全国ネットワークによる 薬剤感受性サーベイランスの成績

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全国ネットワークによる 薬剤感受性サーベイランスの成績 第17回日本臨床微生物学会総会 Jan 28-29, 2006, Yokohama Abst No. P-126 全国ネットワークによる 薬剤感受性サーベイランスの成績 薬剤感受性サーベイランス研究会1) NTT東日本関東病院 臨床検査部2) 田澤庸子1,2)、岡田 淳1,2) 、川上小夜子1) 、平松和史1)、柴山明義1)、星 周一郎1)、本郷俊治1)、 岡本貴隆1) 、村谷哲郎1) 、前原千佳子1) 、笠原 敬1) 、小林清子1) 、今福祐司1) 、 小松 方1) 、中浜 力1)

薬剤感受性サーベイランス研究会 設立の背景および目的 全国規模での起炎菌の分離頻度ならびに薬剤感受性データの収集が必要であり、国際比較や国内の地域比較も行なえるデータ収集が急務である。一方、本邦では、製薬会社がサポートしている対象疾患を絞った薬剤感受性調査研究が行なわれており、成果を上げてきた。このような調査を低コストで、しかも、得られたデータを広く利用できる体制が必要と考える。 また、データに疑義が生じた場合、再測定が可能な体制や感受性のみにとどまらず、ある程度の耐性機序の解明が行える体制も必要である。 このような方向性を目指して、2004年12月に、「薬剤感受性サーベイランス研究会」を設立した。

薬剤感受性サーベイランス研究会の事業 日本における臨床分離細菌の分離頻度、薬剤感受性のサーベイランスなどに関する研究の進歩、発展、周知を図ることを目的とする。 本会は前項の目的を達成するために、次の事業を行なう。 1) 臨床分離細菌の収集 2) 薬剤感受性の検討 3) 耐性菌動向の監視と解析 4) 菌株提供施設への感受性成績の報告 5) 感受性に関する問題解決のプロジェクトを企画 6) その他、本会の目的を達成するために必要な事業

薬剤感受性サーベイランス研究会参加施設 (2006年1月) 薬剤感受性サーベイランス研究会参加施設                        (2006年1月) 会員所属施設 46 菌株送付施設 19 北海道社会保険病院 新潟大学 長岡赤十字病院 富山医科薬科大学 岐阜大学 東北大学 福島県立医科大学 萩市民病院 都志見病院 産業医科大学 久留米大学 大分大学 長崎大学 日赤長崎原爆諫早病院 佐賀大学 佐賀社会保険病院 埼玉医大 NTT関東病院 東邦大学大森病院 国立病院 東京医療センター KKR三宿病院 帝京大学 北里大学 はらこどもクリニック 外房こどもクリニック 神戸大学 岡山大学 倉敷中央病院 川崎医科大学 広島大学 県立広島病院 岸和田市民病院 京都大学 大阪医科大学 天理よろづ相談所病院 奈良県立医科大学 中浜医院 大阪大学 中野小児病院 大阪警察病院 国立循環器病C 近畿大学 刀根山病院 夷隅長生臨床検査センター ㈱キューリン 琉球大学

参加企業 研究所 事務局 ホームページ 賛助会員 アボット ジャパン株式会社 杏林製薬株式会社 グラクソ・スミスクライン株式会社 第一製薬株式会社 大正富山医薬品株式会社 中外製薬株式会社 ファイザー製薬株式会社 協賛企業 大日本住友製薬株式会社 バイエル薬品株式会社 万有製薬株式会社 特別協力    株式会社キューリン 研究所  北九州研究所 北九州市八幡西区 事務局  株式会社アトリクス  大阪オフィス  大阪府大阪市中央区平野町    担当:富本 充昭 ホームページ http://www.mic-surveillance.com

