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評価方法 中間レポートと、期末レポート 出席はとらないが、、、 質問やコメントを義務付ける 期中、講義に関する技術的な内容の質問やコメントを最低2回、授業中に行うこと よい質問やコメントは、成績の加点対象 質問者は、講義終了後に名前と学籍番号を申告のこと

インターネットインフラ特論 2.インターネットの物理層 太田昌孝 mohta@necom830.hpcl.titech.ac.jp ftp://chacha.hpcl.titech.ac.jp/infra2.ppt

物理層 (遠くまで伝わる)物理現象と情報を対応させる層 電気(半導体により直接扱える) 光(直進、干渉なし) 電波(空間伝播、まわりこみ) 処理が楽 光(直進、干渉なし) 長距離伝送、高速伝送にはこれしかない 電波(空間伝播、まわりこみ) 1対多通信、携帯端末 伝書鳩(RFC1149、RFC2549)

インターネットのレイヤリング 物理層、アプリケーション層は必須 インターネットワーキング層はできる限りのことをやる データリンク層、トランスポート層は極力なにもやらない

アプリケーション層 トランスポート層 インターネットワーキング層 こここそインターネット データリンク層 物理層 インターネットのレイヤリング構造

CATENETモデル 小さなデータリンクをルータでつなぐ データリンク層内部ではブロードキャストも意味あり 小さいのは機器の数 各種設定なしで通信できる 小さいのは機器の数 地理的に大きくてもいい

世の中=インターネット データ リンク層 データ リンク層 データ リンク層 R R データ リンク層 R データ リンク層 データ リンク層 R R :ルータ CATENETモデル

インターネットの分類 幹線 アクセス網 費用のほとんどはアクセス網にかかる インターネット局間を接続 超高速(10G~∞) インターネット局と家庭を接続 そこそこ高速(数Mbps~∞) 費用のほとんどはアクセス網にかかる

ラストマイル問題(アクセス網) 費用のほとんどは敷設の手間賃 東京大阪間は1000Kmない 局と加入者の距離は5Km程度 1局4万加入者として 200心ファイバーを200本(総延長1000Km) ケーブルから家庭への引き込み線が25m 4万加入者で1000Km 無線?機器は?電気は?

物理層の例 ポイントツーポイントメディア ブロードキャストメディア 情報(ビット、シンボル)ストリームを運ぶ パケットストリームでもよい(伝書鳩等) ブロードキャストメディア 無線LAN(アクセス網) 衛星通信(広域(幹線+アクセス網)) ポイントツーポイントメディアのリピーター結合

WDM伝送(幹線) 光ファイバーの伝送能力は1Tbps以上 電気では10Gbps程度の伝送は大変 10Gbpsでは、32ビット並列でも300MHz チップ間では、このへんが限界?もう少し頑張る? 10Gbpsに電気で変調した光を組み合わせて100個並列に伝送すればよい 波長を変えた光を組み合わせるのが簡単 Wavelength Division Multiplexing

幹線の経済学 費用のほとんどは敷設手間賃と中継装置 中継装置費用は心線数に比例 中継間隔が長く超高速の光ファイバーが有利 1心でも千心でも、ケーブル1本の値段は無視できる 多心を敷設しておけば、1本あたりは安い 中継装置費用は心線数に比例 WDMと光増幅の組み合わせにも意味あり WDM機器があまり高いと多心を使うほうが安い

幹線ルータ 高速ルータが必要 遠距離の通信は 多波長光パケットルータなら 値段は速度比例程度(超並列ルータ) 全加入者が同時に最高速度は使わない アクセスルータの速度の合計よりだいぶ遅くてよい 遠距離の通信は 光ファイバーで直結のほうが楽 多波長光パケットルータなら 単体でテラビット級も可

物理層によるルーティング? 多数の並行伝送路があるとき 行き先は(半)固定 物理層の速度がそのままでる WDM多重がもてはやされているが 線(波長)ののせかえで行き先を切り替え 行き先は(半)固定 パケット単位での切り替えは不可能 ルーティングでない(ルーティングはどこかで必要) 物理層の速度がそのままでる WDM多重がもてはやされているが 平行光伝送路(多心等)ならなんでも同じ

