次世代冷凍・ヒートポンプサイクルの開発 研究背景 冷凍倉庫用冷凍システムのレトロフィット用および次世代冷媒の提案

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電動式冷凍機の構造 電動式冷凍機の構造 建築環境工学・建築設備工学入門<空気調和設備編>建築環境工学・建築設備工学入門<空気調和設備編> 1 [ Last Update 2015/04/30 ]
1 森林吸収 * 3.6 % 400 千 t- CO %増 目標 6% 削減 28.5 %増 11, , , 本県の温室効果ガス排出量の推移と削減目標 とやま温暖化ストップ計画の目標 基準年度比6%削減 (注1)基準年度:二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素は.
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次世代冷凍・ヒートポンプサイクルの開発 研究背景 冷凍倉庫用冷凍システムのレトロフィット用および次世代冷媒の提案 寒冷地における空気熱源ヒートポンプによる暖房システムのシミュレーション 寒冷地における水熱源ヒートポンプによるロレンツサイクル化暖房システムに関する実験的研究 自然作動流体利用熱エネルギー変換システムのデザイン サイクル班の説明をします。 最初に研究背景について、続いて各研究内容について説明します。

1.研究背景(1) これまで用いられてきた塩素を含んでいるフロンの代替冷媒は・・・・ 塩素を含まないフロン  塩素を含まないフロン  自然作動流体(アンモニア、二酸化炭素など) 作動流体自体の環境負荷が小さい 可燃性・高圧などの問題 使用するには何らかの工夫が必要だったり、国によっては使用が規制されている場合もある。  これまで空調機器などに広く使われてきたフロンは、塩素を含むことからオゾン層破壊に寄与することがわかり、2020 年までに生産・消費を全廃することが決まっています。  その代替冷媒としては塩素を含まないフロンや二酸化炭素、アンモニアなどの自然作動流体が候補に上がっています。塩素を含まないフロンは日本でエアコンや家庭用冷蔵庫などの範囲ですでに使用され始めていますが、地球温暖化の原因となることがわかっており、京都議定書で規制対象の物質に指定されています。一方自然作動流体は可燃性、高圧などの問題を抱えているため、使用するためにはなんらかの工夫が必要となったり、国によっては使用を規制されたりしますが、環境負荷が小さいことからその将来性が評価され研究が進められています。ドイツでは家庭用冷蔵庫などに実用化が進められています。  このように代替冷媒の問題は、その国と用途にもよりますが、収束しているかのように見えるものもあります。しかし、その冷媒が本当に最適であるかどうかは難しい問題なのです。  そこで、佐藤研究室では以下のような研究を行っています。 ・冷凍倉庫用の冷媒の提案   → 2.冷凍倉庫用冷凍システムのレトロフィット用および次世代冷媒の提案 ・自然作動流体の使用可能性 → 5.自然作動流体利用熱エネルギー変換システムのデザイン 人間活動に伴って排出される温室効果ガスの地球温暖化への寄与率 最適な代替冷媒は???

1.研究背景(2) 地域によって割合に差はあるが、大きな割合を占めている 民生家庭部門用途別CO2発生割合 (1995 年) 暖房 1.研究背景(2)  民生家庭部門用途別CO2発生割合 (1995 年) 暖房 23.7 % 地域によって割合に差はあるが、大きな割合を占めている 動力照明 45.6 %  システムの消費電力はシステム自体の性能や使用する冷媒の性能によって変わってきます。 図は民生家庭部門からのCO2排出を用途別に見たものです。図をみると照明動力についで暖房、給湯、厨房、冷房となっており、暖房、給湯の割合が大きいことがわかります。ここで、暖房からのCO2排出量は地域差が大きく、例えば北海道の暖房消費量は全国平均の3.7倍となっています。つまり、寒冷地においては暖房や給湯のエネルギー消費が大きく、現在のシステムよりも高効率となる可能性があるシステムを考案する必要があることがわかります。  そこで佐藤研究室では 2.寒冷地における空気熱源ヒートポンプによる暖房システムのシミュレーション 3.寒冷地における水熱源ヒートポンプによるロレンツサイクル化暖房システムに関する実験的研究 以上2つの研究より寒冷地における暖房システムおよび最適作動流体に関する研究を行っています。 給湯 21.1 % 厨房 6.2 % 冷房 3.4 %

