Developing a new Dynamic Global Vegetation Model (DGVM)

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Presentation transcript:

Developing a new Dynamic Global Vegetation Model (DGVM) 進捗報告(2004年7月28日、共生2連絡会議) Developing a new Dynamic Global Vegetation Model (DGVM) for Kyousei 2 project Hisashi SATO (FRSGC) Akihiko ITOH (FRSGC) Takashi KOHYAMA (Hokkaido Univ / FRSGC)

作業状況と今後の見通しの概略 ・草本の成長に関する部分については、コード作成・パラメーター推定ともに完了。そこで、木本を含まないバイオームについて、予備的なシミュレーションを行った。 ・木本の成長に関しては、モデルの構造を一部変える部位があり、現在、コード変更を進めている。これが完了した後、木本に固有のパラメーター推定を経て、全バイオームのシミュレーションが可能となる。 ・その後、全球でのシミュレーションを可能とするためのコード改変作業、および並列化を行い、世界地図を出力させる。 本日の目次 1.パラメーターの推定方法 2.現時点までのシミュレーションの結果と評価 3.木本の成長に関して、現在進行中の作業

1.パラメーターの推定方法

利用した相関関係 最大光合成速度 (nmol/g/s) 維持呼吸速度 (mmol/mol/h) 葉の窒素含量 (mg/g) Reich et al. (1997) 最大光合成速度 (nmol/g/s) Ryan(1991) 維持呼吸速度 (mmol/mol/h) 葉の窒素含量 (mg/g) 各組織の窒素含有比 (mmol/mol C) Friend et al. (1997) Specific Leaf Area (cm2/g) 幹の窒素含有量 = 0.145×葉の窒素含有量 根の窒素含有量 = 0.86×葉の窒素含有量 葉の平均寿命(month)

パラメーター推定カスケード 葉の平均寿命 SLA(葉重当の葉面積) 単位葉重当の 最大光合成速度 単位葉面積当の 最大光合成速度 モデルインプット 葉の平均寿命 SLA(葉重当の葉面積) 単位葉重当の 最大光合成速度 単位葉面積当の 最大光合成速度 葉の窒素含有比 各組織の 維持呼吸速度 幹の窒素含有比 根の窒素含有比 直接は使用されない値 実際にシミュレーションで使用される値

Turnover rate 1.葉 2.幹 3.根 単純に葉寿命(モデルインプット)の逆数とした LPJに従って、0.05/yearと仮定。今後変更する可能性有り 3.根 Richard et al.(2000)を元に、以下の方法で算出 Gill & Jackson(2000) C4草本は0.9とした C3草本は0.4とした 木本は0.1とした

成長呼吸速度 生物組織を構成する化合物 代謝経路などから推定した 各化合物の成長呼吸量 複数の種において調べた 各器官の化合物構成 Pooter(1994) 生物組織を構成する化合物 代謝経路などから推定した 各化合物の成長呼吸量 複数の種において調べた 各器官の化合物構成 これらの情報を元に、組織毎の成長呼吸量を推定することができる。

2.シミュレーションの結果と評価 (木本を含まないバイオームのみ)

シミュレーション条件 気象データ:T106グリッド毎、1日毎にまとめた10年間の平均気象データ (気温・地下10㎝温度・地下200㎝温度・雲度・降水量・湿度・風速) 場所の情報:一度グリッド毎にまとめたデータ (標高・土壌アルベド・Saturate point・Field capacity・Matrix potential・Wilting point) 木本は定着しない。攪乱(火災)も起きない。 草本はC3型とC4型の2種類のPFTから構成され、各グリッドにいずれか片方が優占する。そして、この優占型が林床面積の9割に分布し、優占しないタイプが残り1割の林床面積に分布する。 前年1年間の単位面積当たりNPPが高い方の草本タイプが、次の年の優占型と切り替わる。

シミュレーション1 (TEMデータセットを用いた炭素動態の検証) Observed Simulated (3000yrs) GPP:総生産 NPP:純生産 CV:バイオマス炭素量 CS:土壌炭素量 ※ データは、各データ項目の最大値を1.0とするよう規格化した

シミュレーション2 アメリカ大平原における降雨量とNPPとの関係 アメリカ大平原では、NPPは主に年間降雨量によって規定されている 定数倍に加工した日平均降雨量を入力データに用いてシミュレーションを行った結果 元々の 降雨量 地上部NPP(g dm/m2/yr) Osage (N 36.95, W 96.55) 年間平均降雨量(mm) Sala et al. (1988) 元々の 降雨量 Central plains (N 40.82, W 104.77) それなりに近い傾向を示すが、降雨量が少ない時のNPP低下はシミュレーションの方が著しい