A IX A B 平行光伝送路 平行伝送路とIXでのプロバイダ間接続 A

「インターネットの」アクセス網 ダイアルアップインターネット接続 インターネット常時接続 電話網経由でインターネットに接続 物理層、データリンク層は電話網 情報を必要とするときに接続 インターネット常時接続 物理層からインターネット専用 電話網消滅時には必然 いつでも情報を提供できる

電話網事業と高速ネットワーク 電話網とは? 電話網事業とは? 電話網事業としての高速ネットワーク 音声を伝送する網 64Kbpsで市内3分10円とること 電話網事業としての高速ネットワーク 100Mbpsで市内3分15000円? その1/10としても客が払えない 高速ネットワークは不要

インターネット事業と 高速ネットワーク インターネットとは インターネット事業とは? インターネット事業と高速ネットワーク 元来コンピュータ間接続のための網 遅くてもそれなりに使えるが、速いほど快適 インターネット事業とは? それなり(月額数千円?)のお金をもらうこと その時点で最も安くて速い機器を利用 インターネット事業と高速ネットワーク FTTHなら100Mbps~10Gbps

電話事業者が考えていた あるべきアクセス網 ISDNでアクセス網をデジタル化 音声伝送に64Kbpsはぜいたくだし、2回線にしたから、今後の需要にも十分 B-ISDNでアクセス網をさらに高速化 156Mbpsならいかなるアプリにも十分 ファイバー、機器が高価なので共有を考えよう PON(Passive Optical Network) 値段?(64Kbpsで市内3分10円以上)

H H 占有加入者線 R R H ISP 加入者 :ホスト R :ルータ H まともなインターネット接続

占有加入者線 電話 交換機 R RAS ISP 電話局 共用電話幹線 H H 電話 交換機 R H 占有加入者線 電話局 加入者 歪んだインターネット接続1

占有加入者線 IP 交換機 R ISP 電話局 地域IP網 H H IP 交換機 R H RAS 占有加入者線 電話局 加入者 歪んだインターネット接続2

中途半端な(超高速ではない) インターネット接続 ADSL 物理層は電話網 数Mbpsがせいぜい? ケーブルインターネット 物理層はCATV網 数十Mbpsを多人数で共有 ISDNよりは、遥かにまし

ADSL 電話局と家庭の間の銅線を利用 雑音の主な原因は漏話 高度な信号処理で、銅線の能力を理論的限界まで引き出す 銅線の能力は、周波数とS/Nできまる(シャノン) ADSLは1MHz程度の帯域で10Mbps程度の速度まで 雑音の主な原因は漏話 近端漏話のほうが遠端漏話より深刻 ADSL相互の近端漏話は防げる

加入者 近端漏話 遠端漏話 局 加入者(雑音源) 近端漏話(NEXT)と遠端漏話(FEXT)

ADSLの問題点 それほど速くない(普通は数Mbps程度) 上り下りが非対称(下りで映像伝送したい) 我が国のISDNは最悪の雑音源 もとは音声伝送用の銅線なので、しかたない 上り下りが非対称(下りで映像伝送したい) 家庭からの情報発信に不向き 我が国のISDNは最悪の雑音源 諸外国に比べて4倍効率が悪いISDN わざわざ階段状の波形を持つ 幸い、利用者数は減少に転じた

ADSLとPSD標準 ADSLは高周波を使うので他方式との干渉は一応問題 諸外国では 日本では NTTの銅線を利用する業者間の調整が必要 ADSL以外の方式との調整が主要なテーマ 日本では 他社のADSL方式を封じ込めるためにPSD標準が歪曲され、話が複雑化

ADSL(VDSL)の高速化 上り下りで同じ周波数を使うと 2(4)MHz程度までの帯域を使うと ただし、あくまで近距離 遠距離利用者の下り速度が速く(0でなく)なる 遠距離利用者の上り速度は多少遅くなる 2(4)MHz程度までの帯域を使うと 近距離なら25(50)Mbps程度で通信可 100Mbpsという話も、、、 ただし、あくまで近距離 電柱上にミニ電話局をばらまくと、競争が困難

