STF Cryomodule 開発状況 STF グループ 大内 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会.

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STF Cryomodule 開発状況 STF グループ 大内 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会

内容 STFでのILC-Cryomodule開発 STF1 S1-Global STF2 Summary 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会

ILC Cryomodule開発計画 STF-1 S1-Global STF-2 2005年よりILC用Cryomoduleの開発を目標とし、STF-Cryomoduleの設計を始める。 2007年10月よりBL空洞1台、LL空洞1台を組み込んだCryomoduleの2Kでの低温試験を行い、現在4連化BL空洞の低温試験を行っている。 S1-Global ILCの運転加速勾配である31.5 MV/mを達成できるCryomoduleの建設。 DESY, FNAL, INFN and KEKによる国際研究協力であり、Cryomoduleの設計作業が進んでいる。 STF-2 ILCにおける1-RF-unit-moduleシステムの建設。 1-RF-unit module およびCapture moduleによるビーム運転。 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会

STF1: Cryomodule 関連 冷却システム Cryomodule組立エリア クリーンルーム内 組立作業 (4連化空洞) 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会

STF1: STFトンネル内Cryomodule 2K Cold Box 6m Cryomodule(4 cavities) + STF-1 Cryomodules 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会

STF1 : Cryomodule 設計 4 LL-Cavities (Module-B) 4 BL-Cavities (Module-A) STF cryomodules:TTF-III cryomoduleが基本デザイン 1. 超伝導空洞は内径300mmのガス回収配管の下に支持されている。支持機構は、スライド機能を持つ。 2. 2台のCryomodule全長=13195 mm    BL-module=5515mm、LL-module=5950mm 3. 5K and 80K 熱輻射シールドを持つ。 4. 冷却配管の構成    蒸発ガス回収配管(内径300mm)    2K液体ヘリウム供給配管    予冷配管    5Kシールド冷却配管    80Kシールド冷却配管 BL cavity-module断面 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会

STF1 : 2K低温試験 (冷却及び加温) Cryomodulesの冷却及び加温 1. 4空洞の冷却-1 (室温~200K) 90K GHeを循環し冷却した。     ヘリウムガス流量= 1.0 g/s       空洞冷却速度= 7.3 K/h 2. 4空洞の冷却-2 (200K~4K) 4.2K LHeを空洞へ直接流し込み冷却した。     液体ヘリウムの使用量=1630 L   空洞の冷却速度=12.5 K/h. 冷却時間(室温~4K)= 49時間 3. 加温 2K~60K:自然昇温 60K~180K:室温のGHe1.0 g/sを循環。 180 K~室温:室温のGN29.2 g/sによる加温。 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会

STF1 : 2K低温試験 (熱負荷測定) 定常熱負荷測定 1. 2K 部への定常熱負荷(2K 液体ヘリウムの蒸発により測定) • 液体ヘリウム (P=2.71 kPa, T=1.92K) の蒸発は、室温で体積流量計にて測定。 • 4空洞が組みこまれたCryomodule全体の熱負荷 = 5.4 W。 蒸発ガス量 = 0.440 g/s  熱負荷 = 9.8 W  (2K cold box = 1.0 W、低温配管=3.4 W) • BL空洞、LL空洞各1台を組み込んだCryomoduleの熱負荷 = 1.2 W 、1.7 W。 2. 5K 部(5Kシールド) 及び 80K部 (80Kシールド)への定常熱負荷 • 冷却停止後の各シールドの温度上昇により測定。 • 4空洞が組みこまれたCryomoduleの5K部への熱負荷 = 8.2 W • 4空洞が組みこまれたCryomoduleの80K部への熱負荷 = 66.1 W Heat load measurement at 2K by LHe evaporation rate Heat load measurement at temperature rise of 5K shield 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会

