付録4:職員説明資料 介護キャリア段位制度について
利用者及びその家族についての悩み、不安、不満等 介護キャリア段位制度創設に至る課題背景 労働条件等の悩み、不安、不満等 (複数回答) 利用者及びその家族についての悩み、不安、不満等 (複数回答) 自らの業務に対する評価が低い と感じている 自らの介護スキルに対する不安 を感じている 「平成24年度 介護労働実態調査」(財)介護労働安定センター
「介護プロフェッショナル」のキャリア段位の概要 レベル 分野共通 介護プロフェッショナルのレベル プ ロ レ ベ ル 7 トップ・プロフェッショナル 6 ・プロレベルのスキル ・高度な専門性・オリジナリティ ・多様な生活障害をもつ利用者に質の高い介護を実践 ・介護技術の指導や職種間連携のキーパーソンとなり、チームケアの質を改善 5 4 ・一人前の仕事ができる段階 ・チーム内でリーダーシップ ・チーム内でのリーダーシップ(例:サービス提供責任者、主任等) ・部下に対する指示・指導 ・本レベル以上が「アセッサー」になれる 3 指示等がなくとも、一人前の仕事ができる ・利用者の状態像に応じた介護や他職種の連携等を行うための幅広い領域の知識・技術を習得し、的確な介護を実践 2 一定の指示のもと、ある程度の仕事ができる ・一定の範囲で、利用者ニーズや、状況の変化を把握・判断し、それに応じた介護を実践 ・基本的な知識・技術を活用し、決められた手順等に従って、基本的な介護を実践 1 エントリーレベル 職業準備教育を受けた段階 ・初任者研修により、在宅・施設で働く上で必要となる基本的な知識・技術を習得
介護キャリア段位制度における評価の全体像 「介護プロフェッショナル」のキャリア段位の概要 介護キャリア段位制度における評価の全体像 「わかる(知識)」と「できる(実践的スキル)」の両面を評価 職業能力 わかる (知識) 既存の研修修了 できる (実践的スキル) 共通基準で評価 20130417
実証事業で評価を受けた介護職員の感想 (実証事業のアンケート結果) ◎目標を持って取り組める ◎課題がわかる ◎スキルアップできる 実証事業で評価を受けた介護職員の感想 (実証事業のアンケート結果) ◎目標を持って取り組める ・ 期首に目標を立てたことにより、仕事に対する意識が改善され、普段の業務に対して今まで以上に集中して取り組むことができた。 ・ これまでの利用者へのケアを振り返って考え、 目標を定めて実際にやってみよう!と意識的に 動いてみることができた。 ・ 実際に介助を行う際に評価項目を意識して介 助を行うことができた。 ・ 評価項目を意識しながら、利用者に負担のな いケアが出来た際には嬉しかったし、失敗したと きには「こういう方法があるんだ」と次につなげる ことができるように思えた。 ◎課題がわかる ・ 一つ、一つの作業を細分化することにより、自分の仕事を分析し、足りない部分を把握することができた。 ・ 今の自分の立場(レベル)で求められている業務 内容を知ることができた。 ・ 自分の評価を知ることにより、今後学んでいくべ きことや、現在足りない部分に対して何を勉強する べきかが分かった。 ・ 評価結果から、自分の普段の介助や利用者との 接し方を振り返ることができた。 ◎スキルアップできる ・ 評価の結果を分析することにより、業務に対して前向きに取り組むことができ、スキルアップすることができた。
介護キャリア段位制度に対する評価 ~介護職員の感想①~ 介護キャリア段位制度に対する評価 ~介護職員の感想①~ 評価を受けた介護職員の8割以上が「能力開発やスキル向上に役立つ」と回答。(実証事業のアンケート結果) (n=699)
◎職員の方にとってのメリット ◎事業所・施設にとってのメリット 介護キャリア段位制度のメリット ○ 現場で何ができるかを証明できる ○ 現場で何ができるかを証明できる ・ 入浴・排泄介助等の介護技術、利用者・家族とのコミュニケーション、感染症・事故への対応、地域包括ケアの実践的スキルなどを現場の仕事を通じて評価。 ○ スキル・やりがいの向上、処遇改善 の材料につながる ・ キャリア段位の取得を目標に、できていないことを認識して現場で取り組むことで、スキル・やりがいの向上につながる。 ・ 給料や評価を決める際の重要な材料になるので、処遇改善につながることが期待される。 ○ 一時離職などのデメリットを軽減で きる ・ キャリア段位の認定により、一時離職(出産・子育てなど)からの復帰や転職のデメリットを軽減できる。 ○ OJTを通じて職員の能力を向上できる ・ 「現場で実際に何ができるか」を測る評価基準であるため、OJTツールとして積極的に活用できる。 ・ OJTの積極的な推進を通じて、介護職員の能力向上を図れる。 ○ サービス水準をアピールできる ・ キャリア段位を取得した介護職員が多ければ、質の高いサービスを提供していることをアピールできる。 ○ 職員のスキル・やりがいの向上につな がり、定着や新規参入を促進できる。 ・ 職員のスキル・やりがいの向上につながるとともに、客観的な能力評価が行いやすくなる。 ・ これによって、介護職員の定着や新規参入を促進できる。
