高速分光器マニュアル ○内容 0:高速分光器アクチュエータの予備知識 p. 2

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第5章 JMPのインストールと基本操作 廣野元久
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高速分光器マニュアル ○内容 0:高速分光器アクチュエータの予備知識 p. 2 1 高速分光器マニュアル ver. 1.00 2008 8/2 磯貝 ○内容   0:高速分光器アクチュエータの予備知識               p. 2   1:観測前の準備 (アクチュエータ制御PCが電源OFFの時) p. 4   2:観測前の準備 (制御ソフト立ち上げ) p. 5   3:観望会用セットアップ法 p. 8   4:観測時の制御ソフト使用法 p. 9     4.1:ソフトの見方 p.10     4.2:アクチュエータを動作させる場合 p.11     4.3:現在の位置を確認する場合 p.12     4.4:任意の位置に移動させる場合 p.13   5:登録位置データの詳細 p.14       (コントローラ1、2両方の位置データ全てを掲載)   6:各種マスクスリットの(CCD上での)位置 p.15       (天体をCCD上どの位置に導入したら良いのか、について) 7: 観測準備 (@東広島天文台) p.16   8: 観測 (@東広島天文台) p.18   9: 観測終了時 (@東広島天文台) p.20

0: 高速分光器アクチュエータの予備知識 その1 2 0: 高速分光器アクチュエータの予備知識  その1 ・分光器本体に搭載されているアクチュエータ ・分光器本体 ⑤分散素子2種類    (グリズム、2素子プリズム) 分光器正面上部より 望遠鏡からの光 ④ロングパスフィルター2種類3枚 ③広帯域フィルター3種類BVR ②マスクスリット3種類    (φ0.9丸穴、0.11、0.2mm幅スリット) ①眼視用斜鏡、波長較正(HCT)ランプ 分光器に搭載されているアクチュエータは以上の通り、5本ある。 各アクチュエータは「コントローラ」を介してパソコンと接続され、パソコンからの動作制御が可能 観測では、それぞれのアクチュエータの配置は             ①       ②         ③         ④       ⑤  撮像観測:   素通し    素通し   必要に応じて使用   素通し    素通し  分光観測:    超低分散:   素通し  φ0.9丸穴     素通し 素通し 2素子プリズム         低分散:  素通し   0.2mmスリット  素通し 必要に応じて使用  グリズム   波長較正: HCTランプ 0.11mmスリット  素通し   観測条件に応じて  グリズム   観望会:     斜鏡 -----------------  なんでも可 -------------------------------------

0: 高速分光器アクチュエータの予備知識 その2 3 0: 高速分光器アクチュエータの予備知識 その2 ・アクチュエータ制御PCと各アクチュエータとの関係 ・眼視光学用系斜鏡 ・波長較正ランプ ・素通し XA-PS3 ・スリット(幅0.11mm) ・スリット(幅0.2mm) ・丸穴(φ0.9mm) ・素通し COM2 (ソフトではCOM1) ・グリズム(低分散) ・2素子プリズム(超低分散) ・素通し(撮像) ・広帯域フィルター   (R,B,V) ・素通し XA-PS2 COM4 ・ロングパスフィルター   (L382枚, GG495) ・素通し ・アクチュエータ制御ソフト(業者提供) 1つのコントローラにつき、ソフトを1つ立ち上げる。 コントローラ1(COM1) コントローラ2(COM4)

1: 観測準備 (アクチュエータ制御PCが電源OFFの時) 4 1: 観測準備 (アクチュエータ制御PCが電源OFFの時) ・立ち上げの順番   1: コントローラとコンパクトPCを接続するケーブルが繋がっていることを確認   2: コンパクトPCの電源を入れる   3: コントローラの電源を入れる        ※電源のOFF/ONはコンセントの抜き差しで行う   4: アクチュエータ制御ソフトを立ち上げる    ※ 立ち上げの順番(2、3)を逆にすると制御ソフトを立ち上げた際に       コントローラとの通信でエラーが出る ・コンパクトPC ・ケーブル接続 ・コントローラ電源 電源スイッチは背面にある 結線はコネクタに貼ってあるシールの通りに行う コントローラの電源OFF/ONはコンセントの抜き差しで行う (OFF/ONの際にはコンセントを抜いて15秒ほど待ってからまた差す) 現在(2008年7月中旬)より、アクチュエータ制御PCは分光器土台部分(光学定盤下)に設置してある 左と同じく、電源も現在は分光器の光学定盤・右側面に装着してある

5 2: 観測準備 (制御ソフト立ち上げ) アクチュエータ制御ソフトは、「XA-PS4」という名前で、5本のアクチュエータ全ての制御には、このソフトを2つ立ち上げる必要がある。 1. WindowsXPが立ち上がった後、制御ソフト「XA-PS4」を“まず1回”立ち上げる。 ソフトはスタートメニューの中にも、デスクトップにもアイコンがある) 2. ソフトを立ち上げると最初に右のような画面がでるので、オンラインを選択 選択後、コントローラとの通信が行われ、コントローラから製品情報と登録されている位置データが取り込まれる

