地球惑星科学II 気候変動と地球温暖化(2/3)

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地球惑星科学II 気候変動と地球温暖化(2/3) 北海道大学・環境科学院 藤原正智 http://wwwoa.ees.hokudai.ac.jp/~fuji/

気候変動と地球温暖化(2/3) 地球温暖化:1.気温上昇? 地球温暖化:2.温室効果ガスの変化? 地球温暖化:3.人間による“気候改変”? 地球温暖化:4.将来予測(projection) IPCC

(復習)地球の気候を決める 基本定数および物理・化学過程 太陽定数(太陽表面温度、地球・太陽間距離(地球公転軌道)) 地球公転速度、地球自転軸と公転面の傾き(“地球軌道要素”) 地球半径・質量、自転速度  重力とコリオリ力(転向力) 大気総量、大気組成(温室効果気体、エアロゾル、雲) 気温気圧分布(大気安定度)、水蒸気量(潜熱)、粘性(乱流) 地表面状態(海陸、植生、雪氷等の分布                    放射的、熱的、力学的特性) 大気海洋相互作用、大気陸面(生物圏含む)相互作用、   大気雪氷相互作用、海氷海洋相互作用 海洋深層循環(熱塩循環) 火山噴火、隕石衝突…

(復習)地球大気・地表系のエネルギー収支 ・短波放射エネルギーのうち:   3割:雲・大気・地表面により宇宙へ反射(“散乱”)   2割:大気(微量)成分( O3、H2O、雲、塵・ダスト・エアロゾル)により吸収(大気を加熱)   5割:地表面に到達し地表面を加熱する ・大気微量成分( H2O、CO2、O3、CH4、N2O、フロンなど)や雲やエアロゾル:   赤外線を吸収・射出する性質(温室効果=赤外線閉じ込め効果)を持つ    大気からの下向き長波放射も地表面を加熱(短波放射の2倍の加熱量!)    地表温は大気がない場合よりも昇温している(-20℃  +15℃) (地学図表、浜島書店)

地球温暖化:1.気温上昇? 1915以前はトレンドなし 20世紀初頭は、 太陽変動・火山・自然変動 1940~1970はWWII後の 産業活動活発化 1970半ば以降、温室効果 ガス増加の効果 100年で0.74℃の昇温! =“地球温暖化” (すでに始まっている. . . 今後どうなるのか. . . ) [IPCC Fourth Assessment Report (AR4), Climate Change 2007, Working Group I Report "The Physical Science Basis“]

最近の地表・対流圏・下部成層圏の気温トレンド T4: 100~70 hPa中心で300~10 hPa T2: 1000~300 hPaが主、300~100 hPaも多少あり (人工衛星による気温観測の事情による) 成層圏の気温低下は、「太陽活動による影響」説を 否定し、「温室効果ガス増加による温暖化」説を支持する [IPCC Fourth Assessment Report (AR4), Climate Change 2007, Working Group I Report "The Physical Science Basis“]

海表温(SST)と海面水位 Fig. 3.4: Annual Anomalies of Global SST (TAR=Third Assessment 2001) 全球平均の海面水位の上昇を もたらす主たる要素: (1) 海水の熱膨張 (2) 氷床や氷河等の融解や   湖沼等の人為的・自然変動 (海氷の融解は寄与しない) [IPCC Fourth Assessment Report (AR4), Climate Change 2007, Working Group I Report "The Physical Science Basis“]

日本では? [近藤洋輝、地球温暖化予測が分かる本、成山堂書店]  地表気温:世界全体と傾向はほぼ同じだが温暖化の大きさは2倍近い   真冬日(最高気温<0℃)・冬日(最低気温<0℃)の日数が減少  降水量の変動                                     最高気温35℃以上の日数(伏木:富山、境:鳥取)はやや増加                  (一般に、積雪・氷床・海氷の変化の影響を受ける高緯度大陸域で温暖化が強くなる傾向があると考えられるが…)

