スペース重力波アンテナ DECIGO計画(1) 天文学会 @宮崎シーガイア 2002年10月8日 ○川村 静児(国立天文台)、中村 卓史、千葉 剛(京大理)、坪野 公夫、安東 正樹(東大理)、 瀬戸 直樹、井岡 邦仁、佐々木 節、横山 順一(阪大理)、植田 憲一(電通大)、神田 展行、 中尾 憲一(阪市大理)、阪上 雅昭(京大総合)、柴田 大(東大教養)、高野 忠(宇宙研)、 田中 貴浩(京大基研)、細川 瑞彦(通総研)、他DECIGOワーキンググループ (宇宙研、阪大理、京大理、近大理、京大基研、国立天文台、産総研、通総研、電通大、 東海大理、東大宇宙線研、東大理、東北大理、新潟大理、新潟大自然、弘前大理、広島大理、 理研、早大理工、Caltech、Penn. State Univ.、Washington Univ.)
レーザー干渉計による 重力波検出は アーム長が長いほど感度が高くなる 鏡 もっと縮む 重力波は ひずみ一定 レーザー 光検出器 鏡 伸びる 縮む もっと伸びる レーザー 鏡 光検出器
地上の大型干渉計 LIGO (4km) GEO (600m) TAMA (300m) LCGT (3km) LIGO (4km) VIRGO (3km) AIGO (?km)
干渉計を宇宙に持っていくと もっと長くできる 信号が増える -重力波と光の相互作用の時間が長くなるため -ただし高周波では信号のキャンセルが起こる ノイズが減る -地面振動や重力場の揺らぎノイズが小さい 低周波で感度がよくなる
LISA Laser Interferometer Space Antenna NASAとESAの共同計画 1mHz~10mHzを狙うスペース重力波アンテナ 2011年打ち上げ予定
地上の重力波アンテナと LISAの間の周波数ギャップ 10-18 10-24 10-22 10-20 LISA 地上の重力波アンテナ ストレイン [Hz-1/2] ギャップ (LCGT) 10-4 10-2 100 102 104 周波数 [Hz]
DECIGOとは何か? Deci-hertz Interferometer Gravitational Wave Observatory 短距離型スペース重力波アンテナ 10-18 10-24 10-22 10-20 LISA ストレイン [Hz-1/2] DECIGO LCGT (感度:任意) 10-4 10-2 100 102 104 周波数 [Hz]
周波数ギャップを埋めることの重要性 新しい窓は新しい物理を生む! LISAの帯域から出て行った連星からの重力波の検出 地上干渉計の帯域に入る前の連星からの重力波の検出 宇宙初期からの重力波 全く新しい重力波源 全く新しい物理
アーム長と感度の関係 f-2 f1 LISA ストレイン [Hz-1/2] DECIGO 周波数 [Hz] 100 10-18 10-21 10-19 10-20 f-2 f1 LISA ストレイン [Hz-1/2] DECIGO 力の雑音: f0 f0:1/L f0 アーム長:(1/100)LISA XFN/L∝1/L LISAと同じ技術レベル 100 ショットノイズ (f<f0): XSN/L∝P-1/2/L∝(L-2) -1/2/L=L/L 10-4 102 100 10-2 周波数 [Hz]
DECIGOの感度 ストレイン [Hz-1/2] 周波数 [Hz] 10-18 10-24 10-22 10-20 10-26 DECIGO (LISAの技術レベル L=5×107m) LISA LCGT ストレイン [Hz-1/2] DECIGO究極の感度1000 DECIGO究極の感度 (量子雑音のみ M=100kg, L=5×108m) 10-4 104 102 100 10-2 周波数 [Hz]
DECIGOの有利な点 0.1Hz付近には重力波雑音がない LISA - 1yr 10-10 WD-WD Extra-galactic 10-16 Extra-galactic NS-NS WD-WD 10-13 10-10
宇宙の膨張加速度の直接計測 膨張 +加速? DECIGO 重力波 連星中性子星 (z~1) 出力 テンプレート (加速していない場合) ストレイン 実際の信号 位相遅れ~1sec (10年の観測) 時間 Seto, Kawamura, Nakamura, PRL 87, 221103 (2001)
DECIGOに必要な技術 フォーメーションフライト ドラッグフリー衛星 位相ロックして増幅反射 ヘテロダイン検出 3台の衛星 太陽輻射圧など 重力場による動き ドラッグフリー衛星 光が広がる 位相ロックして増幅反射 ヘテロダイン検出
DECIGOワーキンググループ 2002年初頭に結成 現在78名(天文台、宇宙研、大阪市立大、阪大、 2002年初頭に結成 現在78名(天文台、宇宙研、大阪市立大、阪大、 京大、通総研、電通大、東大、宇宙線研、東北大、 新潟大、早大他) 2002年5月9日第1回ミーティング開催 50名以上の参加者 科学的成果とフィージビリティーについて検討 2003年春を目標に目的とリクワイヤーメントを設定 R&Dの立ち上げ
R&Dの立ち上げ 精密衛星測位による地球環境監視技術の開発(平成14年度より科学技術振興調整費の課題として採択)のサブテーマの一つとして通総研・新潟大・天文台で衛星間測距のシミュレータを製作 LISAの技術開発の一環としてドラッグフリー技術に伴う低周波での雑音の確認実験をNASAのGoddard・東大・天文台との間で共同研究を行なうことを検討中
まとめ DECIGOで地上重力波アンテナとLISAとの間の周波数ギャップを埋める この周波数帯は重力波雑音がない