InterBaseから第一歩を踏み出したFirebird 2.0の紹介

Slides:



Advertisements
Similar presentations
プロジェクト名称 Inception Deck (Project Charter) 201X.XX.XX.
Advertisements

SQL による数独の解法 青山学院大学理工学部 矢吹太朗・佐久田博司. 数独とは何か ナンプレとも呼ばれ る制約充足問題 各行・列・ブロック に 1 から 9 の数字を一 つずつ当てはめる 新聞等に載っている ものはとても簡単 人間には難しいもの → もある.
Oracle Application Express アーキテクチャ. © 2009 Oracle Corporation アーキテクチャ概要 データベース 9iR2 、 10g 、 11g 、 XE 内に統合 メタデータ駆動型 APEX リスナー、組込みゲートウェイ、または ModPLSQL を使用.
東京SSG17期勉強会 WordPress第1回 インストール・使い方・メンテナンス
AdventNet SwisSQL データベース自動移行ツール.
blanco Framework ご紹介 DB版
Virtual Editionのご紹介 2012年12月12日.
The Enterprise-class Monitoring Solution for Everyone
Phoenixとは 2Dゲーム作成ツール. PROJECT. phoenixとは 2Dゲーム作成ツール.
Firebird ユニバーサル オープンソース データベース
プログラミング言語ADP 大藤雄久.
DBWEB2005 特別セッション: OSSコミュニティとの連携
The Perl Conference Japan ’98 朝日奈アンテナによる コンテンツ情報の取得と利用
情報理工学部 情報システム工学科 ラシキアゼミ 3年 H 井奈波 和也
Chapter11-4(前半) 加藤健.
PostGIS - 1 (入門編).
Webアプリケーション開発の 基本的なポイント
IBM Power Systems Linux センター のご紹介
Samba日本語版の設定と運用のノウハウトラブルシューティング編
.NET テクノロジー を利用した SAP ソリューションの拡張 (3階層化) (評価環境構築ガイド)
1.コンピュータと情報処理 p.20 第1章第1節 3.ソフトウェア ソフトウェア 基本ソフトウェア
数式処理ソフトウェア のご紹介 株式会社ライトストーン 高橋 直生.
Virtual Editionのご紹介 (株)ネットジャパン 法人営業部 2012年7月18日 1.
LibreOffice基礎の基礎 あわしろいくや LibreOffice Japanese Team 関西LibreOffice勉強会
Log4netを使ったロギング機能 オガシン.
Log4netを使ったロギング機能 オガシン.
Microsoft Office Project 2007
SQL J2EE I 第3回 /
Delphi Day ~Delphi 概要、および新バージョンのご紹介~
SAP & SQL Server テクニカルアーキテクチャ概要 マイクロソフト株式会社 SAP/Microsoft コンピテンスセンター
.NET テクノロジー を利用した SAP ソリューションの拡張 (3階層化) (評価環境構築ガイド)
データベース設計 第9回 Webインタフェースの作成(1)
マイクロソフト Access での SQL 演習 第1回 SQL問い合わせ(クエリ)
マイクロソフト株式会社 SAP/Microsoft コンピテンスセンター
Oracle APEX Forms変換の概要
Virtual Editionのご紹介 2012年7月26日.
SQL パフォーマンス チューニング ~ カバーリングインデックス/クエリヒントの利用~
Office IME 2010 を使う.
第2回.リレーショナルデータベース入門 SQL を用いたテーブルへの行の挿入 SQL 問い合わせの発行と評価結果の確認.
3-10. MySQLシステムの管理  2004年6月10日  大北高広                01T6010F.
第1回.リレーショナルデータベースを使ってみよう
第1回.リレーショナルデータベースを使ってみよう
第2回.リレーショナルデータベース入門 SQL を用いたテーブルへの行の挿入 SQL 問い合わせの発行と評価結果の確認.
SQL パフォーマンス チューニング ~ プランガイドの利用~
わんくま同盟・techbank.jp 夏椰 Insight Technology, Inc. 今川 美保
「OSで儲けない」 Microsoftの新戦略
Microsoftのマルチプラットフォーム戦略
第3回.テーブルの結合 結合条件 SQL を用いた結合問い合わせ.
第3回.テーブルの結合 結合条件 SQL を用いた結合問い合わせ.
オープンソフトウェア利用促進事業 第3回OSSモデルカリキュラム導入実証
.NET Framework 3.0 概要 (旧称 : WinFX)
3-6.インデックスについて 3-7.関数と併用されることの 多いMySQLコマンド
3-3.テーブルを更新する 2004年 4月22日(木) 01T6074X 茂木啓悟.
「Webデータベースの構築技術」正誤表 ページ 項目 誤記 訂正 18 表1.4 アクセス 権限の削除 ・・・テーブル名 TO ユーザ名
職務経歴書・スキルシート (職種:職種を記載してください).
オープンソース開発支援のための ソースコード及びメールの履歴対応表示システム
名古屋開催 SQL セミナーのご案内 名古屋 開催決定 なんでも聞ける ”個別相談会” 付きセミナー! 2010年 1 月度 セミナー概要
JXTAの概要 P2P特論 (ソフトウェア特論) 第3回 /
<前提条件> iSeriesSite ワークフロー 実行環境 構成イメージ
データベース設計 第8回 クライアント=サーバーモデル(2)
Ajilius は、オープン ソースの手頃な価格と エンタープライズ レベルの機能との間にスイート スポットを発見
3.リレーショナルデータベース,主キー, SQL
「拝啓、さかもとと申します」 2008年6月28日 わんくま同盟 勉強会初参戦。 ※最重要 -質問はご遠慮願います-
SQL パフォーマンス チューニング ~ パフォーマンス改善 最初の一歩 ~
「拝啓、さかもとと申します」 2008年6月28日 わんくま同盟 勉強会初参戦。 ※最重要 -質問はご遠慮願います-
プログラミング基礎a 第9回 Java言語による図形処理入門(1) Javaアプレット入門
How To WPF アプリケーション Part4 By 中博俊.
Microsoft Office Project Server 2007
SQL J2EE I (データベース論) 第3回 /
SQL データベース論 第11回.
Presentation transcript:

