OpenFlow拡張による仮想ネットワーク上での ブロードキャストの最適化 〇松尾 圭佑† 川島 龍太† 松尾 啓志† 2015/09/28 東海支部連合大会 † 名古屋工業大学大学院
発表の流れ 研究背景 マルチテナント型データセンタ 関連研究 IPマルチキャスト ユニキャスト変換手法 提案手法 性能評価
マルチテナント型データセンタ オーバレイ方式によるネットワーク仮想化 テナントごとに専用の仮想ネットワークを提供 仮想ネットワーク テナントA VM VM テナントC VM VM テナントB VM VM VM VM VM 物理ネットワーク
仮想ネットワーク上でのブロードキャストの問題点 VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM 不要なパケットの発生による通信帯域の圧迫 物理スイッチ 仮想スイッチ VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM sender 物理マシン
関連研究 特定テナントのVM群にのみブロードキャスト パケットを配送 物理ネットワーク上でIPマルチキャストを利用†1 ユニキャスト変換手法†2 †1 M. Mahalingam, D. Dutt, K. Duda, P. Agarwal, L. Kreeger, T. Sridhar, M. Bursell, and C. Wright, \Virtual eXtensible Local Area Network (VXLAN): A Framework for Overlay-ing Virtualized Layer 2 Networks over Layer 3 Networks". RFC 7348, 2014. †2 伊勢幸一,浅羽登志也,高添修,小松康二,”SDN の実践技術 “.株式会社インプレス, 2013.
IPマルチキャストの利用 VXLAN 仮想ネットワーク上でのブロードキャスト IPマルチキャスト対応のルータやL3スイッチが必要 VM VM VM VM VM VM VM マルチキャストグループ1 VM VM VM VM VM VM VM VM VM マルチキャストグループ2 マルチキャストグループ3 IPマルチキャスト対応のルータやL3スイッチが必要 マルチキャストグループの構築がオーバヘッド
ユニキャスト変換手法 常にコントローラと同期する必要 専用サーバ付近やネットワーク上流が混雑 sender 混雑 混雑 コントローラ : 専用サーバ 混雑 混雑 VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM sender 常にコントローラと同期する必要 専用サーバ付近やネットワーク上流が混雑
提案手法 OpenFlow拡張によるブロードキャスト最適化 仮想スイッチのグループ化 ユニキャスト化 パケットにトポロジ情報を付与
提案手法の概要 トポロジ情報を埋め込んだパケット作成 各仮想スイッチは必要に応じてパケットの複製・転送 sender Group1 コントローラ : 代表スイッチ トポロジ情報抽出 代表スイッチ宛 パケット作成 Group1 Group2 Group3 Group4 VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM VM sender トポロジ情報を埋め込んだパケット作成 各仮想スイッチは必要に応じてパケットの複製・転送
メリット・デメリット メリット デメリット IPマルチキャストを利用する手法と比較 専用サーバ方式と比較 転送ホップ数の増加 特別なハードウェアを使用しない 経路中のネットワーク機器がステートレス 専用サーバ方式と比較 送信側スイッチ付近やネットワーク上流部分のパケット数 削減 デメリット 転送ホップ数の増加
性能評価 専用サーバ方式と比較 評価環境 パケット転送遅延 ネットワークの各リンクにおけるパケット数 Floodlight 0.90 物理スイッチ 1GbE network 1GbE network Floodlight 0.90 Mininet 2.2.1 OS CentOS 6.6 (2.6.32) CPU Intel® Core™ i3-530 2.93GHz Memory 16GB OS CentOS 7.0 (3.10.0) CPU Intel® Core™ i5-4400 3.10GHz Memory 16GB
評価トポロジ Br1 Br2 Br3 Br4 Group1 Group2 Group3 Floodlight Br Linux Bridge Open vSwitch 2.3.1 Br1 Br2 Br3 Br4 Group1 Group2 Group3 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16
パケット転送遅延の評価 ARPの応答時間の比較 通常のブロードキャスト 専用サーバ方式、提案方式(宛先が代表スイッチ配下) Floodlight Br1 Br2 Br3 Br4 代表スイッチ 非代表スイッチ H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 Sender ARPの応答時間の比較 通常のブロードキャスト 経由オーバヘッドなし 専用サーバ方式、提案方式(宛先が代表スイッチ配下) コントローラ経由 提案方式(宛先が非代表スイッチ配下) コントローラ経由、代表スイッチを経由 [packets] …… …… [ms]
ネットワーク上流・送信側スイッチ付近のパケット数削減 各リンク別のパケット数の比較 Floodlight Br1 1 12 19 Br2 Br3 Br4 2 3 13 14 20 21 4 5 6 7 8 9 10 11 15 16 17 18 22 23 24 25 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 相対値 各ホストがランダムでブロードキャストを送出 各リンクのパケット数を比較 通常のブロードキャスト 専用サーバ方式 提案手法 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 ~ 25 ネットワーク上流・送信側スイッチ付近のパケット数削減 非宛先ホストにパケットは流れていない
まとめと今後の課題 まとめ 今後の課題 ユニキャスト化したパケットにトポロジ情報を付加 キャッシュ機能 送信側スイッチ、ネットワーク上流部分でパケット数 削減 今後の課題 キャッシュ機能 同じフローならコントローラを経由せずに最適化 ARP等の特定のプロトコルと提案手法のハイブリッド機能