日本の将来推計人口 ー 次期推計の基本的考え方 ー 国立社会保障・人口問題研究所 平成18年9月29日 社会保障審議会 人口部会(第8回)

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日本の将来推計人口 ー 次期推計の基本的考え方 ー 国立社会保障・人口問題研究所 平成18年9月29日 社会保障審議会 人口部会(第8回) http://www.ipss.go.jp/

次期推計の基本的考え方 (1) 基本的枠組みと基準人口について (2) 出生の仮定について (3) 死亡の仮定について (1) 基本的枠組みと基準人口について (2) 出生の仮定について (3) 死亡の仮定について (4) 国際人口移動の仮定について

(1) 基本的枠組みと基準人口について ◎ 推計の枠組み (コーホート要因法)  ・ 推計期間:2006~2055年 (前回2001~2050年)  ・ 男女年齢(各歳)別:0~104歳、105歳以上一括 (前回0~99歳、100歳以上一括)  ・ 男女年齢(各歳)別総人口を推計    ※ 平成17(2005)年までの実績データに基づき推計を行う。 ◎ 基準人口  ・ 平成17(2005)年国勢調査による       10月1日男女年齢(各歳)別総人口    ・・・ 都道府県別、男女年齢(各歳)別、総人口について 年齢不詳按分

(同年国勢調査抽出速報集計による 暫定値) 基準人口:平成17(2005)年男女年齢別人口 (同年国勢調査抽出速報集計による 暫定値)

基準人口の課題 (1) 男女・年齢構成の誤差 (2) 国籍別構成の誤差 (3) その他 (1) 男女・年齢構成の誤差     ※ 基準人口としての誤差、および人口動態率に対 する影響 (2) 国籍別構成の誤差     ※ 総人口と日本人人口に対して異なる人口動態率 (出生率)を適用する場合の問題 (3) その他     ※ 配偶関係別構成の誤差は、出生率仮定の 設定に必要な結婚に関する見通しに影響する     ※ 教育程度、職業等のその他の属性の誤差も人口 動態率の仮定設定に際して影響を与え得る。

(2) 出生の仮定について ◎ 出生仮定値設定コーホートの種類 ・ 参照コーホート:1990年生まれ(前回1985年生まれ) ・ 最終コーホート:2005年生まれ(前回2000年生まれ)    ※ 仮定値は最終コーホートまで変化が進行 ◎ 総人口、日本人人口別出生率 ・ 総人口(外国人含む)の出生率の投影 (前回は、日本人人口の出生率との関係を固定)   ※ 外国人の出生年齢パターンを把握し、日本人人口の 出生率との関係により投影を行う。また、総人口に おける日本人構成比は変動式とする(前回は固定式)。 ◎ 出生モデル ー 後 述 ◎ 参照コーホートの出生仮定値設定の考え方 ー 後 述

出生仮定値 設定コーホートの種類

出生仮定値設定コーホートの種類 A コーホート 実績が確定しているコーホート (50歳以上) B コーホート  実績が確定しているコーホート (50歳以上) B コーホート  モデルによる統計的推定が可能なコーホート (35~49歳) C コーホート  モデルによる統計的推定が難しいコーホート (15~34歳) D コーホート 出生について、実績データの存在しないコーホート (0~14歳) E コーホート まだ生れていないコーホート A コーホート 実績が確定しているコーホート (50歳以上)   → 2000年時点で出生過程完了 (50歳以上=1950年以前生まれ) B コーホート モデルによる統計的推定が可能なコーホート(35~49歳)   → 2000年時点で出生過程主要部分終了 (1951~65年生まれ) C コーホート モデルによる統計的推定が難しいコーホート(15~34歳)   → 2000年時点で出生過程途上 (1966~85年生まれ) ※ ( )内は基準人口における年齢 ・・・・・・・・・・・< 参照コーホート >・・・・・・・・・・・・・

女性の年齢別出生率データ 女性の年齢 出生率実績データ 出生率仮定データ 再生産年齢(満15~49歳) 年 次 年次:~2005年 年齢:15~49歳 年次:2006~2055年 年齢:15~49歳 年 次 2005年 2055年

1955年生まれコーホート 1970年生まれコーホート 1990年生まれコーホート 2005年生まれコーホート 出生仮定値設定コーホートの種類 A B C D 出生率実績データ 1955年生まれコーホート 1970年生まれコーホート E 年次:~2005年 年齢:15~49歳 1990年生まれコーホート 2005年生まれコーホート 2055年