InterBaseから第一歩を踏み出したFirebird 2.0の紹介 加藤 大受

Agenda Firebirdとは Firebirdの概要 Firebird 2.0 Firebird日本ユーザー会について 製品概要 ミドルウェア Firebird 2.0 Firebird日本ユーザー会について Firebirdのサポート企業

Firebirdとは

InterBaseとは? Borland Software Corp.が開発・販売 全世界で累計出荷本数100万本以上 バージョン 1983年 Version 1.0 1986年 Version 2.0 1988年 Version 3.0 1992年 Version 3.3(インターナショナル版) Version 3.2J(初めての日本語版) 1994年 Version 4.0 1997年 Version 5.0 2000年 オープンソース版InterBase V6.0 2001年 Version 6.5 2003年 Version 7.0 最新版はInterBase 7.1

Firebirdとは Firebirdとは 2000年7月25日にInprise Corp.(現在のBorland Software Corp.)がInterBase 6.0のソースコードをInterBase Public Licenseにて公開され、このソースコードをベースにプロジェクトがスタート InterBaseは1983年に Version 1.0がリリースされた非常に古いRDBMS Firebird Foundationがスポンサーになり、Firebird Projectが製品を開発 2002年3月12日 : InterBase 6.0とフルコンパチブルのFirebird 1.0がリリース 2004年2月21日 : Firebird 1.5がリリース 2004年12月26日 : Firebird 1.5.2がリリース 2005年3月21日 : Firebird 2.0 Alpha-01リリース

Firebirdの歴史に関する資料 参考URL インターベースロードマップ(木村明治翻訳) http://www.geocities.jp/kimura804/rdb/cvalde/IbRoadmap_j.htm How InterBase came to be(林 務翻訳) http://tech.firebird.gr.jp/firebird/index.php?firebird_xsite=34

Firebirdの特徴

Firebirdの特長(NO DBA) 簡単なインストールと環境設定 データベースの初期サイズの設定が不要 ガーベージコレクション ユーザー領域、ロールバック領域、テンポラリ領域の設定が不要 Virtual I/O ガーベージコレクション 最低限のチューニングで最適なパフォーマンスを提供 オンラインでデータベースのバックアップ作業が可能 最適なクエリを実現するクエリオプティマイザを搭載 経済的な設計

