1,709種類(ウイルス、細菌、真菌、原虫、寄生虫) 文献調査( 2000年) ヒトの感染症の原因 1,709種類(ウイルス、細菌、真菌、原虫、寄生虫) 832種類(49%)が動物由来感染症 エマージング感染症(新興・再興性感染症) 156種類のうち114種類(73%)が動物由来感染症 これは、これまでに報告された感染症に関する文献を2000年に調査したものです。 ヒトの感染症の原因として1,709種類の病原体(ウイルス、細菌、真菌、原虫、寄生虫)があり、そのうちの832種類(49%)が動物由来感染症であると報告されています。ヒトの感染症の半分は動物が原因ということです。 そして156種類のエマージング感染症のうち114種類(73%)が動物由来感染症とされています。
動物由来感染症(ウイルス性疾患) 動物種 疾患名 マウス 脳心筋炎ウイルス病、リンパ球性脈絡髄膜炎 ラット サル痘(プレーリードッグ) 、腎症候性出血熱、脳心筋炎ウイルス病 ハムスター モルモット ウサギ 脳心筋炎ウイルス病 トリ ニューカッスル病、トリインフルエンザ、ウエストナイル熱 イヌ 狂犬病 ネコ ブタ リンパ球性脈絡髄膜炎、水疱性口炎、ブタ水疱病、日本脳炎、ブタインフルエンザ、ニパウイルス感染症、 E型肝炎 サル A型肝炎、エボラ出血熱、マールブルグ病、黄熱、狂犬病、デング熱、Bウイルス、麻疹、サル免疫不全ウイルス感染病、キャサヌール森林熱、ヤバポックス、サル痘など 動物由来感染症のうち主なウイルス性疾患を動物種別にあげております。リンパ球性脈絡髄膜炎はこのように宿主域が広いですが。とくにマウス、ラット、ハムスターなどの小型げっ歯類が感染源として危険です。ラットではその他にサル痘があります。サルにもサル痘が感染しますが、サルも人と同じ被害者で、野生のげっ歯類から感染を受け、発症します。トリではニューカッスル病、トリインフルエンザ、ウエストナイル熱など。ニューカッスル病は養鶏業者には致命的な感染症ですが、人では結膜炎を起こす程度の軽微な感染症にすぎません。狂犬病はパスツールが1985年にワクチンを開発しましたが、昔から知られている怖い病気です。豚では最近ニパウイルス感染症、 E型肝炎が話題となっています。 ここに赤で示しているものについてこれから説明を加えていきます。
動物由来感染症(リケッチャ・クラミジア性疾患) 動物種 疾患名 マウス クラミジア感染病、リケッチャ性痘瘡、Q熱 ラット ハムスター なし、Q熱 モルモット ウサギ クラミジア感染病、Q熱 トリ オウム病、Q熱 イヌ クラミジア感染病、エールリッヒ病、Q熱 ネコ クラミジア感染病、ネコひっかき病、Q熱 ブタ サル Q熱
動物由来感染症(細菌性疾患ー1) 動物種 疾患名 マウス 仮性結核、クレブシェラ病、サルモネラ病、炭疽、鼠咬熱(1)、鼠咬熱(2)、野兎病、豚丹毒、パスツレラ病、ブルセラ病、ペスト、ライム病、レプトスピラ病、レンサ球菌病など ラット エルシニア病、仮性結核、クレブシェラ病、サルモネラ病、炭疽、鼠咬熱(1)、鼠咬熱(2)、野兎病、豚丹毒、ノカルジア病、パスツレラ病、ブルセラ病、ペスト、ライム病、レプトスピラ病、レンサ球菌病など ハムスター カンピロバクター病、クレブシェラ病、サルモネラ病、パスツレラ病、レンサ球菌病、野兎病など モルモット 仮性結核、クレブシェラ病、サルモネラ病、鼠咬熱(2)、大腸菌病、パスツレラ病、レプトスピラ病、レンサ球菌病、リステリア病など ウサギ エルシニア病、仮性結核、サルモネラ病、鼠咬熱(2)、野兎病、大腸菌病、豚丹毒、パスツレラ病、フソバクテリウム・ネクロフォーラム感染病、ペスト、レンサ球菌病、リステリア病など 炭疽はもともとはヒツジやウシなどの家畜がかかる病気 コッホが発見、純培養に成功。 「生物テロ関連の肺炭疽-米国での初の患者10 例の報告」2001/11/12
動物由来感染症(細菌性疾患ー2) 動物種 疾患名 トリ エルシニア病、カンピロバクター病、仮性結核、結核、トリ結核、サルモネラ病、鼠咬熱(2)、大腸菌病、豚丹毒、ライム病、レンサ球菌病、リステリア病など イヌ エルシニア病、カンピロバクター病、クレブシェラ病、仮性結核、結核、トリ結核、細菌性赤痢、サルモネラ病、鼠咬熱(2)、大腸菌病、炭疽、豚丹毒、ノカルジア病、パスツレラ病、ブルセラ病、ペスト、ライム病、レプトスピラ病、レンサ球菌病、リステリア病など ネコ エルシニア病、カンピロバクター病、仮性結核、結核、トリ結核、サルモネラ病、鼠咬熱(2)、大腸菌病、パスツレラ病、ペスト、野兎病、レプトスピラ病、レンサ球菌病、リステリア病など ブタ エルシニア病、仮性結核、結核、トリ結核、サルモネラ病、鼠咬熱(2)、大腸菌病、炭疽、豚丹毒、パスツレラ病、ブルセラ病、レプトスピラ病、レンサ球菌病、リステリア病など サル エルシニア病、カンピロバクター病、クレブシェラ病、仮性結核、結核、トリ結核、細菌性赤痢、サルモネラ病、パスツレラ病、レンサ球菌病、類鼻疽など
サル(アフリカ等) プレーリードッグ ハクビシン等 コウモリ ヤワゲネズミ 犬、猫、キツネ アライグマ スカンク サル(中国等) 輸入動物の感染症対策の強化 平成17年9月施行 従前 追加・改正 げっ歯目 その他の哺乳類 鳥類 げっ歯目の死体 うさぎ目の死体 その他の動物 サル(アフリカ等) プレーリードッグ ハクビシン等 コウモリ ヤワゲネズミ 犬、猫、キツネ アライグマ スカンク サル(中国等) 輸入禁止 届出 係留観察 平成17年7月施行 ペット用の輸入禁止 ・取り扱い施設の指定 (試験研究機関、動物園) その他の動物