2週目の気温予測を用いた東北地方の稲作への影響予測

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2週目の気温予測を用いた東北地方の稲作への影響予測 気象庁、東北農研、東北大学で行う 共同研究について 気象庁気候情報課 野津原 昭二

内容         ・共同研究の概要         ・共同研究の背景         ・途中経過紹介         ・まとめと宣伝

季節予報について 時間スケール 短い 長い 明日、明後日の予報や週間予報などと違い ・長い時間スケールを対象 ・予報する要素も違う まずは気候情報課の簡単な説明 どんな情報をどんな形で発表しているか 明日、明後日の予報や週間予報などと違い ・長い時間スケールを対象 ・予報する要素も違う ・確率を用いて予報

共同研究の概要 ・現在東北農研センターが 水稲冷害早期警戒システムで5日先までの予想を提供 やませ被害への対策等を想定 ・対策をとる準備期間を より長く確保するために 2週目まで予測を延長 共同研究の概要 どんなことをやるか        東北農研センターHPより

共同研究の概要 気象庁1か月予報モデルから計算した 気候の予測情報(2週目の気温予測値)を   気候の予測情報(2週目の気温予測値)を   ダウンスケールして東北地方の1kmメッシュ気温予測値を作成 2. 作成した気温予測値を元に 農業(稲作)従事者が利活用しやすい 情報を作成   (やませ時の冷害対策等を想定) 共同研究の概要 具体的にどのようなことをやるか

それぞれの役割 気象庁 気候の予測情報の作成 東北農研センター 統計的ダウンスケールの技術開発 農業に適した情報を作成 東北大学    気候の予測情報の作成 東北農研センター    統計的ダウンスケールの技術開発    農業に適した情報を作成 東北大学    力学的ダウンスケールの技術開発 それぞれの役割

共同研究の背景(1) WCC-3(第3回世界気候会議) 地球温暖化の進行に伴い、熱波や大雨などの異常気象の増加が懸念。特に開発途上国で、気候変動の影響を受けやすくなってきている。 数値予報モデルをはじめ季節予報技術が進歩し、季節予報を含む気候情報が充実してきた。 一方、気候情報の利用は進んでいない。 大きな話として世界気候会議 気候情報の活用促進を通じ、地球温暖化などの気候変動への適応策をはじめ、「あらゆるレベルの政策や意思決定」に気候情報を役立てる社会の実現

共同研究の背景(2) 気象庁も季節予報の利用の有効事例に ついて多くは把握していない。 利用者の使いやすさを考えた情報を発表する必要。   ついて多くは把握していない。 利用者の使いやすさを考えた情報を発表する必要。 異常天候早期警戒情報の運用開始 (2008.3~) 気象庁の事情

途中経過の紹介 予測値の作り方(統計的ダウンスケール) この夏の予測の例 2003夏(やませ年)の予測の事例 途中経過の紹介 気象庁分

予測値の作り方 1kmメッシュの平年値データ(東北農研作成) に 気象庁1か月予報モデルの結果を元にした               に  気象庁1か月予報モデルの結果を元にした  2週目の気温予測値(異常天候早期警戒情報ガイダンスのアンサンブル平均値)             を被せる

予測値の作り方  平年値メッシュ気温        アンサンブル平均値        予測メッシュ気温 深水警報(東北農研作成) + = 東北農研作成

この夏の予測 前述の方法で作成した仙台に相当するメッシュの予測値と仙台のアメダス実況値の比較 ともに7日間平均気温 7/27~9/4 気温 ℃      8月 赤実線:実況値  黒実線:平年値               その他の線は各初期値ごとの予測値

気候情報課では過去30年分の 予報実験の結果を蓄積しているため 過去の事例についても検証が可能 ⇒ 2003年夏(やませ時)の事例

2003年夏(やませ時)の事例 2003年6~8月の東北太平洋側の7日間平均気温時系列図

2003年夏(やませ時)の事例 2003年6~8月の東北太平洋側の7日間平均気温時系列図

+ = 07.09からの予想(7日間平均気温。2003.06.30 初期値) 実況値 東北太平洋側の実況とガイダンス この期間    平年値メッシュ気温          ガイダンス(アンサンブル平均値)        予測メッシュ気温 実況値 + =

まとめと宣伝 ・気候の予測情報(2週目の平均気温)を用いて よりユーザーが利用しやすい情報の開発、 実用化へ向けての共同研究を行っています。 ・農業分野をはじめとした様々な分野への 気候の予測情報の活用に 興味のある方はご相談ください。