(Down Scaling Simulation System)

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(Down Scaling Simulation System)  東北大・流体地球物理学講 DS3 (Down Scaling Simulation System)    1.5km格子、2006年6月に運用開始 ディーエスキューブ 24km 6km 1.5km 初期値 予報モデル 高速計算機 RSM予報値 JMA-NHM 8台並列 星野君修士論文「高解像度JMA-NHMを用いた 宮城県の局地気象予報システム構築」より抜粋

Main frame --- JMA-NHM* 8 DS3 ~Down-Scaling Simulation System   http://wind.gp.tohoku.ac.jp/ ・ MSM data Initial & lateral boundary data ・ SST data (OISST,MSST) Initial data 6km mesh Main frame --- JMA-NHM* Vertical : 38 layers (dz = 40 ~ 760 m) Horizontal : dx = 6  1.5 (km) Routine resolution : 2 times Down-Scaling 1.5km mesh Various forecasts ・Temp. ・Wind ・precip. ・・・etc 再現能力・・・現状の予報的視点だけでなく、将来的な視点を含めて。 (陳君より)

描画処理を行い、04:05頃に結果をweb上に掲載(講座内限定) 24km 6km 1.5km DS3の紹介(1) DS3のルーチン 気象庁の前夜21JST init. のRSM予報値が気象業務支援センターから配信されるのでdownload 01:50 所要14m 所要23m 所要1h33m RSM予報値(初期値・境界値) 24km-NHM (72*72) 6km-NHM (72*72) 1.5km-NHM (102*102) 21時 0時 1時 3時間ごとにネスト 1時間ごとにネスト 5時 描画処理を行い、04:05頃に結果をweb上に掲載(講座内限定) ※同様のルーチンを、9JST init. についても行う

DS3の紹介(2) 各種設定(本研究で用いた仕様) モデル・・・JMANHM(2005年10月更新版) 鉛直層・・・38層(解像度40~1120mのstretched格子) SST・・・川村研のMerged SST + NOAA OISST 土地利用・・・24km,6kmは海陸のみ、1.5kmは土地利用導入 対流パラメタリゼーション・・・24km,6kmにKain-Fritsch 放射・乱流・・・氏家(2005)で用いたパラメタリゼーション Merged SST 1.5kmに導入した土地利用

Output from DS3 @today 9 http://ds3.gp.tohoku.ac.jp/ (陳君より)

課題(1) DS3が今よりダウンスケーリングを遂行する際、 JMA-NHMの格子解像度依存の乱流スキーム、 境界層扱いスキーム、雲物理過程スキーム等の問題点の 改善が必要

背景 ヤマセは、低温・寡照により水稲育成への被害などを及ぼす ヤマセ現象解明・予報を目標に観測面・モデル面の多数の研究 (Ninomiya and Mizuno,1985など) 海上での観測での不足からモデルの十分な検証が出来ない 近年、東北大学と仙台管区気象台による 「やませ共同観測」により、ヤマセの海上での一連の時間変化を捕捉

研究の目的 詳細な船舶観測データを活用し、 ①ヤマセ予報の実現のための基礎的実験 ②観測事例のヤマセのメカニズムの解明 1、2003年6月のヤマセの再現実験   →現在のモデルの性能評価と課題抽出 2、SST、乱流スキームに対する感度実験   →これらがヤマセに及ぼすインパクトの違い 3、高解像度実験   →混合層発達時の物理を調査

やませ共同観測(東北大学と仙台管区気象台等の機関により、科研費(代表者・浅野正二)で、実施) 日時:2001年から2007年まで 目的:ヤマセの形成・変質機構の解          明と数値モデル化 観測対象:ヤマセ発現時の大気構造          および雲の微物理特性 観測データ:気温、相対湿度、雲底高         度など 2003年船舶観測の領域 2003年6月の船舶観測において典型的ヤマセと遭遇し、その一連の大気構造のデータの取得に成功 次田君修士論文「高解像度モデルによるヤマセ雲の数値シミュレーション」より抜粋

対象期間と概況 オホーツク海高気圧の存在 低気圧が東側に存在 →北から東よりの風が入り やすい 対象期間:2003年6月22日00UTC~24日12UTC         船舶は(39N,143E)付近で定点観測 オホーツク海高気圧の存在 低気圧が東側に存在 →北から東よりの風が入り   やすい 6/23-00UTC天気図(気象庁より)

対象期間と概況 下層に冷気が流入し、霧に 近い薄い雲が発生 混合層が発達し、雲底が300m程まで上昇 雲底が100m程まで下降 混合層が発達し、雲底が1km程まで上昇 気温の時間-高度断面図、 黒点は雲底高度 (東北大CAOS・浅野先生のご提供) (次田君修論)

