第11回 フィールドセンシングシステム 環境センサ IDセンサ フィールドシステム.

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第11回 フィールドセンシングシステム 環境センサ IDセンサ フィールドシステム

センシングとは 出典)山崎弘郎著 センサ工学の基礎,昭晃堂,平成14年.

センシングシステムの形態 観測装置 時 間 変 化 低 頻 度 高 頻 度 定点観測 土壌化学汚染の調査 地質・地下水のボーリング 対象物状態 観測装置  時  間  変  化  低  頻  度 高  頻  度 定点観測 土壌化学汚染の調査 地質・地下水のボーリング 農作物や樹木の生育状況等 アメダス等気温や湿度の観測 交差点の通行交通量の調査 大気・水質などの自動観測 GPS地盤変動観測 移動観測 低密度 測量機器による標高や座標の計測等 地域交通調査 高密度 車載GPSによる位置座標の計測 野生動物の行動の調査 人間の生活行動調査 航空写真撮影 マラソンのテレビ中継 交通違反車両の追跡 衛星リモートセンシング

環境と計測 目的 計測の対象 計測(センシング)の原理 物理環境の構成・状態・変化を知る 環境現象が発生・変化・変異するメカニズムを知る 環境の変化を誘導・制御・回避する 計測の対象 力->圧力センサ 長さ->速度・距離センサ 流速->流量センサ 熱->センサ 物質構成->成分センサ 計測(センシング)の原理 接触センサ・非接触センサ ポイントセンサ・イメージセンサ 能動センサ・受動センサ

センサの基本構造 磁気センサの場合 センサの一般構造 出典,田所嘉昭,計測・センサ工学)

センサの基本回路 ガス温度センサの場合

能動センサと受動センサの違い 受動センサ 能動センサ 質問: センサって,なにを計測しているのか.物質?,エネルギー?,情報?

アナログセンサとデジタルセンサ アナログセンサ デジタルセンサ AD変換

温度センサ 温度センシングの意義は? 質問:温度とはなに? 温度の単位 温度測定の方式 摂氏(℃),華氏F(F=32+℃),ケルビンK(K=273.15+℃) 温度測定の方式 接触測定法:センサと対象物が接触し,熱平衡状態になるようにしてセンサの温度を読む方式 熱電形温度計 抵抗形温度計 熱膨張温度計 非接触測定法:対象物が放出する熱放射を測定して熱放射源の温度を求める方式 単色形放射温度計 全放射温度計 温度センシングの意義は?

成分センサ 対象成分に対する選択性を利用することが基本 成分センサ 対象成分に対する選択性を利用することが基本 ガス成分センサ 熱伝道形ガスセンサ ガスクロマトグラフ 赤外線ガス分析計 表面付着を利用したガスセンサ 液体成分センサ: pHセンサ イオンセンサ 導電率形液体濃度センサ

個体識別センサ:RF-ID Radio Frequency Identification System 非接触でデータの読み出し&書き換え(Read&Write)が可能。 「もの」と「情報」との一元化 生産品種、機種、ロット管理 生産工程の履歴管理 検査工程での検査情報管理 電波・電磁波で交信するため、汚れ、ほこり等の影響を受けない。 水、洗浄液、溶剤、塗料、アルコール、クーラント 等 切削片、スパッタ、遮蔽物(金属以外) このページ以下は,OMURON社のHP資料を利用しています.

RFIDの利用イメージ

RFIDの特徴 タグの形状に様々な形状がある。 小型化しやすく、小さな取り付けスペースにも対応できる。 タグは、耐環境性に優れ、水、油、薬品等の汚れや、外乱光による影響を受けない。 タグは、半永久的に使用可能。アンテナ側からの非接触電力伝送により、電池レス化。 メンテナンスフリーなうえ、繰り返し使用によりランニングコストも安価。(再利用型) 読み書きが自由。 紙・木・プラスティックなどの非金属であれば、透明でなくても透過して通信することが可能。 記憶データ容量が大きい。

RFIDの種類

RFIDの機能比較

RFIDの形状

RDIDの使い方 (1:N) 複数のRFIDタグと一度にアクセスする RFIDタグがアンテナの領域に入ってきた順番にアクセスする。 (1:1) RFIDタグがアンテナの領域に入ってきた順番にアクセスする。 (1:N)  複数のRFIDタグと一度にアクセスする (1:1/N)  複数のRFIDタグの内、限定したタグとのみアクセスする

