researchmapの研究活動データを 活用した取り組み事例

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researchmapの研究活動データを 活用した取り組み事例 情報・システム研究機構 国立情報学研究所 新井 紀子

Researchmapの背景 なぜ、共通化しないの? 2000年~研究に関する各種調査が急増。研究者の多忙感、事務コスト上昇の原因に 2005年~大学が独自に研究業績管理システムを開発。→開発・管理費が予算を圧迫 なぜ、共通化しないの?

なぜこうなった? 省庁の縦割り・省内の縦割り サンクコストを諦められない 調査を実施する主体(JSPS, JST, NISTEP, 大学評価学位授与機構, 私学基準協会等)は情報を共有しない。大学内の縦割り 研究者総覧(広報)、業績管理(学長直轄機関)、競争的資金管理、人事は情報を共有しない。 サンクコストを諦められない 独自に構築したシステムの費用対効果が低くても、軌道修正ができない。

従来の研究業績収集フロー 研究者 事務員 WORD等で研究業績を作成 情報をフォーマット化 事務方 執行部 把握すべき業績の追加項目を検討 問題点: ・入力ミス、重要項目(ジャーナル名、 巻、号等)の欠損 ・網羅性が低い(共著論文の把握し忘れ) ・入力フォーマットがバラバラ→機械での 処理ができない 問題点: ・内容を理解していないための入力ミス ・入力フォーマットがバラバラ→人力でひたすら時間 をかけて処理 ・業者に渡してHTML化 事務方 研究業績取りまとめと、外部資金管理・研究者 情報管理、広報は別組織。 理事会直轄の特任担当者が理事会の意向を 業者発注。 執行部 把握すべき業績の追加項目を検討 問題点: ・独自項目が提案されることで、その システム改修コストを押し上げる。 ・研究業績管理システムの専門ではない ためシステム比較、費用対効果の検討 が十分にできない。 問題点: ・執行部はその場の思い付きで項目を増やす。 ・教員の研究情報公開に対するスタンスばらばら ・教員は多忙感を理由に逆切れ ・担当のURAや特任助教では教授会説得の権限 がない。

ソリューション=researchmap すべての大学・機関・研究者が共通で利用できる研究業績管理用システムを構築する。 研究者は自らの目的(競争的資金の応募書類・報告書作成)のために使う。 事務方は研究者の業績をダウンロードし、自らの目的(調査・報告書のとりまとめ等)のために使う。 大学は自らの目的(研究者総覧構築・競争的資金獲得のための資料作成等)のために使う。 役所は自らの目的(科学技術政策のための科学等)のために使う。 全機関がresearchmapを利用すると100億/年の節約

Researchmapを利用するメリット Researchmapの開発と運用はプロ(ROISとJST)に任せることができる。 サービスは無償 最先端のユーザインタフェイス Scopusを含むデータベースの利用も可 研究者は、名前・所属機関・科研費番号を入力すれば、論文の約9割を30分程度で自動フィードできる。 サーバ管理・セキュリティ問題から解放される 研究者総覧・研究業績データ・研究業績分析システム が無償で手に入る!

Researchmapで利用できる「研究業績自動フィード」とは? Scopus(海外主要論文)、CiNii(国内論文誌・商業誌・紀要等)、Pubmed(医学関連論文)、CiNii Books/Amazon(書籍)、KAKEN(科研費取得状況)等から業績を自動的に取得できる仕組み 手入力による誤入力やデータ欠損がなくなる。 研究者が入力し忘れた業績も網羅的に収集できる 自動フィードによって、業績が2割以上増える。 DOI(本文データへのリンク)が付与されることから、本文が閲覧される機会が増え、引用回数が増える。

歩み 2009年 ROISがresearchmapを公開 2011年 JSTがresearchmapを正式採用 Scopus, 特許情報の自動フィード追加 APIの公開 Researchmapを利用して大学研究者総覧システムを無償構築できるようになる 2013年 e-Radとの連携開始 2014年 北大・京大・高専機構ほか100以上の大学・機関がresearchmapのAPIを活用 2015年 研究業績集約システムとしてresearhcmapの活用が閣議決定される

(事例) APIを活用して、研究者総覧を自動構築 ResearchmapのAPIを活用 して研究者総覧構築支援 をしている企業は10社以上。 女性研究者総覧 ROIS ResearchmapのAPIを活用 して研究者総覧構築支援 をしている企業は10社以上。 コストは従来手法の1/4~1/10 デザインも豊富。 追加機能も多様。

研究業績分析ツール ROISが2013年から開発。 各機関が自学の研究者の業績をダウンロードし分析するための支援ツール URAが自学の強みや弱みを分析し、データに基づき競争的資金応募・中期計画立案等に役立てるツール 年ごとの業績(論文・著書・講演・受賞・特許・競争的資金獲得・社会貢献等)の変化の可視化 学内の研究科間比較、機構内の研究所比較 共著論文の名寄せ機能有り 2015年からオープンソース(無償)で提供予定

研究業績分析ツールの構成

まとめ 研究業績をresearchmapにまとめると・・・ 研究者は業績の手入力から解放され、多忙感から解放される。 事務はデータ変換作業から解放され、標準フォーマットデータをCSV,XMLなどの形式でいつでも好きなときに入手できる。 基盤センターは独自システムのセキュリティ問題から解放される。 大学は業績一覧・業績分析システムを開発・購入する必要がなく、人件費は2人分、システム費は1/4以下に圧縮できる。