2.冷凍倉庫用冷凍システムのレトロフィット用および次世代冷媒の提案(1) 冷媒とは? エアコンや冷蔵庫の中を循環して熱を運ぶ役割をするもの 性能によって電力消費量が決まる 今まで使われていた冷媒・・フロン →オゾン層を破壊する 冷媒が活躍する商品 エアコン  保冷車 カーエアコン 漁船 家庭用冷蔵庫 冷凍倉庫 冷蔵ショーケース 2. 冷凍倉庫用冷凍システムのレトロフィット用および次世代冷媒の提案  冷凍サイクル班修士2年の古山です。私の研究について説明します。  冷媒とは何か、ご存知ですか?冷媒とは、エアコンや、冷蔵庫の中を循環して、熱を運ぶ役割をしています。たとえば、エアコンだったら、室内機と室外機の間を循環して、冷房時には室内で吸収した熱を室外に捨て、暖房時には室外で吸収した熱を室内に運びます。  この冷媒の性能によって、エアコンや冷蔵庫の電力消費量が決まるといっても過言ではありません。  その冷媒に、今まで用いてきたフロンに含まれる塩素原子がオゾン層を破壊することが分かりました。すでに、2020年までに生産、消費を全廃することが決まっています。

2.冷凍倉庫用冷凍システムのレトロフィット用および次世代冷媒の提案(2) 代替冷媒の探索 オゾン層を破壊しない 今までの物質に劣らない能力を持つ その他、地球温暖化など環境に対する影響が少ない 冷凍倉庫用冷媒 冷凍食品などを保管する冷凍倉庫 冷凍倉庫は膨大なエネルギーを消費しており、効率の良い代替冷媒を選択することは非常に重要  そこで、今まで使っていたフロンの代わりとなる物質を見つけなければなりません。新しい物質は、オゾン層を破壊しないばかりか、今までの物質と同程度またはそれ以上の性能をもつことが求められます。   我々の研究室では、冷凍倉庫用の冷媒に焦点を当てて研究をしています。近年、冷凍食品の普及等に伴い、低温で食品を流通するシステムが高度化しています。その中で、倉庫内温度が低く、容積が大きい冷凍倉庫の消費するエネルギーは膨大なものであり、冷凍倉庫用の代替冷媒の探索は非常に重要であると言えます。

2.冷凍倉庫用冷凍システムのレトロフィット用および次世代冷媒の提案(3) 冷凍倉庫用冷媒 レトロフィット用 現存の機器を使用する 圧力や温度が以前の冷媒とほとんど同じ 同じ潤滑油が使える 性能が良い etc.  理論計算でこれらの条件に合う冷媒を探し出し、34棟の実験装置と、実際の冷凍倉庫で実機試験を行い、性能を評価する。 次世代用 まったく新しいシステムを作る際に最適な冷媒を提案する  理論計算で性能の良い冷媒を探す。また、実機で使用する上での問題点などを検討する。 本研究では、冷凍倉庫用の代替冷媒を、現在の機器をそのまま使用する場合と、まったく新しい機器を製造する場合の2通りに分けて考えています。 前者については、現在、冷凍倉庫で冷媒としてフロンの一種であるR22という物質が広く用いられています。R22を用いた冷凍倉庫をR22が使用できなくなってからも運転できるように、入れ替えるだけで使用できる冷媒が求められています。この場合、機器はR22に合わせて設計してあるので、新しい物質もその許容範囲内で運転できることや、同じ潤滑油が使えること、そして、性能が良いことなどが求められます。我々は、さまざまな冷媒について理論計算を行い、これらの条件に合う冷媒を探し、34棟にある実験装置と、実際の冷凍倉庫での実機試験を行って性能を確かめています。 後者については、まったく新しい次世代の冷凍機を考えた場合に、冷媒としてどのような物質がふさわしいのかということを提案したいと考えています。