○ スキル・やりがいの向上、処遇改善の材料につながる 介護キャリア段位制度のメリット 職員の方にとってのメリット ○ 現場で何ができるかを証明できる ・ 入浴・排泄介助等の介護技術、利用者・家族とのコミュニケーション、感染症・事故への対応、地域包括ケアの実践的スキルなどを現場の仕事を通じて評価。 ○ スキル・やりがいの向上、処遇改善の材料につながる ・ キャリア段位の取得を目標に、できていないことを認識して現場で取り組むことで、スキル・やりがいの向上につながる。 ・ 給料や評価を決める際の重要な材料になるので、処遇改善につながることが期待される。 ○ 一時離職などのデメリットを軽減できる ・ キャリア段位の認定により、一時離職(出産・子育てなど)からの復帰や転職のデメリットを軽減できる。
「できる(実践的スキル)」の評価・認定のスキーム ○ 実務経験など一定の要件を満たした介護職員が評価者(アセッサー)となり評価を実施。評価・認定の客観性を確保するため、評価者には講習の受講を義務付け。 ○ あわせて、内部評価の適正性を確保するため、定期的に、外部機関による評価を実施。 介護事業所・施設 実施機関 (シルバーサービス振興会) 申請 (手数料あり) 介護職員・ 実習生 事務局 認定 評価 ●評価者講習開催 ●申請審査 ●データ管理 等 外部評価 機関 外部評価 契約 レベル認定委員会 評価者 (アセッサー) 評価者講習受講 ●レベル認定 等 ※ ※ 手数料の額は、実施機関が内閣府と協議して決定。平成26年4月1日改訂(被災地3,500円、被災地以外7,100円)
実施のフロー ①事前準備 ②評価 ③申請 ・ キャリア段位の実施手順は次の通り。 被評価者の選定・説明 期首評価と面談 利用者の選定 ・ キャリア段位の実施手順は次の通り。 ①事前準備 ②評価 被評価者の選定・説明 期首評価と面談 利用者の選定 評価の届出(期首登録) スケジュールづくり 期中および期末評価 ③申請 期末面談 申請の届出
「できる(実践的スキル)」の評価基準の概要 事業者や評価者(アセッサー)ごとに評価がバラバラにならないよう、○×(できる・できない)で評価できる基準に基づいて、客観的な評価を実施。 大項目(3) → 中項目(13) → 小項目(41) → チェック項目(148)で構成 大項目 ①基本介護技術の評価 ②利用者視点での評価 ③地域包括ケアシステム&リーダーシップ 中 項 目 ・入浴介助 ・食事介助 ・排泄介助 ・移乗・移動・体位変換 ・状況の変化に応じた対応 ・利用者・家族とのコミュニケーション ・介護過程の展開 ・感染症対策・衛生管理 ・事故発生防止 ・身体拘束廃止 ・終末期ケア ・地域包括ケアシステム ・リーダーシップ 【小項目→チェック項目の例】 ●食事介助ができる ・・・・・・・・ 小項目 ①食事の献立や中身を利用者に説明する等食欲がわくように声かけを行ったか。 ②利用者の食べたいものを聞きながら介助したか。 ③利用者と同じ目線の高さで介助し、しっかり咀嚼して飲み込んだことを確認してから次の食事を口に運んだか。 ④自力での摂食を促し、必要時に介助を行ったか。 ⑤食事の量や水分量の記録をしたか。 【チェック項目の評価】 A:できる B:できる場合とできない場 合があり、指導を要する C:できない -:実施していない チェック項目
「できる(実践的スキル)」のチェック項目(合計:148項目)の編成 大項目 中項目 小項目 チェック項目数 基本介護技術の評価 1.入浴介助 1 入浴前の確認ができる 2 2 衣服の着脱ができる 5 3 洗体ができる 4 4 清拭ができる 3 2.食事介助 1 食事前の準備を行うことができる 6 2 食事介助ができる 3 口腔ケアができる 3.排泄介助 1 排泄の準備を行うことができる 2 トイレ(ポータブルトイレ)での排泄介助ができる 3 おむつ交換を行うことができる 4.移乗・移動・体位変換 1 起居の介助ができる 2 一部介助が必要な利用者の車いすへの移乗ができる 3 全介助が必要な利用者の車いすへの移乗ができる 4 杖歩行の介助ができる 5 体位変換ができる 5.状況の変化に応じた対応 1 咳やむせこみに対応ができる 2 便・尿の異常に対応ができる 3 皮膚の異常に対応ができる 4 認知症の方がいつもと違う行動を行った場合に対応できる
