光ファイバを代表とする 家庭・街中での常時接続

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光ファイバを代表とする 家庭・街中での常時接続 光ファイバを代表とする 家庭・街中での常時接続 ~一般家庭への常時接続環境の広まり~ これから,「光ファイバを代表とする家庭・街中での常時接続」と題して,4回生の谷口から発表させていただきます.よろしくお願い致します. ○谷口 義樹   上浦 二郎

はじめに 常時接続の広まり (常時接続:定額でネットにいつでも接続可能) *選択肢の増加 *コストの低下 *街中でも可能に  *選択肢の増加  *コストの低下  *街中でも可能に 数年前までは,家庭でのインターネット接続といえば,アナログの電話回線によるものがほとんどであり,インターネットにつなぎっぱなしにすることは非常に高いコストがかかるために現実的ではありませんでした.しかし現在は,定額で常時接続環境を実現するためのさまざまな選択肢が提供されてきています.しかも,新技術の開発や各サービス会社間の激しい競争により利用にかかるコストが低下してきており,常時接続は急速に身近なものになってきています. しかしながら,常時接続には問題点もあります.そこで本発表では,常時接続環境の現状と問題点について述べます. 解決すべき問題点もいくつかある 常時接続環境の現状と問題点

ネットワークインフラの現状 基線はすでに整備されている 超高速 「最後の1マイル問題」 低速  基線はすでに整備されている 超高速 「最後の1マイル問題」 現在,国内のネットワークの主要な部分ではすでに40Gbpsという超高速な回線が整備されています.しかし,超高速なバックボーン回線から各家庭を結ぶ部分はには,まだ低速なアナログ電話回線が使用されていることが多いのが現状です.これは日本だけではなく,欧米諸国でも同様であり「最後の1マイル問題」(Last One Mile)と呼ばれています.高速常時接続を各家庭に浸透させるためにはこの部分のインフラを整備する必要があります. 低速

常時接続環境の種類 advantage disadvantage 有線 ADSL 既存の回線を 使用可能 信号減衰により速度低下 CATV 光ファイバより安価 料金が高め Fiber Optics 高速で減衰が 起きにくい コストがかかる 大都市中心 Wireless 場所を選ばず 利用可能 セキュリティが 甘い 最後の1マイル問題を解決するためのインフラとして,ADSL,CATV,光ファイバ,そして無線接続が注目されています.ADSLは既存の回線を利用可能であるため,今現在,普及しているサービスです.しかし,信号減衰による速度低下が大きく,実際どの程度の速度がでるのかは,実際に回線をひいてみないと分からないという欠点があります.CATVはその点でADSLより安定し,後に挙げる光ファイバよりは安価です.しかし,ひとつの地域にひとつのサービス事業者しかないことが多いため,競争原理がはたらきにくく,サービス料金が高めに設定されているという欠点があります.光ファイバは高速でかつ信号の減衰が起きにくいという利点があります.今はまだコストがかかり,東京などの大都市中心のサービスですが,新技術が生まれたことによって,コストも下がり,今後は普及していくと考えられます.また,これまでに挙げてきた有線技術だけでは,回線をひくことができずサービスをうけられない地域が出るため,これらを補う技術として無線技術が注目されています.これは場所を選ばず利用可能ですが,有線技術に比べてセキュリティが甘いという欠点があります. Asymmetric Digital Subscriber Line(非対称デジタル加入者回線) 受信、発信の速度の違いが「非対称(Asymmetric)」であるため

常時接続環境の広まり 第7回IT戦略本部資料4(2001.7)より 政府は先ほど挙げた常時接続のインフラの普及に関してこのような予測を立てています.青は光ファイバ,グレーはADSL,緑はCATV,紫は無線技術です.これを見ていただくと,まず,2005年には2000万世帯が常時接続環境になると予測されています.国内の世帯数は全体で約4800万世帯になるとみられていますので,約4割の家庭が常時接続環境におかれることになります.サービス別に見てみると一番下の光ファイバが大幅な増加をしており,またその上のADSLは,2003年をピークに減少しています.このことから,ADSLは一時的なインフラであって,光ファイバや無線技術へ移行していくものと思われます. 第7回IT戦略本部資料4(2001.7)より

街中での常時接続 街中では各ユーザを有線環境にできない 現在のサービス ・DDI Pocket社の「Air H"」  ・K-Opti.com社の「eo」    速度が遅く,不安定,コストがかかる 今までは,家庭での常時接続環境について述べてきましたが,街中では各ユーザに有線をひくことは不可能です.現在ある無線サービスとしてDDIPocket社の「Air H”」やK-Opti.com社の「eo」が挙げられますが,これらは速度が遅く,また回線が不安定で,速度の割に料金も高くなっています.しかし,いま東京中心としたホットスポットという街中での無線インターネット接続サービスが取り上げられ,実験段階に入っています.これは未来のインターネットの形であり,これが実現することによっていつでもどこでもインターネットに接続できる環境が整うと考えられます. 新しいサービス  ホットスポット(Hot Spot)     未来のインターネットの形

