ILC および ERL のための 超伝導加速空洞の開発 高エネルギー加速器研究機構 加速器研究施設・加速器第6研究系 加古 永治

Slides:



Advertisements
Similar presentations
Optical inspection for PKU-4 after 2 nd V.T. 1 STF Cavity Group Meeting (2013/5/20) Kirk.
Advertisements

第3段階: 孤立した反陽子原子の生成 超低速反陽子ビームでなにができるか 超低速反陽子ビームを如何に作るか 経過と今後の計画.
Injector Linac Upgrade for SuperKEKB
Process log Result of replica analysis Summary
小水力班/ Small Hydro Generation Group 研究背景 / Research background
STF Cavity Group Meeting (2012/6/25)
高エネルギー加速器研究機構 横谷 馨 2014/6/27 学術会議シンポジウム
ミーティング資料 2010/Apr/19 (Mon) 森田.
KEK-STFにおける超伝導空洞性能試験(たて測定)設備の構築
陰極近傍での空間電荷効果 のシミュレーション 高輝度・高周波電子銃研究会 増 田 開 京都大学エネルギー理工学研究所
MHI #22 2nd Vertical Test Summary
Performance Degradation in STF Cryomodules from STF-1 to STF-2
柴田政宏(KEK) for T2K collaboration
MEG実験2009 陽電子スペクトロメータの性能評価
1次陽子ビームのエネルギーが ニュートリノ・フラックスおよび機器に 与える影響について
S1-Global (Cryomodule設計状況)
MHI#16号機の1回目の縦測定後の 局所研磨と3次元解析
高エ研ライナックの高周波窓の現状 高エネルギー加速器研究機構 加速器第三研究系 道園真一郎.
STF Cryomodule 開発状況 STF グループ 大内 2008/10/07 先端加速器連合推進室報告会.
Akira Yamamoto Report for the TB meeting, 5 January, 2016
ILC加速器のデザイン・ R&Dの状況と建設までの道のり
X-BAND RF電子銃の シミュレーション
リニアコライダー実験における衝突点回りの測定器の最適化
ADI Meeting May 29, 2009 Cavity Gradientに関する議論
THPS081 KEK-STFにおける量子ビーム実験のためのキャプチャークライオモジュールの建設とビーム運転 概要
Measurement and Compensation of Lorentz Detuning at STF Phase-1.0
Study of high gradient acceleration
Cavity Group: E. Kako, T. Shishido, K. Umemori, T. Kubo, T. Konomi, G
Possible Damping Ring Timing
Second RF-Gun beamline
ILC/SCRF技術を用いた大電流電子 リニアックによる99Mo製造
アトラス日本グループ アトラス日本グループのメンバー アトラス日本グループのアトラス建設に対する貢献 計17機関(2016年現在)
CERN (欧州原子核研究機構) LEP/LHC 世界の素粒子物理学研究者の半数以上の約7000人が施設を利用
STFでの量子ビーム実験セットアップ概念図
Shigeru KASHIWAGI (ISIR, Osaka Univ.)
Kazuro Furukawa Linac 制御 Group
古川和朗、船越義裕、菊池光男、菊谷英司、生出勝宣、 佐藤政則、中村達郎、末竹聖明、諏訪田剛、矢野喜治 高エネルギー加速器研究機構 (KEK)
国際リニアコライダーのための FPCCD崩壊点検出器と 読み出しシステムの開発
CERNとLHC加速器 LHC計画 (Large Hadron Collider Project): CERN
LHC加速器の設計パラメーターと 2012年の運転実績
放射光実験施設での散乱X線測定と EGS5シミュレーションとの比較
FPCCDバーテックス検出器における ペアバックグラウンドの評価 4年生発表 2010/03/10 素粒子実験グループ 釜井 大輔.
SksMinus status 23 HB meeting 2009/3/19 白鳥昂太郎.
Timing for PF Injection from GU_A1
LHCでの発見へ向け 世界最大コンピューティンググリッドが始動
高分解能ビーム軌道傾きモニターの設計開発
空洞型ビーム軌道傾きモニターの設計 東北大学 M1 岡本 大典 .
アトラス日本グループ アトラス日本グループのメンバー アトラス日本グループのアトラス建設に対する貢献 計17機関169人(2015年現在)
東北大学電子光理学研究センター(ELPH) 菊永英寿
KEKB 加速器の紹介 - 加速器の歴史の中で -
極高真空カソード試験装置の開発 広大院先端 久保大輔 栗木雅夫 飯島北斗 第8回 高輝度・高周波電子銃研究会.
Web(World Wide Web)の発祥地
信号伝搬時間の電源電圧依存性の制御 による超伝導単一磁束量子回路の 動作余裕度の改善
EMCalにおけるπ0粒子の 不変質量分解能の向上
天体核実験用の窓無しガス標的と ガス循環系の開発
AVF高度化 2000~2010  東大CNS(東京大学大学院理学系研究科附属原子核科学研究センター)は、理化学研究所に設置されているAVFサイクロトロンを利用した不安定核物理学, 天体核物理を研究している。 研究の量、および質を上げるために、理研と共同してAVFサイクロトロンの高度化計画を進めてきた。
永久磁石を用いた高出力マイクロ波 放電型イオン源の開発
KAGRA用 アウトプットモードクリーナの開発Ⅳ
AVFサイクロトロン高度化 デフレクター:新規交換作業(2003年春期停止時に実施)、 Dee:放電防止作業(2003年夏期停止時に実施)
LCGT用防振装置の開発 (5) 防振系の配置と構成 各防振系の構造 計算によるミラー変位スペクトル 設計と試験状況
Geant4による細分化電磁 カロリメータのシミュレーション
4リング同時入射 M. Satoh (KEK Acc. Linac Control/ Commissioning G.)
電子ビームラインの構築と APDを用いた電子計測試験
アトラス端部ミューオントリガー系:ATLAS Endcap Muon Trigger System
ILC衝突点ビームモニターのための 読み出し回路の開発
J-PARC 3 GeV RCS における 仮想加速器 に基づく 制御モデルの構築
ガス電子増幅器を読み出しに用いた タイムプロジェクションチェンバー (GEM-TPC)の開発
ASTRO-E2搭載CCDカメラ(XIS)校正システムの改良及び性能評価
信号伝搬時間の電源電圧依存性の制御 による超伝導単一磁束量子回路の 動作余裕度の改善
ミーティング資料 2007/Jun/1 森田.
Presentation transcript:

ILC および ERL のための 超伝導加速空洞の開発 高エネルギー加速器研究機構 加速器研究施設・加速器第6研究系 加古 永治 加古 永治 E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

本日の報告内容 はじめに ILC および ERL の概要説明 ILC のための超伝導空洞の開発状況 ERL のための超伝導空洞の開発状況  はじめに  ILC および ERL の概要説明  ILC のための超伝導空洞の開発状況  ERL のための超伝導空洞の開発状況  まとめ  STF超伝導空洞グループ: 加古 永治、 宍戸 寿郎、 佐藤 昌史、 山本 康史、 渡辺 謙、  野口 修一。 E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

はじめに ILC ; International Linear Collider (国際リニアコライダー) 素粒子実験用電子陽電子衝突型     (国際リニアコライダー) 素粒子実験用電子陽電子衝突型     超伝導線形加速器 ERL ; Energy Recovery Linac      (エネルギー回収型リニアック)      放射光利用実験用周回型      超伝導線形加速器(入射部、主加速部) E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

Reference Design Report ILC ; 国際リニアコライダー RDR (2007) Reference Design Report 電子主加速器 (31.5 MV/m)  陽電子主加速器  (31.5 MV/m) 衝突点 (E~500GeV) ILC加速器の全長 ~31km 8 or 9 台の超伝導加速空洞 を内蔵する クライオモジュール  ~1,800 台 9セル超伝導加速空洞 ~16,000 台 E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