ケーブルモデム CATV局と家庭間の同軸ケーブルを利用 家庭から局への通信が問題 高度な信号処理で、同軸ケーブルの能力を理論的限界まで引き出す TV1ch(6MHz)で、18~36Mbps程度 1chを多人数(1000人?)で共有 家庭から局への通信が問題 流合雑音 タイミング

双方向 アンプ 双方向 アンプ 双方向 アンプ 局 加入者 加入者 ケーブルモデムインターネット

双方向 アンプ 双方向 アンプ 双方向 アンプ 雑音が 加算 局 加入者 加入者 ケーブルモデムインターネットと流合雑音

FTTH(アクセス網) (Fiber To The Home) FTTH(アクセス網) (Fiber To The Home) 光ファイバーを各家庭へ ふつうに考えると 家庭と局の装置をファイバーで直結 100Mbpsの光イーサは安い 電話事業者が考えると 光リピータでPON、GPON(Gigabit PON) PONは10Mを250~750人で共有 GPONは600Mを32人で共有、GEPONは1G

ポイントツーポイントメディアのリピーター結合 手軽 メディアの帯域は無駄 全員が同じ信号を受ける インターフェースの帯域も無駄 インターフェースはメディアの速度で動作 データリンク層を複雑にする 2/3層の機器が安いなら、やる意味なし

家庭 家庭 局光分配器 局交換機 局交換機 家庭 家庭 ... ... 光ファイバ 家庭 家庭 a) まともなFTTH b) 光インターフェースを共有 家庭 家庭 屋外光電変換機 屋外光分配器 局交換機 局交換機 家庭 家庭 ... ... 家庭 家庭 銅線 c) さらにファイバーを共有 d) FTTC FTTH/FTTCの諸形態

アクセス網の経済学 費用のほとんどは敷設の手間賃 1m5千円*4Km/(200世帯)~10万円 どんな(電話線、同軸ケーブル、1心光ファイバ、千心光ファイバ)ケーブルをひいても、ケーブル1本の値段は無視できる 一家庭10~20万円程度 20年で支払うと月千円程度 新設ケーブルは、多心光ファイバーしかないはず

インフラ事業の地域独占性 地域内の各戸に到達できるアクセス網が必要なインフラ事業は、自然独占になる 地域独占性のある事業の民営化は論外 2業者が別々にアクセス網を持つと アクセス網のコストは同じで、収入はシェア比例 シェアの小さな側が淘汰され、新規参入は不可能 通信、電力、水道、(郵便、鉄道)等 地域独占性のある事業の民営化は論外 ユニバーサルサービスのために官が規制(癒着の温床)するより、最初から公営で

一社独占の場合の アクセス網

二社競合の場合 (一社あたりコストは同じ)

二社競合の場合 (収入は加入者数比例→自然独占)

二社競合の場合 (インフラを節約?→新規顧客獲得不能) 青の事業者に移りたくても移れない

NTTの光化工事の実態 局舎から1000心ケーブルを1本だす ケーブルは途中で分岐 各き線点(1000加入者程度)には20~40(最終的には200程)心しか到達しない 各き線点まで1000心ひいても費用は同じ このままだとたかだか1Gbpsを32人で共有する事態が長く続く GPON(BーISDNの亡霊)

PONは安いのか? シングルスター PON

ラストマイル問題 費用のほとんどは敷設の手間賃 東京大阪間は1000Kmない 局と加入者の距離は5Km程度 1局4万加入者として 200心ファイバーを200本(総延長1000Km) ケーブルから家庭への引き込み線が25m 4万加入者で1000Km 加入者密度の低いPONは引込み線が長い

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/chousa/bb_seibi/pdf/041209_2_14.pdf

PONの競争阻害性 シェアの大きなPON シェアの小さなPON

背景 SS方式の事例(Iliad社) ONU ONU ONU 仏のIliad社はPONの競争阻害性を認識し、ビル内部のダクトも含め世帯ごとに光ファイバを敷設 ONU ONU Optical Node (NRO) ONU Ethernet Switch ARCEPによれば、芯線数の節約は、総コストにほとんど寄与していないことが伺える 出展:http://www.wik.org/content/vdsl_ngn/gauthey.pdf

