みさと8m電波望遠鏡の性能評価 8m (野辺山太陽電波観測所より) (New Earより) 和歌山大学教育学部 天文ゼミ 宮﨑 恵 1
性能評価 ①望遠鏡の雑音 182 [K] ②観測している範囲 直径2°の円 ③能率(パラボラ面の活用度) 約60% ①望遠鏡の雑音 182 [K] 銀河系の水素原子からの電波を受けるには十分な「静かさ」を確認 ②観測している範囲 直径2°の円 設計どおり ③能率(パラボラ面の活用度) 約60% +43 -21
①望遠鏡の雑音を調べる 天体からの電波 天体と関係ない空からの電波 望遠鏡内部の熱雑音(システム雑音温度) 常にほぼ一定 望遠鏡によってそれぞれ異なる 天体からの電波を得るには、システム雑音温度のレベルが知る必要あり 測定データにはいろいろな電波が混じっている 3
システム雑音温度の測定方法 天体のない方向にむける 受信部を、電波吸収材で、覆う ・電波吸収材からの電波 ・望遠鏡内部の熱雑音(システム雑音温度) ・天体のない空からの電波 ・望遠鏡内部の熱雑音(システム雑音温度)
結果 観測には十分な雑音レベルと確認 銀河系の水素原子からの電波が雑音に埋もれることなく受信できている 合計17データを測定 182 [K] 合計17データを測定 182 [K] +43 -21 銀河系の水素原子からの電波が雑音に埋もれることなく受信できている 観測には十分な雑音レベルと確認 まあまあ Tsysは低いほうがいい 5
考察 銀河系の水素原子からの電波 まあまあ Tsysは低いほうがいい 6
実際に観測している範囲を知るために ビームサイズを測定する ②観測している範囲の測定 実際に観測している範囲を知るために ビームサイズを測定する
ビームサイズとは ビームサイズ 受信感度がピークの半分になる範囲 ビームサイズ=分解能として考える 分解能とは広い空をどれくらい細かくみれるか 受信感度がピークの半分になる範囲 ビームサイズ=分解能として考える
ビームサイズの測定方法 1分ごとに受信強度を記録していく 望遠鏡は固定。太陽が移動していく。 太陽 太陽の南中時刻と南中時の赤経赤緯を天体運行シュミレーションソフト(ステラナビゲーター)で調べ、 太陽の南中する方向に望遠鏡を向ける。 そして太陽がパラボラアンテナを横切っていく間、パワーメーターに表示される値を1分に1回ずつ記録していく。 記録するのは南中30分前から南中後30分、 1分ごとに受信強度を記録していく 9
結果 = 2.09° 計1時間測定したデータより、半値~ピーク~半値に要する時間を確認 10
結果 設計どおりのビームサイズと確認 合計10回測定 2.07 ° 機械の設計から考えられるビームサイズ = 2° +0.06 -0.08 合計10回測定 2.07 ° +0.06 -0.08 機械の設計から考えられるビームサイズ = 2° 設計どおりのビームサイズと確認 11
③能率(パラボラ面の活用度) パラボラアンテナの開口面積を1としたときの、実際の受信面積の割合 開口能率の測定 パラボラアンテナの開口面積を1としたときの、実際の受信面積の割合 実際、パラボラアンテナの何%を有効に使えているかを表す。 同じ天体をみてても 開口面積が大きい→受信強度が強くなる。 実際の開口面積を知らなければ、天体の電波強度を出すことはできない。
開口能率の測り方 ①単位面積あたりに受信する太陽の強度を調べる(文献で) ②8m電波望遠鏡で太陽の強度を測定する ③比較 (実際の受信面積を求める) ④8mの開口面積を1としたときの、実際の受信面積の割合
結果 合計10回測定 0.59 8mパラボラの60%(約6mパラボラ分)を 有効に使っているということ +0.13 -0.06
考察 126° 6.13m 開口能率が、およそ0.6となった理由として、アンテナの受信可能範囲の大きさが考えられる。取り付けてあるアンテナは、126°の範囲からの電波を有効に受信する構造となっているため、パラボラ面に反射する電波のうち、角度的にアンテナの受信可能範囲に入らないものもあることが考えられるからである。 15
考察 実際は、主に直径6.13m分のパラボラ面を使う 設計となっている。 測定した開口能率は60%(直径6mパラボラ分) 設計どおりの開口能率と確認
まとめ ①望遠鏡の雑音 182 [K] ②観測している範囲 直径2°の円 ③能率(パラボラ面の活用度) 約60% ①望遠鏡の雑音 182 [K] 銀河系の水素原子からの電波を受けるには十分な「静かさ」を確認 ②観測している範囲 直径2°の円 設計どおりと確認 ③能率(パラボラ面の活用度) 約60% +43 -21
今後の課題 性能評価①望遠鏡の雑音 ②観測している範囲 ③能率 ④向いている方向の精度 (ポインティングの精度) 銀河系円盤の観測、銀河系地図作成
受信範囲について
考察