第1回実施要綱 【菌株収集期間】 平成17年7月~17年12 月 【収集条件】 収集期間中に連続して分離された下記の菌種 【収集菌種】 S. aureus, S. epidermidis, E. faecalis, E. faecium, S. pneumoniae S. pyogenes, S. agalactiae, M.catarrhalis, N. gonorrhoeae, H. influenzae E. coli, K. pneumoniae, K. oxytoca, C. freundii, C. koseri, E. cloacae E. aerogenes, P. mirabilis, S. marcescens, P. aeruginosa 【収集菌株数】 1 菌種につき、30 株以内 ただし、Staphylococcus aureus は、40 株以内 MRSA とMSSA は区別せず、分離された順とする。

現在の進行状況 (2006年1月) 送付菌株数 288 293 321 323  43 171  19 343  23  59 203 431  49 357 送付菌株数  73 141  65  56 福島県立医科大学附属病院 新潟大学医歯学総合病院 長岡赤十字病院 NTT東日本関東病院 KKR三宿病院 東邦大学大森病院 帝京大学付属病院 国立循環器病センター 大阪警察病院 奈良県立医科大学附属病院 天理よろづ相談所病院 倉敷中央病院 産業医科大学病院 日赤長崎原爆諫早病院 大分大学医学部附属病院 萩市民病院 都志見病院 国立病院刀根山病院 外房こどもクリニック 19施設 3500株超

Staphylococcus aureus (β-lactam) MSSA 177 MRSA 228 Range 0.125-2 0.0625-32 0.25-8 0.25-4 1-8 0.03-0.25 0.125-1 BP 2 0.25 8 16 4 S-ratio 100 39.6 Range 4->128 0.5->128 2->256 0.03->128 0.125->128 BP 2 0.25 8 16 4 S-ratio 3.5 8.3 9.6 11.0 9.2 MPIPC ABPC CEZ CTM CMZ IPM MEPM MPIPC ABPC CEZ CTM CMZ IPM MEPM BP: CLSI break point S-ratio: BP以下を示す株の割合 外来 n=98 入院 n=292 不明15  MS/MR 9/6 MSSA 32.9% MRSA 26.5% MSSA 73.5% MRSA 67.1% 2%NaCl MHA 33℃, 24hr

Staphylococcus aureus (non-β-lactam) MSSA (n=177) MRSA (n=228) Range 0.125-2 0.06->128 0.5-2 0.25-2 0.06-32 0.06-8 0.06-4 0.03->128 0.03-0.125 0.125-0.5 BP 4 2 1 S-ratio 100 85.9 94.9 96.1 88.1 98.3 Range 0.125-16 0.125->128 0.25-2 0.25-4 0.5-2 0.06-128 0.06-16 0.06->128 0.03->128 0.03->16 0.125-128 BP 4 2 1 S-ratio 98.7 41.7 100 13.6 26.8 57.5 10.5 15.8 94.3 ABK GM VCM TEIC LZD LVFX GFLX MINO CAM TEL ST MUP ABK GM VCM TEIC LZD LVFX GFLX MINO CAM TEL ST MUP BP: CLSI break point S-ratio: BP以下を示す株の割合

Enterococcus faecalis (n=192) PCG insensitive isolates Range 1-16 1-8 2-32 0.5-8 0.5-16 4->512 32->128 0.5- >128 0.125-32 0.06-32 0.016-8 0.016->16 1-4 0.125-1 0.5-4 8->128 BP 8 16 4 2 512* S-ratio 97.4 100 98.9 98.4 73.4 63.0 68.8 27.6 92.2 85.4 99.0 PCG ABPC PIPC IPM FRPM GM AMK LVFX GFLX MINO TEL ST VCM TEIC LZD ABK MIC (μg/ml) TK1 16 8 64 32 TK5 16 4 32 64 8 TK10 16 4 64 8 32 UO12 16 4 128 8 32 NT260 16 8 4 1 FU21 16 4 >128 8 32 PCG ABPC PIPC CPR IPM FRPM LVFX MINO