地球温暖化:2.温室効果ガスの変化?  人間活動による温室効果ガスの増加 ★18世紀後半の産業革命以降、急増 CO2:産業革命以降3割増大     化石燃料燃焼+セメント生産による排出     +土地利用変化(森林破壊等) CH4:産業革命以降2.5倍増大     湿地等・人間活動(農業・畜産、天然ガス、     ごみ埋立) N2O:産業革命以降2割弱増大     土壌微生物(特に熱帯)、海洋、燃焼、肥料  人間活動による温室効果ガスの増加  CO2増分は確かに人為起源なのか? ・炭素同位体比13C/12C(化石燃料燃焼や森林破壊   によるCO2は、大気CO2より同位体比小さい。)   確かに継続的に低下(測定は1980年以降) ・大気O2(植物の呼吸・光合成でCO2と逆の変動。   燃焼時に消費されて減少。)   確かに継続的に減少(測定は1990年以降)     (大気CO2増より大きいO2減海がCO2を吸収) (IPCC AR4, Chapter 2.3.1) 南極・グリンランドの氷床コア等の分析+最近数10年の直接測定 [近藤、地球温暖化予測が分かる本]

地球温暖化:2.温室効果ガスの変化? 対流圏オゾンは増大正の放射強制力(+0.35W/m2) [秋元肇他、対流圏大気の化学と地球環境、学会出版センター] 対流圏オゾンは増大正の放射強制力(+0.35W/m2) (CO2、CH4に続いて三番目に重要な温暖化分子。  フロン等有機ハロゲン化合物群と同程度の放射強制力) メタン等炭化水素類、窒素酸化物等の汚染物質の 光化学反応により生成。いわゆる大気汚染物質のひとつ。 [A. Dessler, The Chemistry and Physics of Stratospheric Ozone, Academic Press] 成層圏オゾンは高度により異なるが中高緯度で減少 放射強制力は(ごく小さい)負 (対流圏への太陽放射量増大<赤外放射量減少)

地球温暖化:2.温室効果ガスの変化? エアロゾル(aerosol)粒子 エアロゾル粒子=大気中の微粒子(直径1nm~1μm) 組成・起源は様々: 土壌粒子(鉱物、有機物)、海塩粒子、火山粒子、汚染粒子等々(硫酸塩、硝酸塩、有機炭素、アンモニア等々) 気象・気候に様々な役割を持つ: 雲の凝結核(水蒸気のみでは1μmの水滴(最小の雲粒)でも生成しにくい) 組成により、短波放射を散乱、または、吸収 温室効果あり(熱放射を出す) エアロゾル粒子の「間接効果」(雲粒子形成過程を通して気候に間接的に影響) エアロゾル粒子が増えると、雲粒子は小さくなり数が増える     表面積が大きくなり短波放射をより多く散乱(地球冷却) 重力落下しにくくなり雲の寿命延びる(どの高さの雲?)

地球温暖化:2.温室効果ガスの変化? エアロゾル(aerosol)粒子 人為起源: 化石燃料燃焼、二酸化硫黄、バイオマス燃焼。産業革命後急増。(各地域の大気汚染対策に強く依存。cf. 第二次世界大戦後数十年間の地表気温停滞) 自然起源: 砂塵あらし(サハラ砂漠、黄砂など)、火山噴火など。 エアロゾル粒子の“直接効果”: 太陽放射および地球放射の散乱/吸収  正味では負の放射強制力と見積もられているが不確さが大きく、さらなる研究が必要。 エアロゾル粒子の“間接効果”: 雲を通した効果。雲粒の大きさと数におよぼす影響、および、雲の寿命におよぼす影響  負と見積もられているがさらに不確かさが大きい。 (図中のバー:上2μm、下0.4μm) [小倉、一般気象学]

地球温暖化:3.人間による“気候改変”? 1/5 ☆ 地球が“温暖化”しているのは事実である(全球平均で100年に+0.74℃) ☆ 温室効果気体(CO2、CH4、N2O、対流圏O3、有機ハロゲン化合物など)が、    産業革命以降、主として人間活動によって増加しているのも事実である ★ では、この温室効果気体の増加が、地球温暖化の“原因”であると    本当に言える? ★ 反論1:    地球温暖化は、気候システムの持つ内的変動の範囲内なのではないか? ★ 反論2:    地球温暖化は、自然起源の外的変化要因(太陽活動の変動、火山噴火)    によるものではないか? ☆ 地球の“気候システム”の変動をになう物理的・化学的過程はたくさんあり、    複雑に絡み合っている     “因果関係”をたしかめるには、“実験”をするしか方法はない

