なぜ計算情報科学・技術を学ぶか? 北海道大学・理学の状況 を踏まえて

Slides:



Advertisements
Similar presentations
インターネットサーバ と メール配送の仕組み 情報実験 第 13 回 2005/01/28 Last Modified: 2005/01/28K.Michimasa Original: 2004/01/30K. Komatsu.
Advertisements

地球科学科のカリキュラム 理学部地球科学科 教務委員 石渡正 樹 2008 年 7 月 18 日.
1.情報モラル教育の必要 性 5 情報モラル教育. 【1】情報モラル教育とは 情報モラル教育は、①コンピュータや情報通信 ネットワークなどの情報技術の特性と、②情報 技術の利用による文化的・社会的なコミュニ ケーションの範囲や深度などが変化する特性、 などを踏まえて日常生活で適正な活動を行うた めの考え方と態度を育てることが求められる。
ITPASS サーバ入門 地球および惑星大気科学研究室 島津 通.
FreeBSD4.5環境での IPv6ネットワーク構築
北海道大学大学院 理学院宇宙理学専攻 EPNetFaN Mail サーバ管理課 徳永 義哉
山梨大学 伊 藤 洋 99/06/30 インターネット入門 総合科目V 山梨大学 伊 藤  洋
サーバ・クライアントシステム & X Window System
なぜ情報実験か?その1 Unix (Linux) / Internet の歴史と 学問の情報化への展開を踏まえて
北大における Super-SINET 接続と利用: 2004 年度報告
序章 第1節 社会と情報 1 現代社会の特徴 2 情報の重要性
サーバ・クライアントシステム & X Window System
大阪大学 基礎工学部 電 子 物 理 科 学 科 エレクトロニクスコース 物性物理科学コース.
MOSIR Project 隊長, 北海道大学大学院理学院宇宙理学専攻 修士課程 1 年 堺 正太朗
安全・安心なネット生活を送るためのネットワークセキュリティ
沖縄インターネット協議会 瑞慶覧辰 Linuxの紹介 沖縄インターネット協議会 瑞慶覧辰
移動体におけるネットワーク構築 ~航空機を例に~
北海道大学 理学部 地球科学科 惑星宇宙グループ 4年 高橋 康人
情報教育の推進について 神奈川県立川崎北高等学校.
筑波大学衛星と教育との関わり 筑波大学 保田敦司 「小型衛星の科学教育利用を考える会」 2015/08/22.
EpWWWサーバ 北海道大学 理学院 宇宙理学専攻 M1 古田裕規.
昔は気楽な稼業であった 大学の先生 清談會 2009 河口湖 後藤滋樹 [54].
早稲田大学大学院 理工学研究科情報科学専攻 後藤滋樹研究室 1年 渡辺裕太
情報とは ? 何かを知ること,知らせること その内容 形式 伝達手段 過去・現在・未来
背景について 国立天文台 天文情報センター.
FreeBSD4.5環境での IPv6ネットワーク構築
なぜ計算情報科学・技術を学ぶか? その2 最低限知識の確認と さらなる飛躍にむけて
EPnetFaN 座学編 第12回 北海道大学大学院 理学研究科 地球惑星科学専攻 森川 靖大
Millennium Promise Japan Youth
神戸大学大学院理学研究科 地球および惑星大気科学研究室 M2 河合 佑太
南極からの新赤外線天文学の創成 南極内陸は、ブリザードがなく、非常に穏やかな、地球上で最も星空の美しい場所です。この場所で私たちは新しい赤外線天文学を展開します 宇宙初期の広域銀河地図を作って、私たちの銀河系の生い立ちを解明します 137億年前 100億年前 宇宙の果て 最初の星が生まれ、銀河が成長した時代.
アジア恊働大学院(AUI)構想 AUI推進機構/設立趣意書
インターネット メールサーバ DNSサーバ WWWサーバ ファイアウォール/プロキシサーバ クライアント.
EP ネットワーク ガイダンス EP ネットワーク委員会 小高 正嗣 2013年4月5日(金)16:30~ 理学部8号館
講義進行予定 パソコンとインターネット活用の現状 HPが表示されるまで
Epnetfan の歴史とか何とか 杉山耕一朗 (北大理・宇宙理学).
なぜ情報実験か?その2 最低限知識の確認と さらなる飛躍にむけて
情報ネットワーク論 最終回 動的ルーティング実験デモ ネットワークの構築・管理 遠隔?講義.
地方におけるデータ活用人材の育成について
これからの司書養成カリキュラム 帝塚山大学  柴田正美.
なぜ計算情報科学・技術を学ぶか? 北海道大学・理学の状況 を踏まえて
「情報セキュリティ論」 5-1 コンピュータ犯罪
北海道大学理学院宇宙理学専攻 荻原弘尭 2014/06/06 (金)
コンピュータとネットワークの利用 国際経営学科 牧野ゼミ3年 足立龍哉.
東京大学における不正アクセス対策 東京大学 情報基盤センター 中山雅哉 2000年4月18日.
序章 第1節 社会と情報 1 現代社会の特徴 2 情報の重要性
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
北海道大学理学研究科 地球惑星科学専攻 豊田英司
平成25年3月27日(水) 東京工科大学 コンピュータ蓑寝椅子学部 在学生ガイダンス
gate-toroku-system のしくみ
OSSAJ 事務局 株式会社ウィズ.アール 古木 良子
情報システムの基礎概念 (1) 情報システムとは
EP ネットワーク ガイダンス EP ネットワーク委員会 小高 正嗣 2014年4月11日(金)17:00~ 理学部8号館
なぜ情報実験か?その1 Unix (Linux) / Internet の歴史と 学問の情報化への展開を踏まえて
宇宙科学統合解析環境の構築とAstro-E2解析支援
なぜ計算情報科学・技術を学ぶか?その2 最低限知識の確認と さらなる飛躍にむけて
別紙1:政策学部のカリキュラム ■積み上げ型政策学教育 [基本教育] [導入教育] 大学院進学
心を磨く 公共的なネットワーク社会の構築 知恵を磨く 情報モラル教育 情報社会の倫理 法の理解と遵守
最低限インターネット ネットワークにつなぎましょ!
8 号館宇宙惑星 プライベート LAN 利用説明会
EP ネットワーク ガイダンス EP ネットワーク委員会 石渡 正樹 2010年4月9日(金) 理学部8号館
gate登録システム: 設計ポリシーから使い方まで
~itpass/ 地球及び惑星大気科学実習 改め 計算情報実習 ~itpass/ 林 祥介・中川義次・岩山隆寛・相川祐理 院生・4年生
北海道大学理学院宇宙理学専攻 荻原弘尭 2014/06/06 (金)
理学部ガイダンス 2019/5/15 進学ガイダンス 2010.
情報モラル参考教材リンク集 H30.8現在 情報モラル5領域 分野 内容 アドレス 備考 (多数) 文部科学省 指導案集
北海道大学 大学院理学院 宇宙理学専攻 村橋 究理基 2017/01/26 (金)
なぜ情報実験か?その2 最低限知識の確認と さらなる飛躍にむけて
gate-toroku-system のしくみ
なぜ計算情報科学・技術を学ぶか? その2 最低限知識の確認と さらなる飛躍にむけて
Presentation transcript:

なぜ計算情報科学・技術を学ぶか? 北海道大学・理学の状況 を踏まえて 北海道大学理学院 宇宙理学専攻 石渡 正樹 momoko@ep.sci.hokudai.ac.jp 2011年04月15日

情報実習の理想 地球惑星科学の情報化へ貢献できる人材が(勝手に)生まれる 計算情報環境の技術的基本(古典)概念を実体験し、自分の情報環境は自分で維持できるようになる 自分がおかれている情報環境総体に思いをはせる 地球惑星科学の情報化へ貢献できる人材が(勝手に)生まれる

近傍における情報地球惑星科学的な展開 遠隔計算・遠隔観測のためのネットワーク環境の構築 環境研究所, 天文台, 宇宙研のスーパーコンピュータの利用 データセンターとの通信 観測機器の運用(苫小牧の望遠鏡, 名寄天文台の望遠鏡) 各種サーバーの運営:情報発信環境の維持と情報提供の試み EPサーバ 地球流体電脳倶楽部 (http://www.gfd-dennou.org/) ネットワーク上での教育実験 参考: School of Internet (WIDE) (http://www.soi.wide.ad.jp/) 地球惑星業界でも同様な試みを展開する必要 WIDE SOI にならった我々の動画配信活動 Mosir プロジェクト (http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~mosir/ )

界隈の歴史 1988:地球流体電脳倶楽部 1989:TISN東大国際理学ネットワークにまつわる東京大学理学部地球物理学科ネットワーク支援グループ 1994:北海道大学地球環境科学研究科大気海洋圏環境科学専攻ネットワーク友の会 1995:東京大学数理科学研究科・理学部数学科計算数学, カリキュラム化 1998:北海道大学理学研究科・理学部地球科学専攻 epnetfan, mosir(動画配信) 2007:神戸大学理学研究科・理学部地球惑星科学科,  実習, カリキュラム 2008:惑星科学研究センター(CPS)人材育成プログラム

ご近所での展開 知の情報化に向けた情報研究教育活動 情報実習 EPサーバー群 EPnetFaN

北大における ネットワーク・計算機資源の管理運用者 北大外:SINET 国立情報学研究所 文部科学省の大学間接続を担うプロバイダ 情報基盤センターHINES 北海道大学キャンパスネットワークのプロバイダ 学部学生用計算機資源 院生・研究者用計算機資源 スーパーコンピュータ 理学営繕掛/理学情報ネットワーク委員会 HINES 部局支線 = 理学研究院が配線管理 EPネットワーク委員会 宇宙惑星科学分野・地球惑星科学関連有志による主として 8号館(情報実験環境)のネットワーク接続の掌握, 管理, 運用 各々の研究室等 各研究室の情報環境