Streptococcus pneumoniae (n=192) Range 0.002-4 0.004-8 0.004-4 0.002-2 0.002-0.5 BP 0.06 2 1 0.12 0.25 S-ratio 43.2 89.6 86.5 96.4 99.0 84.9 Range 0.004-8 0.002-1 0.06->128 0.008-32 0.004-4 0.125-32 0.125-16 0.016-8 0.016-64 0.004->256 BP 2 0.5 1 0.25 S-ratio 99.0 96.9 39.6 70.8 53.7 91.2 59.9 53.1 98.4 98.9 26.0 29.2 100 PCG PIPC CTRX CTX CPR IPM MEPM AMOX FRPM CCL CFTM CFDN CDTR CFPN CPFX LVFX TFLX MINO CAM TEL PRSP 21.4% PSSP 43.2% BP: CLSI break point S-ratio: BP以下を示す株の割合 PISP 35.4%

グラム陽性菌のまとめ Staphylococcus aureus S. aureusに占めるMRSAの割合は、63.3%であった。    MUP耐性株は、MSSAで0、MRSAでもわずか5.7%であった。    ST合剤耐性株は、MSSAで0、MRSAでも1.3%であった。  Enterococcus faecalis    PCG低感受性E. faecalisが6株認められた。    GM高度耐性株が、26.6%存在した。    VREは認めなかった。    キノロン耐性株は、30%を超えていた。  Streptococcus pneumoniae    PRSPは、21.4%, PISPは、35.4%であった。    MINOおよびCAM耐性株は、70%を超えていた。    TEL耐性株は存在しなかった。    LVFX耐性株は、1.6%であった。

Escherichia coli (n=309) CPDX >4μg/ml 27株 ESBL産生株 10/17施設 14 株 4.5% Range 0.25->128 0.125->128 0.5->128 0.03-128 0.06-32 0.004->128 0.008->128 0.016-64 0.008-16 0.06-2 0.004-0.125 0.25-128 0.06->128 BP 8 16 4 2 S-ratio 60.2 84.8 85.1 96.1 98.7 96.4 97.4 98.1 100 99.7 89.3 90.3 Range 0.008-128 0.008->128 0.25-128 0.5->128 BP 1 2 4 16 S-ratio 80.3 79.3 88.6 99.7 99.4 ABPC PIPC CEZ CTM CAZ CTRX CTX CPR AZT* IPM MEPM CMZ CCL CPDX CPFX LVFX GFLX MINO AMK ISP* CPDX >4μg/ml 27株 ESBL産生株 10/17施設 14 株 4.5% UOE-2: 5施設 8株 (CTX-M-14, CTX-M-18, Toho-3) CTX-M-2: 1施設 1株 SHV type: 2施設 2株 TEM-52: 1施設 2株 unidentified: 2施設 2株 BP: CLSI break point S-ratio: BP以下を示す株の割合

Klebsiella pneumoniae (n=234) Range 4->128 1->128 0.5->128 0.06->128 0.06-64 0.016- 64 0.016- 32 0.016- 4 0.008- 64 0.03-2 0.016-0.125 0.5-> >128 0.25->128 BP 8 16 4 2 S-ratio 5.1 95.7 92.7 97.9 99.6 98.7 100 97.8 98.3 96.9 Range 0.008->128 0.016-128 0.13- > 128 0.5- 8 0.25-4 BP 1 2 4 16 S-ratio 96.6 97.0 97.4 83.8 100 ABPC PIPC CEZ CTM CAZ CTRX CTX CPR AZT* IPM MEPM CMZ CCL CPDX CPFX LVFX GFLX MINO AMK ISP* CPDX >2μg/ml 4株 ESBL産生株 2株 (0.85 %)  CTX-M-2: 1施設 1株 SHV type: 1施設 1株 BP: CLSI break point S-ratio: BP以下を示す株の割合