ホットスポット ・「Wireless Internet Café」 ・IEEE802.11b規格(無線LAN) ・いつでもどこでもネット接続が可能 ・現在,東京中心に実験段階 特徴 Hi-Speed Internet(最大11Mbps)  Low Cost(月額1600円(実験段階)) ホットスポットは,「インターネットカフェの無線版」であり,IEEE802.11bという無線LANの規格を用いて実現されます.これにより,いつでもどこでもインターネット接続が可能になります.現在は東京を中心に実験段階ですが,今後さらにサービス地域を広げていくものと思われます.ホットスポットの特徴として,回線速度が最大11Mpbsという高速環境が提供可能です.現在の無線回線とは比べ物にならないぐらいに速い回線が実現できます.またコストが比較的かからないことが挙げられます.現在実験段階ですが,月額1600円でサービスが提供されています.

常時接続の問題点 セキュリティ問題 Attack ネットワーク容量の不足問題 これまでに,常時接続についてのさまざまなサービスを紹介してきましたが,常時接続にはいくつかの問題点があります.ここではセキュリティ問題とネットワーク容量の不足問題について述べます.

セキュリティ問題 攻撃対象 不正アクセス 踏み台 不正アクセス 踏み台PC 攻撃者 常時接続PC セキュリティに関して主に問題となるのは,不正アクセスと踏み台です.攻撃者は攻撃対象のPCやサーバに直接不正アクセスを試みますがこれでは身元がばれてしまうので,セキュリティ対策の薄い,常時接続PCを踏み台にして,攻撃対象のPCやサーバにアクセスしようとします.これにより,身元を隠すことができてしまいます.現在は個々のユーザの意識や技術が低いために,踏み台にされやすくプロバイダ側で対処をすることが多くなっています.ここでは実際にどのような対策が行われているかを具体例を挙げて紹介したいと思います. 踏み台PC 攻撃者 常時接続PC

具体的な対策例(1) OCNでの対策 パケットフィルタリングサービス 外部からのパケットをOCN側ルータで防ぐ セキュリティチェックサービス    パケットフィルタリングサービス    外部からのパケットをOCN側ルータで防ぐ    セキュリティチェックサービス    ユーザが情報をOCNに伝え,    OCNではパケットフィルタリングサービスとセキュリティチェックサービスという対策を行っています.パケットフィルタリングサービスは外部からのパケットをユーザの希望にあわせてOCN側のルータで防ぐ技術です.またセキュリティチェックサービスはユーザが情報をOCNに伝え,それを元にOCNがチェックした結果をWEBでユーザに伝えることにより,ユーザがとるべき方法を示してくれます. それを元にOCN側が結果を伝える

具体的な対策例(2) K-OPTI.comでの対策 回線の自動切断 一定時間で回線をサーバー側で切断 一定時間後,再接続    回線の自動切断    一定時間で回線をサーバー側で切断    一定時間後,再接続    一定時間がたてば,回線を一度切断し,  IPアドレスを変動させる 次に,K-OPTI.comでの対策例です.K-OPTI.comでは回線の自動切断と一定時間後,再接続するという対策をとっています.まずサーバー側の判断で回線の自動切断を行うことにより,無駄なアイドル時間をなくし,外部からの侵入を防ぎます.また長時間つかっている場合には,サーバー側でいったん回線を切断し,再び接続しなおすことによって,IPアドレス変動させることを行っています.

ネットワーク容量不足の問題 大量の人がインターネットに常時接続 扱うデータの情報量が多くなる ネットワーク容量が不足し速度が落ちる   ネットワーク容量が不足し速度が落ちる また,ネットワーク容量の不足が問題となってきます.今までに比べて,情報量の多い,重いデータの取り扱いが必要となるため,伝送速度が落ちてしまいます.これを解消する技術として,WDM技術が注目されています.今まではひとつの波長のレーザー光に信号をのせて送っていましたが,光の波長を変え,何本ものレーザー光を多重して一本の光ファイバケーブルに通し,より多くのデータを送ることにより,通信容量を増加させます。またこの技術を使えば,低いコストで通信容量を増やすことができます.