出生モデル

出生スケジュールの投影のためのモデル 平成14年推計 次期推計 出生コーホート別に見た年齢別出生率    女性コーホートの年齢別出生率は、その結婚・出生行動の特徴を表すいくつかのパラメータを持つ適合的な数理モデルを用いて、出生順位別に投影を行う。 女性の年齢別出生率のモデル (一般化対数ガンマ分布モデル) 1970年生まれコーホート 出生率の投影 平成14年推計 出生順位 n, 年齢 x歳のモデル出生率 fn(x) は、 ただし、Cn は生涯の出生確率、           は、 年齢 x歳の出生率仮定値 fn(x) は、 εnは、経験補正のための関数。 次期推計 新たに得られたデータによりεn を精密化する ・ 経験補正値の改訂    婚前妊娠の増加等の影響への対処、 高齢補正値の改訂、 など

年齢別出生率:過去の推計の評価 平成4(1992)年推計 平成9(1997)年推計 平成14(2002)年推計 1991-95年実績 1996-2000年実績 2001-年以降実績

年齢別出生率:過去の推計の評価 平成4(1992)年推計 1991-95年実績 平成9(1997)年推計 平成14(2002)年推計 1996-2000年実績 平成9年推計(中位) 2001-年以降実績 平成14年推計(中位)

年齢別出生率:過去の推計の評価 平成4(1992)年推計 平成9(1997)年推計 1996-2000年実績 平成14(2002)年推計 2001-年以降実績 1991-95年実績 平成14年推計(中位)

参照コーホートの出生仮定設定の考え方 参照コーホートの生涯未婚率仮定の設定 (1- ) × × コーホート合計特殊出生率 生涯未婚率 (1-       ) ×   × 生涯未婚率 夫婦完結出生児数 離死別効果係数 国勢調査における全国の年齢5歳階級別コーホート別未婚率の過去5年間の変化率を延長することによって推定(中位仮定 16.8%) 。 平成14年推計 人口動態統計・婚姻統計による 実績推移との整合性の検証を精密化 次期推計

参照コーホートの生涯未婚率仮定の設定 コーホート合計初婚率 (1- ) × × ( 50歳時累積初婚率 ) コーホート合計特殊出生率 (1-       ) ×   × 生涯未婚率 夫婦完結出生児数 離死別効果係数 生涯に1度は結婚 する女性の割合 コーホート合計初婚率 ( 50歳時累積初婚率 )

コーホート累積初婚率の実績値の観察 累積初婚率 人口動態統計 H14推計:高位推計 γ=13.3% H14推計:中位仮定 γ=16.8% γ=22.6% H14推計:参照コーホート 1985年生まれ

累積初婚率:仮定値と実績値(※)の比較 モデル = 一般化対数ガンマ分布モデル 生涯未婚率 ※ 実績値は、新たに得られた届出遅れデータを元に再推定したもの。

参照コーホートの仮定設定:生涯未婚率 モデル = 一般化対数ガンマ分布モデル ※ 実績値は、新たに得られた届出遅れデータを元に再推定したもの。

参照コーホートの仮定設定:生涯未婚率 モデル = 一般化対数ガンマ分布モデル ※ 実績値は、新たに得られた届出遅れデータを元に再推定したもの。

参照コーホートの仮定設定:生涯未婚率 一般化対数ガンマ分布モデルによる投影 生涯未婚率 (γ)=16.8% 平成14推計時実績 合計初婚率(50歳時累積初婚率) 平成14推計時実績 新 実 績 H14推計:中位仮定 一般化対数ガンマ分布モデルによる投影

参照コーホートの出生仮定設定の考え方 参照コーホートの生涯未婚率仮定の設定 (1- ) × × コーホート合計特殊出生率 生涯未婚率 (1-       ) ×   × 生涯未婚率 夫婦完結出生児数 離死別効果係数 国勢調査における全国の年齢5歳階級別コーホート別未婚率の過去5年間の変化率を延長することによって推定(中位仮定 16.8%) 。 平成14年推計 人口動態統計・婚姻統計による 実績推移との整合性の検証を精密化 次期推計

参照コーホートの出生仮定設定の考え方 参照コーホートの生涯未婚率仮定の設定 コーホート合計特殊出生率 (女性の)平均初婚年齢 過去の実績による生涯未婚率と平均初婚年齢の関係を用いて生涯未婚率の仮定値に対応して求められた(中位仮定 27.8歳)。 平成14年推計 人口動態統計・婚姻統計による 実績推移との整合性の検証を精密化 次期推計