Klebsiella oxytoca (n=103) Range 4->128 0.5->128 1->128 0.06-128 0063-1 0.008->128 0.004-128 0.008-8 0.016-128 0.06-4 0.016-006 0.25-128 0.25->128 0.03->128 BP 8 16 4 2 S-ratio 3.9 89.3 87.4 91.3 98.1 95.2 100 89.0 97.1 90.3 Range 0.008-64 0.016-32 0.5-128 0.5-4 0.5-2 BP 1 2 4 16 S-ratio 91.3 92.2 100 ABPC PIPC CEZ CTM CAZ CTRX CTX CPR AZT* IPM MEPM CMZ CCL CPDX CPFX LVFX GFLX MINO AMK ISP* BP: CLSI break point S-ratio: BP以下を示す株の割合

Citrobacter freundii (n=116) Range 2->128 0.5->128 1->128 0.063-128 0063->128 0.008->128 0.03->128 0.125-16 0.125-1 0.016-2 0.125->128 BP 8 16 4 2 S-ratio 6.0 77.6 11.2 79.3 81.0 81.9 83.6 99.1 75.7 100 15.5 21.7 55.2 Range 0.008-32 0.03-64 0.016-64 0.06->128 1-32 BP 1 2 4 16 S-ratio 93.1 91.4 92.2 72.4 98.3 ABPC PIPC CEZ CTM CAZ CTRX CTX CPR AZT* IPM MEPM CMZ CCL CPDX CPFX LVFX GFLX MINO AMK IMP-1産生株 1株 (0.86 %) ESBL産生株 1株 (SHV type) BP: CLSI break point S-ratio: BP以下を示す株の割合

Citrobacter koseri (n=51) Range 32->128 1->128 0.06-128 0.125->128 0.03->128 0.03-4 0.016->128 0.06-0.5 0.016-0.125 0.5->128 BP 8 16 4 2 S-ratio 62.8 54.9 68.6 72.6 100 60.5 64.7 58.8 Range 0.008->128 0.016->128 0.008-64 0.5-128 0.5-16 0.5-2 BP 1 2 4 16 S-ratio 56.9 64.7 100 ABPC PIPC CEZ CTM CAZ CTRX CTX CPR AZT* IPM MEPM CMZ CCL CPDX CPFX LVFX GFLX MINO AMK ISP* CPDX >4 μg/ml 16株 ESBL産生株 15株 29.4 %  CTX-M-2 11株  SHV 1株  SHV & DHA-1 2株 CTX-M-2 & SHV & DHA-1 1株 15株中11株は同一施設 BP: CLSI break point S-ratio: BP以下を示す株の割合

Enterobacter aerogenes (n=87) Range 8->128 0.25-64 1->128 0.06->128 0063->128 0.008->128 0.016-8 0.125-8 BP 8 16 4 2 S-ratio 1.1 81.6 10.3 79.3 82.8 85.1 100 86.2 98.9 4.6 5.7 80.5 Range 0.008-1 0.03-1 0.016-2 1-8 0.5->128 0.5-128 BP 1 2 4 16 S-ratio 100 97.7 98.9 ABPC PIPC CEZ CTM CAZ CTRX CTX CPR AZT IPM MEPM CMZ CCL CPDX CPFX LVFX GFLX MINO AMK ISP BP: CLSI break point S-ratio: BP以下を示す株の割合

Enterobacter cloacae (n=193) Range 1->128 0.25->128 0.063->128 0063->128 0.008->128 0.016->128 0.125-128 0.06-4 0.008-4 0.5->128 0.125->128 BP 8 16 4 2 S-ratio 5.2 84.5 5.7 67.4 77.7 78.2 96.9 82.7 100 6.2 60.6 Range 0.008-128 0.016-128 0.5->128 0.5-64 0.5-32 BP 1 2 4 16 S-ratio 90.7 92.2 92.8 82.4 99.0 99.4 ABPC PIPC CEZ CTM CAZ CTRX CTX CPR AZT* IPM MEPM CMZ CCL CPDX CPFX LVFX GFLX MINO AMK ISP* IMP-1産生株 2株 (1.0 %) ESBL産生株 4株 (2.1 %) CTX-M-2 1株 CTX-M-3 3株 6株はいずれも同一施設 BP: CLSI break point S-ratio: BP以下を示す株の割合