3.The Heat Pump System ( Han ) The Development of a Computer Model to Simulate the Operation of Domestic-scale Co-generation Plant System Incorporating a Heat Pump 3.寒冷地における空気熱源ヒートポンプによる暖房システムのシミュレーション  1997年に京都で開催された気候変動に関する枠組み条約第3回締約国会議(COP3)の協議の結果、二酸化炭素およびメタン、二酸化窒素等の温室効果ガス削減計画が発表された。近年、地球環境問題において、特に地球温暖化の最も大きな原因である温室効果ガスの削減は、我々が直面している最も深刻な問題の一つである。 その中、省エネルギー、低コスト、環境保存に卓越な有効性が認められているコージェネレーションシステムは盛んに研究が行われており、十数年前から市場にも導入されはじめている。その効果としては、電力・ガスの年間使用量の平準化 、夏場の電力ピークカットによる電力不足の問題解決、家庭用冷暖房分野でのエネルギー間競争および需要パターン平準化によりエネルギー価額の低下等が考えられる。

3.Goal of This Study Use energy in efficient (reuse of exhausted gas) Reduce global warming effect gas Wise use of environment energy 研究の目的としては、排気ガスの回収によるエネルギーの有効利用,地球温暖化効果ガスの排出の削減、 さらに自然エネルギーの導入によるシステムの効率の向上がある。 現段階のシミュレーション結果によると、二酸化炭素の排出量を既存のシステムに比べ3割以上削減することが可能であることをはじめ、エネルギー効率の3割増加が可能となることがわかった。この研究により、将来地球環境問題やエネルギー問題等、我々が直面している様々な問題が解決できることを期待している。

3.The Scheme Diagram of Model 本システムは、ガスエンジンの駆動力で発電機を稼動させると同時に、そのとき発生する排気ガスおよび冷却水の熱を回収することで暖房または給湯として供給する。また、発電された電力を照明や家電製品の動力として利用したり、ヒートポンプを駆動させたりすることも可能となる。 さらに、様々な気象条件にも適応可能なシステムを考えている。例えば、札幌のように暖房と給湯の需要がエネルギー需要の約6割を占めている寒冷地でも稼動できるシステムを提案することにより、熱需要の大きい寒冷地でのより効率的なエネルギー利用がどの程度可能になるかシミュレーションしている。

4.寒冷地における水熱源ヒートポンプによるロレンツサイクル化暖房システムに関する実験的研究(1) 研究背景 冷暖房民生用エネルギー消費の増加 二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスによる地球温暖化 寒冷地では床暖房が広く使用され始めている 4. 寒冷地における水熱源ヒートポンプによるロレンツサイクル化暖房システムに関する実験的研究 背景(2)に書いたように暖房、給湯の需要は大きくなっており、それに伴って二酸化炭素の排出量も大きくなっています。特に寒冷地では暖房によるエネルギー消費量の割合が大きくなっています。 そのためエネルギーを有効活用することで暖房システムの効率を向上させることが必要になっています。  空調暖房システムの効率を向上させることにより、エネルギーを有効活用し、二酸化炭素排出を削減することは重要である。

4.寒冷地における水熱源ヒートポンプによるロレンツサイクル化暖房システムに関する実験的研究(2) 非共沸混合冷媒とは? 純粋冷媒 蒸発過程、凝縮過程で温度は一定 非共沸混合冷媒  純粋冷媒では、蒸発過程と凝縮過程で温度は一定で、二次流体を用いると、二次流体と冷媒の間に大きな温度差が起こる。一方、非共沸混合冷媒の場合は二次流体と冷媒の間の温度差が小さく一定なので、エクセルギーの観点から見ると温度差が大きい熱交換に比べて、有効エネルギーの損失が小さくなる。そのため非共沸混合冷媒の、熱交換器内の相変化過程において、温度勾配を持つ性質を利用することにより、ヒートポンプの効率向上が見込める。 蒸発過程、凝縮過程で温度勾配ができる