最低利用知識の確認 資源とその管理体制・運用管理者 北大外:SINET 国立情報学研究所 学内:情報基盤センターHINES 北海道大学キャンパスネットワークのプロバイダ    学部学生用計算機資源(メディア教育)と院生・研究者用計算機資源(スーパーコンピュータなど)も提供 学部内:理学営繕掛/理学情報ネットワーク委員会 HINES 部局支線 = 理学研究院が配線管理 運用管理は HINES 建物内:EPネットワーク委員会 宇宙惑星科学分野・地球惑星科学関連有志による主として8号館(情報実験環境)のネットワーク接続・主要サーバ群の掌握, 管理, 運用 各々の研究室等 各研究室の情報環境

情報実習関係のネットワーク運用体制 EPネットワーク委員会 (netcom) EPネットワーク技術支援グループ (epcore) http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~netcom/ EPネットワーク技術支援グループ (epcore) http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~epcore/ 学生ボランティアグループ, EPNetFan の運営 EPnetFaN http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~epnetfan/ 相互扶助的勉強会, epcore メンバー養成, 情報実験運営 物理実験I(情報実験) http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~inex/ 支援グループ等々に迷惑かけないための啓蒙 ボランティア養成 情報科学的アプローチのできる地球惑星分野の科学者・技術者へのきっかけ

情報実験の目的 ~立派な大人になるために 計算情報環境の技術的基本概念を構成している を体験し,自分の情報環境は自分で維持できるようになる UNIX (Linux) Internet X window system を体験し,自分の情報環境は自分で維持できるようになる 自分がおかれている情報環境の総体に思いをはせる ネットワーク社会人として常識や作法を知る 安全性,安定性への理解 歴史(現状を作り出した過程)を理解する 地球惑星科学の情報化へ貢献できる人材が生まれるきっかけになれば幸い 情報利用者から,情報提供者へ,そして,科学の情報インフラのデザイナーへ

参考書, 参考文献 Bush, V., 1945: As we may think. Atlantic Monthly, 1945 July, 101-108. 村井純, 1997: インターネット, 岩波新書 新赤 416, 岩波書店. 村井純, 1998: インターネットII, 岩波新書 新赤 571, 岩波書店. 歌田明弘, 2000: 本の未来はどうなるか 新しい記憶技術の時代へ, 中公新書 1562, 中央公論新社 D. Libes & S. Ressler 著, 坂本 文 訳, 1990: Life with UNIX, アスキー. 坂村健, 2002: 痛快! コンピュータ学, 集英社文庫. 山口 英, 2002: ブロードバンド時代のインターネットセキュリティー, 岩波科学ライブラリー85

情報化時代の計算機とは? 昔は文字通り「計算をする機械」だった:大きな電卓 今やなんでも計算機 でも電話とか水道とかは違う 日常生活の必需品になりつつある(なった?) 電話とか水道とかのように 文房具 知識・知見を処理する(ためておく・整理する・教えてくれる)   機械でもある でも電話とか水道とかは違う 世界中とつながっている:大きな利便性と大きな危険性 基本は「自分のことは自分で」(だった?) これからも大きく変わる可能性がある

歴史から学ぶべきことは何か? 計算機・ネットワークの仕組みを理解する 日本のインターネット文化を知る これから進むべき道を模索する UNIX, TCP/IP 日本のインターネット文化を知る 貧弱な管理運用体制 利用者は自由な活動が許容されていた反面, 高いモラルとボランティア精神が要求される 対応して個々人には自力更生」, 「無保証であること」の認識, 覚悟が要求される これから進むべき道を模索する

情報化時代の科学とは? これからやって行かなければならないことは 知の爆発への対応 地球惑星科学の情報化 我々の知識の形を明らかにすること コンピュータが相互にやり取りできる知識データの構造 それぞれの専門分野の人々が情報科学の発見発明を実際に活用して行うことが必要 科学者 新たな知見を見出す人 情報を作る人 一次生産者

情報実習関係のネットワーク運用体制 EPネットワーク委員会 (netcom) EPネットワーク技術支援グループ (epcore) http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~netcom/ 政策決定, 運用責任 EPネットワーク技術支援グループ (epcore) http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~epcore/ 実働担当の学生ボランティアグループ, EPNetFan の運営 EPNetFan http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~epnetfan/ 相互扶助的勉強会, epcore メンバー養成, 情報実験の運営 物理実験I(情報実習) http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~inex/ 支援グループ等々に迷惑かけないための啓蒙 ボランティア養成 情報科学的アプローチのできる地球惑星分野の科学者・技術者へのきっかけの

北大における 計算機資源の管理運用者 情報基盤センター(メディア教育) 学部学生用計算機資源 情報基盤センター(大型計算機システム) 院生・研究者用計算機資源 スーパーコンピュータ EPネットワーク委員会 地球惑星科学関係有志による主要サーバ群 dns, www, mail, news, ftp, router, ...