Samba日本語版の設定と運用のノウハウ 概要編

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2005 年度 情報システム構成論 第 8 回 ユーザ管理と ディレクトリサービス 西尾 信彦 立命館大学 情報理工学部 情報システム学科 ユビキタス環境研究室.
1 会社名: 氏名: 日付: 会社名: 氏名: 日付:. 2 内容 企業のセキュリティ対策状況 ユーザー管理の重要性 ユーザー管理製品 市場状況 Active Directory とは Active Directory 利用に最低限必要な準備 ユーザー管理のご提案内容 最初の取り組み:ユーザー情報の統合管理.
Samba日本語版の設定と運用のノウハウ 応用編
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Samba日本語版の設定と運用のノウハウ 概要編 オープンソースまつり‘99 11/12(金) 15:30~17:30 Samba日本語版の設定と運用のノウハウ 概要編 小田切 耕司 三菱電機(株) 情報通信システム開発センター http://www.cityfujisawa.ne.jp/~odagiri/ odagiri@samba.gr.jp http://www.samba.gr.jp/

目次 講師紹介 Samba概要 Sambaの歴史 Samba導入のメリット/デメリット Samba機能紹介 Sambaのセキュリティモデル Samba日本語版の紹介 Microsoft,WindowsはMicrosoft Corporationの米国およびその他の国における商標または登録商標です。 その他の製品および会社名は、各社の登録商標又は商標です。

講師紹介 1985年 早稲田大学理工学部電気工学科卒業 同年 三菱電機(株)入社 1997年 「UNIX-Windowsネットワーキング」(テクノプレス) 1998年 「マルチOS環境のファイル/プリンタ共有術」     SoftwareDesign (技術評論社) 1998年2月号掲載 1998年 「SAMBA/NFSによるUNIX-Windowsネットワーキング」 (テクノプレス) 1999年3月 LinuxWorld Conference Japan‘99 『Samba : LinuxとWindowsの共存環境構築 』 1999年8月Samba日本語版公開 1999年11月日本Sambaユーザ会設立  代表幹事

SAMBA/NFSによる UNIX-Windowsネットワーキング 出版 : テクノプレス 定価 : 2730円(税込) ISBN : 4-924998-26-5 形態 : A5判、253ページ   CD-ROM 1 枚付属 発行 : 1998年10月30日 Samba 1.9.18p10対応

Samba概要 SambaはUNIXマシンをWindows95/98やWindows NT(およびDOS/Windows3.1/OS2のLANMANクライアント)のファイル・サーバ/プリント・サーバにすることができるオープン・ソース・ソフトです。 GPL(GNU General Public License)の元、無償で使用できます Sambaは通信プロトコルにNBT(NetBios over TCP/IP)を使用し、下位プロトコルはTCP/IPになります。 NetBEUIやIPX/SPXを使ってWindowsマシンと通信することはしません。

Sambaの歴史 ファイル共用ツールから、NTを置換するファイルサーバへ進化 1987年 3月 RFC1001とRFC1002が公開 PROTOCOL STANDARD FOR A NetBIOS SERVICE ON A TCP/UDPTRANSPORT 1992年 1月オーストラリア大学生のAndrew Tridgell が“Server 0.1”を作成 1993年12月 NetBIOS for UNIXとしてVer.1.5がリリース 1994年 4月 Ver.1.6.05: Sambaと改名される。 1994年10月 Ver.1.8: 日本語のサポート 1995年 1月 Ver.1.9: WINSサーバのサポート 1998年 1月 Ver.1.9.18: Win95からのドメインログオンのサポート コンパイルオプションなしの標準日本語サポート 1999年 1月 Ver.2.0がリリース 性能向上、Linux+SambaがWindows NTを抜く? WEBによる管理ツールがサポート ファイル共用ツールから、NTを置換するファイルサーバへ進化

単機能専用サーバ向けS/W 現在単機能サーバが注目されています。 Sambaはキラーアプリの本命!

Samba導入のメリット S/W導入コストの削減 運用コスト 性能 Windows NTサーバー・ライセンス費用、Client Access Licenseが不要 運用コスト インストールはWindows NTより、短時間で終わり、リブートは 1回だけ。(トラブルがなければ) 修正情報適用や設定変更でリブートがいらない 大量導入が容易 遠隔保守が容易 性能 1CPU1LANカードの同一H/WではLinuxの方が高速 http://www.zdnet.com/sr/stories/issue/0,4537,2196106,00.html

Samba導入のデメリット メーカー・サポートがない SGIや三菱電機など各社サポートメニューを用意 Windows NTとの互換性問題 UNIXの知識が必要 知識があれば、NTより運用コストを削減可能 Sambaの設定は難しい? SWATの日本語化 ユーザ会で情報交換しよう