大項目 中項目 小項目 利用者視点での評価 1.利用者・家族とのコミュニケーション 2.介護過程の展開 3.感染症対策・衛生管理 チェック項目数 利用者視点での評価 1.利用者・家族とのコミュニケーション 1 相談・苦情対応ができる 5 2 利用者特性に応じたコミュニケーションができる 6 2.介護過程の展開 1 利用者に関する情報を収集できる 3 2 個別介護計画を立案できる 4 3 個別介護計画に基づく支援の実践・モニタリングができる 4 個別介護計画の評価ができる 3.感染症対策・衛生管理 1 感染症予防対策ができる 2 感染症発生時に対応できる 2 4.事故発生防止 1 ヒヤリハットの視点を持っている 2 事故発生時の対応ができる 3 事故報告書を作成できる 5.身体拘束廃止 1 身体拘束廃止に向けた対応ができる 2 身体拘束を行わざるを得ない場合の手続ができる 6.終末期ケア 1 終末期の利用者や家族の状況を把握できる 2 終末期に医療機関または医療職との連携ができる 地域包括ケアシステム&リーダーシップ 1.地域包括ケアシステム 1 地域内の社会資源との情報共有 2 地域内の社会資源との業務協力 3 地域内の関係職種との交流 4 地域包括ケアの管理業務 2.リーダーシップ 1 現場で適切な技術指導ができる 2 部下の業務支援を適切に行っている 3 評価者として適切に評価できる
○ OJTツールとして活用できる基準(具体的なケアや業務の内容を 記載、現認を重視) 評価基準の特徴 ○ OJTツールとして活用できる基準(具体的なケアや業務の内容を 記載、現認を重視) ○ サービス(在宅・施設など)ごとにバラバラではない共通の基準 ○ 「適切に~できる」、「確実に~できる」といった抽象的な基準では なく、○×(できる・できない)で評価できる客観的な基準 ○ 到達度に応じて、レベルを認定 ○ 実証事業を通じて、レベル認定に必要な評価基準を選択
レベル認定基準をクリアするまで、第2ステップから第4ステップまでを繰り返し、クリア後、レベル認定の申請をする。 ⇒ OJTを推進 評価手順 (OJTを通じた評価) レベル認定基準をクリアするまで、第2ステップから第4ステップまでを繰り返し、クリア後、レベル認定の申請をする。 ⇒ OJTを推進 ステップ 標準的な評価手順 第1ステップ ① 事業所・施設でキャリア段位制度に取り組むことを決める。 ② 評価者(アセッサー)候補を決め、同候補が評価者講習を受講する。 ③ 被評価者を決める。 第2ステップ ④ 被評価者は自己評価を実施する。 ⑤ 被評価者と評価者で面談し、評価期間及び目標を設定する。 第3ステップ ⑥ 被評価者は目標達成を目指して業務を実施。被評価者が目標を達成できるよう、評価者は必要に応じて助言・指導などの支援を実施。 ⑦ 評価者が評価を実施する。 第4ステップ ⑧ 被評価者は自己評価を実施する。 ⑨ 評価者と被評価者で面談し、評価者は自己評価の確認、評価者評価の説明を行うとともに、「できない」と評価された事項等について今後取り組むポイント等を確認する。 ※ 標準評価期間:3か月(下限は1か月)
期中~期末評価の評価方法 ①現認 ②記録確認 ③ヒアリング 期中~期末評価は、①現認(被評価者が行う介護等に立ち会い、介護の状況を実際に観察する方法)、②記録確認(書類で確認する方法)、③ヒアリング(面談で観察する方法)によって実施。 ①現認 ②記録確認 (ⅰ) 「現認」 ○ 期日を決めて2回以上評価。(訪問介護等は1回でもレベル認定の申請は妨げない) ○ 日頃の評価も加味。 ○ 評価に係る利用者は、原則、入浴・食事・排泄介助の全てが必要な要介護4程度以上の方。 (ⅰ) 「記録確認」 ○ 被評価者の実際の対応等に係る記録を確認し、必要に応じてヒアリングも併用して評価。 (ⅱ) 「直近の介護過程の記録確認」 ○ 被評価者が担当する2名以上の利用者について、直近の介護過程の流れ(個別介護計画の立案、モニタリング等)を確認できる記録により評価。 (ⅱ)「状況の変化が起こった場合に現認」、 「対応すべき事態が起こった場合に現認」 ○ 評価者が立ち会える場合は、ケアに立ち会って評価。 ○ 評価者が立ち会えない場合は、記録確認と被評価者へのヒアリングを通じて評価。 ③ヒアリング ○ 必要な対応を行っているかを被評価者に対するヒアリングに基づいて評価。 (ⅲ)「日頃の対応を観察」 ○ 日頃の対応の様子を観察し、必要に応じてヒアリングも実施して評価。