6 3. 「ファイル読み込み」をクリックし、位置データファイルを選択する。 ソフトで3軸表示されていれば(右図)、 「マイドキュメント以下にあるxaps4pos_c1.xad」を開く(2軸の場合は4へ)。 丸が1本に対応 ここに、このコントローラが記憶している位置データ情報が表示されている。 上の例は3本のアクチュエータを制御しているコントローラの場合 (※位置データファイルは   「マイドキュメント」のすぐ下にある (最初に表示されるフォルダの一つ上)) 4. 3で2軸表示されている場合(右図)、 「xaps4pos_c2.xad」を開く 2軸のコントローラの位置情報が読み込まれた場合

7 5. ファイル読み込み後、コントローラに記憶されている位置データ情報との照合を行う。 不整合があった場合、コントローラへの書き込みを行う。 6. (2本目の制御ソフト立ち上げ) 再度、制御ソフトを立ち上げる。 今度はコントローラとの通信で必ずエラーが出る。 OKを押した後、次々に開かれる小窓は全てOKで進めていく。 7. 「表示」、「オプション」を選択(右図)して開かれる小窓で、表示されている「通信ポート設定」の番号が   「COM1」であれば4に   「COM4」であれば1に してから、ソフトを一度終了させる。

8 8. 再度、制御ソフトを立ち上げると今度はコントローラとの通信が正常に行われる(ハズ)。 正常に行われた後は「ファイル読み込み」で  COM4にした場合       「xaps4pos_c1.xad」  COM1にした場合    「xaps4pos_c2.xad」 を選択した後、コントローラとの照合を行う(3または4を参照のこと)

3: 観望会用セットアップ 9 3軸表示されているソフトの方で、 「移動テスト」タブをクリックし、 「1」番を入力した後、 3: 観望会用セットアップ 3軸表示されているソフトの方で、 「移動テスト」タブをクリックし、 「1」番を入力した後、 「移動」をクリックする 「1」が表示されれば移動終了。 セットアップも終了。

4: 観測時の制御ソフト使用法 4.1: ソフトの見方 10 アクチュエータの現在位置を確認したり、直接動作させたりする際に使用する 4: 観測時の制御ソフト使用法 4.1: ソフトの見方 アクチュエータの現在位置を確認したり、直接動作させたりする際に使用する アクチュエータを登録した位置に動作させる際に使用する それぞれが一つの軸の情報に対応 各行の登録データの意味。 窓の右端をドラッグして伸ばすことで表示されるようになる コントローラに記憶されている位置情報データが表示される。 1行に3軸(または2軸)の位置その他が登録されている。 各行の動作の意味は、一番右の列のコメント欄に簡単に記載している。

4.2: アクチュエータを動作させる場合 11 「移動テスト」タブをクリックすると、以下のような画面になる 移動したい位置データ番号を入力した後、「移動」をクリック。 ・位置番号について、   1つの番号で一つの動作を登録している(例外:原点復帰)   ※連続して複数の移動を行いたい場合には、後ろの空白に番号を入力    例:     ・眼視斜鏡の挿入     ソフト1の「1」番     ・0.2mmスリットの挿入  ソフト1の「9」番     ・グリズム挿入       ソフト1の「14」番     ・Bフィルター挿入     ソフト2の「5」番                          など

4.3: 現在の位置を確認する場合 12 「ティーチング」タブをクリックすると、以下のような画面になる 「ティーチング開始」をクリックすると、「ここ」に現在のアクチュエータの位置が表示される。 実際にどの素子が入っているかは、位置情報データと比較して判断する必要がある。 情報を確認した後は、「ティーチング終了」をクリック。

4.4: 任意の位置に移動させる場合 13 同じく「ティーチング」タブをクリックした状態で操作する。 移動速度の選択 移動したい軸のしたにある「後退」または「前進」をクリックすると、その軸のアクチュエータが移動する。 移動速度で「JOG送り」を選択している場合には、押し続けると移動し続ける。 移動させた位置を新しい位置情報として登録することが可能。 登録したい行を選択した後で、位置取り込み軸にチェックをいれ、「位置取り込み」をクリック。 その後、必ず「データ編集タブ」でコントローラへの書き込みを行うこと。

14 5: 登録位置データの詳細 ・ソフト1(コントローラ1、3軸)の場合 (全部で34行) ・ソフト2(コントローラ2、2軸)の場合 (全部で12行) アクチュエータの位置情報ファイルは高速分光器のホームページ上からダウンロード可能(バックアップを目的として掲載している)

