ネットワーク技術II 第8.2課 イーサネット・スイッチング

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1 情報ネットワーク 課題レポート 模範解答 身の回りで、階層化されている物事を 1 つあげて、その階層構造を説明 せよ 課題のポイント – 機能が階層ごとに分割されているか – 同じ層でのやりとり(プロトコル)があるか – 上位層と下位層での情報のやりとり(インタフェース)があるか –
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ネットワーク技術II 第8.2課 イーサネット・スイッチング http://www.info.kindai.ac.jp/NetEngII 38号館4階N-411 内線5459 takasi-i@info.kindai.ac.jp

Web教材の間違い(1) 8.2.1 図1 誤 : 拡張メディア 正 : 拡張共有メディア

ネットワークのタイプ 共有メディア環境 拡張共有メディア環境 ポイントツーポイント 複数のホストが同じメディアを共有 ネットワークデバイスでメディアが拡張 ポイントツーポイント 1対1で接続 ダイヤルアップネットワークで広く使用

ネットワークのタイプ コリジョン 発生 共有メディア(マルチアクセス) 拡張共有メディア(リピータを使ったマルチアクセス) ポイントツーポイント(1対1アクセス)

コリジョンドメイン 同一メディア、もしくはレイヤ1機器によって接続されたネットワーク ドメイン内の複数のホストがほぼ同時期に送信するとコリジョンが発生する ハブ リピータ

コリジョンドメイン 共有メディア リピータで拡張された共有メディア ハブ接続 リピータで拡張されたハブ接続

コリジョンドメイン ハブ (レイヤ1) スイッチ (レイヤ2) ルータ (レイヤ3)

レイヤ1機器とコリジョンドメイン PC A→PC B PC G PC H PC F PC A PC E PC B PC D PC C

レイヤ1機器とコリジョンドメイン PC A→PC B PC E→PC F PC G PC H PC F コリジョン発生 PC A PC E PC D PC C

CSMA/CD Carrier Sense Multiple Access Collision Detect

CSMA/CD そろそろいいかな? 待ち時間は試行回数から計算 回数の多いほど長く待つ

コリジョンドメインの増加 送信 したい PC G PC H PC F PC A PC E PC B PC D PC C

コリジョンドメインの増加 少し 待とう PC G 送信 しよう PC H PC F PC A PC E PC B PC D PC C

コリジョンドメインの増加 PC G 送信 しよう PC H PC F コリジョン発生 PC A PC E PC B PC D PC C

コリジョンドメインの増加 送信 しよう PC G 少し 待とう PC H PC F コリジョン発生 少し 待とう PC A PC E PC B PC D PC C

コリジョンドメインの増加 コリジョンが連続発生して いつまで経っても通信できない 少し 待とう PC G 送信 しよう PC H PC F コリジョン発生 少し 待とう PC A PC E 少し 待とう コリジョンが連続発生して いつまで経っても通信できない PC B PC D PC C

セグメント長の制限 イーサネットフレーム : 最短64B 送信終了前に コリジョン検出 送信 開始 送信 開始 コリジョン発生

送信 開始 64B 送信完了 長過ぎるセグメント コリジョン発生 送信 開始 コリジョン検出する前に 送信を完了してしまう

レイトコリジョン 64B送信後に発生するコリジョン 長過ぎるセグメントで発生 通常のコリジョン発生時には NICはフレームを再送信するが レイトコリジョンでは再送信されない

4リピータルール ホスト間にはリピータ(ハブ)は4台まで

5-4-3-2-1ルール セグメントは5つまで リピータは4つまで ホストの繋がったセグメントは3つまで リンクセグメントは2つまで 全体で1つのコリジョンドメイン

5-4-3-2-1ルール リンクセグメント ホストの繋がったセグメント

ラウンドトリップ遅延 ラウンドトリップのガイドライン

コリジョンドメインのセグメント化 レイヤ2またはレイヤ3の機器を使えばコリジョンドメインをセグメント化できる ブリッジによるセグメント化 ルータによるセグメント化

レイヤ2機器とコリジョンドメイン PC A→PC B PC G PC H PC F PC A PC E PC B PC D PC C

レイヤ2機器とコリジョンドメイン PC A→PC B PC E→PC F PC G PC H PC F PC A PC E PC B PC D PC C

レイヤ2ブロードキャスト ネットワークに繋がれた全ホスト宛の送信 MACアドレスFF-FF-FF-FF-FF-FF ブロードキャスト 受信

スイッチの動作 fa1 fa2 fa3 fa4 AA CC DD XX BB AA→ブロードキャスト(FF-FF-FF-FF-FF-FF) ブロードキャストは 全ポートから送信 MAC:XX fa4 MAC:AA fa1 fa2 fa3 フォワーディングテーブル fa1 fa2 fa3 fa4 AA CC DD XX BB MAC:BB MAC:CC MAC:DD

