京都大学理学研究科高エネルギー研究室 修士一年 田口 誠

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GLD カロリメータの読み出しに 用いられる光検出器 MPPC の性能評価 2007 年9月 22 日 日本物理学会@北海道大 筑波大学 山崎秀樹 金信弘 須藤裕司 生野利典 高橋優介 他 GLD カロリメータグループ 2016/7/22.
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京都大学理学研究科高エネルギー研究室 修士一年 田口 誠 MPPCのテスト結果 京都大学理学研究科高エネルギー研究室 修士一年 田口 誠

テストしたサンプルと測定項目 311-53-1A-002-1,3,7(100ピクセル) - ノイズレート、ゲイン、クロストーク率、PDE -レーザーテスト 新しいサンプル 新しいサンプル

ノイズレート測定 MPPCは光を当てていない状態でも、熱によるピクセルの 放電が起こっている (1p.eパルスが典型的)  測定は 光を当てていない状態で、信号に対して  0.5p.e, 1.5p.e でスレッショルドをかけ、そのカウントレートをとった イベント数 0p.e 104 イベント数 103 1p.e 0.5p.e # event 102 2p.e 1.5p.e 10 電荷量

ノイズレート 測定 311-53-1A-002-1(100) 311-32A-002-5(400) 1MHz 1MHz 100kHz ■ 0.5p.e スレッショルド ▲ 1.5p.e スレッショルド   311-53-1A-002-1(100)   311-32A-002-5(400) 1MHz 1MHz 100kHz 100kHz 15℃ 15℃ 20℃ 20℃ 25℃ 25℃ 68.4 69.6 68.4 69.4 バイアス電圧 バイアス電圧

ゲイン の測定 MPPC ゲイン Q = e・(アンプゲイン) 青色LED Charge sensitive ADC 1ピクセルが出すシグナルの大きさ(電荷量)をMPPCの1p.e.シグナルから求める アンプ X10~100 MPPC 電荷量 # event 0p.e 1p.e 1p.e.の電荷量(Q) から MPPC ゲインを求める MPPC ゲイン Q = Q e・(アンプゲイン) 素電荷

ゲイン測定@T=20℃ ゲイン 311-53-1A-002(100) 3×106 21-53-1A-14(100) 1×106 0.5p.e スレッショルド ノイズレート 500kHz 1MHz

クロストーク率測定 104 103 102 クロストーク率 = 10 と計算できる 0.5p.e 1.5p.e ランダムに取った電荷量分布 イベント数 104 103 102 クロストーク率 = 10 電荷量 と計算できる 0.5p.e 1.5p.e

クロストーク率測定@T=20℃ 21-53-1A-14(100) 311-53-1A-002(100) 0.2 0.1 500kHz 1MHz 0.5p.e スレッショルド ノイズレート

PDE 測定@T=15℃ 受光面と表面の保護膜との間に距離があるため、ファイバーを用いて読み出す場合、ファイバーからの光の広がりによる光量のロスがある →この影響を調べるため、次の2種類の測定を行った ファイバーからの光を1mmφのスリットを通して入射させる ファイバーをMPPCに直付けして、直接ファイバーからの光を入射させる(この測定ではファイバーからの光の広がりによる光量のロスが含まれたPDE,effective PDEを測定している) セットアップ 青色LED 青色LED MPPC MPPC リファレンス用 ½インチPMT リファレンス用½インチPMT 1mmφファイバー 1mmφファイバー 1mmφスリット スキャン スキャン

PDE測定@T=15° 縦軸の値はPMTとの相対的なPDE クロストークの影響は差し引いてある 311-53-1A-002-7(100) ■ effective PDE 311-53-1A-002-7(100) 311-32A-002-5(400) 21-53-1A-14(100) 2 2 1 500 900 ノイズレート(kHz) ノイズレート(kHz) 500 900 550 900 400 900 ノイズレート(kHz) ノイズレート(kHz) ノイズレート(kHz) ファイバーからの光の広がりによって光量は50~60%になっている

