柴田政宏(KEK) for T2K collaboration 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
T2K実験の物理 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
Motivation 標準模型を超える物理の構築 mν≠0は標準模型では説明できない νを理解することが必要不可欠 物質優勢宇宙の原因の解明 νを理解することが必要不可欠 物質優勢宇宙の原因の解明 宇宙初期のCP非保存? νではCPは保存されているのか? 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
ニュートリノ振動実験の現状 まだ分かっていないこと 混合角θ13が有限値をもつか? θ13≠0 の場合:CP-violationの位相δ これまでの実験結果 KamLAND + solar ν sin2(2θ12) = 0.82~0.89 ⊿m212 = 7.7~8.3×10-5 eV2 SK, K2K, MINOS sin2(2θ23) > 0.92 |⊿m322| = 2.3~3.0×10-3 eV2 CHOOZ sin2(2θ13) < 0.19 まだ分かっていないこと 混合角θ13が有限値をもつか? θ13≠0 の場合:CP-violationの位相δ Δm322の符号 ニュートリノ振動の発見により mν≠ 0 フレーバー混合 が確立された 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
T2K実験の目的 θ23及びΔm232の精密測定 未知のニュートリノ振動パラメータθ13及びδの測定 sinθ13≠0なら 未知のニュートリノ振動パラメータθ13及びδの測定 sinθ13≠0なら 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
T2K実験 750kW NSK N SK(expected) comparison Pure beam Under Construction 750kW Completed Experiment NSK N comparison SK(expected) Near Detector Pure beam 280m, (& 2km) 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
ニュートリノのエネルギー再構成 p’s p’s 準弾性散乱 nm + n → m + p QE p 非弾性散乱 (Em, pm) qm QE inelastic En (reconstructed) – En (true) [MeV] 非弾性散乱 m- nm + n → m + p + p’s n p (Em, pm) qm p’s -1000 1000 NC反応 nm + n → n + p + p’s n p p’s 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
θ23 , Δm232 δ(Δm232) < 10-4 eV2 δ(sin22θ23) < 0.01 5×1021 POT 1 2.9 --68%CL --90%CL --99%CL 2.8 measured/expected 0.1 2.7 Δm232 2.6 1 2 3 4 2.5 Eνrec (GeV) 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
θ13 sin2213 = 0.1 sin22θ13の測定感度 → 0.008 5×1021 POT # of events in 0.35~0.85 [GeV] Signal … 103 Beam e BG … 13 BG from … 10 51021 POT MC sin22θ13の測定感度 → 0.008 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
T2K実験の準備状況 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
ニュートリノビームライン 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
ニュートリノビーム Off-axis beam p n Q =2o 振動確率最大のところに 2.5o ピークに合わせる Super-K p p mumon n off-axis on-axis 2.0~2.5o 0m 120m 280m 295 km Q =2o Off-axis beam 振動確率最大のところに ピークに合わせる 高エネルギーνを減らす νe ~ 0.4% @ ピーク 2.5o Flux • s (arbitrary unit) 3o 1 2 3 En (GeV) 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
1次ビームライン アーク部 前段部 後段部 最大ビーム強度:750kW 許容ビームロス 前段部 : 750W アーク部 : 1W/m (常伝導) 機器のインストール進行中 11月末終了予定 アーク部 (超伝導) アーク部 後段部 前段部 後段部 (常伝導) 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
ビームモニター 役割 メインリングからターゲットへの陽子ビーム輸送 ビームライン機器の保護 ターゲットの保護 POT (proton on target)の見積 強度、位置、プロファイル、ロスの4種類のモニターを設置 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
ビームモニター 前段部 後段部 アーク部 I - ビーム強度モニター 5台 C - ビーム位置モニター 20台 P - ビームプロファイルモニター 20台 ビームロスモニター 50台 各機器の側に設置 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
強度モニター CT (Current transformer) 要求性能 測定精度:1% 最大電流:200A 応答周波数:10k~50MHz 340mm 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
強度モニター 周波数応答特性 signal / input パルスに対する応答 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
強度モニター ダンプ抵抗R、コイルの巻数Nに対する依存性をチェック 今後の予定 N=50 最適なR、Nの決定 N=25 残りのCTの作成 2008/9 インストール完了予定 N=50 N=25 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
位置モニター ESM (Electro Static Monitor) 要求位置分解能 0.5mm 前段部用キャリブレーション完了 前段部インストール中 アーク、後段部用製造中 2008/9 インストール完了予定 0.5 signal asymmetry -0.5 -40 40 Position [mm] 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
プロファイルモニター SSEM (Segmented Secondary Emission Monitor) 要求仕様 ビーム中心位置精度 0.5 mm ビーム幅精度 0.35 mm 出し入れが可能なこと テスト完了 中心位置精度0.19mm,幅精度0.27mm 前段部真空容器インストール中 その他 製造中 2008/9 インストール完了予定 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
ロスモニター (BLM) 東芝製Ar+CO2ガス封入イオンチャンバー ビームアボートモジュールに接続 FY2008購入 ビームアボートモジュールに接続 FY2008購入 2008/9 インストール完了予定 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
2次ビームライン ディケイボリューム ターゲットステーション ビームダンプ ターゲット ミューオンモニタ 電磁ホーン×3 2008/2/22 ターゲット 電磁ホーン×3 ビームダンプ ミューオンモニタ 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
ターゲットステーション 2009/2 完成予定 高放射線環境 (10 Sv/h) リモートメンテナンス 空気の放射化を避けるためヘリウムで置換 水冷 2009/2 完成予定 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
ターゲット グラファイト製 φ26mm×900mm 熱負荷 58kJ/spill → 20kW グラファイト製 φ26mm×900mm 熱負荷 58kJ/spill → 20kW ヘリウムガスにより冷却 (ΔTmax~200℃) 現在ヘリウムガスフローテスト準備中 2008/10~11 インストール予定 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
ホーン I=320kA (パルス) 第1ホーン 0.7ms 第2,3ホーン 2ms トロイダル磁場 B=2.1T 水冷 通電試験 第1ホーン 1.3×106 パルス 第3ホーン 4.3×105 パルス リモートハンドリングテスト完了 2008/10~11 インストール予定 3rd Horn 1st Horn 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
ディケイボリューム OA角2~2.5°をカバー 水冷 上流、中流部 完成 下流部 2008/3 完成予定 L=94m, 6m thick concrete wall OA角2~2.5°をカバー 水冷 上流、中流部 完成 下流部 2008/3 完成予定 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
ビームダンプ グラファイトブロック+アルミ冷却モジュール OA角2~2.5°に対応 現在組立中 2008/10 インストール予定 5.3m グラファイトブロック+アルミ冷却モジュール OA角2~2.5°に対応 現在組立中 2008/10 インストール予定 2.8m 3.2m 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008
まとめ T2K実験の目的 未知のパラメータθ13及びδの測定 θ23及びΔm232の精密測定 ニュートリノビームラインの準備状況 1次ビームライン 機器のインストール進行中 2008/12 完成予定 2次ビームライン 建設作業、各機器の製造が進行中 2009/2 完成予定 2009/4より運転開始予定 2008/2/22 フレーバー物理研究会2008