Firebirdの特長(No DBA) インデックスのガーベージコレクション OS の不安定さをカバーする Guardianプロセス 同一バージョンでのデータベースの完全な互換性 他のプラットフォームからのデータベースファイルのコピーで対応可能 マルチデータベースファイル対応 履歴型エンジンの採用

Firebird のアーキテクチャ ANSI SQL 1992/1999準拠 拡張 SQL(DSQL) ストアドプロシージャ トリガー Domain 定義 ジェネレータ InterBase 5.x/6.0との互換性 SQL DIALECT

Firebirdの特徴 安定性 商用製品をベースにしており、非常に安定したアーキテクチャを利用 他のオープンソースRDBMSと異なり、頻繁なリビジョンアップがない Windowsプラットフォームでの安定稼働

Firebird のアーキテクチャ イベントアラータ UDF(ユーザー定義関数) 多次元配列 Blob フィルタ DelphiやC++で簡単に作成が可能 多次元配列 16次元までの配列をサポートするデータ型 Blob フィルタ サブタイプを変換するライブラリを登録しておくことで JPEG <-> GIF などの変換が可能

Firebirdの特徴 統一されたアーキテクチャ Firebirdのすべての機能がDLLとして提供されているシングルサーバのEmbedded ServerからServerプラットフォーム版まで統一機能が提供されている シングルユーザ向けとマルチユーザ向けの製品を同一ソースで開発が可能

Firebird 1.0 2002年3月にリリース InterBase 6.0と100%の互換性 リリースプラットフォーム: Windows, Linux, FreeBSD, Solaris, MacOS X, AIX, HP-UX Linux版は glibc 2.2系(Red Hat 7.3,AS 2.1, SuSE Linux 8)

Firebird 1.5 2004年3月にリリースされ、現在2004年12月にリリースされた1.5.2が最新版 ファイル名の変更 メモリ効率の改良 メモリ上でのソート機能を実装 新しいメモリマネージャの実装 SuperServer版でXNEXプロトコルの対応 ローカル共有メモリの利用 Class版でのSMP対応の強化

Firebird 1.5 SQLの改良 「CASE」句、「COALESCE」句、「NULLIF」句をサポート 「GROUP BY」句への以下の機能をサポート 内部関数 サブクエリー 列のエイリアス名 数値(列の位置) 「SELECT FIRST X」と「ORDER BY」をサブクエリーでサポート SELECT文での明示的ロックのサポート SELECT ... FOR UPDATE WITH LOCK EXECUTE STATEMENT文のサポート トリガー・プロシージャでのSAVE POINTのサポート

Firebird 1.5 仕様改良 ソースコードをCからC++へ変更 1テーブル64インデックスの制限を撤廃 メタデータのコンパイルのタイミングの変更 ソースコードをCからC++へ変更

Firebird対応のミドルウェア Jaybird Firebird .Net Data Provider IBProvider タイプ4のJDBCドライバ 最新バージョンは1.5.5 Firebird .Net Data Provider .Net対応ドライバ(C#で書かれている) 最新バージョンは1.6.3 IBProvider OLE DB Provider 最新版は2.4.2 http://www.ibprovider.com/eng/index.html Firebird ODBC Driver 最新バージョンは1.2

Firebird対応ミドルウェア Delphi/C++Builder用のコンポーネント IBObjects FIBPlus http://www.ibobjects.com/ Jason wharton氏が開発し、有償でソースコード付で販売されている FIBPlus http://www.devrace.com/en/fibplus/ ロシアのDevrace社が開発・販売

Firebird対応のミドルウェア PHP その他の言語 InterBase関数を利用することで対応可能 Windowsの場合 extension=php_interbase.dll UNIX/Linuxの場合 configure時に --with-interbase=/opt/firebirdを付けてPHPのコンパイルを行う その他の言語 Perl, Zope, Rubyなどのスクリプト言語でも利用することが可能

Firebird関連のツール IBOConsole Marathon フリーのFirebird/InterBase用の管理ツール http://www.mengoni.it/downloads.html 日本語UI対応 Marathon http://alanti.net/firebird/marathon/