地球温暖化:3.人間による“気候改変”? 2/5 ★ どのようにして“実験”をするのか? “気候モデル”を用いた“数値実験” ★ 地球温暖化問題に用いられる“気候モデル”とは?   GCM(General Circulation Model, Global Climate Model)に、温室効果 ガスやエアロゾル粒子や雲に伴う詳しい放射過程を導入。最近では海洋、陸面 (土壌や植物の温度・水分、積雪の量・温度)の物理過程も予報し大気と結合。   気候変動に関わる外的要因(太陽活動、火山噴火、温室効果ガス変化など)   を外的条件として与えて計算。 ★ 天気予報(forecast)と気候再現・気候予測(predictionではなくprojection)    天気予報: ある日ある時ある場所の天気(晴れ・くもり・雨など)を      ぴったり当てようとする(初期条件が非常に大事)    気候再現・気候予測: 過去/将来のある時期の“天気の傾向”(=“気候”)                    を扱う(境界条件・外的条件が非常に大事) ★ 地球温暖化の原因の特定、および、将来の気候予測   世界の20以上の“気候モデル”を用いた“数値実験”によっている。   外的条件(自然起源、人間活動起源)を変えることで、原因を特定する。   異なるモデルは異なる結果を示すが、おおよそ同様な傾向を示している。 

地球温暖化:3.人間による“気候改変”? 3/5 ★反論1:地球温暖化は、気候システムの持つ内的変動の範囲内なのではないか?    気候モデルに、自然起源・人為起源の外的な変化要因(太陽活動変化、火山噴火、     温室効果物質変化など)を与えないで、1000年間計算する。     (“Control Simulation Experiment”と呼ぶ。)    年々、10年程度の“変動”は示すが、20世紀の100年間に見られたような     大きな“変化傾向”は示さない    つまり、20世紀の温暖化は     (気候モデルが正しければ)     内的変動の範囲「外」である ・ハドレー:英国ハドレーセンターの気候モデル ・GFDL:米国地球流体力学研究所の 気候モデル ・ハンブルグ:ドイツ・マックスプランク研究所の [近藤、地球温暖化予測が分かる本]

地球温暖化:3.人間による“気候改変”? 4/5 ★反論2:地球温暖化は、自然起源の外的変化要因(太陽、火山)によるものではないか?    気候モデルを用いて次の2種類の気候再現実験を行う     (1)自然起源の放射強制力(太陽活動変動、火山噴火など)だけを考慮する     (2)自然起源と人間活動起源(温室効果気体・エアロゾルの増大)の両方を考慮する [IPCC, Climate Change 2007, Cambridge]    自然起源だけでは特に20世紀後半の昇温が再現できない     人間活動起源も考慮すると、観測を大変よく再現     (同時に、気候モデルが過去の気候変化をよく再現する能力があることも示せた)

地球温暖化:3.人間による“気候改変”? 5/5 ★結論   以上の、最新の気候モデルを用いた注意深い数値実験により、 20世紀の温暖化は、人間活動起源の温室効果気体の増加の効果が、 自然起源の効果(や人間活動起源エアロゾル増加の効果)を上回った結果である   ことが、示された。   さらに、最新の気候モデルが20世紀の気候変化を再現できること、従って、   将来の気候変化を推定(projection)する能力があることも、示された。 [IPCC, Climate Change 2007, Cambridge] 1950年前後の低下: 第二次大戦後の産業発展・大気汚染激化太陽放射の入射量減少 

過去再現実験(詳細) 各10年について それ以前の30年 の平均に比べて どれだけ昇温? “hindcast” (ハインドキャスト) 過去の放射強制を モデルに与えて、 過去の気温を再現させる [IPCC Fourth Assessment Report (AR4), Climate Change 2007, Working Group I Report "The Physical Science Basis“]

