第7章 途上国が「豊か」になるためにすべきこと

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井手 鑑人 岡村 佳祐 中嶋 仁 橋本 佳奈.  生活水準の向上には、物価上昇しないことが関係  衣料費の場合 ファストファッションブランドが多数誕生  その背景には 安価 安価 良質 安い労働力を提供する中国などの発展途上国が役割担う安い労働力を提供する中国などの発展途上国が役割担う.
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国民所得 エンゲル係数:生活費に占める食事の割 合 所得の増加と逆に動く指数 食費:所得が増加してもそれほど増えな い なぜなら 娯楽費:所得が増加すると増加する このエンゲル係数を国際比較すれば、各国の生活水準を比べることができ る しかし ある国の衣服費だけ上昇したとする 生活費は上昇する、が、食費は上昇しないエンゲル係数は低下する.
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第7章 途上国が「豊か」になるためにすべきこと 第7章  途上国が「豊か」になるためにすべきこと 

⇒その国にとって有望な作物あ るいは製品を見つけだすこと。 農業の場合 →その土地の気候風土にあった作物を見つける →気候風土が似た地域で高い生産性があるものを探す 製造業の場合 →国際的に中長期的に競争力を持つもの →やや発展している近い国を模倣する ⇒その国にとって有望な作物あ るいは製品を見つけだすこと。

第1節  どの産業も発展戦略の基本は同じ

第1節 どの産業も発展戦略の基本は同じ 市場の失敗との関係 対応策 社会関係資本 不正取引 農村共同体/産業集積の活用・支援、法的整備 第1節 どの産業も発展戦略の基本は同じ 市場の失敗との関係 対応策 社会関係資本 不正取引 農村共同体/産業集積の活用・支援、法的整備 人的資本 投資資金の借用困難 研修・技術普及・一般教育 インフラ 公共財 工業区の建設・公共投資 物的資本 不完全情報 政策的信用供与 知的資本 情報の外部効果 研修・研究投資

政府が支援するべき分野 =「ただ乗りが起こるもの」 第1節 どの産業も発展戦略の基本は同じ 人的資本…研修を支援する 第1節 どの産業も発展戦略の基本は同じ 政府が支援するべき分野 =「ただ乗りが起こるもの」 人的資本…研修を支援する 知的資本…支援が望ましい インフラ…政府による投資

第2節  アフリカの農業開発戦略

第2節 アフリカの農業開発戦略 「緑の革命」への道筋:①有用な作物の選択 アジアの「緑の革命」では台湾やインドネシアの品種を混ぜた 第2節 アフリカの農業開発戦略 「緑の革命」への道筋:①有用な作物の選択 アジアの「緑の革命」では台湾やインドネシアの品種を混ぜた アフリカの風土に合うように品種改良をする

第2節 アフリカの農業開発戦略 「緑の革命」への道筋:②技術の移転・開発 灌漑があると生産環境が似る   =直接的な移転の可能性が増す

第2節 アフリカの農業開発戦略 「緑の革命」への道筋:③技術普及 ×…灌漑投資、種子や化学肥料のための補助金、物流のためのインフラ 第2節 アフリカの農業開発戦略 「緑の革命」への道筋:③技術普及 ×…灌漑投資、種子や化学肥料のための補助金、物流のためのインフラ 技術について知らない、採用しない 技術を普及する人がいないからアフリカで「緑の革命」が

第2節 アフリカの農業開発戦略 「緑の革命」への道筋:④インフラ投資と信用の供与 肥料代等の投資のために信用が必要 それを国がサポートする

第3節  製造業の発展戦略

第3節 製造業の発展戦略 産業集積とは 類似の製品や関連する製品を生産する企業が密集する地域を指す 途上国にはほとんどない

第3節 製造業の発展戦略 なぜ製造業では企業が集積する傾向が強いのか ①社会関係資本を形成しやすい ②新しい知識を模倣しやすい 第3節 製造業の発展戦略 なぜ製造業では企業が集積する傾向が強いのか ①社会関係資本を形成しやすい ②新しい知識を模倣しやすい ③職人が集まる

第3節 製造業の発展戦略 製造業の発展のための順序 有望な産業の選択 ↓ 研修による技術や経営手法の海外からの導入 工業区の建設 信用の供与

第4節  近代的サービス産業の発展

第4節近代的サービス産業の発展 資本設備や建物のコストはあまり高くない 技術やインフラは先進国の企業がおしえてくれる 人的資本は少しだが国内にいるだろう

第4節近代的サービス産業の発展 英語教育が大切である 図7-4より →普通は一人当たりのGDPが増加するとサービス産業の比率があがる →インド、フィリピンは特殊

第5節 農業国から工業国へ

第5節 農業国から工業国へ 「発展の連鎖」: 農業の発展と工業の発展は関連する 「前方連関」 第5節 農業国から工業国へ 「発展の連鎖」: 農業の発展と工業の発展は関連する 「前方連関」 →高収量技術の採用→精米業、運送業、小売業の発展 →農民の消費の増大→供給する企業への刺激 「後方連関」 →高収量技術の採用→肥料農薬等の需要増大 農家の所得上昇による教育費の上昇→国の発展