人別の場合) 個人教材費の残高は 手計算しなければならない 個人別で検索すると、 伝票入力の際に「要求者」となって いる伝票が全て表示されてしまう
②財務情報システムの現状 問題点2: 年度ごとの管区設定が煩雑である (管理区分メンテナンスの画面) 「共通教材費」と 「主任の個人教材費」に 管理区分を設定しようと すると …
②財務情報システムの現状 過去に使用したコード情報が そのまま残ってしまっている ↓ コード情報の修正・削除を しなければ設定できない
②財務情報システムの現状 問題点3: 管理経費が重複して支出されてしまう 残高を手計算しなければ ならない
③ - 1 これまでの取り組み (2009年度~2013年度) 2009年度~2013年度: Access でデータを管理 (実際の Access データ入力画面) 予算ごとに フォームへ入力 起票時に備考欄へ 「学科教材費」など と記入することで、 個人教材費と区別 ※ 2009 年度業務改善コンテスト 「財務情報システム「ダウンロード」機能を利用した学科オーダーメード出納帳作成の試み」
1.共通教材費と個人教材費を分けて管理することができる 2.残高確認と支出報告を帳票で出力することができる メリット 1.伝票を1件ずつ手入力しなければならない 2.確定金額を確認し、1件ずつ再入力しなければならない デメリット 支出報告が滞りだしてしまった・・・ 原因は・・・ 財務情報システムと リンクしていない! ③ - 1 これまでの取り組み (2009年度~2013年度)
2014年度: 備考欄の利用から管区の利用へ変更 ③ -2 これまでの取り組み ( 2014 年度) (支出状況表) ※ 情報システム課提供 残高が 自動計算される
(伝票検索画面) *共通教材費:①予算所属、②予算種別、④管区 を選択 *その他 :①予算所属、②予算種別、③要求教職員 を選択 管区コードを設定 ① ② ③ ④ CSVデータを ダウンロード ③ -2 これまでの取り組み ( 2014 年度)
(支出状況表) (CSVデータ) ファイルを同時に開くことで自動的にデータが取り込まれる設定
③ -2 これまでの取り組み ( 2014 年度) 配算額 残 高残 高
③ -2 これまでの取り組み ( 2014 年度) 財務データを使用することで、入力・確認作業にかかる時間が 削減できた メリット (1)作業時間/月(4学科 + 1センター) 2013 年度 2014 年度(改善後) 起票件数約220件起票件数約220件 入力時間約11時間 確認時間約5時間ダウンロード約41分40秒 印刷時間約11分40秒印刷時間約1時間6分40秒 合計:約16時間11分40秒合計:約1時間48分20秒 月間約14時間23分の業務効率化に成功!
③ -2 これまでの取り組み ( 2014 年度) ダウンロードと印刷に係る工程数が多く、作業に時間がかかる デメリット もっと効率化と省力化はできないだろうか? (1)CSVデータのダウンロード 共通教材費 + 運営費 + (個人教材費 × 教員数) + (個人研究費 × 教員数) =(1学科あたり)20回ダウンロード ⇒ (4学科 + センター)約100回ダウンロード (2)データの印刷 (雛形を開く動作 +CSV データを開く動作) ×20 回 =(1学科あたり)40工程 ⇒ (4学科 + センター)約200工程
(1)個人ごとに異なる配算額を設定できる定義シートを追加 ④新たな改善事項 ( 2015 年度) ②個々の 配算額を入力 する ①コードを設定する *共通教材費=管区コード *個人教材費 =教職員番号 + 予算種別 01 *個人研究費 =教職員番号 + 予算種別 02 *運営費=予算種別 03 改善内容1: 学科全員の予算残高を1つのEXCELブックの中で管理できるよ うに変更 以前のフォームは配算額が1つしか設定できなかったため、 個人の予算種別ごとにそれぞれ EXCEL ブックを作成していた …
(2)関数を一部追加 ④新たな改善事項 ( 2015 年度) ① CSV データの 「教職員番号 + 管区 + 予算種別」が 表示されるように新たに関数を追加 ②配算額シートで 設定したコードが 表示されるよう、 新たに関数を追加 ③配算額シートで 設定した金額を 自動的に表示! ④残高が 自動計算される! 1つのEXCELブックで 学科全員の予算管理が できるように!!
④新たな改善事項 ( 2015 年度) 改善内容2: CSVデータのダウンロードを「予算所属」単位に変更 (伝票検索画面) *すべての予算:①予算所属 だけを選択 ① CSVデータを ダウンロード
⑤効果 A.工程数(4学科 + 1センター) (1)CSVデータのダウンロード (2)データの印刷 2014 年度 2015 年度 100回 5回 2014 年度 2015 年度 200工程 100工程 マイナス 50% マイナス 95% 工程数が減ったことで、 ヒューマンエラーの可能性も削減!
⑤効果 B.作業時間/月(4学科 + 1センター) 2013 年度 2014 年度 2015 年度 起票件数 約220件 起票件数 約220件 起票件数 約220件 入力時間 約11時間 確認時間 約5時間 ダウンロード 約41分40秒 ダウンロード 約2分5秒 印刷時間 約11分40秒 印刷時間 約1時間6分40秒 印刷時間 約32分5秒 合計 約16時間11分40秒 合計 約1時間48分20秒 合計 約32分5秒 マイナス97% 業務時間にして 月間約15時間39分の削減!
⑤効果 簡単に支出状況報告書が 確認・出力できる 定期的に予算残高の 報告が行える 教員自ら予算の支出管理 をするようになる 教員の満足度が上がる
ご清聴ありがとうございました