Samba機能紹介 ファイル・サーバ機能(smbd) Windows NT同様のファイル共有、プリンタ共有機能をWindowsクライアントに提供 ネーム・サーバ機能(nmbd) ドメイン・コントローラ、WINSサーバ、マスタ・ブラウザなどの機能 クライアント機能(smbclient) Windowsの共有ファイルへアクセスするFTP相当機能 Windowsプリンタへ印刷する機能 ファイル・マウント機能(smbmount : Linuxのみ) WindowsのファイルシステムをLinuxのネットワークファイルシステムとしてマウントする機能

Windows NTにはないSambaの機能(1) ユーザ・ホーム機能 共有の表示時に、クライアントのユーザ名を共有名としてマッピングして表示する機能です。 Samba \\samba\yamada \\samba\suzuki Sambaは、日本語ファイル名(日本語ディレクトリ名)に対応しています。 (ファイルの中身の漢字コード変換機能や改行コード変換機能は持っていません) *注)漢字コードは必ずUNIX OSの設定に合わすようにしましょう。 UNIXの設定がEUCなのに、SambaでシフトJISを使うことはできません。 日本語に対応していないLinuxやFreeBSDなどを使用するときは、coding system=hexかcapを使用するようにしましょう。 たとえば、odagiriというアカウントでSambaマシンをアクセス(ネットワーク・コンピュータをクリック)した場合、UNIX上の/home/odagiriが共有名odagiriとして表示され、また、yamadaというアカウントでSambaマシンをアクセス(ネットワーク・コンピュータをクリック)した場合はUNIX上の/home/yamadaが共有名yamadaとして表示されます。 これによってユーザごとの専用のディレクトリを提供し、他人のディレクトリをアクセスするのが防げます。 /home/yamada /home/suzuki yamada suzuki [homes]

Windows NTにはないSambaの機能(2) ユーザ名マッピング サーバ側でクライアントのユーザ名をUNIXのユーザ名にマッピングできます。 (複数Winユーザ→1Unixユーザも可能) Samba \\samba\yamada \\samba\suzuki /home/yamada yamada suzuki [homes]

Windows NTにはないSambaの機能(3) クライアント・ホストの制限 共有ごとに使用できるクライアント(ホスト名)を制限できます。 Samba \\samba\project \\samba\project deny hosts=pc1 allow hosts=pc2 [project]

Windows NTにはないSambaの機能(4) クライアント毎、ユーザ毎に設定ファイルを用意可能 クライアント毎やユーザ毎にアクセスできる共有名やそれぞれの設定を変更できます。 Samba Project2しか見えない Project1しか見えない Config.yamada Config.suzuki yamada suzuki [project1] [project2]

Sambaの セキュリティモデル(1) security=share security=user 共有毎に決まったUNIXユーザ(パスワード)で接続します。 個別ユーザ登録が必要ないので運用が簡単です。 パスワードを複数の人と共有したり、パスワードだけの保護になるのでセキュリティ的に弱く、小規模ユーザ向けです。 security=user 認証をそのUNIXマシン上で行います。 基本的にユーザ登録が必要です。 Win98/NT4/Win2000の場合、UNIXパスワードに加え、Samba専用パスワードを管理する必要があります。 (SWATを活用しましょう)

Sambaの セキュリティモデル(2) security=server security=domain(Samba2.0新機能) ユーザ認証をNT(または他のSamba)にしてもらいます。 パスワードをそのマシンで管理する必要はありません。 NTにもUNIXにもアカウントの作成は必要です。 NTのCAL(Client Access License)が必要です。 security=domain(Samba2.0新機能) ユーザ認証をNTドメイン・サーバにしてもらいます。 パスワードをSambaで管理する必要はありません。 NTドメインでのアカウント追加時、UNIXへの自動追加が可能です。 NTドメイン・サーバへのセッション数を節約でき、NTの信頼関係を使用できます。

Samba 日本語版紹介(1) SWAT(Samba Web 管理ツール)の日本語化 client code page = 932 , coding system = euc をデフォルトとして設定 smb.confに指定しなくても日本語ファイル名が使用できます。 移植性向上 自動設定機能が追加され、 configureとmake installだけでインストールが可能になりました。

Samba 日本語版紹介(2) ディレクトリ名に日本語を使用したときに、Windows95/98だけで発生する以下の問題に対応(Sambaのバグではなく、Windows95/98のバグ) 日本語共有名を使えるように現在改良中 C:\> net use n: \\サーバ名\共有名 C:\> n: N:\> mkdir 123456789 N:\> cd 123456789 N:\123456789> mkdir 漢字文字 N:\123456789> cd 漢字文字 N:\123456789\漢字文字5687>

Samba 3.0 新機能 Widnows2000キラーとなるか?! 1999年末(または2000年早く?) 新バージョンのSamba 3.0がリリース予定です。 (Samba 2.1はリリース中止) Windowsドメイン・コントローラとLDAPサポートが予定されています Widnows2000キラーとなるか?!

Samba 3.0 新機能 Windowsドメイン認証やUNIXの認証がすべてLDAPで統合可能になる Samba3.0 OpenLDAP NTドメイン・ログオン LDAPで認証 WinNT4 Samba3.0 Win2000Pro