具体的な対策例(光ファイバ) WDM伝送技術 (波長多重通信) NEC社 10.9Tbpsの伝送に成功

まとめ 常時接続環境は今後さらに整備 ・ADSLから光ファイバへ移行 ・街中では,ホットスポットの普及 問題点の解決  ・街中では,ホットスポットの普及 問題点の解決  ・新技術・対策により解消されつつある   各プロバイダの対策,WDM技術 本発表では,常時接続の現状として今おもに利用されているサービスを取り上げ,今後はADSLを経て,光ファイバや無線技術に移行していくことを示しました.また街中では,いつでもどこでもインターネットに接続できるホットスポットを取り上げました.また常時接続がかかえるいくつかの問題点に対して,各プロバイダの対策の具体例やWDM技術について示しました.これらにより,今後,常時接続環境はますます普及していくことと考えられます. 今後,ますます普及していくこととなる

低コストのプラスチック光ファイバケーブルの開発 光ファイバ(Fiber Optics) 光信号を用いた超高速常時接続回線 信号の減衰が格段に少ない コストがかかる 大都市中心のサービス 低コストのプラスチック光ファイバケーブルの開発

光ファイバの種類 モード=光の道筋 *ステップインデックス型 屈折率が階段状に変化する多モード型のファイバ 光の入射角によって通過する光路が違い、ファイバ中の光の速度がモード間で異なる(モード分散) 伝送帯域が低いが、製造が容易 *グレーデッドインデックス型 屈折率をなだらかに変化させた多モード光ファイバ 30Mbps程度のLANの伝送路として使われる 近距離の交換局を結ぶ中継ケーブルとしても使われる *シングルモード型光ファイバ コアを細くして、基本モードの波長の光のみを通す モード分散がなくなり、非常に広帯域 長距離でかつ高速・大容量な伝送が可能

ホットスポットの問題点 電源問題 ・PCのバッテリー稼動時間は短い ・電源も含めて利用できる場所はまだ少ない コンテンツ問題  ・電源も含めて利用できる場所はまだ少ない コンテンツ問題  ・いつでもどこでもネット接続できても,  それを活かすコンテンツがまだ少ない セキュリティ問題  ・無線接続なのでセキュリティが有線に比べて低い

ADSL普及の背景 ADSL(8Mbps) 必要な機器が非常に高価 *ADSLモデム *スプリッター ユニバーサルADSL(1.5Mbps)  必要な機器が非常に高価  *ADSLモデム  *スプリッター ユニバーサルADSL(1.5Mbps)  *扱う帯域を分ける→スプリッター不要  *モデムが比較的安価 ADSL(非対称デジタル加入者線)技術は既に国際電気通信連合(ITU)で「T1.413規格」として標準化されたていて、7Mbps程度のものも実用化されている。しかし、通常の家庭で利用するにはいくつかの問題がある。先ずADSLモデムが高価である。さらに電話との回線の共有のためには「スプリッター」と呼ばれる別の装置が必要である。このためさらに機器費用が高くなる上、設置に専門家が必要なため、初期費用が高くなる。 「ユニバーサルADSL」は、プロバイダから利用者向きの通信速度を1.5Mbpsに抑えることで、モデム価格を引き下げると共に、音声用の帯域を別に確保。スプリッター無しで、音声とデータ通信を共存させる。この結果、現在のアナログモデム同様、利用者が1本の回線に自分でADSLモデムを接続するだけで、インターネットにつなぎっぱなしの環境が実現できるようになる。さらに、データ通信中に通常の電話も利用出来る。 1998年1月、パソコン業界、電話業界、ネットワーク機器業界の主要企業がコンソーシアム「ユニバーサルADSLワーキング・グループ(UAWG)」を結成を、協力して相互に互換性のある「ユニバーサルADSL」を推進していくことを明らかにした。1998年前半にT1.413の範囲内で互換性のある家庭向けの規格を作成し、年内にもユニバーサルADSLの実用化に入りたいとしている。 通常の電話で用いられる加入者線の周波数帯域は、4KHz付近の周波数を使うが、銅線そのものは他の周波数帯域を使うことができる。この電話で利用されない周波数を使ってデータ通信を行うのがDSL技術である。ADSLもDSL技術の一種であり、データ通信の上り速度と下り速度が異なる方式である。

プラスチック光ファイバ コアにプラスチックを利用 コスト低下 銅線との比較 石英光ファイバと比較 ・ノイズの影響を受けにくい ・軽量 ・短絡事故がない ・伝送能力が高い ・コストがかからない ・柔軟性をもつ 電線との比較 (1)情報伝送能力が高い (2)耐ノイズ性(外部からの電磁誘導障害を受けない) (3)防爆(電気的な短絡事故がない) (4)軽量 (5)漏話の完全防止 石英系と比べて (1)伝送する光の量が多い(大口径) (2)優れた柔軟性 (3)優れたハンドリング性(特殊な技能・治具を必要としない) (4)光伝送システムの低コスト化(トータルコストが安い)

パケットフィルタリングサービス

セキュリティチェックサービス

xDSL ADSL 上り/下りが非対称,電話との共存可 SDSL 上り/下りが対称,電話との共存不可 HDSL 昔からの技術で銅線を2本使用  上り/下りが非対称,電話との共存可 SDSL  上り/下りが対称,電話との共存不可 HDSL  昔からの技術で銅線を2本使用 VDSL  52Mbpsの超高速回線で利用距離が短い  実装はされていない ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line) SDSL(Symmetric Digital Subscriber Line) HDSL(High-bit-rate Digital Subscriber Line) VDSL(Very high-bit-rate Digital Subscriber Line)