女性の平均初婚年齢の測定と観察 一般化対数ガンマ分布モデルによる投影 平均初婚年齢 MAFM=27.8歳 平均初婚年齢 平成14推計時実績 H14推計:中位仮定 平均初婚年齢 平成14推計時実績 新 実 績 一般化対数ガンマ分布モデルによる投影

結婚と出生の動向

結婚と出生の動向

参照コーホートの出生仮定設定の考え方 参照コーホートの夫婦出生力仮定の設定 (1- ) × × × コーホート合計特殊出生率 生涯未婚率 (1-       ) ×   × 生涯未婚率 夫婦完結出生児数 離死別効果係数 期待夫婦完結出生児数 × 結婚出生力変動係数 出生動向基本調査による初婚年齢と夫婦完結出生子ども数の関係から求めた(中位仮定 1.89人)。 平成14年推計 次期推計 第12・13回調査結果の追加による精密化

夫婦の出生

夫婦の出生(妻の年齢階層別推移) 出 生 動 向 基 本 調 査

夫婦の出生(妻の年齢別推移) 出 生 動 向 基 本 調 査

夫婦の出生(妻コーホート別) 夫婦出生低下の所在 出 生 動 向 基 本 調 査 妻の年齢 妻コーホート(出生年) 1965年 ☆ 女性(妻)の年齢ごとに、各コーホートの夫婦の平均出生子ども数を1928年コーホートと比較し、差を図示したもの。低下の大きいところほど濃い色で示した。 出 生 動 向 基 本 調 査

初婚年齢~夫婦出生子ども数 初婚年齢~夫婦出生子ども数 の関係のモデル化 出 生 動 向 基 本 調 査

夫婦の出生(妻コーホート別) 晩婚化による夫婦出生低下の所在 出 生 動 向 基 本 調 査 妻の年齢 妻コーホート(出生年) 1965年 妻コーホート(出生年) ☆ 女性(妻)の年齢ごとに、各コーホートの夫婦の平均出生子ども数を1928年コーホートと比較し、女性の晩婚化に起因する低下を図示したもの。低下の大きいところほど濃い色で示した。 出 生 動 向 基 本 調 査

夫婦の出生(妻コーホート別) 晩婚化効果を除去した夫婦出生低下 出 生 動 向 基 本 調 査 妻の年齢 妻コーホート(出生年) 1965年 妻コーホート(出生年) ☆ 女性(妻)の年齢ごとに、各コーホートの夫婦の平均出生子ども数を1928年コーホートと比較し、女性の晩婚化に起因する低下を除去した変化を図示したもの。低下の大きいところほど濃い色で示した。 出 生 動 向 基 本 調 査

初婚年齢~夫婦出生子ども数の関係のモデル化 第1子 出生順位別に モデル化 第2子 第3子 第4子以上 出 生 動 向 基 本 調 査

夫婦の出生(妻コーホート別) 晩婚化による夫婦第2子出生低下の所在 出 生 動 向 基 本 調 査 妻の年齢 妻コーホート(出生年) 1965年 妻コーホート(出生年) ☆ 女性(妻)の年齢ごとに、各コーホートの夫婦の第2子出生確率を1928年コーホートと比較し、女性の晩婚化に起因する低下を図示したもの。低下の大きいところほど濃い色で示した。 出 生 動 向 基 本 調 査

夫婦の出生(妻コーホート別) 高学歴化による夫婦出生低下の所在 出 生 動 向 基 本 調 査 妻の年齢 妻コーホート(出生年) 1965年 妻コーホート(出生年) ☆ 女性(妻)の年齢ごとに、各コーホートの夫婦の平均出生子ども数を1928年コーホートと比較し、女性の高学歴化に起因する低下を図示したもの。低下の大きいところほど濃い色で示した。 ☆ 女性(妻)の年齢ごとに、各出生コーホートの夫婦出生率を比較し、高学歴化に起因して低下の大きいところほど濃い色で示した。 出 生 動 向 基 本 調 査