ERL ; エネルギー回収型リニアック 例えば、 一般的なERL を考えると、 by H. Kawata 入射部超伝導空洞 (10 MeV) ビーム電流 (100 mA, CW) 入射部超伝導空洞 (10 MeV) 主加速部超伝導空洞 (5 GeV) 主加速器部の全長~600m 主加速部超伝導空洞 運転加速電界  15 MV/m 9セル超伝導空洞  ~340 台 4空洞を内蔵する クライオモジュール ~85 台 E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

ILC と ERL の比較 ILC ERL Beam energy ~ 500 Gev ~ 5 GeV Beam current 9 mA Operation mode Pulse / 5 Hz, (0.5+1.0) ms CW Frequency 1.3 GHz Number of cells 9-cell 9-cell / (2-cell, injector) Accelerating gradient 31.5 MV/m 15 MV/m Input rf power 400 kW / pulse (ave. 3 kW) 20 kW cw (170 kW cw, injector) Number of cavities ~ 16,000 ~ 340 (3, injector) Number of cryomodule ~ 1,800 (8 or 9 cavities / cryomodule) ~ 85 (4 cavities / cryomodule) E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

ILC へ向けた STF での研究開発 STF (超伝導高周波試験施設) STF-2 with beam operation 2 KEK cavities for capture cryomodule (2012, Feb. ~) 8 KEK cavities (2013, Mar. ~) STF-1 2008, May - Dec. 4 KEK cavities S1-Global 2010, June – 2011, Feb. 4 KEK cavities 2 DESY + 2 FNAL cavities E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

ERL へ向けた ECH での研究開発 cERL at ECH (東カウンターホール) by S. Sakanaka (2012, May ~) by S. Sakanaka E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

超伝導空洞システムの開発 超伝導空洞の製作 (高圧ガス保安法) 超伝導空洞単体での高電界性能試験  超伝導空洞の製作 (高圧ガス保安法)  超伝導空洞単体での高電界性能試験  クライオモジュールの組立て   (入力結合器、周波数チューナー)  クライオモジュールでの大電力性能試験  ビームを用いた総合的な加速試験  ビーム運転 E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

ILC のための超伝導空洞の開発(1) MHI-12, MHI-13空洞用製作部品 センターセルダンベル エンドセル ビームチューブ 完成した Tesla-like (STF) 空洞 エンドセル ビームチューブ エンドプレート チタン製ヘリウム槽ジャケットを装着した空洞 E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

ILC のための超伝導空洞の開発(2) 高圧ガス保安法対応の耐圧試験 ジャケット付空洞を用いた耐圧試験による 空洞形状の変化を調べる実験 耐圧試験(窒素ガス) 設計圧力 x 1.25 耐圧試験(試験水) 設計圧力 x 1.5 ジャケット付空洞を用いた耐圧試験による 空洞形状の変化を調べる実験 完成したMHI-12, MHI-13空洞の KHK立会いでの耐圧試験 E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

ILC のための超伝導空洞の開発(3) これまでに製作した空洞の性能試験(たて測定)の結果 ILC (35 MV/m) 高圧ガス対応空洞 ave. 36MV/m ILC (35 MV/m) ave. 31MV/m ave. 23MV/m 高圧ガス対応空洞 2011, May 2006, Feb. E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

ILC のための超伝導空洞の開発(4) Cryomodule Tests in S1-Global E. Kako (KEK) E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

ILC のための超伝導空洞の開発(5) Main Components of S1-Global Cryomodule E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

ILC のための超伝導空洞の開発(6) Comparison of Cavity Performance between VT and CT 31.5 MV/m VT : ave. 30 MV/m CT (one by one): ave. 28 MV/m E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

Detuning frequency (Hz) ILC のための超伝導空洞の開発(7) Characteristics of Lorenz-force Detuning in S1-Global Detuning frequency (Hz) D f = - K x Eacc2 KEK空洞では、ヘリウム槽ジャケットとチューナー 系から構成される空洞支持構造の剛性を強化 したことにより、Flat-topでの Df を抑制して、 ピエゾチューナーのストロークを軽減し、かつ、 補正後のDfエラーを縮小することが可能である。 Rise time : Offset detuning Flat-top : Compensation by a piezo tuner E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