その他のプロジェクト Fyracleプロジェクト Janus Software社が開発しているOracleのPL/SQLをFirebirdに移植するコンパイラとランタイム コンパイラは有償、ランタイムはフリーライセンス Janus Software社Fyracleについて(英文) http://www.janus-software.com/fb_fyracle.html

Firebird 2.0

Firebird 2.0 2005年3月21日にAlpha 01リリース ODSバージョンが11に変更 レコード番号の対応 40bit (内部は64-bit)のレコード番号に対応し、30GBのサイズ制限を撤廃 Raw Deviceの対応 Raw Deviceにデータベースの格納が可能 ガーベジコレクションの改良 バックグランド処理対応

Firebird 2.0 導出テーブルのサポート SELECT <select list> FROM <table reference list> <table reference list> ::= <table reference> [{<comma> <table reference>}...] <table reference> ::= <table primary> | <joined table> <table primary> ::= <table> [[AS] <correlation name>] | <derived table> <derived table> ::= <query expression> [[AS] <correlation name>] [<left paren> <derived column list> <right paren>] <derived column list> ::= <column name> [{<comma> <column name>}...]

Firebird 2.0 CREATE SEQUENCE構文 SQL:1999のCREATE SEQUENCE構文のサポート CREATE GENERATORからの移行を推奨 構文 CREATE { SEQUENCE | GENERATOR } <name> DROP { SEQUENCE | GENERATOR } <name> SET GENERATOR <name> TO <start_value> ALTER SEQUENCE RESTART WITH <start_value> GEN_ID (<name>, <increment_value>) NEXT VALUE FOR <name>

Firebird 2.0 EXECUTE BLOCK構文 DSQLで使用できる名前のないプロシージャ 構文 EXECUTE BLOCK [ (param datatype = ?, param datatype = ?, ...) ] [ RETURNS (param datatype, param datatype, ...) } AS [DECLARE VARIABLE var datatype; ...] BEGIN ... END

Firebird 2.0 その他の構文拡張 CROSS JOIN構文の追加 ROW句の追加 SELECT ... [ORDER BY <expr_list>] ROWS <expr1> [TO <expr2>] CURRENT_TIMESTAMP関数およびNOW関数がミリ秒単位に変更 GROUP BY句で任意の式に対応 GROUP BY SUBSTRING(CAST((A * B) / 2 AS VARCHAR(15)) FROM 1 FOR 2) ORDER BY句で列番号に対応 SELECT * FROM RDB$RELATIONS ORDER BY 9

Firebird 2.0 インデックスの拡張 セキュリティの強化 インデックスページへの物理データ格納を廃止し、インデックスはレコード番号を保存 インデックスの再構築問題への対応 セキュリティの強化 ハッシュアルゴリズムをDESからSHA-1に変更

Vulcan Project

Vulcan Project InterBaseの初代アーキテクトだったJim Starkey氏が開発している新しいアーキテクチャを持ったFirebird スケラビリティの向上 64ビットCPUの対応 SMPの強化/クラスタリング対応 スレッド対応の強化 SQLの改良 DSQLを外部からエンジン内部に取り込み FirebirdではSQLはいったんgpreで処理されるGDMLに変換され処理されていたが、VulcanではSQLをネイティブにサポート 詳細資料 http://www.ibphoenix.com/downloads/VulcanOverview.pdf

Firebird日本ユーザー会について

Firebird日本ユーザー会 2004年4月に設立 国内におけるFirebirdのさらなる浸透を促進するための非営利・中立な任意団体 これまでの実績 2004年6月 第1回セミナーの実施 2004年9月 オープンソースカンファレンス2004出展 Project Administratorのニコライ氏を招へいし、テクニカルセミナーを実施 ニコライ氏へのインタビューの実施 http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0409/16/news085.html

Firebird日本ユーザー会 現在の活動 Webページでの技術情報の配信 メーリングリストの提供 日本語による技術情報の提供 セミナー企画 http://www.firebird.gr.jp メーリングリストの提供 http://groups.yahoo.co.jp/group/Firebird-jp-general/ 日本語による技術情報の提供 セミナー企画

[参考]Firebirdの有料サポート 株式会社ヒューメント社が2005年4月1日より、Firebirdの有料サポートを始めるそうです 詳細は03/30のプレスリリースにて

これからもFirebirdおよびFirebird日本ユーザー会を よろしくお願いします。