現状のFTTH市場は事業者毎に8分岐設備を利用しているため、 PONの競争阻害性 光ファイバは狭い光配線区域内に8分岐単位での接続となるため、設備稼働率がサービス提供コストに大きく影響する。 ■世帯に占めるブロードバンドユーザー比率 (*1)ADSL+FTTH 2200万加入(*1) 47% = = 全国 4700万世帯 ■光ファイバの1光配線区域(30世帯を想定)におけるブロードバンド加入世帯 = = 30世帯 × 47% 14加入 効率的に設備共用した場合 現状(事業者毎に8分岐設備を利用) 事業者A+B+C+Dで設備共用 事業者A 事業者B 事業者C 事業者D 7 3 3 1 8 6 8分岐 稼動数 + 8 8 8 8 8 8 87% 37% 37% 13% 88% 稼働率 ・参入事業者が増加するほど、個々の稼働率は低下し、コストが増加するため実質的な参入制限となる。 ・獲得した加入者数によりコストが固定化し、稼働率を確保できない競争事業者は赤字でのサービス提供を強いられるため非競争中立的であり、独占性を助長する市場となる。 ・参入事業者が増えても稼働率は低下しない ・設備共用によりコストは同じで競争中立的 現状のFTTH市場は事業者毎に8分岐設備を利用しているため、 構造的に公正競争が行われない状態にある

PONの競争阻害性 獲得した加入者数によりコストが固定化し、稼働率を確保できない競争事業者は赤字でのサービス提供を強いられる 設備稼働率が低いと1加入者あたりの光ファイバコストが高くなる。 ■1競争事業者の設備稼働率  赤字 13%(事業者D) 1加入者あたり 5,675円 37%(事業者B、C) 1加入者あたり 2,328円 87%(事業者A) 1加入者あたり 1,372円 採算ライン ■NTT東西の設備稼働率 (接続料算定、Bフレッツのスタックテストにおけるコスト) 黒字 = 60%(*1) 1加入者あたり 1,701円 獲得した加入者数によりコストが固定化し、稼働率を確保できない競争事業者は赤字でのサービス提供を強いられる (*1) http://www.soumu.go.jp/s-news/2003/030129_4.html

対策 光配線区域の広域化 局舎 光配線区域 ONU ONU ONU ONU ONU ONU ONU ONU 8分岐 スプリッタ 対策 光配線区域の広域化 光配線区域 8分岐 スプリッタ ONU ONU 局舎 ONU ONU 引込み線を延ばす距離が増え、敷設コストが増大 シェアの低い事業者の競争力がますます低下 ONU ONU ONU ONU

人口密度が低い地域での問題 局舎 光配線区域 ONU ONU 光配線区域 ONU 8分岐 スプリッタ 8分岐 スプリッタ 人口密度が低い地域でPONを利用すると、たとえシェア100%の事業者ですら局外光スプリッタあたりの加入者は8を大きく下回る 世帯あたりのコストが増加 ONU

DSL Services in Japan Highly Competitive between Multiple Service Providers Softbank BB without its own cupper

FTTH Services in Japan Dominated by Service Providers owning Access Fiber Others Providers owned by electric power suppliers with their own access fiber NTT: The most dominant telephone companies in West/East of Japan with their own access fiber

提案方式1の考え方 光ファイバにつながる加入者数に応じて アンバンドル料金を算定する方法 ■従来の算定方法(加入者回線の月額料金) 表 提案方式による月額アンバンドル料金 加算料相当コスト控除後原価  ÷(芯線数 or 設備数)÷12ヶ月 スプリッタ ごとの回線数 (単位:本) アンバンドル料金 (単位:円) 1 810 2 1,619 3 2,427 4 3,238 5 4,046 6 4,855 7 5,664 8 6,474 = 光信号主端末回線の芯線数 ■提案方式(加入者回線の月額料金) 加算料相当コスト控除後原価  ÷需要が見込まれる回線数÷12ヶ月 = 光信号分岐端末回線の芯線数 加算料相当コスト控除後原価 8267億3700万円 加入者回線 1773万9000本 稼働率  60% 引き込み回線 8514万7200本

インターネットの今後 光ファイバーが中心 無線も捨てがたい 圧倒的な速度(1心で1Tbps以上) 無線幹線網(一対多通信) 衛星インターネット放送 放送網のコンテンツがキラーアプリに 無線アクセス網(配線不要) 携帯インターネット 電話網のコンテンツ(電話)がキラーアプリに

電波とインターネット 近距離(小電力) 長距離(大電力) 多数の基地局を設置 IPモビリティと組み合わせて携帯インターネットサービスを実現 1対多通信には電波は最適 衛星インターネットは速い?