地球温暖化:4.将来予測(projection) [江守正多、地球温暖化の予測は「正しい」か?不確かな未来に科学が挑む、 化学同人] [近藤、地球温暖化予測が分かる本] 将来“予測”をするためには、将来の社会経済の状態を予測(“projection”)し、つまり、 人口、経済活動(GDP)、エネルギー需要、技術発展の速さ、農地などの土地利用等々を予測し、 その上で、温室効果ガスやエアロゾルの排出量の変化を予測して、気候モデルに与える必要がある。 上図のように2つの軸を考え、合計6つの異なる“社会経済シナリオ”を設定。 IPCC, Special Report on Emissions Scenarios (SRES), 2000 による。 (“A1”がさらに3つ、化石燃料依存、新エネルギー主、中間、に分けられている。) なお、太陽活動は一定、火山噴火は一切起こらないと仮定していることに注意。

地球温暖化:4.将来予測(projection) 地表気温の上昇量 降水量の増分 [IPCC Fourth Assessment Report (AR4), Climate Change 2007, Working Group I Report "The Physical Science Basis“]

地球温暖化:4.将来予測(projection) 注: ・ “Constant composition commitment”とは、温暖化ガス濃度を2000年のレベルに固定して、2100年まで計算 ・ A1BとB1については、2100年~2200年/2300年の期間、2100年のレベルに固定して計算  どうして昇温が続く?  主に、海洋の熱慣性が温暖化の顕在化を遅らせているため(Chapter 10.7) [IPCC Fourth Assessment Report (AR4), Climate Change 2007, Working Group I Report "The Physical Science Basis“]

最新(2007年度版)の将来予測 全球地表気温の上昇(100年後): 2.4~6.4℃(A1F1)、 1.7~4.4℃(A1B)、1.1~2.9℃(B1)(確率66%) 海洋の熱塩循環が弱まる(グリーンランドと南極の周りでの沈み込みが弱まる) 北半球高緯度地域の冬で、雪や氷が減り、気温上昇が大きくなる 降水量は地球全体では増加(水蒸気量増加するため)。中高緯度で特に増加。熱帯太平洋はおおむね増加、ただし、熱帯の陸域ではモデルにより違いが大きい。亜熱帯では減少(ハドレー循環の強化、傾圧帯がより高緯度へシフト)。 “異常気象”(定義は、“30年に一度の現象”): 異常に暑い夏が増え、異常に寒い冬が減る 大雨・豪雨が増える(平均的には降水量が減るような地域でも) 異常な乾燥、旱魃が増える地域が出てくる 日本では: オホーツク海付近が高圧傾向となり、熱帯太平洋はエルニーニョ的となり、長梅雨・冷夏になることが多くなる(とはいえ、平均すれば昇温) 台風(ハリケーンやサイクロンも含めて)の発生数は減るが(熱帯では大気上層がより温まり安定化するため)、強いものの数は増える(水蒸気量増加するため) 海面上昇は、むこう100年で18~59 cm(過去100年で17 cm)(ただし、南極氷床の理解不十分) [江守正多、地球温暖化の予測は「正しい」か?不確かな未来に科学が挑む、化学同人]

IPCC (Intergovernmental Panel on Climate Change) (気候変動に関する政府間パネル) 1988年、世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)のもとに設立 第一作業部会: 気候変化の科学的根拠、全球・地域別の気候変化予測 第二作業部会: 生態系、社会経済等への影響、適応性や脆弱性の評価 第三作業部会: 気候変化緩和策(対応戦略)に関する科学技術、環境、              社会経済それぞれの面からの評価; 排出シナリオなど 第一次評価報告書(1990):   「人間活動による温室効果気体による気候変化の可能性を警告」 第二次評価報告書(1995):   「観測によると、人間活動の影響が全球の気候に現れている」 第三次評価報告書(2001):   「地球温暖化の原因は人間活動である可能性が高い」 第四次評価報告書(2007):   「温暖化は疑う余地がない。その原因は人間活動である(とほぼ断定)」 「20世紀末に比べて21世紀末には平均気温1.8~4.0℃上昇、    海面水位18~59cm上昇。 また、台風が強まり、積雪面積や海氷は縮小」