ILC のための超伝導空洞の開発(8) Operation of 8 (7) Cavities with Piezo Compensation D f < ~50 Hz Ave. Eacc = 26 MV/m E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

ILC のための超伝導空洞の開発(9) Summary of Cavity Performance in S1-Global Cryomodule 31.5 MV/m VT : 30 MV/m Cpl. 1-cavity : 28 MV/m 7-cavity : 26 MV/m 7-cavity : 25 MV/m Stable operation in cryomodule -15~20% from VT E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

ERL のための超伝導空洞の開発(1) cERL用入射部クライオモジュール Final Target : Ibeam = 100 mA Main R&D components; Three 2-cell cavity with 5 HOM couplers 2. Double feed cw input couplers 3. Frequency tuning system with slide-jack tuner and piezo tuner Final Target : Ibeam = 100 mA Ebeam = 10 MeV E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

ERL のための超伝導空洞の開発(2) ERL用2セル超伝導空洞の製作 E. Kako (KEK) E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

ERL のための超伝導空洞の開発(3) 空洞単体での性能測定 (たて測定) ERL2セルプロトタイプ#1空洞 空洞単体での性能測定 (たて測定) ERL2セルプロトタイプ#1空洞 (2 loop & 2 antenna-type HOM) ERL2セルプロトタイプ#2空洞 (5 loop-type HOM couplers) 運転加速電界 15 MV/m no HOM pick-up probe with 5 HOM pick-up probes E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

ERL のための超伝導空洞の開発(4) HOM(高調波モード結合器)の改良 by K. Watanabe E. Kako (KEK) E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

ERL のための超伝導空洞の開発(5) プロトタイプ入力結合器の製作 Vacc QL Prf [MV] [x105] [kW] Cavity-1 1.5 10. 10 Cavity-2 2.5 4. 25 Cavity-3 2.5 4. 25 80K 5K 2K (QL /coupler, Prf /coupler, Ibeam = 10 mA) E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

ERL のための超伝導空洞の開発(6) プロトタイプ入力結合器の大電力試験 Conditioning Results 1s, 0.1Hz, 100kW for 2h cw 30kW for 1.5h cw 50kW for 0.5h cw 100kW for 1 min E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

ERL のための超伝導空洞の開発(7) cERL用2セル超伝導空洞 3台の完成 周波数調整 (#3空洞) 電解研磨 (#3空洞) 高圧ガス耐圧試験 (#4空洞) 高圧ガス耐圧試験 (#5空洞) 周波数調整 (#3空洞) 電解研磨 (#3空洞) #4空洞と#5空洞の納入 (2011年、5月24日) E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

ERL のための超伝導空洞の開発(8) cERL用入力結合器 cERL用クライオモジュール 完成した入力結合器6台の納入 (2011年、5月20日) 2012年2月からの組立てを 目指して製作中 E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03

ま と め 高圧ガス対応の9セル超伝導空洞2台において、 ILC仕様を超える高電界性能を達成したが、その後 ま と め  高圧ガス対応の9セル超伝導空洞2台において、    ILC仕様を超える高電界性能を達成したが、その後    のSTF-2用超伝導空洞では、その高電界性能を      安定に達成できる状況には至ってはいない。  国際協力による S1-Global クライオモジュールに    おいて、7空洞でピエゾチューナーによる補正を行い、    平均加速電界 25MV/m で安定な運転を達成したが、    たて測定の結果から15~20%の低下がみられた。  cERL入射器用クライオモジュールに用いる2セル    超伝導空洞3台と入力結合器6台が完成し、今後    単体での性能試験を行い、2012年2月頃より    クライオモジュールの組立てを開始する予定である。 E. Kako (KEK) メカWS・合同研究会 2011.06.03