第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川)

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第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川) スペース重力波アンテナDECIGO計画 安東 正樹 (東京大学理学系研究科) 川村 静児(国立天文台), 中村 卓史(京大理), 坪野 公夫(東大理), 瀬戸 直樹(Caltech), 長野 重夫(NICT), 田中 貴浩(京大理), 石川 毅彦(JAXA), 植田 憲一(電通大), 武者 満(電通大), 佐藤 孝(新潟大工), 細川 瑞彦(NICT), 森脇 成典 (東大新領域), 高島 健(JAXA-ISAS), 沼田 健司(NASA), 平林 久(JAXA-ISAS), 高野 忠(JAXA-ISAS), 藤本 眞克(国立天文台), 樽家 篤史(東大理), 姫本 宣朗(東大理), 柳 哲文(阪市大理), 中尾 憲一(阪市大理), 原田 知広(京大理), 井岡 邦仁(京大理), 佐合 紀親(阪大理), 疋田 渉(京大基研), 佐藤 修一(国立天文台), 苔山 圭以子(お茶大人間文化), 福嶋 美津広(国立天文台), 國森 裕生(NICT), 山崎 利孝(国立天文台), 大河 正志(新潟大工), 橋本 樹明(JAXA-ISAS), 高橋 忠幸(JAXA-ISAS), 青柳 巧介(早大理工), 我妻 一博(東大宇宙線研), 阿久津 智忠(東大理), 浅田 秀樹(弘前大理工), 麻生 洋一(東大理), 新井 宏二(国立天文台), 新谷 昌人(東大地震研), 池上 健(産総研),  石徹白 晃治(東大理), 市耒 淨與(国立天文台), 伊藤 洋介(Univ. of Wisconsin), 井上 開輝(近大理工), 戎崎 俊一(理研), 江里口 良治(東大総合文化), 大石 奈緒子(国立天文台), 大橋 正健(東大宇宙線研), 大原 謙一(新潟大理), 奥冨 聡(東大宇宙線研), 鎌ヶ迫 将悟(東大宇宙線研), 河島 信樹(近大理工), 川村 麻里(新潟大理), 神田 展行(阪市大理), 雁津 克彦(京大理), 木内 建太(早大理工), 桐原 裕之(東大宇宙線研), 工藤 秀明(東大理), 黒田 和明(東大宇宙線研), 郡 和範(Harvard-Smithsonian Center), 古在 由秀(ぐんま天文台), 小嶌 康史(広島大理), 小林 史歩(Penn. State Univ.), 西條 統之(Observatoire de Paris), 阪上 雅昭(京大総合), 阪田 紫帆里(お茶大人間文化), 佐々木 節(京大基研), 柴田 大(東大総合文化), 真貝 寿明(稲盛財団), 杉山 直(国立天文台), 宗宮 健太郎(AEI), 祖谷 元(早大理工), 高橋 弘毅(阪市大理), 高橋 龍一(国立天文台), 高橋 竜太郎(国立天文台), 田越 秀行(阪大理), 田代 寛之(京大理), 谷口 敬介(Univ. of Illinois at Urbana-Champaign), 千葉 剛(日大文理), 辻川 信二(東大理), 常定 芳基(東工大), 徳成 正雄(東大宇宙線研), 内藤 勲夫(無所属), 中川 憲保(東大宇宙線研), 中野 寛之(阪市大理), 中村 康二(国立天文台), 西澤 篤志(京大総合), 丹羽 佳人(京大総合), 野沢 超越(新潟大理), 端山 和大(国立天文台), 平松 尚志(東大理), 二間瀬 敏史(東北大理), 前田 恵一(早大理工), 松原 英雄(JAXA-ISAS), 水澤 広美(新潟大理), 蓑 泰志(Caltech), 宮川 治(Caltech), 三代木 伸二(東大宇宙線研), 向山 信治(東大理), 森澤 理之(京大基研), 山元 一広(東大宇宙線研), 横山 順一(東大理), 吉田 至順(早大理工), 吉野 泰造(無所属) 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川) イラスト/ KAGAYA

概要 日本の将来のスペース重力波アンテナ DECIGO (DECI-hertz interferometer Gravitational wave Observatory)                              についてお話します 重力波とは? 重力波の検出法 世界の現状と将来計画 DECIGOの概要 期待できる成果 今後の計画 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川) 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川)

重力波検出の現状 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川)

重力波とその検出 (1) - 重力波による天文学 - 重力波 (時空のさざなみ) 一般相対性理論, アインシュタイン方程式 波動解 (光の速度で伝播する時空の歪み) 連星パルサーの公転周期の観測により存在証明   質量の加速度運動により生成    ( 電磁波:電荷の加速度運動により生成)   強い透過力 (物質との相互作用が小さい)  A.Einstein (TAMAプロジェクトパンフレットより) 「重力波天文学」の可能性  電磁波による天文学とは質の異なった情報 天体内部のダイナミックな運動の観測 電磁波では見ることのできない初期宇宙 近星点通過時刻のずれ [s] 時間 [year] 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川)

第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川) 重力波とその検出 (2) - 重力波は未検出 - しかし… まだ直接検出されていない (効果が非常に小さいため) 安定な環境・微小検出技術が必要 10-21の歪み 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川)

第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川) 重力波とその検出 (3) - 重力波の効果 - 重力波の検出 重力波の効果   自由質点間の距離の変化   大きさを持った物体への潮汐力 重力波 横波 四重極特性 :    直交する方向で差動に変動 2つの偏光 (+モード, xモード) これらの性質を利用して検出 共振型検出器 自由質点型検出器   (レーザー干渉計型) 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川)