Proteus mirabilis (n=92) Range 1->128 0.25->128 2->128 0.125->128 0.063-1 0.004->128 0.016-128 0.063->128 0.008-2 0.063-4 0.016-0.25 1-16 0.5->128 0.03->128 BP 8 16 4 2 S-ratio 81.5 84.8 63.0 87.0 100 89.1 88.0 89.0 85.9 Range 0.016->128 0.06->128 0.06-128 16->128 0.5-16 1-8 BP 1 2 4 16 S-ratio 77.2 83.7 72.8 100 ABPC PIPC CEZ CTM CAZ CTRX CTX CPR AZT* IPM MEPM CMZ CCL CPDX CPFX LVFX GFLX MINO AMK ISP* ESBL産生株 12株 (13.0%) CTX-M-2 10株 CTX-M-3 2株 BP: CLSI break point S-ratio: BP以下を示す株の割合

Serratia marcescens (n=137) Range 4->256 1->128 16->128 0.5->128 0.06->128 0.125->128 0.03-64 0.03->128 0.06-16 0.03-32 4->128 0.25->128 BP 8 16 4 2 S-ratio 0.73 87.6 20.4 94.1 89.8 96.4 95.7 98.5 78.1 1.46 67.9 Range 0.016-64 0.03-128 0.06-64 2->128 0.5->128 0.5-128 BP 1 2 4 16 S-ratio 82.5 85.4 83.9 40.9 97.8 98.3 ABPC PIPC CEZ CTM CAZ CTRX CTX CPR AZT* IPM MEPM CMZ CCL CPDX CPFX LVFX GFLX MINO AMK ISP* IMP-1産生株 4株 (2.9 %) ESBL産生株 2株 (1.5 %) CTX-M-2 2株 BP: CLSI break point S-ratio: BP以下を示す株の割合

腸内細菌科に対するLVFXとCPDXの感受性率 Susceptibility ratio (%) E. coli C. koseri E. cloacae K. pneumoniae S. marcescens C. freundii E. aerogenes K. oxytoca P. mirabilis

腸内細菌科のまとめ 腸内細菌科の菌種では、ESBL産生株、Metallo-β-lactamase産生株 が認められた。  が認められた。 ESBL産生株の頻度は、E. coliで4.2%, C. koseriで29.4%, P. mirabilis  で16.4%と高率であったが、欧米での報告が多い、K. pneumoniae は、 1.0% と低かった。 Metallo-β-lactamase産生株は、C. freundii, E. cloacae, S. marcescens で分離された。 キノロン耐性株は、すべての菌種において認められ、C. koseri 43%,  E. coli およびP. mirabilis 20%と高率であったが、K. pneumoniaeでは  2.7%であった。LVFXとCPDXの感受性率を比較するとE. coliを除い て、 LVFXが同等または優れており、特に染色体上に誘導型の Class Cβ- lactamaseを有するC. freundii, E. cloacae, E. aerogenesで顕 著な差を認めた。  今後は、検査材料別や地域差などの検討を加えていく予定である。