4.寒冷地における水熱源ヒートポンプによるロレンツサイクル化暖房システムに関する実験的研究(3) 非共沸混合冷媒は熱交換器での相変化過程で温度が変化する。 この性質を利用することによりロレンツサイクル化でき、効率を向上できる可能性がある 寒冷地の特定の環境条件を考え、ガスエンジンの廃熱の利用または太陽熱の利用を視野に入れ、熱源温度を改善する。 実機試験でロレンツサイクル化のための最も効率のよい冷媒を提案する  非共沸冷媒を作動流体として用いることによってヒートポンプシステムの高性能化を図る方法に注目している。ヒートポンプサイクルに純粋冷媒を使うと、二次流体と冷媒の間に大きな温度差が発生します。非共沸混合物の場合は、等圧下における熱交換過程において生じる温度勾配を生かせば、その一定の温度差で熱交換することができます。これによって、COPおよび冷凍能力を向上することが可能です。また、本研究では寒冷地の特定の環境条件を考え、ガスエンジンの廃熱の利用または太陽熱の利用を視野に入れることで熱源温度を上昇させて効率を上げることも考えています。  

5.自然作動流体利用熱エネルギー変換システムのデザイン(1) 自然作動流体 ・・・  アンモニア、二酸化炭素、炭化水素、水、空気など オゾン層を破壊しない 地球温暖化など環境への影響が小さい 5. 自然作動流体利用熱エネルギー変換システムのデザイン  サイクル班修士1年の坂東です。私の研究について説明します。  研究背景の(1)に書いたように自然作動流体は塩素を含んだフロンの代替冷媒の候補として注目されています。可燃性、高圧などの問題はあり、国によって使用できる範囲が異なりますが、自然界に存在するものなので作動流体のコストは安価であり、また環境負荷が小さいことから研究や実用化が進められています。  自然作動流体は冷媒自体の環境負荷は小さく環境に優しいように思われますが、実際に空調機器などに冷媒として使用した場合、フロン系冷媒と比べて効率が低くなってしまうと、結局は電力消費が大きくなり、機器から排出する二酸化炭素量が多くなってしまうことから地球温暖化につながってしまうことも考えられます。自然作動流体をどのような用途で使えば環境負荷を少なくできるのか、明らかにする必要があります。 そこで、熱エネルギー変換システムに自然作動流体を利用できる可能性があるか、検討しています。 環境に優しい?? 実際に使用した場合、効率が低くなってしまうと結局は電力消費が大きくなってしまって、機器からの二酸化炭素排出量が多くなってしまう。

5.自然作動流体利用熱エネルギー変換システムのデザイン(2) 現在検討している熱エネルギー変換システム 排熱利用 自然作動流体(二酸化炭素、炭化水素)を媒体とするシステム ごみ焼却所、ガスタービンなどの排熱を利用できるシステム  現在、発電所においては水を作動流体としているものが多くみられ、様々なシステムを組み合わせる複合化により高効率をめざしています。そこで水以外の有機物を作動流体として高効率なシステムをめざすものも多々考案されています。アンモニアと水の混合物や、フロンなどを作動流体とするものが主にあげられます。  また、ごみ焼却場や変電所、ガスタービンなどの排熱はそのまま大気に排出、冷却されている例が見られ、中低温の排熱を有効利用できるシステムが研究されています。  そこで、作動流体としては有機物である二酸化炭素や炭化水素などの自然作動流体で、熱源としては比較的温度が低い排熱まで効率よく利用できるシステムについての実用可能性の検討を行っています。  また将来的には自然冷媒の他の用途での利用可能性に関する検討も行っていくつもりです。 サイクルの温度-エントロピー(T-s)線図