動物への遺伝子導入 hGH 遺伝子 右:ひと成長ホルモン遺伝子を 導入したラット 左:対照ラット

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Presentation transcript:

動物への遺伝子導入 hGH 遺伝子 右:ひと成長ホルモン遺伝子を 導入したラット 左:対照ラット   導入したラット 左:対照ラット Science 222巻11/18号(1983)

分子生物学の勝利=肥満遺伝子の発見

1950〜1960年代にかけて確立された常染色体異常マウス 正常マウス +/+ ob/obマウス db/dbマウス 過食・肥満・糖尿病・不妊

併体結合実験 (1960年代) ob/obマウスの正常化 摂食・体重増加抑制因子が血液中に存在 ? +/+ ob/ob +/+ ob/ob +/+マウスの餓死 db/dbマウスの肥満進行 抑制因子に応答不全 ? +/+ db/db +/+ db/db

血液中の抑制因子の検索 精製と同定のこころみ

レプチンを1mg得ようとすると、血液100リットル以上必要 しかも簡単な生理活性測定法が確立されなかった。 なぜレプチンが精製できなかったのか? あとになってわかったこと・・・・ レプチンの血液中濃度 10〜100 ng/ml ng, ナノグラム kg g mg μg ng pg 1,000 1 1/1,000 1/1,000,000 1/1,000,000,000 1/1,000,000,000,000 レプチンを1mg得ようとすると、血液100リットル以上必要 しかも簡単な生理活性測定法が確立されなかった。

肥満原因遺伝子の塩基配列解析 遺伝子の異常解明 ヒトにおける同一遺伝子のクローニング ヒトにおける肥満の解明 肥満遺伝子のクローニング 成功 肥満原因遺伝子の塩基配列解析 遺伝子の異常解明 ヒトにおける同一遺伝子のクローニング ヒトにおける肥満の解明

マウス肥満遺伝子のクローニングの成功 (Friedmanら 1994) 手法:ポジショナルクローニング  単離遺伝子:ob遺伝子 504塩基対(bp) 167アミノ酸のタンパク質をコード 1 atgtgctgga gacccctgtg tcggttcctg tggctttggt cctatctgtc ttatgttcaa 61 gcagtgccta tccagaaagt ccaggatgac accaaaaccc tcatcaagac cattgtcacc 121 aggatcaatg acatttcaca cacgcagtcg gtatccgcca agcagagggt cactggcttg 181 gacttcattc ctgggcttca ccccattctg agtttgtcca agatggacca gactctggca 241 gtctatcaac aggtcctcac cagcctgcct tcccaaaatg tgctgcagat agccaatgac 301 ctggagaatc tccgagacct cctccatctg ctggccttct ccaagagctg ctccctgcct 361 cagaccagtg gcctgcagaa gccagagagc ctggatggcg tcctggaagc ctcactctac 421 tccacagagg tggtggcttt gagcaggctg cagggctctc tgcaggacat tcttcaacag 481 ttggatgtta gccctgaatg ctga

血液中にはN末端側のシグナルペプチドがはずれた 146アミノ酸からなるペプチドとして循環 ヒトレプチンとマウスレプチン 83%の相同性 マウスob遺伝子産物:レプチン MCWRPLCRFLWLWSYLSYVQAVPIHKVQDDTKTLIKTIVTRINDISHTQS VSARQRVTGLDFIPGLHPILSLSKMDQTLAVYQQVLTSLPSQNVLQIAHD LENLRDLLHLLAFSKSCSLPQTRGLQKPESLDGVLEASLYSTEVVALSRL QGSLQDILQQLDVSPEC 血液中にはN末端側のシグナルペプチドがはずれた 146アミノ酸からなるペプチドとして循環 ヒトレプチンとマウスレプチン 83%の相同性

ob遺伝子の組織特異的発現 Nothern blotting法

肥満者の腹部CTスキャン像 内臓脂肪型 皮下脂肪型 脂肪細胞

脳(視床下部) 空腹感の発生 脳(視床下部)  満腹感の発生 〜 すい臓 レプチン 〜 〜 〜 〜 インスリン 脂肪細胞

「情報伝達」はどうやって伝達されるのか レセプターとリガンド 細胞の分子生物学第15章参照

細胞表層受容体 標的タンパク質の活性化 シグナル分子 Gタンパク質 ホスホ リパーゼ 膜結合性 アデニリル シクラーゼ 小胞体 Ca2+ ATP 膜結合性 イノシトール リン酸 アデニリル cAMP シクラーゼ 小胞体 Ca2+ 標的タンパク質の活性化

ob遺伝子産物:leptin db遺伝子産物:leptin receptor ob-/ob-マウス:ob遺伝子中の点突然変異で        正常なレプチンタンパク質が作れない 低レプチン血症 db-/db-マウス:レプチン受容体遺伝子の変異で        正常なレプチン受容体が作れない          レプチン抵抗性

  生理現象は、遺伝子の発現で説明できる   個人差も遺伝子の変異で説明可能 病理現象の多くと違って    たいていの生理現象は、 1つの遺伝子の働きだけでは説明できない = 遺伝子ネットワークを解明する必要がある。