なぜ地球温暖化に「対策」が必要なのだろう? オゾン層破壊対策の経緯を振り返ってみると: 科学的理解社会合意・国際合意対策開始(1987)効果(2000~2010頃最悪、2040~2070頃元に戻るはず) 社会の理解・合意には時間が必要; 気候システムには慣性がある(フロンの大気中での寿命) 本当に悪い状況になってからでは遅すぎる 科学的に不確かな点があっても、環境に重大かつ不可逆な影響を及ぼす恐れがある場合には、規制措置等の対策をとる: 「予防原則」という考え方 地球温暖化 エネルギー消費等、現代文明・現代社会のシステムの根幹に関わる問題 昇温は「産業革命前を基準に2℃」に抑えることが望ましい、としばしば言われる: 現代文明システムの維持とそのコストという観点からの合意(あるいは、ひとつのスローガン) (日本1億3000万人:先進国、少子高齢・人口減少 世界70億人の視点で考える必要あり…日本の生活レベルを目指している人々が数十億人いる)

IPCC第二作業部会(生態系、社会経済等への影響、適応性や脆弱性の評価)による。 http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th_rep.html http://www.ipcc.ch/

気候変動と地球温暖化(2/3) 地球温暖化:1.気温上昇? 地球温暖化:2.温室効果ガスの変化? 地球温暖化:3.人間による“気候改変”? 地球温暖化:4.将来予測(projection) IPCC <参考図書等> ・「地球惑星科学入門」北海道大学出版会 第29章など ・「地学図表」 浜島書店 ・江守正多 「地球温暖化の予測は「正しい」か?不確かな未来に科学が挑む」 化学同人 ・IPCC Fourth Assessment Report (AR4), Climate Change 2007, Working Group I Report "The Physical Science Basis“ Cambridge U. Press  (IPCC AR4の和文要約等が http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th_rep.html  にあります。) ・近藤洋輝 「地球温暖化予測がわかる本-スーパーコンピュータの挑戦」 成山堂書店 ・ワート「温暖化の<発見>とは何か」 みすず書房 ・米本昌平 「地球環境問題とは何か」 岩波新書

前回の補足: 地質時代の気候変動(氷期・間氷期) 前回の補足: 地質時代の気候変動(氷期・間氷期) [気温(δD、δ18O)とCO2濃度との関係について] ・両者は氷期・間氷期の時間スケールでよく対応した変動を示している。 ・この二酸化炭素変動は、人為起源ではない(人類は存在したが気候に影響を与えるようなことはなかった)。自然変動である。(つまり「いわゆる地球温暖化」とはメカニズムが異なる。) ・地球軌道要素の変動(地軸の傾き:~4万年周期、離心率:40万年・10万年周期、その他) 太陽放射の入射量の年平均値・季節分布・緯度分布の変動 ・ミランコビッチの理論: 氷期は北緯65度の夏の太陽放射量の極小により開始。(積雪が夏を越せるようになり氷河が発達。) ・氷床コアデータの詳細な分析によると、気温が上がって数百年してからCO2濃度が上昇している。 ・気温変動によりCO2濃度が変動するメカニズム(特に、氷期にCO2濃度が低い理由)はまだ確定していないが、海洋(特に南大洋)が鍵であると考えられている。海洋循環、海洋生物活動、海底堆積物、海水の化学、大気海洋間の交換が絡んでいるはずである。寄与度の定量化、メカニズムの確定は今後の課題である。 ・ただし、温室効果による気温へのフィードバックは変動に大きく寄与している。(気温変動を増幅している。) (単位:千年)  [IPCC Fourth Assessment Report (AR4), Climate Change 2007, Working Group I Report "The Physical Science Basis“] ちなみに、人類史は: 700万年前: アフリカで人類が誕生。チンパンジーと分化。          (直立二足歩行、犬歯の縮小) 250万年前: 石器の作製、脳の大型化開始 (この間、体毛の喪失、火の使用)  20万年前: アフリカで新人(ホモ・サピエンス)誕生。シナイ半島          を通り、各地へ拡散。多様化。(言語の使用、芸術) 1.2万年前: (最終氷期終了) 農耕の発明。 5000年前:  四大文明 400年前: 産業革命。工業と科学の発明。 気候改変・大量絶滅