オブジェクト指向言語論 知能情報学部 新田直也
講義概要 私の研究室: 講義資料について: 参考図書: 河西朝雄:「原理がわかる プログラムの法則」, 技術評論社 成績評価: 13号館2階(13-206) 講義資料について: http://silverbullet.is.konan-u.ac.jp/lectures/ 参考図書: 河西朝雄:「原理がわかる プログラムの法則」, 技術評論社 成績評価: 主に試験(1回),演習,レポートで評価
講義計画 第1回 プログラミング言語の種類と歴史 第2回 変数と型 第3回 式と評価 第4回 制御構造(ここらへんでレポート?) 第5回 記憶クラス 第6回 構造化プログラミング(1) 第7回 構造化プログラミング(2) 第8回 演習 第9回 オブジェクト指向言語(1) 第10回 オブジェクト指向言語(2) 第11回 オブジェクト指向言語(3) 第12回 オブジェクト指向言語(4) 第13回 オブジェクト指向言語(5) 第14回 プログラミング環境 第15回 試験
ハードウェアとソフトウェア ソフトウェアがなければコンピュータは動かない. 「コンピュータ,ソフトがなければただの箱」 ソフトウェアの例: OS(Windows, Mac, UNIX…) アプリケーションソフト(Netscape,Word,メーラー…) 組み込みソフト(携帯電話,DVDプレーヤ,車,ロケット…) ソフトウェアは誰かが作っている. 皆さんも作ることができる(プログラミング).
プログラミング言語 プログラム: コンピュータへの作業指示書(命令列). プログラミング言語: 作業指示書で用いる言語. 意味が厳密に定められている. →解釈にあいまい性がない. コンピュータが自動で実行可能. プログラム
プログラミング言語の種類 プログラミング言語の数は,おそらく100以上. プログラミング言語の分類. 用途の違い. 技術の進歩. 趣味の違い. プログラミング言語の分類. 低級言語と高級言語 手続き型言語と宣言型言語 コンパイラとインタプリタ(プログラムの処理方式の分類)
低級言語と高級言語 低級言語(低水準言語): 高級言語(高水準言語): コンピュータ(CPU)を直接操作できる言語. そのコンピュータでできることはすべて指示できる. 細かい内容までいちいち指示する必要. ハードウェア毎に異なる. 例) 機械語,アセンブラ 高級言語(高水準言語): より自然言語に近い(人間にとって理解し易い). 最終的に機械語に翻訳される. 例) Basic, C, Java…
機械語とアセンブラ 機械語は,数字(命令コード)の列. アセンブラは,数字の列を単に見易くしたもの(ニーモニック). 機械語の命令とアセンブラの命令は1対1に対応する. 3E 00 CD 3C 57 32 7E A0 C3 55 39 機械語 アセンブラ 3E 00 CD 3C 57 32 7E A0 C3 39 55 LD A, 00h CALL 573Ch LD A, [A07Eh] JP 5539h
高級言語の誕生 FORTRAN(1957年) ALGOL(1958年) COBOL(1959年) Lisp(1962年) 科学技術計算用 アルゴリズム用 COBOL(1959年) 事務処理用 Lisp(1962年) リスト処理用 手続き型言語 関数型(宣言型)言語
高級言語の発展 BASIC(J. ケムニー & T. カーツ, 1964年) 構造化プログラミング(E.W.Dijkstra) 初心者向き会話型言語 構造化プログラミング(E.W.Dijkstra) 構造化BASIC C (D.M.リッチー, 1972年) Visual Basic(1991年) 人工知能(論理型言語) PROLOG(1972年) オブジェクト指向 C++(1983年) Java(SUN, 1995年)
手続き型言語と宣言型言語 手続き型言語 宣言型言語 処理の手順を与える. 現在の主流. コンピュータは与えられた手順通りに,処理を実行. プログラムの動作が予測しやすい反面,細かい指示を いちいち記述する必要がある. 宣言型言語 必要な知識と,処理の目的を与える. 特に,研究者の間で広まっている. コンピュータは与えられた目的を達成するように,推論し ながら処理を実行. プログラムの動作が予測しにくく,細かい処理を記述しにくい.
手続き型と宣言型の記述例 階乗を計算する関数 fact <手続き型> int fact(int x) { int y = 1; while (x > 0) { y = y * x; x--; } return y; <宣言型(関数型)> fact(x) == if x > 0 then fact(x – 1) * x else 1
構造化プログラミング E.W.Dijkstraが提唱.どんなプログラムも go to 文を使わずに書ける(構造化定理). 構造化定理: 任意のプログラムは,連接,判断(if文),前判定反復(while文)を組み合わせて記述することができる. int s = 0; start: s++; if (s > 100) goto fin; goto start; fin:; goto文を 取ると… int s = 0; while (s <= 100) { s++; }
オブジェクト指向プログラミング 発祥は定かではない. 現在の主流である. データ構造と手続きをクラスとしてまとめて記述する. SIMULA 67 (1967年) SmallTalk (1972年) 現在の主流である. C++ (1983年) Visual C++ (1992年) Java (1995年) データ構造と手続きをクラスとしてまとめて記述する. プログラムの可読性の向上. プログラムの再利用性の向上. プログラムのモジュラリティの向上.
プログラムの処理方式 プログラムはテキストファイルで書く(ソースコード). ソースコードを処理する方式には以下のものがある. テキストエディタで書いてもよいが,専用のエディタの方が便利. ソースコードを処理する方式には以下のものがある. コンパイラ方式: ソースコードを機械語に変換.(高速) インタプリタ方式: ソースコードを解釈しながら実行.(低速) 中間コード方式: コンパイラとインタプリタの中間.Javaなどで採用.(中速) 処理方式がわからないとプログラミング言語は使えない!!
コンパイラとインタプリタ コンパイラはソースコードから機械語への変換プログラム. インタプリタはソースコードの解釈と実行を同時に行うプログラム. プログラム実行 のための準備 ソースコードA コンパイラ & リンカ 実行プログラムA 実行プログラムA 入力 出力 実行 ソースコードB インタプリタ 解釈&実行
中間コード方式 機械語は,機種に依存する.(Windowsのプログラムは,Macでは動かない) いっぽう,インタプリタ方式は実行速度が遅い. 機種に依存しない部分だけを先にコンパイルする. ソースコードA コンパイラ 中間コードA 入力 出力 中間コードA インタプリタ 解釈&実行 機種が違っても良い
今日のまとめ プログラミング言語の種類 低級言語 機械語,アセンブラ 非オブジェクト指向 言語 BASIC,C 手続き型言語 高級言語 C++,Java 関数型言語 Lisp, Scheme, ML 宣言型言語 論理型言語 Prolog
本日のまとめ プログラミング言語の種類 低級言語 機械語,アセンブラ 非オブジェクト指向 言語 BASIC,C 手続き型言語 高級言語 C++,Java 関数型言語 Lisp, Scheme, ML 宣言型言語 論理型言語 Prolog