STF1 : 計算による評価-1 Cryomodule内各コンポーネントの2K部への熱負荷 • 測定された温度分布を基に熱負荷を再計算。 Module-A (BL空洞) • Module-A(BL空洞)の各コンポーネントの熱負荷の 合計= 蒸発測定から得られた熱負荷 • 最大の熱負荷 :5K thermal-anchorを持たないRF-cables = 3.6 W for four cavities。 Module-B (LL空洞) • 5K thermal-anchorを持つRF-cable= 0.03 W。 Module A (1 Cavity) Module B (1 Cavity) Module A (4 Cavities) Measured Heat Load 5.6W 6.1 W 9.8 W 2K Cold Box 1.0 W Transfer Tube 3.4 W Cryomodule 1.2 W 1.7 W 5.4 W Input Coupler 0.13 W 0.23 W 1.4 W Beam Pipe 0.002 W 0.001 W 0.003 W RF Cables 0.9 W 0.03 W 3.6 W Signal Cables 0.05 W 0.14 W Tuner 0.12 W NA 0.48 W 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会

STF1:計算による評価-2 Input coupler (cold part) 7.61K 110K IHEPとの共同研究 Input coupler (cold part) 7.61K 5K thermal interceptor 293K 80K thermal interceptor 2K 110K Support post + 5K shield 280K 300K 80K thermal interceptor 88K 4.6K 5K thermal interceptor 2K 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会

STF1 : Module Bクライオスタットによる開発研究 Cryomodule内5Kシールドに対する検討 (2009年に予定) ILC-cryomoduleのコスト及び熱的な検討;   • 5Kシールドがある場合とない場合の熱負荷へ与える検討 ILC Cryomodule内の冷却モード 5K ライン : input couplers, support posts, current leads 40K ライン : thermal radiation shield, support posts, current leads (44K) HOM couplers, HOM absorber, input couplers (66K) 熱計算: 冷却を行うのに必要な室温部での仕事量の差 : 0.11 kW/Module(運転コスト)   • 5Kシールドのコスト及び組立ての簡素化による作業コストの軽減  STF-ModuleBクライオスタットを用い、5Kシールドの下部を取り外し熱的な影響を調べる。 Cross section with 5K shield Cross section without 5K shield 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会

STF1 : Cryomodule内コンポーネントの改善 RF cables熱設計の最適化 RF cableの仕様 1. inner cable Silver coated Cu wire 1.4 mm 2. elec. insulation PTFE 3. 1st shield Silver coated Cu tape t=80 m 4. 2nd shield Silver coated Cu blade 0.1 mm×450 5. jacket FEP 5.5 mm 6. length 1 m or 2 m 80K thermal interceptor 1m cableの熱負荷(計算) 室温 -> 80K      0.32 W 80K -> 2K 0.25 W 7 RF cables が1空洞に対して使用されている。 RF cableが最大の熱負荷となっている。 ケーブルの熱負荷の最適化を図る必要がある。 長さ 5K thermal anchorの設計 2K 80K 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会

S1- Global 2008年4月21日~25日:FNAL SCRF Meetingにて議論される。 FNAL, DESY, KEKから31.5MV/mを超える加速勾配を持つ空洞8台をKEKに集め、STFで運転する。 FNAL: Tesla-type空洞(Blade tuner) 2台 DESY: XFEL-Tesla-type空洞(Sacley tuner) 2台 KEK:BL-Tesla-type空洞(Lever Jack tuner) 4台 目標平均加速勾配=31.5MV/m クライオスタット(Module C)及びFNAL・DESY用低温部品はINFNが製作する。 KEKは、Module Cとのインターフェイス及びModule Aを準備する。 2008年7月:INFN-KEK間のMOU締結(2008年8月1日~2011年3月31日) 2008年:真空容器及び低温機器の設計を完成させる。 2008年8月KEKによる全体設計 2008年9月INFNによる各部品の詳細設計開始 2009年:Module C部品製作及びクライオモジュール組立 INFNによるModule C部品の製作及びKEKへの輸送 KEKにおけるモジュールCの組立 2010年:KEKによるModule Cの組込、及びS1-Global試験 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会