シミュレーション3 (Osnabrückデータセットを用いたNPPの検証) Grassland Tundra Wetland Desert Savanna Pasture 横軸は実測値、縦軸はシミュレーション値、(いずれもg C/m2/year)

シミュレーション4 (チベット大平原における生物季節) シミュレーション4 (チベット大平原における生物季節) シミュレーション 実測(by 加藤君) LAI 地上部バイオマス(g m-2) doy doy 展葉や落葉の速度については、表現の方法に課題がありそう、、、

3.木本の成長に関して、 現在進行中の作業

Estimated light intensity 木本の受光量計算(従来の方法) 木本 SORTIE like Estimate light intensity on the top of the crown by using canopy location within the forest stand (SORTIE like) Estimate light distribution within canopy using leaf area concentration and light attenuation index To avoid ‘edge effect’, this scanning is performed among replicated forest stands, which surround the examining area. Estimated light intensity 草本 木本の葉は均一に分布していることを仮定し、地表面に降り注ぐ光量を求め、これを草本PFTが利用できるとした。 Grass layer

木本の受光量計算(従来の方法の問題点) 太陽光は樹冠頂上からのみ入射されることを仮定 熱帯林や温帯林では、ほぼ問題無いだろうが、、 原図:そのへんのWEB site 太陽光は樹冠頂上からのみ入射されることを仮定 熱帯林や温帯林では、ほぼ問題無いだろうが、、 太陽光入射角度の浅い寒帯林では不適切 高緯度帯の森林における樹木の光合成環境を正確にモデリングするためには、樹冠の横方向からの光入力も含めて検討する必要がある。 この点に関しては、現在、モデルの改良中である。

木本の受光量計算(新しい方法、直接光の場合) 仮想林分の上面に 入光点を等間隔に並べる 各入光点について、南中時における直接光の通り道を算出し、樹冠による光減衰パターンを求める。 N S 樹冠の各レイヤー(10㎝間隔)に入射された光量を合計する この南中時における樹冠内の光分布より、各木本個体の光合成量を算出する。 また、その1ヶ月running meanを、樹冠枯れ上げの算出基礎とする。 林床に到達した光は草本層に入射されるとした

木本の受光量計算(新しい方法、散乱光の場合) 仮想林分を鉛直方向に10㎝間隔で区切り、各区画における葉面積指数(m2/m2)をPFT毎に算出する。 これより、各レイヤーの平均光強度を算出する。 つまり、散乱光の計算においては、水平方向の構造は無視する。 各個体、各樹冠レイヤーへ入射される散乱光強度は、そのレイヤーの高さのみにより決定されるとして、光合成計算を行う。なお、林床に降り注いだ光は草本層に入射されるとした。

今後の作業手順 ~8月前半 木本の成長に関するコードの変更作業、パラメータ推定 8月後半 日本生態学会 9月一杯 10月一杯 11月~ 木本の成長に関するコードの変更作業、パラメータ推定 日本生態学会 木本を含むバイオームについて、予備的なシミュレーションを繰り返し、全バイオームでのシミュレーションを可能にする。 全球で計算をできるように、コードを変更、並列化する。 その後、L系にてシミュレーション実験を行う。 論文執筆に入る

今年1月26日の連絡会議で話したスケジュール(遅れまくり!)

Plant physiology Ecosystem structure Vegetation dynamics Process Approach Source Plant physiology Photosynthesis Farquhar’s biochemistry model Farquhar et al. (1980) Maintenance respiration respiration rate is in proprotion to nitrate contents for each organ Ryan (1991) Growth respiration respiration rate is based on chemical composision of each organ Poorter(1994) Stomatal conductance a semi-empirical model Ball et al. (1987) Ecosystem structure Phenology a set of semi-empirical models of which parameters were estimated from satellite NDVI data Botta et al. (2000) Decomposition 3 carbon source of decomposition: highly labile litter, and intermediate and slow SOM pools Sitch et al. (2003) Vegetation dynamics Establishment climatically favoured PFTs establish as small individuals Mortality function of “annual NPP per leaf area”, “heat stress”, “bioclimitic limit”, and “fire” Disturbance (fire) an empirical function of soil moisture and above ground biomass Kirsten et al (2001) Physical process Radiation Spacial explicit simulation with Beer's law Evapotranspiration Penman-Monteith transpiration + interception + evaporation from soil surface Monteith & Unsworth (1990) Soil water process empirical analogs of Darcy's Law: saturated and unsaturated percolation in 3 layer soil Neilson (1995) この辺りの構成は、比較的標準的である。