エレクトロニクスII 第14回フィードバック 2004.01.30 佐藤勝昭.

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等価電源の定理とは 複数の電源を含む回路網のある一つの端子対からその回路を見た場合、その回路は、単一の電源(電圧源或いは電流源)と単一のインピーダンスまたはアドミタンスからなるシンプルな電源回路と等価と見なせる。 ただし、上記の定理が成り立つためには、回路網に含まれる全ての電源が同一周波数(位相は異なっていても良い)の電源であることと、回路が線形である(重ね合わせの理が成り立つ)ことが前提となる。
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エレクトロニクスII 第14回フィードバック 2004.01.30 佐藤勝昭

復習コーナー トランジスタの入出力インピーダンスp54 エミッタ接地のトランジスタにおいて 入力インピーダンスはhieである。 hieは10k程度である。 出力インピーダンスは1/hoeである。 hoeは1S程度である。出力インピーダンスは1M 程度である。

復習コーナー 増幅回路の入力インピーダンスp54 信号源からみて、増幅回路の入力端がもつ見かけのインピーダンスを入力インピーダンスという。 等価回路で考える。バイアス抵抗、トランジスタのhieが並列に接続されたと考えればよい。 Zin=1/(1/R1+1/hie)=R1hie/(R1+hie) 上では交流に対してコンデンサのインピーダンスは0であるとして扱ったが、正しくは、Z=1/jωCが直列につながっていると考えるべきである。 Zin=1/jC+ R1hie/(R1+hie)

復習コーナー 増幅回路の出力インピーダンスp55 負荷RLから見た増幅回路の出力側の内部インピーダンスZout 等価回路で考えるとTrの出力インピーダンス1/hoeとコレクタ抵抗R2との並列回路が出力インピーダンスになる。 正確には、コンデンサC2のインピーダンス1/jC2が直列に入ったものが出力インピーダンスになる。 1/hoe

復習コーナー 前回の演習 前回の宿題の結果を利用して、左の回路の交流電圧増幅率Avをもとめよ。 R1=10k, R2=5k, RC=3k, RE=2k, hfe=200, E=10Vとする。 ベースの電位VB, コレクタの電位VCを求めよ。VBE=0.7Vとせよ。 iE, iBを求めよ。 Avを求めよ。 回路の入力インピーダンスZinと出力インピーダンスZoutを求めよ。

復習コーナー 周波数特性(f-特)p55-57 低域の減衰:カップリングコンデンサによる -3dB 帯域幅 低域の減衰:カップリングコンデンサによる 高域の減衰:トランジスタの講習は特性と浮遊容量による

フィードバック 増幅回路の出力信号の一部または全部を入力に戻すことをフィードバック(feedとは食事を与えるという意味で昔は饋還と訳しましたが、現在では帰還と訳しています)といいます。 フィードバックされた信号が入力信号と同位相であれば正帰還、逆位相であれば負帰還といいます。 正帰還は発振回路として使われます。 負帰還は、回路のもつ最大の増幅率を犠牲にして、 (1)増幅度の安定、(2)ひずみ、雑音の低減、(3)周波数特性の改善、(4)入出力インピーダンスの調整などを図ります。

負帰還の原理 p64 V1=Vi-V2, V2=A0V1 V2=A0 (Vi- V2)より、(1+A0)V2=A0Vi 全体の増幅率 A=V2/Vi=A0/(1+A0)=1/(1/A0+) A0のとき A1/ となり、 増幅率はA0に依存しなくなる。 増幅回路 増幅率A0 帰還回路 帰還率β + - 入力 Vi 出力 V2 増幅回 路入力 V1

負帰還による周波数特性(f特)の改善 負帰還をかけると、回路全体としての増幅度Aは1/(1/A0+)=A0/(1+A0)となり、もとの増幅率に比べ1/(1+A0)に減少する。高域、低域ではA0が落ちているので、分母(1+A0)が小さくなり結果的に帯域幅が広くなる。 もとの帯域幅 広がった帯域幅