参照コーホートの出生仮定設定の考え方 参照コーホートの夫婦出生力仮定の設定 (1- ) × × × コーホート合計特殊出生率 生涯未婚率 (1-       ) ×   × 生涯未婚率 夫婦完結出生児数 離死別効果係数 期待夫婦完結出生児数 × 結婚出生力変動係数 次期推計 平成14年推計 近年の年次別出生率の推移と時系列モデル(ARIMA)を用いた36ヶ月分の予測値を最もよく再現する値を中位の仮定として設定した(0.911)。 離死別効果係数との 効果の分離を精密化

離婚・再婚の動向を反映し、若い世代における離婚増加の傾向を新たに織り込む 参照コーホートの出生仮定設定の考え方 参照コーホートの離死別効果仮定の設定 コーホート合計特殊出生率 (1-       ) ×   × 生涯未婚率 夫婦完結出生児数 離死別効果係数 次期推計 平成14年推計 出生動向基本調査と人口動態統計から得られる過去の実績値の比率を固定(中・高・低位共通 0.971)。 離婚・再婚の動向を反映し、若い世代における離婚増加の傾向を新たに織り込む

女性コーホート別 離婚確率の測定と観察 離婚確率の上昇 人口動態統計

女性の結婚経歴別にみた出生力 出 生 動 向 基 本 調 査

参照コーホートの出生仮定設定の考え方 参照コーホートの離死別効果仮定の設定 配偶関係の分類 離死別効果係数( )の構造 :生涯未婚率 離死別効果係数( )の構造 離婚・再婚の動向を反映

参照コーホート 出生仮定設定の 基本的な考え方

出生の仮定に関する考え方の比較

出生の仮定に関する考え方の比較

「将来推計人口」のえがくライフコース 子どもを生まない 女性の割合 42.0 1.39 平成14年推計(中位) 1.42 21歳 1.65 (低位) 子どもを生まない 女性の割合 1.39 平成14年推計(中位) 1.42 2006年 21歳 1.65 2006年 31歳 1.97 2006年 41歳 2006年 51歳

「将来推計人口」のえがくライフコース 生涯 孫なし 生涯 子なし 生涯未婚率 生まれ 女 性 1985年 (21歳) 1.63 1.39 1.10

これまでの将来人口推計における生命表投影の考え方 (3) 死亡の仮定について これまでの将来人口推計における生命表投影の考え方

これまでの将来人口推計における生命表投影の考え方     これまでの将来人口推計における生命表投影については、最良生命表方式、年齢別死亡率補外方式、標準化死因別死亡率補外方式、リレーショナルモデル方式などの方法が用いられてきた。 過去の生命表投影の考え方と平均寿命の仮定値

平均寿命の実績値と推計値

出生仮定同様、生命表にも複数の仮定設定を 生命表推計の不確実性について  生命表の将来推計に当たって寿命がどこまで延びるのかは重要な関心事であり、1990年代には人口学者の間で「寿命の限界」などの議論が行われた。しかしながら、最長平均寿命は各国や国連などによる平均寿命の推計値を上回って延びてきた。一方、アフリカにおけるHIV/AIDSのように、過去に存在しなかった感染症などによって平均寿命が大幅に低下した国もあり、今後の平均寿命の延びの不確実性は高いと考えられる。 → 出生仮定同様、生命表にも複数の仮定設定を 行うことを検討すべき。 次期推計

平均寿命伸長の年齢要因  男女とも1960 年代前半までは、30 歳未満の年齢階級の死亡率改善によるところが大きいが、それ以降では高齢期における死亡率改善の影響が大きくなり、近年では平均寿命の伸長のかなりの部分が高齢期の死亡率改善の寄与によっている。特に近年の女子の高齢期の死亡率改善の平均寿命の延びへの寄与は大きく、これが男女の平均寿命格差の拡大をもたらしている。 男 女

平均余命伸長の年齢別比較 わが国0歳時、65歳時 平均余命推移の比較 (1970年値=100とする指数) 平均寿命(女性) 平均寿命(男性)

死亡率の動向  この間の年齢別死亡率は、男女とも、当初、低年齢における改善が起き、その後、高年齢における改善へと変化しており、これは死亡率曲線が高齢側にシフトする年齢シフトという死亡状況の変化と捉えることができる可能性を示唆している。 男子 女子 ln(qx) の推移 (1951 は 1950-52年を表す)

生命表投影モデル改善の視点  左の図は、女子の死亡率について、平均的な年齢別死亡率水準に対する相対的な年齢別死亡率水準の変化を示す。死亡率水準が低下してきていることから、過去から現在に時代が移行するにつれ、曲線は概ね上から下に移動する動きを示すが、右の図はこれに特異値分解を施し、第1特異値による項から推計を行ったものである。