フィールドセンシングの分野 モニタリングシステム:環境状態を測定する トラッキングシステム:移動体を追跡する コミュニケーションシステム: (測器を固定または移動体に取り付けて環境状態を観測) 気温観測システム,設備モニタリングシステム 大気環境モニタリング,セキュリティ監視システム 地殻変動モニタリング,構造物変位監視システム 基本構成:センサとその配置,設置場所. トラッキングシステム:移動体を追跡する (特定多数の移動体←→サーバ間通信) タクシー配車システム,運送会社の集配システム 施設の修理と復旧対応 基本構成:移動体位置識別,ID識別,クライアント/サーバ間通信 コミュニケーションシステム: (不特定多数の移動体同士の通信) 空間自律分散協調型行動システム,空間ゲーミングシステム 基本構成:移動体位置識別,クライアント同士・クライアント/サーバ間通信

フィールドセンシングの計画事項 ①測定の目的 ②測定の項目 ③測定の精度 ④測定の方法 ⑤機器の調達とシステムの構築 対象とする問題,基本的関心事項 前提と仮説.測定すべき項目の選定 ②測定の項目 項目の数=測器の種類 ③測定の精度 空間精度:測点の空間的密度とその配置方法 時間精度:測点の時間的サンプリング間隔 ④測定の方法 目的を達成できる時空間精度で,測定を実施する方法 定期的か不定期的か.短期か長期か ⑤機器の調達とシステムの構築

モニタリング(温度測定) ①測定の目的 ②測定の項目 ③測定の精度 ④測定の方法 ⑤機器の調達とシステムの構築 対象とする問題,基本的関心事項:都市の熱環境 前提と仮説:人工舗装面の増加が気温の上昇をもたらす 測定対象の特性:時間/日/季節/天候/周囲環境によって変化 ②測定の項目 項目の数=測器の種類:人工舗装面の温度,気温 ③測定の精度 空間精度:様々な舗装情報を考察したいなら測点をふやす 時間精度:温度変化の速さを考慮して,決める ④測定の方法 一回,数回,一日24時間,短期,長期 手動か自動.固定観測か移動観測か. ⑤機器の調達とシステムの構築 気温計・地温計

モニタリング(大気汚染測定) ①測定の目的 ②測定の項目 ③測定の精度 ④測定の方法 ⑤機器の調達とシステムの構築 http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/cgi-bin/tokyokh/bunpu1/p101.cgi ①測定の目的 対象とする問題,基本的関心事項:都市の大気汚染 前提と仮説:自動車交通の増加が大気汚染をもたらす 測定対象の特性:時間/日/季節/天候/周囲環境によって変化 ②測定の項目 項目の数=測器の種類:自動車排気ガスではNOxがメイン ③測定の精度 空間精度:道路沿いが重要.参照のためそうでないところも 時間精度:NOx変化の速さ.交通量の変化リズムを考慮 ④測定の方法 一回,数回,一日24時間,短期,長期 手動か自動,固定局か移動局か. ⑤機器の調達とシステムの構築 NOx測定センサ.気象条件も同時に測定すべく

簡易なフィールドシステム ハードウェアの基本構成 GPSアンテナ シリアル通信カード ←環境センサ ・温度センサ ・水質センサ ・・・・ 通信カード ・Wireless Lan Card ・電話モデム GPSカード 機器の紹介 ソフトウェア→ ・地図表示 ・位置表示 ・通信設定        等 PDA端末

環境フィールド測定システム 株式会社赤坂テックのArcMateシステム http://www.akasakatec.com

トラッキング(タクシー配車システム) パナソニックのページ http://panasonic.biz/musen/7/index.htmlより

トラッキング(運送配車管理システム) 株式会社フジ・データ・システムのページより http://www.fdsnet.co.jp/seihin04.htm

トラッキング(ゴルフ場管理システム) 熊本無線のページより: http://www.kumamotomusen.com/gps/kgp_3000.html

トラッキング(動物追跡用GPS首輪) http://www.gisup.com/product/indx_televilt.htm

コミュニケーションシステム 移動体とセンターとのコミュニケーション 移動体と環境とのコミュニケーション 移動体同士とのコミュニケーション 広域情報を取得する 指令をもらう ローカルの情報をアップする. 移動体と環境とのコミュニケーション 環境に適した行動を取る 移動体同士とのコミュニケーション 協調を取る コミュニケーションシステムの例 ITSの安全走行支援システム

例:ITSの衝突防止システムの構想

砂漠化地域におけるフィールドセンシング

GPSによる家畜の行動圏の記録 ヒツジにGPSロガーを取り付ける 出典)秋山 侃,川村健介,内蒙古草原の植生変化・土地劣化,システム農学,19(3),2003