トランジスタの負帰還回路p66 エミッタ電流をエミッタ抵抗Rfを通じてVEとして帰還 コレクタ電位VCを帰還抵抗Rfを通してベースに帰還

エミッタ抵抗による負帰還p66 vi=hieib+(hfe+1)ibRE, vo=hfeibRL’ vo=-hfeibRL’={hfeRL’/(hie+(hfe+1)RE)}vi A=vo/vi= hfeRL’/{hie+(hfe+1)RE}=1405.97/(15+1410.49)=9.94 見方を変えるとA0= hfeRL’/hie; =vf/vo=(hfe+1)RE/hfeRL’ A= A0/(1+A0) ib hfeib vi RE RL’ R1 hie vo vf 直流的には電流帰還バイアス

負帰還回路の入力インピーダンス Zin=vi/ib={hieib+(hfe+1)RE ib}/ib=hie+(hfe+1)R 入力インピーダンスはhieにREのhfe倍が付け加わるので、かなり高くなる。 ib hfeib vo vi hie RL’ vf RE

自己バイアス型帰還 if=i2+hfeib, v1=ibhie, v2=i2Rc, if=(v1-v2)/Rf (v1-v2)/Rf=v2/Rc+(hfe/hie)v1 (1/Rf-hfe/hie)v1=(1/Rc+1/Rf)v2 A=v2/v1=(1/Rf-hfe/hie)/(1/Rc+1/Rf) Rf hie ib hfeib RC v1 v2 i2 i1 if 直流的には自己バイアス

実用エレクトロニクスコーナー コンピュータ第2回 中京大学のホームページから http://www.ccad.sccs.chukyo-u.ac.jp/~mito/syllabi/circuit/z80/ Z80 Z80はインテル社の初期の製品である8080プロセッサを発展させ、ザイログ社が開発した、1チップcpuです。現在でも、組込み型CPUの基本的な命令体系となっている。  Z80は16ビットのアドレスバスと8ビットのデータバスを持ち、メモリや外部装置とのデータ交換を行う。Z80はCPU (Central Processing Unit)機能を有するのみで、記憶装置を持たないため、単体では動作させることができない。

Z80のシステム(1) メモリ Z80の外部にメモリや入出力装置をバスを通して接続すると、計算機として利用できるようになる。メモリには、不揮発型メモリ(ROM)と、揮発性メモリ(RAM)から構成される。Z80の外部にメモリや入出力装置をバスを通して接続することにより、計算機として利用できるようになる。

Z80のシステム(2) レジスタ  Z80は内部に複数のレジスタ(記憶回路)を持ち、このレジスタを利用して演算を行う。レジスタは、   A,B,C,D,E,H,L で、各8ビットである。BC, DE, HLは結合して16ビットのアドレスを保持することができる。例えば、HLレジスタの番地のメモリを読みとり、その内容をAレジスタに読み出す命令がある。逆に、Aレジスタの内容を、HLレジスタの番地に書き込むことも出来る。

Z80の構成 レジスタ CPU

プログラムの一例(1) ORG 8000h プログラムの先頭番地 8000 21 09 80 LD HL,DATA HLをDATA番地にする 8003 7E LD A,(HL) HL番地をAレジスタに読む 8004 23 INC HL HLを増して101hとする 8005 86 ADD A,(HL) 101h番地の内容を加える 8006 23 INC HL HLを増して102hとする 8007 77 LD (HL),A 結果を102hに記憶する 8008 76 HALT 停止 8009 0A DATA:DB 10 データ1 800A 14 DB 20 データ2 800B 00 DB 0 加算結果を記憶する END DATA (8009)番地の内容とDATA+1(800A)番地の内容を加算してDATA+2(8000B)番地に書き込む

プログラムの一例(2)               ORG 8000h 8000 21 10 80 LD HL,DATA レジスタHLをDATA番地に設定 8003 46  LD B,(HL) 被乗数をレジスタBに 8004 23  INC HL 8005 4E  LD C,(HL) 乗数をレジスタCに 8006 3E 00  LD A,0h レジスタAを0にする 8008 80  LOOP:ADD A,B レジスタBをAに加える 8009 0D  DEC C レジスタCを1減らす 800A C2 08 80 JP NZ,LOOP 0でなければLOOP番地へ飛ぶ 800D 23  INC HL レジスタHLを増す 800E 77  LD (HL),A 結果を記憶 800F 76  HALT 停止 8010 5  DATA:DB 5 被乗数 8011 10  DB 10 乗数 8012 0  DB 0 結果を保存する               END Z80には乗算命令はないから、乗算するには乗算プログラムを作成する必要がある。a * b (b>0)の最も簡単な手法は、aをb回加えることである。