放送網 音声、画像を実時間で多数に伝送する網 電波による広域一対多通信 放送法による保護 伝送帯域を確保 遅延を最小化 ブロードキャスト/マルチキャスト 放送法による保護

衛星インターネット放送 IPパケットを電波にのせる あくまで一対多 IPマルチキャストパケットを電波にのせる 単なる衛星デジタルではない 家庭内のIP網ともスムーズに統合 あくまで一対多 インターネットでの一対多通信はマルチキャストで IPマルチキャストパケットを電波にのせる

君も衛星で高速インターネット? 衛星通信は高価 衛星通信で大勢の一対一通信は無理 数十Mbpsで年数億円程度(定価) 衛星は大勢で利用しないと 衛星通信で大勢の一対一通信は無理 4Kbps×100万=4Gbps! イリジウム(衛星携帯電話)は高額低速な携帯電話とすら競争にならず破綻 まして高速衛星インターネットの料金は、、、 離島向けでは、一応商用化(高くて遅くても無いよりまし)

放送のインターネット化 放送のインターネット化 放送の単なるデジタル化は、いまさら無意味 情報通信放送網のインターネットによる統合 家庭内網の統合には、放送データのインターネット化が必要 エンドツーエンド原理 つまり、電波上でもIPパケットを利用 IPマルチキャストパケットのみ

Digital (ISDN、デジタル放送、 インターネットとは?(EとDとI) Internet IT革命! Digital (ISDN、デジタル放送、 電報、Eメイル,iモード) Electric (電話、放送、FAX、 Eコマース?、E政府?)

放送局 TV 受像機 通信網 放送網 チューナー 電話機 電話局 RG 情報家電機器 インターネット RG:レジデンシャルゲートウェイ 通信網と放送網と家庭内網の統合?

インター ネット 放送局 チューナー TV 受像機 電話機 情報家 電機器 インター ネット 通信局 家庭内網 インターネット化された家庭内網

携帯インターネット 携帯電話網は電話網でしかない 高速低額常時接続定額の固定インターネットに無線機を接続すると 128バイト0.3円だと、64Kbpsで1秒20円 高速低額常時接続定額の固定インターネットに無線機を接続すると 高速低額常時接続定額の無線インターネット 無線区間のセキュリティには一工夫必要 IP mobilityとの組み合わせで携帯インターネットに

携帯インターネット 無線インターネット+IP mobility 無線による同一基地局内の自由な移動 無線インターネット+IP mobility 無線による同一基地局内の自由な移動 IP mobilityにより、基地局の移動後も同じIPアドレスが使え、TCP接続なども保たれる

無線インターネット 固定インターネットが大前提 速くて安くて定額制の固定インターネットに速くて安い無線機を接続すると 安くて定額制の無線インターネットが実現 無線機の密度を十分高くすると 速くて安くて定額制の無線インターネットが実現

無線インターネットの 技術的課題 無線は不特定多数が使える 認証 暗号化 誰もがいつでもどこでもインターネットをつかえるのはいいが どこの誰なのか身元がわからないのは困る 犯罪捜査 課金 暗号化 本来はエンドツーエンド 無線上でパスワードを入力するような場合に便利

周波数オークション 供給を十分にしないと独占の是認になる 既得権者からもそれなりの料金徴収 実は周波数はいくらでも余っているが無駄に使われていた UHF放送やアナログハイビジョン 既得権者からもそれなりの料金徴収 電波利用の占有周波数帯域と占有地域面積に比例した課金を行うべき 現行の電波税は出鱈目(もっぱら局数に比例)

今回のまとめ インターネットの物理層は速いほどいい 物理層は光ファイバと電波のみに 固定相手は光ファイバでほぼ無限の帯域を PONのような複雑な物理・データリンク層は論外 移動相手は電波しかない 帯域をどれだけ確保できるかが今後の政策課題 放送(一対(きわめて)多)も電波かも 放送の単なるデジタル化は論外