右の図を第一、第二特異値からの推計に変えてみると、死亡率水準のピークが高年齢へシフトしていくような動きが加わることが観察される。 生命表投影モデル改善の視点 右の図を第一、第二特異値からの推計に変えてみると、死亡率水準のピークが高年齢へシフトしていくような動きが加わることが観察される。

死因別年齢調整死亡率での戦後の死因構造の変化を見ると以下の通りとなっている。

平均寿命伸長の死因構造  1975年以降、男性の平均寿命の伸長に最も寄与しているのは脳血管疾患の死亡率改善であるが、近年については悪性新生物の寄与が大きくなってきている。 男性

平均寿命伸長の死因構造  女性についても脳血管疾患は大きい寄与をしているが、近年では心疾患、肺炎も大きく寄与している。また、男子同様、悪性新生物も一定の寄与をしている。 女性

死亡スケジュールの投影のためのモデル 生命表のリレーショナルモデルとリー・カーターモデル ○ 生命表のリレーショナルモデル ○ 生命表のリレーショナルモデル    経験的生命表から得られた生命表関数のパラメータを用いて一連の生命表の関係を記述する方法    平成14年推計では、リー・カーターによって開発されたリレーショナルモデル(リー・カーターモデル)を日本に適用し、男女別将来生命表を作成    年次( t )、年齢( x )の死亡率の対数値    「平均的な」年齢別死亡率    死亡の一般的水準(死亡指数)      が変化するときの年齢別死亡率の変化    平均0の残差項

次期推計における生命表投影モデルの考え方 生命表投影モデルの基本的考え方 (基本的考え方)  次期推計においても、平成14年推計と同様、リー・カーターによって開発されたリレーショナルモデル(リー・カーターモデル)をわが国の死亡状況に適合するよう、必要な修正を行ったリー・カーターモデルを用いて男女別将来生命表を作成することを基本的な考え方とする。 * 平成14年推計で検討されたように、わが国の平均寿命は世界でもトップクラスであり経験的方法によりがたいこと、死因別推計には死因分類の変更や、一定の条件の下で全死因に基づく将来推計に比べて過小推計する可能性が一部で論じられているとの問題があること、一方で、リー・カーターによるリレーショナルモデルは各種の応用研究においても広く用いられてきており、わが国の生命表投影にも有効であることが確認されてきていることによる。 → リー・カーターモデルを基本として用いつつも、わが国の死亡状況により適合するモデルへの改善を図るためには、どのような視点が考えられるか?

生存・死亡の変化モード 生存曲線 生存曲線の矩形化 Rectangularization

生命表投影モデル改善の検討例  以上のモデル改善の視点に対応したモデル改善検討の一例として、この40年間に8年分の年齢シフトが起きることを機械的に仮定して特異値分解を行った場合の研究結果を以下に示す。  年齢シフトを考慮しなかったモデルによる推計結果(高齢部分・女子)である左図と比較して、考慮した右図では、死亡率のあてはまりがよくなっていることが観察できる。このような視点を採り入れることにより、リー・カーターモデルの枠組みを用いつつ、わが国の死亡状況により適合するモデルへと改善しうる可能性が示唆される。 年齢シフトを考慮しないモデルによる推計結果 年齢シフトを考慮したモデルによる推計結果 ln(mx)の推計結果 (高齢部分・女子)

(4) 国際人口移動の仮定について A. 外国人の人口移動 B. 日本人の人口移動

国際人口移動 :入国超過数(総数) 外国人 日本人 総務省統計局「推計人口」

国際人口移動(外国人) :入国超過数(総数) 出入国管理統計

国際人口移動(外国人) :入国超過数(大陸別) アジアが大多数 ブラジル移民 出入国管理統計

国際人口移動(外国人) :入国超過数(アジア国別) 中国が大多数 出入国管理統計

国際人口移動(外国人) :入国超過数(アジア国別) フィリピン女性、多数退去 出入国管理統計

国際人口移動(外国人) :年齢別観察

国際人口移動(外国人):年齢別観察

国際人口移動(日本人):年齢パターン

国際人口移動(日本人):年齢パターン

仮定に関する考え方の比較 国際人口移動の仮定について

日本の将来推計人口 - 新推計の基本的考え方 - 平成18年9月29日 社会保障審議会 人口部会