6: 各種マスクスリットの(CCD上での)位置 15 6: 各種マスクスリットの(CCD上での)位置 ※ 高速カメラ制御ソフト(Unicap)上では、y軸方向が逆に表示されるので注意が必要 ・φ0.9mm 丸穴 ・0.11mmスリット ・0.2mmスリット y x スリット幅(FWHM) = 4 pix スリット中心 = x:  12 y: 239.5 pix 134 244.0 256 248.0 287 249.0 378 252.5 501 256.5 スリット幅(FWHM) = 7 pix スリット中心 = x:  12 y: 239.5 pix 134 243.5 256 248.0 287 249.0 378 252.5 501 256.5 丸穴  中心 = (287,249) pix  直径 = 32 pix 両スリットの中心位置関数: y = 239 + 0.035*x ○ まとめ 全てのマスクスリットで、 位置= (287, 249) に導入することを目指す  スリットの場合には、0.11mm幅、0.2mm幅ともに   x = 256 – 300 y= 248 – 249 pix にしても観測できる。 さらに、任意のスリット位置 x に対しては、   y = 239 + 0.035x  (誤差<0.5pix で有効) がスリット中心になる。

16 7: 観測準備 (@東広島天文台) 高速分光器の観測は、ナスミス台に置かれている2台のWindowsPCを、RealVNCを用いて制御室よりリモート操作して行う。 以下、その操作手順を説明する。 制御室内の画像: 制御室入り口付近より撮影 1. 制御室で使用するPC 高速分光器の観測で使用する制御室のPC。 上下2画面を使用する。 2. RealVNCの立ち上げ 下側のモニターの全画面 ナスミス台にある2台のWindowsXPを操作するために、RealVNCというソフトを使用する。 1で指摘したPCの下のモニターの一番したにあるメニューの、  アプリケーション → インターネット →VNC viewer を選択。

17 3. IPアドレスの入力 2でRealVNCを選択すると、右図のようなウィンドウが立ち上がるので、まず高速カメラのIPアドレスを入力。 (IPアドレスは下の表を参照) 次に、Passwordを聞かれるので、パスワードを入力する。 パスワードは、「       」である。 高速カメラのViewerを立ち上げたら、同じ手順でアクチュエータのViewerを立ち上げる。IPアドレスは下の表を参照。パスワードは高速カメラと共通である。 2台のPCのIPアドレス(固定):  高速カメラ制御: 192.168.0.115 アクチュエータ制御: 192.168.0.120 上: 高速カメラ Viewer 4. モニター上での配置 2つのVNC viewer を右図のように、上下のモニターに分けて配置すると、観測に便利である。 下: アクチュエータ Viewer

8: 観測 (@東広島天文台) それぞれの観測モードでの手順は以下の通り ・プリズム分光観測 ・グリズム分光観測 ・撮像観測 18 8: 観測 (@東広島天文台) それぞれの観測モードでの手順は以下の通り ・プリズム分光観測 ・ソフト1(3軸表示されている方)で移動テスト「2番」を実行し、ソフト2(2軸表示されている方)  で移動テスト「1番」を実行。           イメージングモード ・目的天体を視野内に導入。 ・画像を1枚取得しておく。              波長較正の際に必要 ・ソフト1で「13番」を実行。              2素子プリズムの挿入 ・観測開始 ・グリズム分光観測 ※波長較正観測を必要とする(詳細は本マニュアルp.19を参照) ・ソフト1(3軸表示されている方)で移動テスト「2番」を実行し、ソフト2(2軸表示されている方)  で移動テスト「1番」を実行。           イメージングモード ・目的天体をスリット位置に導入(本マニュアルp.15を参照)。 ・ソフト1で「9番」を実行。              0.2mmスリットの挿入 ・目的天体をスリット中心に導入(微調整) ・ソフト1で「14番」を実行。              グリズムの挿入 ・観測開始 ・撮像観測 ・ソフト1(3軸表示されている方)で移動テスト「2番」を実行し、ソフト2(2軸表示されている方)  で移動テスト「1番」を実行。           イメージングモード ・目的天体を導入。 ・必要に応じてフィルターを挿入       ソフト2で「B:5番, V:6番, R:4番」を実行 ・観測開始

・波長較正観測 19 ※グリズム分光観測を行った際に必要となる観測 ・ソフト2で「1」番を実行 全てのフィルターを光路から外す ・ソフト2で「1」番を実行 全てのフィルターを光路から外す ・ソフト1で「16番」を実行             波長較正観測モードになる ・観測は、積分時間33msで33枚ステップで100枚取得とする ・移動完了位置の表示が「16」になってからUnicap上で連続積分を開始   ※ 最初ネオン輝線が強く、30秒ほどでネオンが消えて水銀輝線が顕著になる ・波長較正用フレーム作成の際には、取得した100枚のフレームの数十枚を選び、   imcombineで1枚のフレームにする(両元素の輝線が同じ程度の強さになるよう   結合する枚数を調整する) ・連続積分が終了したら、ソフト1で「1番」を実行する。

9: 観測終了時 (@東広島天文台) 観測終了時には、必ずアクチュエータの移動テスト「1番」を実行しておく。 20 9: 観測終了時 (@東広島天文台) 観測終了時には、必ずアクチュエータの移動テスト「1番」を実行しておく。 3軸表示されているソフトの方で、 「移動テスト」タブをクリックし、 「1」番を入力した後、 「移動」をクリックする 「1」が表示されれば移動終了。 セットアップも終了。