Pseudomonas aeruginosa (n=242) Range 0.25->256 0.5->128 0.5->256 1->128 0.25-128 0.03->128 BP 64 16 8 4 S-ratio 87.2 93.0 73.1 74.4 78.9 70.7 66.9 77.3 67.4 78.5 Range 0.25->128 1->128 0.25->125 0.03->128 0.125->128 0.03->32 0.03-64 0.06->128 4->128 0.25->16 0.5-16 BP 4 16 1 2 S-ratio 85.5 92.6 91.7 88.0 76.9 70.7 77.3 80.6 78.5 3.7 4.6 PIPC PIP/TAZ CPZ CPZ/SBT CAZ CFS CPR CZOP AZT IPM MEPM GM AMK ISP TOB CPFX LVFX TFLX PZFX PUFX MINO ST PL-B BP: CLSI break point S-ratio: BP以下を示す株の割合 MIC90 = 4 2-Mercaptopropionic acid 128 μg/mlとCAZとの併用効果は全株検討 IMP-1/VIM-1のprimerを用いたPCR は、CAZ 64μg/ml 以上のものは、すべて施行 Metallo-β-lactamase産生株 6/16施設 14株 5.8 % 尿6, 呼吸器4, 膿2, 胆汁1, 血液 1 MDRP (IPM>8, CPFX>2, AMK>16) 6/16施設 11株 4.5 % (9株はMetallo-β-lactamase産生株)

IMP-1 type 産生14株のPFGE pattern 施設Cは、4株中4株一致  いずれも異なる患者 施設Fは、4株中3株一致  一致の3株は、同一患者の異なる検体(尿、胆汁、膿) 施設Cのd, e, f, gと施設Dのiは、同一pattern いずれも東京の施設 M a b c d e f g h i j k l m n 施設A 施設B 施設C 施設D 施設E 施設F SpeⅠ digest Pulse 3-60 sec, 22 hr 同一色は同一施設

Metallo-β-lactamase産生株およびMDRPの各種薬剤の感受性 MIC (μg/ml) MDR1 32 16 8 >128 128 4 64 MDR2 256 128 64 16 32 >128 a, b 16,32 >128 >256 32,64 8 32 64 4 c 128 64 >128 >256 32 8 d,e,f,g 128-256 64-128 >128 >256 16-32 128 32 h 32 >256 >128 64 128 16 i 256 128 >128 >256 16 32 j 128 64 >128 256 16 k,l,m 128-256 32-64 >128 >256 128 32 64 8-16 64-128 n 32 >128 >256 16 64 PIPC PIP/TAZ CPZ/SBT CAZ CZOP AZT IPM MEPM CPFX LVFX GM AMK ISP Jは、大分医大の株です。かなり高度耐性を獲得しています。 小文字は、Metallo-β-lactamase産生株

緑膿菌のまとめ 感受性率は、 > 90%:TAZ/PIP, AMK, ISP > 80%: PIPC, TOB, GM, PZFX (BP 2: 77.7%) > 75%:CAZ, CZOP, MEPM, CPFX, TFLX, PUFX IPMは、74.4%であった。 Metallo-β-lactamase産生P. aeruginosaは、16施設中6施設から14株 分離され、そのうち9株は、多剤耐性株(IPM>8, CPFX>2, AMK>16) であった。同一患者の異なる検体より3株が分離されており、これを1株 とするとMetallo-β-lactamase産生株の分離率は、5% (12/240)であっ た。 1施設より、PFGEパターンが同一の株が4名より分離されており、 病 院感染の可能性が疑われた。 Metallo-β-lactamase非産生株で多剤耐性の基準を満たした株は、2 株存在し、MDRPの分離率は、4.5% (11/242)であった。

まとめ 全国規模での起炎菌の分離頻度ならびに薬剤感受性データの収集を、 低コストで実施することを試み、2005年の菌株の感受性測定は、まだ途 中であるが、今回の結果を得た。 菌株数が少ないため、国内の地域差に関する検討は出来ないが、国際 比較に耐えうるデータであると考える。 今後は、検査材料別、入院外来別、年齢別などの解析を実施する予定  である。 得られたデータを広く利用できる体制をつくることが本会の目的でもあり、 学会発表後直ちに、ホームページ上でそのスライドを公開している。 今回ある程度の耐性機序の解明を試み、ESBL産生株、Metallo-β-   lactamase産生株の頻度について検討を加えた。 2006年度の菌株収集も開始しており、より広い地域の参加を目指し、よ り質の高いサーベイランスを継続していく予定である。