S1- Global : Cryomodule設計 1. Cryomoduleの設計はINFNとの共同研究で、既に進行中である。 • 3D CAD (I-Deas) による概念設計は概ね完了している。    • INFNが製作するCryomodule (Module-C)とのインターフェイスの設計作業を進めている。 • KEK と DESY & FNAL input couplersの位置は空洞パッケージに対して現状反対側に 取り付けられている。 • DESY 及び FNALのInput coupler間の距離= 1384.15 mm (XFELと同じ) • KEKのInput coupler間の距離= 1337.0 mm(STF-Module Aでのパラメータ) INFN FNAL FNAL DESY DESY KEK-BL Cryogenic system Module C Module A 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会

S1- Global : 研究目標及び課題 1. ILCの運転仕様である31.5MV/mを達成する。 2. DESY, FNAL, INFN and KEK間でのCryomodule組立てに関する情報交換。 • Plug-compatibleの設計方針を持つILC-Cryomoduleの設計を進める上で、タイプの異なるcavity-packageを実際に組立てることにより重要なデータを得ることが出来る。 • 組立て方法及びツールに関する情報交換 空洞アライメントの方法及び冶具、自動溶接機、自動パイプ切断機、等。 3. DESY, FNAL, KEKで開発されたコンポーネントの基本機能及び熱性能の比較。 • 31.5 MV/mで運転された場合のTuner及びInput Couplerの基本機能 Tuner: Sacley type, Blade type, Slide Jack type Input coupler: TESLA input coupler, KEK coaxial window input coupler • 熱特性 完全に同じ冷却機器を用いた条件化での熱負荷の測定及び比較 定常熱負荷 31.5 MV/mでのダイナミック損失 • 熱負荷のデータはILCの冷却システムの仕様を決定する上で非常に重要なデータとなる。 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会

S1- Global : Schedule (detail) 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会

STF2 ILC 1 RF unit cryomodule systemの開発及び建設 Cryomodule: 2 modules (9 cavities) + 1 module (8 cavity + 1 quadrupole) Cryomodule設計 (CM-Type 5 或いは ILC-prototype) 10MW Multi-beam Klystron (RF system) Cryogenic systemの改造・増強 クリーンルームの拡張 9 空洞のクリーンルーム内での組立を可能にする。 既存のクリーンルームは4 空洞の組立用。 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会

STF2 : Cryomodule設計 基本設計 STF2 Cryomoduleの設計  ILC Cryomodule Proto-type設計 Plug compatibility 異なるタイプの空洞を組み込むことが可能 DESY, FNAL and KEK cavity-packages コスト低下を含めた熱設計の改善 Thermal shield system の再設計 5K ライン + 40 K shield Thermal anchorの最適設計 5 K and 60 K thermal anchors RF cables 最適設計 超伝導4極電磁石の開発 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会

STF2 : Schedule (cryomodule development) Module-Aによる4空洞試験 Module-Bによるクライオスタット試験 (Details and operation are still under discussion.) Test of One Long Module + Capture Module 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会

今後の作業 (1) S1-Global 今回製作したCAD DataをINFN、DESY、FNALグループにチェックを依頼 EDMS(?):KEK側にEDMS下でCAD作業を行う環境が整っていない。 EDMS以外の方法:I-Deas 3D Modeling dataのみの共有化。 KEK側で必要となる部品図の製作 現在の作業をもとに、KEK側の部品図(3D Modeling Data)の製作 トンネル内の配置図の製作 RF Wave-guideシステムの設計には必要となる。 2D図面の製作:各グループ間の確認作業 例えば、KEK BL空洞に於いても空洞ジャケット(チューナー)の設計変更がある。 これらのデータは、当然のことながらCryomoduleのCAD データに含まれるべきものであり、お互いに確認しなければならない。 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会

今後の作業 (2) STF2 ILC-Cryomodule Proto Typeを目指した設計(3D, 2D CAD) アセンブリー及びアライメント方法の検討 超伝導4極電磁石の設計・建設・性能評価 Cryomoduleへの組込・アライメントに関しても検討が必要 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会