PDEの個体差@T=15℃ ノイズレート=900kHzの時の値 311-53-1A-002 311-32A-002 21-53-1A # PDE Effective PDE 3 1.9 1.1 4 5 2.2 1.2 # PDE Effective PDE 1 2.2 1.2 3 1.1 7 2.1 # PDE Effective PDE 14 0.95 0.55 16 0.45 17 0.9 個体差はあまりない 311-タイプのPDEは21-53-1Aタイプ(これまでで最もPDEが高かったもの)と比べて2倍ぐらい大きい

リニアリティ測定セットアップ 青色LEDを十分遠ざけて、MPPCとPMTに同じ光量が入るようにする MPPCに入る光量はPMTでモニターする 一様光 PMT 青色LED MPPC

リニアリティ測定@T=15℃ 150 30 入射p.e 入射p.e 入射p.e 入射p.e リニアからのずれ 311-32A-002-3(400) ノイズレート=600kHz 10% ピクセル数、クロストーク率から計算される理論曲線 20% 直線でフィット 150 入射p.e 100p.e 200p.e 入射p.e リニアからのずれ 21-53-1A-14(100) ノイズレート=600kHz 10% 20% 30 入射p.e 25p.e 40p.e 入射p.e

生のシグナル 311-53-1A-002-1 ノイズレート=1345kHz 311-32A-002-5 ノイズレート=1246kHz ノイズレート>1MHzぐらいになると~10p.eに相当する大きなノイズが見られるようになる

ビームテスト@KEK セットアップ ビーム MPPC 64ch MAPMT 21-53-1A-13,14,16,17のタイプを用いてビームによるシンチ+ファイバーの読み出しテストを行った MPPC パッケージ内での受光面の位置がサンプルごとにばらついているため、MPPCとファイバーのアラインメントを行った 移動ステージでファイバー をスキャンし、 MPPCのシグナル が最大の点でファイバーの 位置を固定した(誤差20%) 固定具 ファイバー固定ネジ MPPC 固定具 ファイバー(1mmφ) 21-53-1AタイプのMPPCを用いて、測定したPDEから予想される光量とほぼ同じ光量を得ることができた

Pとπの光量分布 π p MPPC MAPMT 1.2GeV 1.0GeV 0.9GeV 1.2GeV 1.0GeV 0.9GeV

レーザーテスト 用いたサンプルと測定項目 21-53-1A(100ピクセル) 100μm レーザーをピクセルごとに入射し、MPPCのピクセルごとのふるまいを調べた 顕微鏡 レーザーソース λ=825nm width 50ps 用いたサンプルと測定項目 21-53-1A(100ピクセル) -ピクセルごとのゲイン、efficiencyのばらつき -ピクセル内でのefficiency分布 1-63-1A(100ピクセル) レーザースポットサイズ  ≒10μm MPPC 移動ステージ 1μm ピッチ (x , y)

ピクセル内でのefficiency分布(21-53-1A) 受光面 70x70μm 1ピクセル内でレーザーを2次元スキャンし、各ポイントごとのEfficiencyを調べた 1ピクセル 10μm ピッチ 真ん中の60μm×60μmにefficiencyのフラットな領域がある 100μm レーザー Efficiency 計 100 ポイント スキャン 1p.e. y Efficiency= 全イベント数における 0.5p.e.以上の割合 0p.e. x 100μm 100μm 0.5p.e.

ピクセルごとのゲイン、efficiencyのばらつき(21-53-1A) ピクセルごとのレスポンスはよくそろっている x 計100ピクセルスキャン RMS/mean=3.6% RMS/mean=2.5% 相対efficiency 相対ゲイン 1.06 1.04 0.92 0.96 y y x x

1ピクセル内でのefficiency分布(1-63-1A) このサンプルはLED光の全面照射によってゲインが2つに分かれているように見えていた→ピクセルごとにゲインがばらついている? しかし、レーザーを1ピクセル内に照射しても、やはり2ゲインに見えた          →ピクセル内でゲインがばらついていることがわかった 0p.eの割合 小さいパルスの割合 0p.e 大きいパルスの割合 電荷量 1-63-1Aの電荷量分布 大きいパルスの割合は1ピクセルの有感領域と不感領域との境界付近で大きくなっている