重力波とその検出 (4) - マイケルソン干渉計 - 重力波とその検出 (4) - マイケルソン干渉計 - マイケルソン干渉計   レーザー光源からの光を    直交する2方向に分岐   それぞれ、鏡で打ち返し          干渉させる  腕の長さの差動変動を   干渉縞の変動として検出 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川)

重力波とその検出 (5) - 世界の重力波検出器 - 重力波とその検出 (5) - 世界の重力波検出器 - 稼動中の重力波検出器 Resonant detectors (ITA, USA, SUI) 1990s - LIGO (USA) 4km x 2. 2002- GEO (GER-UK) 600m. 2002- VIRGO (ITA-FRA) 3km. 2004- TAMA (JPN) 300m. 1999- 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川)

第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川) 重力波天文学 (1) - 現状と将来計画 - 重力波天文学にむけて 稼働中の重力波検出器    連星中性子星合体イベント : 50kpc~10Mpcの観測レンジ        我々の銀河, 近傍銀河でイベントがあれば検出可能 ただ…    そのようなイベントは極めて稀 (10-5 event/yr/gal) 本格的な天文学のためには、 高感度化  より多くの銀河をカバーする   多周波数での観測  さまざまな対象を観測, 定常的な重力波の観測                  (重力波の周波数 ~ 光速/系のスケール) LIGO(米)     Ad. LIGO 現在 2010 2015 2020 2025 TAMA (日)   LCGT ~10 event/yr  のイベントレート LISA(NASA/ESA) 地上検出器 (10-1kHz) 宇宙検出器 BBO DECIGO 0.1mHz-10mHz 確実な重力波源 0.1Hz帯 宇宙論的な重力波 長期線長がとれる 地球重力場変動の影響がない 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川)

重力波天文学 (2) - 重力波源と検出器感度 - 重力波天文学 (2) - 重力波源と検出器感度 - 重力波天文学  電磁波と相補的な天文学・宇宙論 高感度化, 多波長化 多様なスケールでの天文学・宇宙論 大質量 ブラックホール連星合体 中性子星 連星合体 LISA 重力崩壊型 超新星爆発 銀河系内連星 銀河系内連星 バックグラウンド雑音 初期宇宙 からの重力波 (Wgw=10-14) パルサー    (1yr) ScoX-1 (1yr) LCGT DECIGO 基線長 107 m, マス 100kg, レーザー光 10W, 波長 532nm テレスコープ径 1m 重力場変動雑音 (地上検出器) 各検出器の感度 低周波数帯 : 変位雑音 高周波数帯 : 光の量子雑音        で制限される 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川)

重力波天文学 (3) - NASAロードマップ - LIGO LISA BBO 重力波観測が 主要なプロジェクトの 1つ挙げられている 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川)

第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川) 重力波天文学 (4) - JAXA長期計画 - JAXA長期ビジョン (平成17年4月6日) より抜粋 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川)

DECIGO 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川)

第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川) DECIGO (1) - 概要 - DECIGO  (DECI-hertz interferometer Gravitational wave Observatory) 日本の将来のスペース重力波アンテナ LISAと地上検出器の狭間の周波数帯を狙う 光共振型マイケルソン干渉計 アーム長:1000 km レーザーパワー:10 W レーザー波長:532 nm ミラー直径:1 m 光共振器 ドラッグフリー衛星 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川)

DECIGO (2) - 期待できるサイエンス - 連星の合体といった重力波イベントの他に… 遠方の連星中性子星 宇宙膨張加速度の直接計測 中規模質量ブラックホールの合体  超巨大ブラックホール形成の謎 宇宙初期からの重力波  宇宙創造の謎 全く新しい重力波源  宇宙に対する概念の変化 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川)

第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川) DECIGO (3) - 工学的問題点 - 光源 短波長で高パワー 周波数安定化 強度安定化 寿命 予備レーザーとの交換 計測・制御 大口径ミラー ロックアクイジション 姿勢制御 同相アーム長信号による周波数安定化 CMRR ドラッグフリー センサー アクチュエータ 衛星のつくる重力場 推力 リリース機構 軌道 アンテナ配置 推力の持続 衛星一般 電力 通信 打ち上げ 宇宙環境 電磁波 宇宙線 ドラッグ 温度変化 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川)

DECIGO (4) - 実現へのロードマップ - LPF LISA BBO DECIGO 遅れる可能性大 2020-2025目標 最終設計・試験・製作 観測 R&D・概念設計・PF1予備設計 高度なR&D・予備設計 PF -1 PF-2 設計・試験・製作 PF -2 ESA主導 PF-1 試験・製作 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 予備概念設計 新特定 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川)

まとめ 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川)

第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川) おわりに - 2002年ノーベル物理学賞 - プレスリリース (2002年10月8日,日本語版) の抜粋  宇宙の2つの新しい窓 …本年度のノーベル物理学賞受賞者は、これら宇 宙の超微小成分を用いて、太陽、星、銀河、超新星 など、超巨大なものに対する我々の理解を増進させ た。この新しい知はわれわれの宇宙観を変えた。 …Davisと小柴の仕事は予期せぬ発見や、ニュート リノ天文学という新しい力強い研究分野を導くに至っ た。 …Giacconiは、…われわれに新しいそしてシャープ な宇宙観を提供してくれた。彼はX線天文学の礎を 築いた。 http://www.nobel.se/physics/laureates/2002/index.html 新たな観測手段による,新たな天文学・宇宙観 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川)

DECIGO等の重力波観測に よって得られるサイエンスは 21世紀の天文学に 大きなインパクトを与えるであろう! 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川) 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川)

終 第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川)