計算設定 数値モデル JMANHM 初期値・境界値 気象庁メソ解析値 (MANAL) 格子数 102×102×58 水平解像度 気象庁非静力学モデル(jmanhm-rel-02-00) 初期値・境界値 気象庁メソ客観解析値(MANAL) 格子数 202×202×58 水平解像度 10km(初期値)→4km→1km→250m→100m 雲物理過程 Warm-rain 積雲対流 4kmの計算のみKain-Fritsch法を利用 SST 外洋域新世代海面水温Ver.1.0(NGSST) (0.05°格子、毎日更新) 乱流スキーム Deardorffスキーム MANAL:地上・高層観測、衛星観測などから求めた気象要素データ       水平解像度は10km 再現実験では4kmの結果を用い議論する 高解像度実験では解像度100mの結果を用いる 数値モデル JMANHM 初期値・境界値 気象庁メソ解析値 (MANAL) 格子数 102×102×58 水平解像度 10km(初期値)→4km→1km→100m 計算領域中心 39N°,143E° 雲物理過程 Warm-rain 積雲対流 4kmのみKain-Fritsch法を利用 SST NOAA-OISST(1°格子、1週間平均) 乱流過程 1kmまではDeardorffスキーム、100mでは改良Mellor-Yamada Level3スキーム

再現実験1/3-気圧、風、気温 海面気圧(MANAL) 海上気温(MANAL) モデルの三陸沖の風が弱い、また気温が部分的に2~3℃モデルが低い傾向があることを除き、概ね再現 海面気圧(モデル) 海上気温(モデル) 気圧は1hpa以内の誤差 気温は冷気の入り込みと領域東では比較的よい

再現実験2/3-気温、相対湿度等 観測 モデル 気温の時間-高度断面図 相対湿度の時間-高度断面図 上:観測、下:モデル

SST(川村研のご提供)と乱流スキームの感度実験 新世代海面水温(NGSST) レイノルズ平均乱流スキーム: 0.05度格子 毎日更新 Deardorffスキーム Mellor-Yamada Level 3スキーム(MY3) NOAA-OISST 1度格子 一週間平均 南端では差は小さいがNGSSTの方が北に向かってのSST傾度が2倍ほど大きい (次田君修論)

感度実験の結果 ダウンスケーリングに伴うヤマセの高精度の再現・予測には: ①精密なSSTデータの利用が不可欠 Deardorff/NGSST Deardorff/OISST SST低解像度化 ダウンスケーリングに伴うヤマセの高精度の再現・予測には: ①精密なSSTデータの利用が不可欠 ② JMA-NHMにレイノルズ平均乱流スキー使用の代わりに、    LES乱流スキームの導入が急務 乱流精緻化 MY3/NGSST 観測結果 (次田君修論)

課題(2) DS3が更に高解像度を有するダウンスケーリングを遂行し、もっと複雑な地形(急傾斜な地形や人工建築物等)も扱えるには   1、複雑な地形の場合にも計算できるモデルの拡張   2、ダウンスケーリングに伴うモデル間のインタフェースの構築

Development and Applications of a High-resolution Local Meteorological Numerical Model(CFD) in Cartesian Coordinate (Sha,2008)

Table Outline of the CFD numerical model (sha,2008) Basic equations Non-hydrostatic/compressible Coordinate Cartesian Discretization approach Finite volume method Grid system Staggered Time integration scheme Implicit Advection Scheme 3rd upwind scheme(QUICK) Leonard(1979); Hayase et al.(1992) Solution method SIMPLER algorithm for the equations Patankar(1980); Sha et al.(1991) Technique for handling Blocking-off Method complex geometries Patankar(1980); Sha(2002) Turbulence scheme LES Lilly(1962); Smagorinsky(1963)

Development and Applications of a High-resolution Local Meteorological Numerical Model(CFD) in Cartesian Coordinate (Sha,2008)

実地形の表現 左図:実地形(北海道) 下図:計算モデルの中で 表現された地形 (dx=dy=dz=50m)

実地形でのテスト計算

更にDS3ダウンスケーリングには: ①通常地形の上に建築物などのある場合にも計算できるコードの   作成 ②JMA-NHMと自作CFDモデルとの結合上の諸難題の克服

Calculation Settings: initial inflow condition linear increasing vertical profile of velocity u (Umax =5m/s at 1.2km , the domain top), and vertical temperature T with the lapse rate 0.8K/100m domain size DX=10km,DY=4km, DZ=1.2km grid numbers 200(x),80(y), 60(z) grid spacing Δx=Δy=50m,ΔZ=20m time stepΔt= 1.0s integrated time 3600s