送信の種類 ユニキャスト ブロードキャスト マルチキャスト 単一のノード宛の送信 同一ネットワーク上の全てのノード宛の送信 同一ネットワークの特定のグループのノード宛の送信

ブロードキャストMACアドレス ブロードキャスト マルチキャスト FF-FF-FF-FF-FF-FF 01-00-5E-??-??-?? ??にはマルチキャストIPアドレス(レイヤ3)から計算された値が入る

ブロードキャストが起こる状況 発生元 操作 ワークステーション ARP(Address Resolution Protocol)要求 ルータ RIP(Routing Information Protocol) マルチキャスト アプリケーション

ARP(Address Resolution Protocol) アドレス解決プロトコル IPアドレス(レイヤ3)→MACアドレス(レイヤ2) 参考 : RARP (Reverse Address Resolution Protocol ) MACアドレス→IPアドレス

ARP要求 例 : IPアドレス192.168.1.2へ送りたいが MACアドレスが分からない 192.168.1.2の人 11-22-33-44-55-66です

RIP(Routing Information Protocol) ルーティング情報プロトコル ルータ間でルーティング情報を交換する 30秒に1回ブロードキャストをする

RIP ネットワーク1宛は ルータAへ送ろう 僕にはネットワーク1,2,3が繋がっているよ ネットワーク1 ルータB ネットワーク2 ルータD ネットワーク3 ルータC

ブロードキャストのデメリット ブロードキャストはブリッジ(スイッチ)を 越えて送信される ネットワーク内のトラフィックが増える ブロードキャストストーム  多数のブロードキャストが同時に送信される状態  ネットワークの帯域幅を大量に消費し、ネットワークタイムアウトの原因となる。

ブロードキャストによる パフォーマンスの低下

ユニキャストと各レイヤ機器 PC1→PC2 PC1 ハブ (レイヤ1) スイッチ (レイヤ2) ルータ (レイヤ3) PC2 レイヤ1機器は全てのポートから転送 レイヤ2,3機器は宛先のポートからのみ転送

ブロードキャストと各レイヤ機器 PC1→ブロードキャスト PC1 ハブ (レイヤ1) スイッチ (レイヤ2) ルータ (レイヤ3) レイヤ1,2機器は全てのポートから転送 レイヤ3機器はブロードキャストフレームを遮断

ブロードキャストドメイン ブロードキャストが送られる範囲 ルータはブロード キャストドメインを セグメント化する

各レイヤ機器とドメインの分割 リピータ 1 分割しない ハブ ブリッジ 2 分割する スイッチ ルータ 3 機器 レイヤ アイコン コリジョン ドメイン ブロードキャスト リピータ 1 分割しない ハブ ブリッジ 2 分割する スイッチ ルータ 3

ネットワーク内のデータフロー フレーム転送はレイヤ1,2,3で行われる

ネットワーク内のデータフロー PC A →PCB 4~ data data from IP A to IP B IP A IP B IP A レイヤ 4~ data data from IP A to IP B IP A IP B IP A IP B IP A IP B 3 from MAC A to MAC R1 MAC A MAC R1 MAC R1 MAC R2 MAC R1 MAC R2 MAC R2 MAC B MAC R2 MAC B 2 1 PC A R1 R2 PC B

データフローと各レイヤ機器 レイヤ フレーム転送 フィルタリング 1 必ず転送する 行わない 2 可能であれば 転送する 宛先MACアドレスに 基づく 3 必要なければ 転送しない 宛先IPアドレスに

セグメント 「セグメント」には様々な用法がある ブリッジ、ルータ、またはスイッチで区切られたネットワークの一部。 バス型トポロジを使用するLANにおける連続的な電気回路。 TCP仕様で使われる用語であり、トランスポート層の情報単位を指す。 用例  スイッチはコリジョンドメインをセグメント化する  ルータはブロードキャストドメインをセグメント化する

8章まとめ コリジョン ドメイン ブロードキャストドメイン フレーム転送 フィルタリング 1 分割しない 必ず転送する 行わない 2 レイヤ コリジョン ドメイン ブロードキャストドメイン フレーム転送 フィルタリング 1 分割しない 必ず転送する 行わない 2 分割する 可能ならば転送する 宛先MACアドレスに基づく 3 必要なければ転送しない 宛先IPアドレスに基づく