まとめ 新しく届いた311-タイプのMPPCについてゲイン、クロストーク率、ノイズレート、PDE、リニアリティを調べ、特にPDEは今までのものの2倍くらいになっていた ファイバーを用いて読み出す場合、パッケージ構造による光量のロスは40~50%ぐらいあった レーザーテストの結果、21-53-1Aタイプについてはピクセルごとのゲイン、efficiencyはよくそろっていた 1-63-1Aタイプについては、2ゲインに見えた理由として1ピクセル内の有感領域と不感領域の境界付近で電子増幅率が大きくなっていることが考えられる

これまでのサンプルのまとめ @ノイズレート=500kHz,T=20℃ MPPC タイプ ゲイン クロストーク率 PDE Structure 備考 5-31-22(1600) Type4    放電ノイズあり 1-21A-21(1600) Type1    放電ノイズあり 311-32A-002(400) 4×105 0.06 1.7 放電ノイズあり 1-32-21(400) 6×106 0.20 0.45 Type2    1-22-2A-22 (400) Type1 2ゲイン 311-53-1A-002(100) 2.2×106 0.12 1.8         放電ノイズあり 1-43-22(100) 1.9×107 0.15 Type5    PDE低い 1-63-1A-22 (100) Type1    2ゲイン 1-63-1A-23 (100) 5-63-1A-2(100) 2.4×106 Type3    2ゲイン 21-53-1A-3 (100) 1.5×106 0.04 1 Type6    21-53-2A-3 (100) 1.7×106 0.08 Type6

supplement

Gain v.s Bias V Gain=3×105 ~2×107 dG/dV depends on all of 4 have 600 pixels Gain Rus#23 Rus#14 Gain=3×105 ~2×107 dG/dV depends on Capacitance of a pixel T=20℃ Rus#20 Rus#22 bias voltage (V) Gain Gain HPK100f HPK100a HPK100d number of pixel HPK100e HPK400b HPK1600a bias voltage (V) bias voltage (V)

Noise Rate v.s Bias V (20℃) 0.5p.e threshold by pulse height noise rate (Hz) noise rate (Hz) HPK100a HPK400b HPK100f HPK100d HPK100e HPK1600a bias voltage (V) noise rate (Hz) bias voltage (V) 0.5p.e threshold by pulse height 0.5p.e threshold by charge (in progress) RUS#14 RUS#23 RUS#20 RUS#22 1.5p.e threshold by pulse height bias voltage (V)

ゲイン測定 311-53-1A-002-1 311-32-1A-002-5 3×106 1×106 15℃ 15℃ 20℃ 20℃ 25℃ 25℃ 68.4 69.6 68.4 69.4 バイアス電圧 バイアス電圧

X-talk v.s bias V X-talk possibility X-talk possibility by poisson law 5-31-22(1600) 1-43-22(100) X-talk possibility X-talk possibility 21-53-2A-3(100) 5-63-1A-2(100) 1-32-21(400) 21-53-1A-3(100) bias voltage (V) bias voltage (V)

HPK5-53-1A-11(100ピクセル) ノイズレートが低いところ(312kHz)でも~10p.eに相当する大きなノイズが見られる

クロストーク率測定 311-53-1A-002-1 311-32-1A-002-5 15℃ 15℃ 15℃ 0.3 0.3 20℃ 20℃ 25℃ 25℃ 25℃ 68.4 69.6 68.4 69.4 バイアス電圧 バイアス電圧

PDE測定 セットアップ Y X PMT こちら側から見た図 MPPC(1mm2受光面) PMTとMPPCをX,Y方向に2次元スキャン 1mm径の波長変換ファイバーを1mm径のスリットに接着 MPPCとPMTを2次元スキャンし、光量が最大の点を探す 光量が最大の点でのMPPCとPMTのp.e数の比をPMTとの相対的なPDEとする MPPCのバイアス電圧を変えて測定 青色LED こちら側から見た図 1mm径 ファイバー MPPC(1mm2受光面) Y PMT ファイバー X PMTとMPPCをX,Y方向に2次元スキャン MPPC